■■花粉症■■

もし愛犬や愛猫が、季節によって皮膚を痒がったり、外耳炎がひどくなったり、あるいは鼻水や涙を流していたら、それは花粉症かもしれません。最近犬や猫の花粉症が認められるようになり、その数も結構多いということが言われています。人の花粉症の症状がくしゃみや鼻水、咳、皮膚炎、下痢などであるのに対し、犬や猫では主に皮膚に症状がでるとされ、皮膚の痒みや発赤、外耳炎などがみられます。ここでは簡単にスギ花粉などによるアレルギーを花粉症と呼んでいます。

 

■■症状■■

前述したように、主な症状は皮膚症状です。皮膚が赤い、皮膚を痒がるあるいは痒がることにより毛が抜けてしまうなど、ほかのアレルギー性皮膚炎・アトピー性皮膚炎と症状は変わりません。ただ、おそらく花粉症の場合は季節性があると思われ、スギ花粉であれば人と同じように2月頃から始まり5月か6月頃まで続く皮膚炎となるでしょう。また中には涙や鼻水を流す子もいるかもしれません。新聞にも掲載されたことがあるようですが、やはり主流は皮膚症状のようです。

 

■■検査■■

花粉症は当然、厳密なアレルギー検査をしなくては診断がつきません。獣医師の判断でアレルギ−検査をすることになり、結果 をみてみたら花粉だった、ということでしか診断することはできません。ただし、猫のアレルギー検査は困難で、花粉症であると断定できることはまずないと思って下さい。検査は血液検査、皮内反応など人のアレルギー検査と同じですが費用もかかります。ほとんど確信的にアレルギーを疑った場合しか、検査を勧められないかもしれません。

 

■■治療■■

花粉症のコントロールは人でも非常に難しいものです。必ずしも根本的な治療ばかりでなく、費用の関係からも対症療法が多くとられていると思われます。

 

抗ヒスタミン剤・ステロイド剤

犬の場合人とは違い、痒みの原因物質はヒスタミンではないと言われ、人でよく使われている抗ヒスタミン剤は効果 のないことも少なくありません。抗ヒスタミン剤に反応したなら、体のためにはラッキーと考えていいでしょう(費用はかかるかもしれません)。 したがって最も使用されるのはステロイド剤なのですが、ステロイドは副腎皮質ホルモンといって、 本来自分の体の副腎から分泌されています。長期間ステロイド剤を使用をすると、自分の副腎がなまけてしまい、 自分ではステロイドを作らなくなってしまいます。そうするとステロイゴ剤をやめることができなくなる、 あるいはやめるのに時間を要するので、なるべくなら短期間の使用にしたいのです。 花粉症のように季節性があるアレルギー性疾患の場合、その季節だけ用いればいいと考えられ、 比較的ステロイドが使用しやすい病気です。おそらくよほど重症でなければ、減感作療法は用いられないでしょう。

 

減感作療法

犬の場合はアレルギー検査で花粉やハウスダストマイトなどとわかった場合、減感作療法が行われることがあります。花粉症など季節性のもののほうが治療結果 がよいようですが、この治療方法は長期間かかることと費用も労力もかかることから、重度で痒み止めなどの内服薬が効きにくい場合に考えるべきだと言われています。減感作療法には色々な方法があるようですが、基本的にはある期間(1ヵ月ぐらい)抗原の量 を増やしながら何日かおきに体に投与し、その後投与する間隔を伸ばしていきます。 最終的には20日おきに1回ぐらいの投与にもっていって、それを1、2年続け、 可能であればそれで終了するようですが、多くは終了後1年ぐらいで再発するそうで、 季節性のないハウスダストマイトなどの抗原に対しては、 1ヵ月に1回の投与を一生涯続ける例も少なくないようです。 この投与間隔は手法によりそれぞれ異なるようですが、 いずれにしても長い治療期間を必要とします。また、 強い副作用があらわれることもありますし、一時的に症状がひどくなることもあります。

 

■■まとめ■■

花粉症はどの種類の犬あるいは猫がおこしやすいか、といったような犬種などによる差はないようです。飼い主さんは、犬猫の花粉症は主に皮膚に症状がみられるということを知っておいて下さい。花粉症のコントロールはおそらくほとんどは内服薬で行われると思われ、減感作療法は極めて一部の人のみ行うものかもしれません。けれど、体のためにどちらがいいかと問われたら、ステロイド剤を長期にわたって飲み続けるよりは、もちろん減感作療法のほうがいいと答えるでしょう。