このページでは、うちの奈々ちゃんがかかったPBFDについて取り上げます。PBFDがどれほど恐ろしい病気か、そしてすでに抗体ができているのでない限り、どんなインコでも感染する可能性があるということを知っていただきたいと思います。



隔離と健康診断

もし、すでに鳥を飼っていて、これから新しくヨウムや他のインコ類をお迎えするのであれば、必ず新しい子を別の部屋に隔離してください。隔離する部屋は先住鳥から遠ければ遠いほど良いです。できればお迎えしたその足で鳥の病院へ健康診断に連れて行ってください。たとえ、ショップで現地での各種伝染病検査証明書をもらってもあまり意味はありません。輸入元やブリーダー元で健康体でも、輸送途中や検疫所、またはショップに菌があった場合はショップで感染してしまう恐れがないとは言い切れません。獣医さんの話によれば、輸送機の中はかなりずさんなようで、その中で空気感染してしまう可能性は十分にあるそうです。それから、検疫所もあまり衛生的ではないとのこと。だから、一概に、陽性鳥が出たからといって、ペットショップだけを責めることはできないようです。ショップが大きければ大きいほど、発生する確率は高くなります。それだけたくさんの鳥を輸入しているわけですから。また、ショップでの対策として、ショップ側で検査をして販売というサービスもしているようですが、万一、ショップに菌があった場合は、検査したその翌日に感染と言うこともあり得るわけです。ですから、ショップで検査してもらったからといっても100%安全と思わない方が良いと思います。

恐ろしい伝染病のいくつかは、発症していなければ外見上はまったく普通でわかりません。健康そうに見えても、ウイルス保菌者という可能性はあります。うちの子は現地の検査証明書が付いていましたが、お迎えした日に鳥の病院で検査をしてもらったら、PBFD陽性でした。PBFDはエイズと似た免疫不全症候群で、普通ならたいして害のない菌でも感染すると、まるで重大な病気にかかっているかのように症状が重くなります。PBFDの症状と死に方はとても悲惨です。ネットで検索するとPBFDに関する詳しい情報を載せたサイトがいくつかあるので、御覧になってください。また、闘病記もありますので、お読み下さい。本当に涙なしでは読めません。

いずれにしても、血液検査の結果、伝染病のウイルスを持っていないことがわかってから、他の鳥たちと顔合わせしてあげてください。それまでは、隔離部屋から出るたびにビルコンS(動物病院で販売しています)という消毒薬を霧吹きで頭のてっぺんから足の裏まで全身散布してください。そのあと、シャワーを浴び、髪の毛を洗い、着替えをしてください。はっきり言ってかなり手間がかかります。ずいぶん大げさにきこえるかもしれませんが、先住鳥を守るためなので仕方ありません。仕事に行く人は、最初に先住鳥の世話をしてから、新しい鳥の世話にかかったほうが良いでしょう。そのあと消毒、シャワーを浴びて会社に行って下さい。私もCAKの松本さんご夫妻に預かっていただくまではそうしていました。文鳥と九官鳥にはPBFDは感染しません。




早期発見と早期治療が最重要

PBFDが発症すると、何となく元気がない、臆病になる、羽毛が抜ける・変な羽が生える・筆毛が生えてもすぐに抜ける、羽軸に血が溜まる、嘴が変形する・欠けるといった症状があらわれます。二次感染によってだんだん餌が食べられなくなり、痩せて衰弱して死んでしまいます。中には急性の症状で1、2日〜1週間で死んでしまう鳥もいます。PBFDは脂粉やフンなどから空気感染します。なので、同時放鳥は絶対にしないでください。鳥の先生によっては、感染した例を見たことがないと言う方もおられますが、世界的なデータや私の鳥の主治医さんによれば、感染します。運が良ければ、健康体の鳥に抗体ができることもありますが…。私だったらそのようなリスクは恐くて犯せません。相手はウイルスです。簡単に言うと風邪と同じです。ウイルスは伝染するのです。発症していなければ他の鳥への感染力は弱いですが、発症すると高くなります。そして、発症していなければ治療して陰性になる可能性がありますが、発症してから助かった鳥は今のところ、ほとんどいません。発症してしまったら、対症療法でできるだけ健康で長生きさせてあげることしかできません。PBFDで怖いのはウイルス自体よりも(ウイルスそのもので死ぬということはありません)、二次感染です。普通ならどうということのない細菌でも、免疫不全のため簡単に病気になり落命します。以上の理由から、健康診断はできる限り早く行い、早期発見するのが鍵となります。検査の結果、PBFD陽性とわかったら、上記の隔離を陰性になるまで続ける必要があります。発症したら一生隔離します。




治療と健康管理

現在、PBFDのワクチンや発症後の確固たる治療薬はありません。そして十分なデータがアメリカにも日本にもありません。それは実際に治療したという実績が少ないためです。近年、アメリカではPBFDの鳥の数が減少してきていますが、それは治療法が確立され、実施されているからという前向きな理由によるものではなく、PBFD陽性と出た鳥は症状が出る前にブリーダーがどんどん安楽死させているからです。この情報はショッキングですが、獣医さんから教えてもらったので、かなり正確な現状を言っているのだと思います。

飼い主さんは、処方された免疫増強剤やその他の免疫を高めるサプリ(アガリクスなど)を投与し、病気にかからないように細心の温度管理と食餌管理、健康管理、衛生管理をしながら対処するしかありません。奈々ちゃんはPBFD陽性でしたが、鳥の先生から処方された免疫増強剤を3ヶ月間投与して陰性になりました。薬品名は、鳥の先生の要望により、ここでは書きません。というのは、薬品名だけ一人歩きして、誤った使い方がされるのが怖いからです。奈々ちゃんの鳥の先生は、飼い主さんの獣医さんには薬品名と使用方法をいくらでも説明してくださるそうなので、もしPBFD陽性と出たら、かかりつけの先生にお願いして聞いてみてもらうといいと思います(ただし、その先生のプライドを刺激しないように、上手にお願いしてみてください、とのことです!)。それから余談になりますが、ある鳥を詳しく見てくれる有名な病院は、PBFDと分かったとたんに、発症していないにも関わらず、「治療しても無駄だから」といって、それまで行っていた他の病気の治療も打ち切ってしまったとのことです。こういう病院もあるので、病院選びは慎重になさってください。納得が行かなかったら、他の病院を探して変えるということも必要です。

3ヶ月投薬した後の血液検査から1ヵ月後にもう一度検査をして再び陰性の結果が出たら、完治ということです。うちにはセキセイインコがいたので、鳥の先生の紹介で千葉県富津市にある「コンパニオンアニマルキングダム:CAK」というところで奈々ちゃんを預かっていただき、お世話してもらいました。こちらでの栄養・環境管理は免疫力を高める上で大いに役立ったと思います。奈々ちゃんが受けた治療内容は以下のとおりです。

***********************************

・鳥の先生による免疫増強剤ノ与え方はジュース少量に溶いてスポイトなどで飲ますか、果物に仕込んで一日2,3回に分けて直接投与します。強い薬なので、投薬して3週間後に血液検査をして副作用が出ていないかをチェックします。うちの場合は、血液検査はなるべくやりたくなかったので、フンの様子と元気度チェックの結果で続行しました。投薬期間は2〜3ヶ月間と決まっていて、投薬終了後に再びPBFD血液検査をします。もし、3ヶ月たっても陽性だったら、薬を強くするか、注射による投薬になります。

・食餌〜ハリソンのハイポテンシーをメインに他社の様々なペレット、様々な種類の旬の野菜と果物、各種シード類、豆類。旬の食べ物をあげるのが最も望ましいです。食餌に関しては、このホームページの食餌に関するページを参照してください。ビタミンAの摂取源であるカボチャやサツマイモは毎日与えると良いです。うちでは、普通のオウム用の種子の他にひまわりの種も5、6粒与えていました。水は名水。他の場合もそうですが、食餌は本当に大切です。食餌によって免疫力をアップして、感染症にかかりにくくし、それがPBFDウイルス撃退につながります。

・水浴び〜霧吹きによる水浴び。

・日光浴〜天気の良い暖かい日に。

・飼育日記〜その日の温度、湿度、天気、体重、餌の食べ具合、フンの外観と量、元気度などを記録。調子の良い日と悪い日の天候・温度条件が把握できます。

・そして愛情を込めて接し、相手をしてあげること。人の場合と同じように、精神的な要因もとても大切です。特にヨウムは人の気分に対して敏感だと言われています。ヨウム本人の前では明るく優しく穏やかに振舞ってください。おもちゃをどんどん与えて、どんどんかまってあげてください。