健康関連 第2弾

翼のクリッピングについて

コンパニオン・パロット・クオータリーの2003年冬号(No.59)のゲイル・リーズの記事「Parrot 101 Wing Trimming Basics」(インコ・オウム101 翼のクリッピングの基本)を紹介します。

★あなたの鳥にとっての正しい選択
翼を切るべきか、切らないべきかは、家の環境とライフスタイルによって決まります。放鳥時、ドアを閉め忘れないという保証はありますか? あなたの鳥は捕まえやすいですか? もしかしたら、「私の鳥は絶対に逃げたりしない!」なんて思い込んで、翼を切っていない鳥と散歩に出るタイプの人じゃありませんよね? 鳥の翼を切らなくても十分管理できるのであれば、翼を与えてください! その場合はいつも注意して、他の人にも危険を意識してもらいましょう。放鳥時はドアに鍵をかけて、窓もしめましょう。
 羽を切らないままにしておくことは、インコ・オウム類の雛にとっては人生の最良のスタートです。「一人立ち」が促され、自信を持って飛行技術を身に付けることができます。自己イメージは人だけでなく雛にとっても大切です。飛べるということは自己イメージにプラスになります。もし雛のときに羽を切ってしまって一度も飛ばせたことがないのなら、風切羽を伸ばして練習させてあげてください。

★より強い性格
 風切羽がそろったインコ・オウム類はより「強い」性格になる傾向があります。自信が付くので、人の手に余ることもあります。彼らはケージになかなか戻りたがらない悪ガキにもなります。もし羽を切らないのであれば、必ず飼い主であるあなたが群れのリーダーとしての役割を果たすようにしましょう。「おいで」は「手に来ること」を、「降りて」は「手から降りる」を意味するようにしつけます。家中を追い回さなければならないのあれば仕事に遅れてしまいます。その場合は作戦を練り直しましょう。

★最良への変化
 翼のクリッピングはこの数年で大きく変化しました。一時は片方の翼の羽だけを切るのが良いとされました。今では、鳥のバランスを崩す悪しき方法とされています。またしばらくの間は、外側の風切羽2枚を残して内側の風切羽を切るというやり方が人気でした。これは「ショー・クリップ」と呼ばれるもので長い風切羽が残っているように見えて、審美的に良いとされていましたが、羽が折れやすいのでとても危険です。
 多くの人は、落下や怪我のことを深く考えずに風切羽をすべて切ってしまったり、中には次列風切羽(secondary feathers)も切ってしまう人もいます。鳥の体重、どのくらい飛ぶのか、床の表面はどうかを考慮することが必要です。もし、とても引っ込み思案な鳥なら風切羽を多く残しておく方が自信をつけさせることができます。とても強い性格、攻撃的な性格の鳥なら一枚一枚切って様子を加減しながら切っていくことで、ある程度はこの態度を改善できます。

〜例〜
体重が重くてシャイな傾向のヨウム〜羽きりをしない。
体重が重くて活発な性格のボウシインコ〜それぞれの翼の風切羽を5枚ずつカット。
発情期になると攻撃的になるカカトゥー〜発情期だけ完全に風切羽を切り、その他の時期は羽を切らない。
体重が軽くて活発なパラキート〜羽きりをしない。
オカメインコ〜カーテンレールに止まれないが十分運動できる程度に、ごく軽く切っている。

★「優しい」クリッピング
たとえクリッピングしていても、びっくりして風に乗って飛んでいってしまうことがあるし、地面にいて踏まれたり車に轢かれてしまったりする事故もありえるので、飼い主は常に注意している必要があります。肩の上に鳥を乗せてちょっと家の外に出たとたん、トンビや鷹にさらわれるなんてこともあるかもしれません!
 鳥の翼をクリッピングすることを決めたら、最初はとても「優しいクリッピング」から始めるのが一番です。両方の翼の外側の風切羽を2枚か3枚だけ切ります。それから、床がカーペットの安全な室内で「試験飛行」をさせて、着地する様子、飛行高度を見てください。飛びすぎるようならもう一枚ずつ切るノといった感じで加減します。通常、風切羽は雨覆羽の部分(covert feathers)より下は切りません。優しいクリッピングとは2、3枚の風切羽だけをカットすること、またはやや短くすることを意味します。いずれにしても飛行の様子を見ながら加減してクリッピングします。

★悪い翼のクリッピングによる結果
 クリッピングの方法が悪かったために、毛引きなどの羽毛破壊活動をしたり、自咬症や恐怖症になったりする鳥は大勢います。バランスが崩れて落下して怪我をして怯えた経験をしただけでひどい神経症になる鳥もいます。また、切った羽の先端が脇にチクチクと当たる不快さから毛引きを始めることがあります。だから、翼のクリッピングはノウハウを心得ている人に頼むことがとても重要です。翼をクリッピングするときは必ず立ち会って、鳥が優しくタオルに包まれて扱われていることを確認してください。
 風切羽が新しく生えてきたら常に注意して観察しましょう。折れるとひどく出血します。出血にはコーンスターチか小麦粉を使ってください。クイックストップなどの止血剤は直接、羽や傷口にはつけないでください。血が止まったら、乾いてからよくふき取って乾燥させます。血が止まらなかったら羽を抜かなくてはなりません。羽を抜くのはしかるべき人にやってもらいましょう。しろうとが抜こうとするともろい翼の骨を折ってしまうことがあります。抜く必要がなければそのままタオルでつつんで鳥専門の獣医師のもとへ行ってください。

★飛ぶ練習は必要
 翼をクリッピングしてもしなくても、飛ぶ練習は鳥にとって楽しいものです。安全で床が固くない場所で、鳥の足を押さえつけたまま、翼をはためかせる経験をさせてあげましょう。まずはベッドの上に着地するように短い距離だけ飛ばせてみてください。インコ・オウム類の飼い方は変化しています。鳥は飛ぶように生まれ付いています。できる限り飛べるようにさせてあげるのは良いことです。ただし、逃亡や事故には十分注意が必要です。