電車にペットを持ち込む際のルール


 ある日曜日の昼下がり。空いている電車の中で、私は向かい側の席に座る御腐人の膝の上のトートバックがなにやら動いているのに気がついた。「なんじゃこりゃ?」と不思議に思い見つめていると、カバンの口からはマルチーズが首を出してきて、大きな声で「わん!わん!」。乗客はみんな気がついた。日曜ということで乗客の中には親子連れも多い。子供が目ざとくこのマルチーズを見つけ、「わー! かわいい!」と叫ぶ。一部の大人の冷ややかな目は無視して、この御腐人は、犬をカバンから出して、「かわいいでしょ」と言い、子供たちに触らせて、御満悦。

 こういった光景をよく目にするようになりました。ところで、電車に犬を連れ込んで良いのでしょうか? ペットは「手回り品」という範疇に分類されますが、手回り品の電車内持込にはルールがあります。一度きちんと覚えておこうと考え、鉄道会社のHPを調べてみました。

 一番詳しく説明しているのがJRでした。下記に転載します。なお、「307条 手回り品・・・・」という条文は、JRで定める「旅客営業規則」というもので、これが根拠になっています。



〈持ち込めない荷物〉
危険品、暖炉・コンロ、動物、死体、不潔なもの、臭気を発するもの、他のお客さまに危害を及ぼすおそれのあるもの、車内などを破損するおそれのあるものなどは車船内への持ち込みはできません。
第307条 手回り品および持込禁制品
〈持ち込める荷物〉
携帯できる荷物で、タテ・ヨコ・高さの合計が250センチ(長さは2メートルまで)以内で、重さが30キロ以内のものを2個まで持ち込むことができます。
第307条 手回り品および持込禁制品
無料のもの
旅行鞄、スーツケース、スポーツ用品(サーフボードは専用の袋に収納したもの)、楽器、娯楽用品、玩具、その他携帯できる荷物
スポーツ用品、楽器、娯楽用品などは、長さの制限を超える場合であっても、車内で立てて携帯できるものは持ち込むことができます(専用の袋、ケースなどに収納するようにしてください)。
サイクリングやスポーツ大会などに使用する自転車は、解体し専用の袋に収納したものまたは、折りたたみ式自転車においては折りたたんで専用の袋に収納したもの
身体障害者補助犬法に定める盲導犬、介助犬、聴導犬を使用者本人が随伴する場合。ただし、法に定める表示等を行っている場合に限ります。
車イスで、長さ・高さが120センチ以内で、幅が70センチ以内のもの
第308条 無料手回り品
有料のもの
競輪選手が使用する競技用自転車であって、解体して専用の袋に収納し携帯するもの
小犬、猫、鳩またはこれらに類する小動物(猛獣やへびの類を除く)で、
長さ70センチ以内で、タテ・ヨコ・高さの合計が90センチ程度のケースにいれたもの
ケースと動物を合わせた重さが10キロ以内のもの
手回り品料金は、1個につき270円です。ご乗車になる駅の改札口などで荷物をお見せのうえ、普通手回り品きっぷをお求めください。
第309条 有料手回り品及び普通手回り品料金
(お願い)
手回り品の持込みや保管は、お客さまご自身でお願いいたします。
特に、大きな荷物などを持ち込まれる場合は、時間帯によっては他のお客さまのご迷惑となることがありますので、細心のご注意を持ってお取扱われるよう、ご協力をお願いいたします。
また安全のため、車内の網だなには重量のある荷物や不安定な形状の荷物はお載せにならないようお願いいたします。

※補足(電話でJRに聞きました):「普通手回り品切符」は、”誰でもが容易に確認できるように”、ケージの表面に切符を貼り付けておかなければなりません。ケースというのは呼吸のための通気は可能だとしても、密閉できる形状のもののことで、犬が顔を出せるようなものはNGです。
※身体障害者補助犬法で認定された身体障害者補助犬(盲導犬・介助犬・聴導犬)は、全社で乗車可能&持込無料です。

 上記を読むと、「基本的には動物は持ち込み禁止であるが、小さなものでケースに入れられるもののみ許可する」、という感じです。ただ、今流行のヘビはだめでした。

 他の私鉄に関しても、上記規定はほとんど同じです。大きく異なるのは料金で、JR・京成・阪急・近鉄・阪神などは有料(270円 JRは窓口で購入、阪急は券売機で購入可能)で、京浜急行・東武・小田急などは無料です。(関西はみんな有料なのは風土のせい?)

 ちょっと気になったのは京浜急行と阪神です。他社では「小犬」と書いてあるのが「子犬」となっています。字の間違いなのかもしれませんが、「子犬しかだめ」だとすると、チワワなどの超小型犬であっても、成犬はダメということになり、綱吉さんが猛抗議しそうです。ただし、両社は、
(1)長さ70センチメートル以内,幅および高さの和が90センチメートル程度の容器に収納したものでかつ,他の旅客に危害をおよぼし,または迷惑をかけるおそれがないと認められるもの。
(2)容器に収納した重量が10キログラム以内のもの。  

と、「他の客への迷惑」という言葉が入っていて、良心的な規則です。(近鉄も入っています。危害と迷惑は微妙に違います。犬が苦手な人にとっては、犬が車内にいるだけで迷惑ですから、規則を盾に「乗せるな」と主張できます)

 それから、京成では、末尾に、「いずれの手回り品につきましても、混雑している列車については持ち込みをお断りすることがあります。」と記載されています。


 バスまでは調べ切れませんでしたが、京浜急行バスでは下記の記載がありました。

 
ペットを車内にお持ち込みの場合、必ず持ち運び専用のカゴに入れてご利用ください。この場合、別途料金は必要ありませんが、ペット用のカゴが座席を占有することはできません。他のお客様のご迷惑にならないような範囲でのペット同伴をお願いいたします。他のお客様へのご迷惑、または運行の支障になると係員が判断した場合は、やむを得ずご乗車をお断りする場合がございますので、あらかじめご了承ください。なお、高速バスにつきましては、長時間および夜間運行のためペットのお持ち込みはお断りしております。

 大きさの細かな規定がありません。高速バスを禁止にしているのは助かります。犬は吠えなくても臭気も迷惑ですから。

 最後にJRからのアドバイス。

 
「車内で上記規則に違反してペットを持ち込んでいる人を見つけたときは、ご自身で注意をするということはしないでください。今は、注意をしただけでキレて暴力沙汰になることも多いため、必ず車掌か駅職員に通報してください」とのことです。さすがJR職員、綱吉の凶暴性をよく御存知です。


 ところで、実際に犬猫を車内に持ち込む際に使用する「ケース」「ケージ」「キャリーバッグ」ですが、ホームセンターのペット用品売り場に行くと山のように売っています。さきほど見に行ってきましたが、年末(今は05/12)ということもあり、店内には「わが子といっしょに帰省しよう」というポップ広告が貼ってありました。

 ペットブームで急成長を続ける企業「アイリスオーヤマ」で主力商品として販売しているケースの3辺の合計は、92センチで、「90センチ程度」をクリアしています。”程度”というのを「少し、オーバーしても構わない」と解釈するところがペット産業らしいです。
 ちょっと気になったのは、ミニチュアダックス専用のキャリーバッグです。体型に合わせた細長い形で、ミニダックスを入れやすいよう構造になっています。しかし、密閉されるようにはなっていなくて、顔をバッグの外に出すような構造に最初からなっています。こんなバッグで、「専用キャリーバッグに入れたんだからいいのよ」と無理矢理電車に乗ってくる御腐人がいそうで怖いです。

 キャリーバッグの売り場には上記の規則を貼って説明して欲しいです。(でも、逆に、「知らなかった。東武は無料なんだ。次から乗せよう」なんて人を目覚めさせちゃうかな?)

◎以前JRの駅で実際に見たことがあるのですが、「この子はわが子なんだから、子供用料金を払うわよ」と駅員に主張する御腐人がいました。奥さん、犬は人間じゃなくて手回り品です。子供料金の70円じゃなくて270円均一です。我が子のことにケチんないでね。
 


 というわけで、「規則を守れば持ち込める」というのが現実です。しかし、当NPOの意見としては当然ながら「全面禁止」(補助犬を除く)です。

 ちなみに、私、花粉症でして、3月の卒業・送別会シーズンになると、車内に大きな花束を持ち込む人がいて、この花粉に困っています。百合なんか隣に来た時には、つらいつらい、グスグスです。杉だけが花粉症じゃないんですが、なかなか理解してもらえなくて。
 植物も持ち込み禁止にして下さい。切実なお願いです。