野生のヨウムは50年以上長生きしますが、飼われているヨウムは平均して15年ほどしか生きられないそうです。その際たる原因は、不適切な食餌にあります。鳥の栄養学は未発達な分野であるため、完璧なレシピは見つかっていません。キーワードは「バランスの取れた食餌」と「様々な種類の新鮮な食べ物を少しずつ与える」です。このページでは現在考えられている何タイプかの「適切な食餌」を紹介します。何が適切かはそれぞれの立場と考え方によって異なっています。だから、飼い主さんひとりひとりがご自分で判断してどんな食餌内容が最も良いかを決める必要があります。このページの各項目は実際に話を聞いたり、問い合わせたり、本で読んだりした内容を自分なりに消化してまとめたものです。




鳥の栄養学者であるラウディブッシュの考え方が背景になっています。

・ペレット(高たんぱく質なハリソンのハイポテンシークラスが必要)を8割、野菜・果物を2割(このうち野菜が8割で果物が2割)。

・野菜は緑黄色野菜、ニンジン、加熱したかぼちゃやさつまいもなどがオススメです。果物はぶどう、みかん、イチゴ、イチヂク、リンゴ、マンゴー、キウイ、バナナなどなど。旬の野菜と果物が一番です。野菜・果物は毎日5〜8種類を少量ずつあげてください。

・脂肪分の多いひまわりの種は絶対に与えてはいけません。好きだからといって甘やかさないように!

・ミックスベジタブルのような冷凍野菜、ドライフルーツは与える必要はありません。冷凍や乾燥ものよりも生を与えた方がずっと栄養豊富です。

・ペレットやおやつは、着色料がついているものは避けましょう。

・バーディ・ブレッドなどのパン類(そのう炎の原因)、スプラウト(かびやすい)はあまりオススメしません。バードフードが市販される以前のアメリカではパンを餌として与えていました。その流れから、バーディ・ブレッドができたのでしょう。確かに自然食を与えた方が好ましいかもしれませんが、それには各種栄養素とカロリーの計算を正確に行って何をどれだけ与えるのか決める必要があります。それが可能なら良いですが、現実にはかなり難しいでしょう。ある栄養素の過剰摂取、不足を避けるためには、ペレットを中心とした食餌の方が安心です。




ハリソンは有機ペレットの代表的なメーカーです。

年間を通じてハイポテンシーを9割、緑黄色の葉もの野菜、オレンジ色・黄色系の肉厚の野菜(かぼちゃやさつまいも、赤ピーマン、赤唐辛子など)とオレンジ・黄色系の肉厚の果物(マンゴー、メロンなど)を1割与えることをハリソン博士とHarrison's Bird Foodは推奨しています。(ハリソンのカスタマーサポートからの回答による)




アメリカではヨウムの権威として知られているヨウムのブリーダーさん(ボビー・ブリンカー)

・ペレット、野菜・果物、バーディ・ブレッド(レシピ参照)、種子(週に1、2回程度)、豆/穀類のミックス(レシピ参照)、スプラウト(レシピ参照)、水で浸した豆や種子を推奨します。

・ボレー粉、カトルボーン、その他のカルシウムのサプリメントは、血液検査で低血中カルシウム症と診断されたのでない限り、絶対に与えないでさい。ヨウムはカルシウムの量に非常に敏感な鳥です。多すぎても少なすぎても命取りになりかねません。カルシウム分は普段の食餌から摂らせれば十分です。

・鳥にとって適切な適切なたんぱく質の推奨比率は12%です(この数値はハリソンのAvian Medicineに掲載されています)。ヨウムは高たんぱく質の餌による影響と副作用を受けやすいようです。ほとんどのペレットはこの比率をオーバーしていますが、ペレット(ハリソン)とソフトフード(生もの)の分量を半々ずつにすれば、ペレットで摂るたんぱく質の量を抑えることができます。たんぱく質を多く摂りすぎているヨウムは水を飲む量が多くなります。体がたんぱく質による副産物を取り除こうとしているためです。

・ソフトフードには、豆、穀粒、野菜、果物、バーディ・ブレッド、スプラウト、水に漬けた豆・種などがあります。調理した豆と穀粒をミックスして3日分冷凍して使うと便利です。豆と穀粒を調理する際(鍋で煮る)、色々な味が楽しめるように別々に煮てください。この他、よく火を通した肉(チキンなど)、低脂肪チーズも少量与えてもかまいません。

野菜…野菜はビタミンとミネラルの最高の摂取源です。生のままか、軽く調理するかして、全体の食餌の1/3から半分を占めるようにします。ビタミンA、K、Eが豊富な野菜は、さつまいも、ニンジン、黄色いかぼちゃ、チリメンキャベツやたんぽぽの葉、ケール、ブロッコリー(カルシウム豊富)、フダンソウ(サトウダイコン、テンサイ)、ビート、とうがらし、ピーマンなど。他にエンドウ豆、サヤインゲン、リーフレタス、リママメ、白いんげん豆(カルシウム豊富)、様々な種類のスプラウト、セロリ、ズッキーニ(西洋カボチャの1種)も良い。コーンはビタミンとミネラルがあまり豊富ではなく、カロリーも高いのであまり与えない方が良いです。与え過ぎると他の栄養豊富な野菜が入らなくなってしまいます。

ペレット全体の食餌の1/3〜半分を占めます。ペレットは様々なブランドのものがありますが、有機ペレットが最高の選択です。ラベルを見て、食物名が少ししかなく、あとは化学成分の添加物名がずらりと並んでいるものは避けましょう。ペレットを食べてみてください。あなたがまずいと思うものは、鳥だって食べません。

副食について…ペレットのメーカーはペレットが完全栄養食であるとうたっていますが、様々な栄養を摂取させる良い方法は、ペレットに加えて様々な食物を摂取させることです。そして、鳥に様々なものを食べてもらう良い方法は、人の食餌と鳥の食餌を同じ内容にすることです。もちろん、鳥に食べさせる人の食べ物は十分に注意して選ぶ必要があります。パパイヤ、マンゴー、カンタロープ(メロンの一種)、ザクロ、リンゴ、バナナなどの果物、アーモンドなどのナッツ類(ピーナッツは避ける)、コーンブレッド、パスタ、スパゲティ(ソース付き)、ピザ、スイスチーズかヨーグルト少量、加熱したポテトかライス、十分に火を通した骨付きチキン、冷めたスープ、チリ、野菜いため、シリアルなどのもので、低脂肪・低塩のものが良い選択肢です。ただし、このような「食卓に並ぶ食べ物」の量は全体の2割以下としてください。

ふやかした豆類や穀物のミックスは様々な種類のタンパク質源です。これにさつまいもや野菜を加えるとビタミン量も増えます。


ヨウムだけでなく、オウム類全般について。


穀物、果物/野菜、肉/豆類、乳製品の4つの食物グループを適量与えることによって、栄養のバランスを取らせることができます。ただし、これらの食べ物には鳥が選り好みをする、腐りやすいという欠点があります。バランスの取れた栄養分を摂取するには、これら4つの食物グループからの食物を満遍なく食べさせなくてはなりません。この問題を解決するために開発されたのが、ペレットです。4つの食物グループとペレットを組み合わせて与える方法はかなり一般的です。ペレットを選ぶ際には、添加物や魚粉に注意してください。

穀類…種子、ナッツ、ブラウンライス、パスタ、コーン、シリアル、パンがこの種類に含まれます。種子、コーン、ナッツは、鳥が4つの食物グループをきちんと食べるようになるまでは、ライス、パスタ、シリアル、パンを穀類源とした方が良いです。パスタは野菜嫌いの鳥の場合、ベジタブルパスタが良い。コーンは炭水化物が多く、カルシウム比率がアンバランスなので、穀類として分類されています。ビタミンAのもととなるカロチンが豊富です。シリアルは甘味料が使われていないものがお勧めです。

野菜と果物…色の濃い葉もの野菜と黄色系の果物と野菜が最も栄養に優れています。ブロッコリー、ニンジン、カボチャ、サヤインゲン、トウガラシ、ピーマンは良い選択肢です。レタスは水分過多で栄養価が低いのでおすすめしません(大量のレタスを食べてもパセリの一口にはかないません)。パセリは少量なら与えても大丈夫です。

肉と豆類…チキン、ポーク、ビーフ、ツナなどの肉類といんげん豆、リママメ、まだらのうずらマメ、ひよこマメなどの豆類がこの食物グループに含まれます。よく加熱した少量の肉と魚は鳥の食餌における重要な食物源であり、鳥の食餌に欠けてきた多くの栄養素を提供してくれます。ただし、レバーは少量を月に1回与える程度にしてください。肝臓は毒を分解する場所なので、様々な毒素がたい積しています。あげるとしたら、コウシのレバーの方が良いです。乾燥した豆類は消化が難しいので、一晩水に浸してから与えて下さい。

乳製品…乳製品は豊かなカルシウム源です。少量のチーズ、ヨーグルト、カッテージチーズ、バニラプディング、カスタードを与えてかまいません。卵は白身と黄身の両方を、週に1、2回与えても良いです。黄身はコレステロールを多く含むので、与え過ぎないようにしてください。




Companion Parrot Quarterly(#61) 2003年 夏号より


高品質なタンパク質(20%未満)
タンパク質はアミノ酸からなっていますが、種子に含まれているものは栄養価は高くありません。種子から摂取する不完全なタンパク質は豆類やライスと組み合わせることで完全にできます。

タンパク質源には、ノンファットプレーンヨーグルト、ノンファットまたは低脂肪チーズ(少量)、豆腐、ノンファットカテージチーズ、固茹でした卵があります。完全に火の通った脂肪のないチキン/骨を抜いた白身魚/七面鳥の肉/その他の赤身肉、water-packed(水でパックした)ツナ、または様々な種類の穀類の組み合わせ、玄米、栄養価の高いパスタ、コーン、ナッツと、加熱した様々な豆類が高品質なタンパク質の摂取源です。市場に出回っているミールウォームや昆虫の幼虫もタンパク質源の一部として使用可。ペレットも完全タンパク質の摂取源として良いでしょう。ほ乳類、ドッグフード、キャットフードは鳥にとって高すぎるミネラル、鉄分を含んでおり、タンパク質と脂肪分の割り合いも不適切なので健康的な食品ではありません。

脂肪分(5-10%)
消化の良いヨーグルト、カテージチーズ、ナッツ、種子、ごく少量の低塩チーズが必要な脂肪分を与えてくれます。ミールウォームと昆虫の幼虫も高い脂肪分を含んでいます。脂肪をつけさせて運動を十分にさせないとデブになるので注意してください!

ビタミンAが豊富な野菜(30-40%)
ビタミンAが豊富な野菜は最も重要な食餌の一部です。一部の果物は高いビタミンAを含みますが、一般に果物は野菜ほどよいビタミンAの摂取源ではありません。ビタミンAは皮膚と羽の状態、視力にとって必要不可欠の栄養素であり、粘膜を健康に保って病気への抵抗力をつけてくれます。

緑黄色野菜…コラードの葉、マスタードの葉、カブの葉、ケール、ほうれん草、ブロッコリー、タンポポの葉、水生コショウソウ(water cress)、ビートの葉、チコリ、フダンソウ、パセリ、シシトウ、アルファルファ、トウガラシの実

黄色/オレンジ色の野菜…サツマイモ、山芋、人参、バターナットカボチャ、ドングリ型のかぼちゃ、ハバードかぼちゃ、ダンプリングかぼちゃ、トウガラシの実、かぼちゃ

ビタミンAが豊富な果物…桃、ネクタリン、アプリコット、生の料理用バナナ(プランティン)、パパイヤ、酸味のあるさくらんぼ(sour red cherry)、柿、カンタロープ

卵、肉、多くの種類のチーズからもレチノールとしてビタミンAを摂取できますが、量は少量にし、他のカテゴリーからも摂取している場合はそのことを考慮してください。

その他の野菜と果物(15-20%)
これらの野菜や果物には多くのビタミンAは含まれていませんがその他の栄養素を含んでいるし、多様な食餌を形成する上で心理上良い影響を鳥に与えます。よく加熱した芯つきのトウモロコシ、サヤインゲン、豆のスプラウト、カリフラワー、ブラッセルスプラウト、リーキ、加熱したアンティチョーク、ズッキーニ、マングビーン、オクラ、アスパラガス、ビート、トマト、ジャガイモ、リンゴ、ブドウ、バナナ、グアバ、ベリー、ザクロ、イチジク、タンジェリン、ミカン、ブルーベリー、プラム、キウイ、クランベリー、ウチワサボテンの実、パイナップルなど。

精白していない穀物(15-20%)
穀類で多くの糖分と塩分を含むものは避けて下さい。全粒パンやトースト、低糖または砂糖で味付けされていないシリアル、鳥用のクッキングミックス(管理人注:クレイジーコーンやビークアピタイトなど)全粒パスタ、全粒穀類の「エネルギーバー」、玄米、ローファットグラノラ、小麦麦芽、ワイルドライス、オートブラン(ふすま)、アマランス、キノア、ライ小麦。この他に、全粒無塩チップス、プレッツェル、クラッカーも健康食品店で売られています。また、バーディブレッドのレシピも多数あります。


・食物は熱処理し、加工するともともとの栄養素が失われます。ペレットの成分表を見ると様々な人工的なビタミンや栄養素の名前が連なっていますが、これは熱処理する過程でほとんどの栄養素がバラバラに分解され、失われるために、様々な人工的な添加物を加える必要があるためです。自然の食品の栄養素はひとつひとつが独立して役割を果たしているわけではなく、他の様々な栄養素と絶妙なバランスを保って作用し合いながら、初めて必要な栄養素を体に与えることができます。ペレットに含まれる栄養素はバラバラに分解されるだけでなく、熱処理加工によって変質し、毒性を持つものもあります。

・新鮮な野菜・果物、穀類、種子をバラエティ豊かに与えることが重要です。水気のある餌は食餌の70%を占めるべきです。これらのものは生か最低限に調理した状態で与えるのがベストです。熱を加えるとほとんどの栄養素が失われ、新陳代謝や免疫力、消化にとって重要な酵素もなくなってしまいます。

・ペレットのメーカーはよく、ペレットの他に副食を与えると、栄養のバランスが壊れると主張していますが、これはメーカーの誇大広告に過ぎません。それどころか、ずっと豊かな栄養素を摂取できます。しかし、様々な種類のバランスのとれた自然食を毎日与えればペレットを与える必要はなくなります。生鮮食に含まれる複雑にからみ合った栄養素が健康を維持してくれます。

・野生の鳥は毎日栄養のある餌を食べているわけではありません。野生の鳥は数日間に亘る食餌の積み重ねによって必須栄養素を得ています。合成食品でこれらの必須栄養素を与え過ぎてしまうと過剰摂取となり、少ないと欠乏症になります。でも自然の食品を食べ過ぎて過剰摂取になることはほとんどありません。様々な種類の自然食を毎日与えれば、全ての栄養素を摂取でき、長期に亘る健康を最適に維持できます。

・穀物と豆類を混ぜ合わせると高品質のタンパク質を含んだ食餌になります。ナッツと種子はタンパク質、一部のビタミン、ミネラル、必須脂肪酸の優れた摂取源です。果物はベータカロチン、ビタミンC、一部のミネラルを提供します。野菜からはすべての種類のビタミンとミネラルを摂取でき、重要なタンパク質も摂ることができます。果物、野菜、豆類、穀類、ナッツ、種子、スプラウトを毎日与えることによって、健康に必要な必須アミノ酸をすべて摂取できます。植物性の食べ物を毎日食べていれば、必要なタンパク質を十分に摂れます。

バランスの取れた食餌とは、野菜50%、穀類/豆類20%、果物10%、種子/ナッツ15%、葉もの野菜5%から成っています

「マッシュダイエット」(レシピ参照)は材料がミキサーにかけているので、鳥が選り好みをすることなく全ての栄養素を摂取できます。食べる時間は朝8時(マッシュダイエット)と午後2時(種子のミックス)にすると、野生の鳥の食餌パターンに近づけます。マッシュダイエットは生ものなので、4時間〜6時間後に捨てて下さい。