飼育法

ここでは暇人流のベタの飼育法について詳しく説明します。

ただ,これが決まりといったもではないので一つの参考までにとらえてください。

いろいろ試してみて自分の飼育法を確立していきましょう。

〜はじめに〜

ベタというのは熱帯性の魚であり,金魚やめだかといった魚と同じものではありません。

冬場は水温の低下で弱ってしまいますし,世話を怠れば病気だって頻繁に出ます。

まず飼育する前に基本的な熱帯魚の飼育の知識を身につけておきましょう。

おそらく小学校と中学校の理科,および高校の生物の知識(一応に生態系の分野の内容)があれば簡単です。

魚がエサを食べ,その結果食べ残しや糞尿が出て水を汚し,その汚れを分解者であるバクテリアが魚にとって無害なものにする。その無害化したものを水草や植物性プランクトン,コケの類が利用し光合成を行う。簡単に言うとこんな感じです。

この中の一つでもバランスが崩れると全体に影響は連鎖し,最終的にはこのサイクルが崩れ魚は死んでしまいます。このことを肝に押さえておいてください。

 

〜ベタの特性を生かしての飼育法〜

ベタという魚はラビリンス器官の発達により,水中の酸素の量が極端に少なくても生存することが可能です。

酸素の溶存量が極端に少なくなったら水面より口を出して呼吸します。

この特徴を生かして,簡単に飼育を開始できる方法をご紹介します。

一番簡単に飼育を開始できる飼い方です。

 

☆ビン飼育☆

まず用意するものは入れ物となるビン。最低でも1リットルの容器を用意します。

次にカルキ抜き(塩素除去剤),粘膜保護剤,PSB(水質浄化細菌),浮き草(水草),スポイト,エサを用意します。

カルキ抜きというのは水道水中に存在する塩素を除去する試薬です。ハイポというのが売ってありますが,時間がかかるのでTetraのコントラコロラインが使いやすいと思います。

粘膜保護剤はTetraのアクアセイフが使いやすいと思います。

PSBとは簡単に言うと水質浄化細菌の入った溶液です。水の立ち上げや換水時に使用し,よりこなれた水にします。

左からPSB,コントラコロライン(カルキ抜き),アクアセイフ(粘膜保護剤),PH/KHマイナスです。PH/KHマイナスは場合によって使用しましょう。

浮き草は水の浄化や観賞的にあった方がいいと思います。ないよりはあった方が水質の安定すると思います。

スポイトはエサの食べ残しや糞を取り除くのに使用します。エサは人口飼料でもいいですが,ベタのためを思うのなら赤虫を用意しましょう。

ここまで用意するものとその用途です。次に実際の飼育のはじめ方から飼育の方法です。

まず大きめのバケツに水を入れ,カルキ抜き,粘膜保護剤,PSBを適量入れ水を作ります。ここですぐに水を使いたくなるところですが,このまま約1日置きます。そうすることによって人工的に作られた飼育水をより魚飼育に適した水へ近づけます。

水ができたら,その水をビンに移しもう一度PSBを少量入れ,浮き草を入れます。一応これで飼育環境は完成です。

次に魚の投入です。ここが一番の難所です。

買ってきたベタはそのままドボンと入れるのではなく,水環境が変わるのですから水合わせを行います。

〜水合わせ〜

水合わせとはショップから持ち帰った魚を自宅の飼育水槽に移す時に必ず行わなければならないものである。

基本的には水温および水質を合わせることを言う。その方法としては,まずは水温,その次に水質(PHなど)を合わせるようにする。

合わせ方は飼育の方法によっても異なるが,一番簡単で安心なのが以下の方法である。

★まず袋のまま飼育水槽に浮かべ,少し時間を置く。冬場は長めにとる方がいい。適度な時間を置いたあと袋を水槽から取り出し,水合わせを行う。スポイトを使って水槽の水を少量ずつベタの入った袋の中へ入れていく。ここでのキーは少量を時間をかけてです。なるべくベタへのダメージ・ストレスを減らします。ここで,楽をし一気に注ぐと水質の急変が起こり,ベタはPHショックをおこして異常をきたす。注意をはらいたい。量が増えてきたら半分くらい捨ててまた同じことを繰り返す。ショップの水が水槽の水とだいたい入れ替わったところで魚だけを取りだし水槽に入れる。

これが水合わせである。

※私のところでは手間を省くために水流の調節つまみのついた細いチューブを使い半自動的に水合わせを行っている。

買ってきたベタをビンと同じ場所に十数分置き,水温をだいたい合わせます。一番いいのは袋ごとビンの中へ入れ完璧に水温を合わせることです。ただビンの場合は口の部分が小さかったり水の量が少なかったりするので横に置き水温を合わせます。

次にスポイトでビンの中の水を極少量ずつベタの入っている袋の中へ入れ,徐々に新しい水へ慣れさせていきます。袋の中に入れ方は,少ない量を時間をかけてというのが原則です。いきなりジャーっと入れるとベタは驚き,水質の違いによるショックを起こしてしまいます。場合によっては死にます。これがPHショックといわれるものです。気をつけましょう。

〜PHショック〜

水の中の水素イオン濃度のことをPHというのだが,この指数で酸性からアルカリ性までを表す。

基本的に違う環境下の飼育水では,PHが異なっている。そこで魚を投入する時には水合わせを行うのであるが,もし怠れば極端な水質の変化が原因でベタに大きなダメージを与えることとなる。人間の場合言うなれば,いきなり気候が変わったりいきなり何千mもの高山の気候に変わったりといったとこであろうか。

このPHショックによってはベタはヒレが溶けたり,呼吸困難になったり,突然死亡したりということになる。十分気をつけたい。

水合わせが完了したらベタの入っている袋の中の水はビンの中に入れないようにしてベタを投入します。古い水が入ってしまうともしも病原体がいた場合にベタが状態を崩してしまう恐れがあります。また,ベタを入れた後はビンにふたのようなものをします。ベタはジャンプ力が凄く狭い隙間からも飛び出てしまいます。注意が必要です。ただ完璧にフタをし密閉してしまうと呼吸ができなくなり死んでしまいます。工夫が必要です。

ベタが入ったら,少しの間様子を見て状態に変化はないか確かめます。はじめのうちは環境の変化から驚いている様子ですがそのうちゆったりと泳ぎ始めるでしょう。ここで気をつけるのがベタを投入したその日はエサはやらずに,次の日から与えるようにしましょう。消化器官の働きが落ちています。消化不良になりかねません。

ベタの投入が完了したら次は日常の管理の仕方です。

ビン飼育の問題点は,フィルターがないせいで水がすぐに汚れてしまうということです。そのため毎日の食べ残しや糞の除去は必ず必要となります。これを怠ると水はあっという間に濁り,ベタに異常が出てくるでしょう。まず一つはゴミの除去。

次に換水です。換水する水の作り方は一番はじめに水を作ったやり方とまったく同じです。ぞして,水の入れ方も水合わせの方法とまったく同じでいいでしょう。少ない量を時間をかけてです。

ビンのゴミを取り除き,約半分程度水を捨て,新しい水を入れましょう。飼育者によっては全換水(全ての水を換える)を行う人もいます。この方法は,なかなかの技術を必要とします。飼育に慣れてきたら行ってもいいでしょう。

異常ここまでがベタのビンでの飼育法です。

 

〜繁殖を考慮した飼育法〜

単に飼育することだけではなく,繁殖をも考慮した飼育の方法をご紹介します。

☆水槽での飼育☆

繁殖に際してビンのような狭い容器では非常に困難です。優れたブリーダーであれば1リットル程度の容器でも産卵させることができますが,高度な技術を要します。そこで,誰でも簡単に飼育・維持でき,おまけには繁殖まで行うことができるといった飼育法をご紹介します。

まず繁殖の前にベタ飼育のキーでもあった水質の維持を考慮します。そしてベタに最適な容器のサイズを選択します。

水質の維持に関してはフィルターを使用し,容器のサイズに関してはあまり広くないものを用います。あまり広いと繁殖がうまくいきません。手ごろなサイズとしては30p水槽,または7リットル程度のプラスチックケースを使うといいでしょう。フィルターはできるだけ穴や凹凸の少ない,性能の良いものを使います。お勧めはスポンジフィルターです。様々なメーカーからいろんなものが出ています。

これがスポンジフィルター(KOTOBUKI)です。安価で使いやすく,性能もばっちりです。 これが7リットルのプラスチックケースです。繁殖に手ごろなサイズです。

上の写真はうちで使用しているフィルターとケースです。どちらも性能と価格のバランスの良さで購入しました。オススメです。一番左のビニールのひもとキスゴムでできたものは,水面セパレーターです。水面ぎりぎりにセットし,フィルターによる水面の流れを止める働きをします。できたら用意しましょう。

また季節により保温のことも考えなければなりません。飼育水の保温には専用ヒーターを用います。手軽に温度固定式ヒーターですませる事もできますが,繁殖を行うなら温度可変可能なサーモスタット付きヒーターを使用しましょう。

以上のものセットします。

ヒーター以外全てをセットしたものです。

セットが完了したら,水を作りケースに注ぎます。注ぎ終わったらフィルターをエアーポンプにつなぎ稼動させます。そして,ビン飼育の時にも使用した浮き草を入れます。一応これで飼育環境は完成です。

その後すぐに魚を投入するのではなく,毎日少量のPSBを添加しながら約1週間〜2週間ほど置きます。そうすることによって多孔質のスポンジの中にバクテリアが住みつき完璧な水質浄化システムが完成します。これを怠りと,魚投入後あっという間に水質が悪化し,最悪の状態を招きます。完璧な水質浄化システムが完成するまで我慢です。

これが全てのセットを完了した状態です。浮き草はウォータースプライトです。

水槽設置が完了ししばらく置いたら,ベタを入れます。入れ方はビン飼育の時と同じですが,温度を合わせる際にはベタの入っている袋ごとケースに浮かべ,しばらく置くことで行います。

温度が合ったら次は水質合わせです。水質はショップのものとがらりと変わっていることが多いので慎重に行います。ビン飼育の時同様スポイトでケースの水を少量ずつ長い時間をかけてベタの入っている袋の中へ入れていきます。そうすることによって徐々に水質に慣れさせることができます。決してジャーっと入れないように!!

水合わせが終わったら元々ベタが入っていた水は入れずにベタだけをすくいとってケースの中へ入れます。入れたあとしばらくは様子を見て異常がないか確かめます。異常がなければ,魚投入は終わりです。エサは魚が落ち着いた翌日から与えるようにしましょう。それと,ビン飼育の時と同じようにフタをします。ジャンプして水槽から出てしまい,次の朝には干物になっていることがあります。注意が必要です。

次は日常の管理・維持についてです。

ビン飼育の時と同じようにエサの食べ残しや糞などはすぐに取り除き水質が悪化するのを防ぎます。ただ完璧に綺麗にしてしまうのはあまりオススメしません。理由はバクテリアの栄養元がなくなるからです。わずかでいいのでゴミのようなものは残しましょう。フィルターがついている分すぐには汚れません。

換水のタイミングは1週間に1回3分の1程度を換える程度でいいでしょう。やはりここでも水を完璧に作り,少ない量を時間をかけて入れるようにします。魚へのストレスやダメージを極力少なくします。

水草が入っている分光合成のために光は必要です。直射日光以外の光を用意しましょう。

出きることなら鑑賞魚用の専用ライトを使うとより一層いいですね。

以上,水槽での飼育についての説明でした。

 

〜ショウベタの品質向上〜

『フレアリング・トレーニング』

ショウ・ベタというのはひれの大きさをより美しく育ててその価値が決まります。

何もせずに大きくなったショウベタは普通のベタ並のレベルになります。

そのため,ショウベタの若魚にはヒレを大きくするためのトレーニングが必要となるのです。

これがフレアリング・トレーニングと言われるものです。

個別にしたオス同士を容器ごしに威嚇させ,その時のヒレの拡張によってヒレの成長を促し,より大きなひれを作り出すとうものです。

1匹のみの飼育の場合は鏡を見せることによって行います。

またはメスを見せてもいいでしょう。

よい遺伝子(形質)を持っている個体がこのトレーニングを十分に行うことにより,高品質なショウベタへと育つのである。

つまり,良い遺伝子+良い飼育環境+フレアリングトレーニング=高品質ショウ・ベタとなる。

 

これよりさらに上のレベルでベタを飼いたい方は暇人の飼育環境・技術披露をご覧ください。