■■膀胱炎■■

膀胱炎は犬猫の尿路疾患の中では比較的よく遭遇する病気で、しかもなかなか治りにくいことが知られています。膀胱炎とは字のごとく膀胱の炎症が起きていることであり、猫では尿石症と同様下部尿路疾患に関わる重要な病気で、犬においても膀胱炎と尿石症が併発することがあります。

 

■■症状■■

何度も何度もトイレに行く(あるいは散歩中に何度もオシッコをする)けれど、出る尿の量 はちょっとずつだとか、血尿がでたり、オシッコをするときに変な格好をしているように見えたり(痛がっている)、室内ならばトイレ以外でそそうをしてしまったりします。また、犬猫によっては元気や食欲がなくなったりする子もいますが、なんの変わりもなく見える子もいます。

 

■■原因■■

原因は、犬では圧倒的に膣や陰茎からの感染が多く、猫では膀胱内にできた石により粘膜が傷ついて起こるものが多いようです。感染する理由としては、オシッコの切れが悪いとか、体の抵抗力の低下、飲水量 の低下、逆に尿量の異常な増加(腎不全や糖尿病など)、陰茎をなめる、包皮炎からの波及、栄養不足で粘膜の状態が悪く感染しやすくなっているなど、たくさんのことが考えられます。糖尿病の尿は糖分が含まれているため、細菌が繁殖しやすい状態になっています。また、猫では膀胱腫瘍はあまりであうことがありませんが、 犬では膀胱腫瘍も膀胱炎の原因になることがあります。外部からの強い衝撃(蹴られたりする)なども原因になります。

 

■■検査■■

検査は尿検査が必要になりますが、尿の採取方法が一番重要になります。特に犬の細菌感染を確実に調べたい場合は、飼い主さんが尿を採るよりは、病院で専門的な方法(膀胱に針を刺して注射器で採る方法)で採ってもらったほうがよいでしょう。尿石症のように、結晶の形やpHを中心にみるというよりは、感染性なのか非感染性なのかが知りたいわけですから、尿道口から出てきたオシッコを採ってしまうと、どうしても細菌が混じってしまいます。ほとんどの場合は飼い主さんに散歩中あるいはトイレでオシッコをしている時に採ってきてもらう方法をとりますが、それは膀胱炎を起こしているような菌はその数も多いはずで、多少汚染された採り方をしても診断できる、と考えているからだと思いますが、最適な方法ではありません。ただし、膀胱炎を起こしている犬や猫では残尿感があり。ちょこちょこトイレに行ってオシッコをしているのでなかなか検査に必要な量 のオシッコが採れませんし、病院で採ってもらおうと思ってつれていっても、すでに膀胱がカラッポなんていうことがよくあります。病院で犬や猫をあずかって尿を採取してくれるところもあるので病院で相談して下さい。
尿検査のほかに、血液検査、レントゲン、エコー検査などを行うこともあるかもしれません。レントゲンを撮る場合は、尿石症や膀胱腫瘍も似たような症状を示すので、鑑別 するために行うことになります。

 

■■治療■■

膀胱炎は基本的には投薬と尿検査の繰り返しになります。

抗生物質

本来は膀胱炎を起こしている菌を同定し、それにあった抗生物質を処方すべきなのですが、実際は菌の同定には外注必要な場合が多いことと、時間がかかること、無菌的な採取方法でなくてはならないこと(飼い主さんが持ってきた尿は使えません)などから、同定までしないことが一般 的です。ただし、処方された抗生物質が効かないこともあるため、獣医師に指定された期間内服したら、治ったように見えても必ず再診を受けて下さい。再診した際に、まだ尿中に細菌がみとめられれば、抗生物質を変えることもあります。抗生物質の投与は、感染性膀胱炎の犬でおこなわれますが、尿石症が原因である猫でも2次感染の防止や、既に感染している場合もあるので処方されることが多いでしょう。

食餌療法

猫の膀胱炎で尿石が認められた場合は、抗生物質だけでは治りません。それぞれの石の成分にあった食餌療法を勧められることになりますが、それについては猫の尿石症の項目を参照して下さい。

 

膀胱洗浄

あまり行われませんが、膀胱を直接洗うこともあります。

 

■■まとめ■■

膀胱炎は再発が多い病気で、抗生物質をやめたとたん再発する、しばらくしたら再発するなどということがよくあります。結局低用量 で抗生物質をず〜っと飲み続けなくてはならない子もいます。また、飼い主さんが面 倒になり、決められた量の抗生物質を決められた期間飲ませなかったり、再診を受けない人も少なくありません。きちんと完全に「もういいでしょう」といわれるまで、しっかり治療してあげてください。飲んだり飲まなかったりを繰り返すと、耐性菌の出現の可能性もあり、慢性化してしまうこともあります。膀胱炎になった人ならきっと気持ちがわかると思いますが、気分的にとってもイヤな病気なので、大切な犬や猫を快適に過ごさせてあげるためにも、徹底的な治療を受けさせてあげてください。


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