心臓の元気度がわかる唯一の血液検査
--BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)--
 
 
はじめに
 
高齢化や、食生活の変化などにより生活習慣病でもある心臓病は日々増加しています。心不全の有病者は国内で250万とか300万人とも言われており、まさに国民病。しかも無症状の心機能障害を含めると大変な数になるといわれており、心臓病の早期発見、早期治療が医療界では急務とされています。
 
しかし、たいがいの健康診断、人間ドックの診察では、心臓に特異的な検査は心電図だけ。心臓病に対する検査は以外に手薄です。
 
心臓の診断法は主に、問診、心電図、エックス線、超音波などがありこれらを組み合わせて総合的に判断しますが、心臓が順調か、元気があるか、刻々と見極めるのはベテラン医でも難しいもの。そこで「心臓の名医」と言ってもよいほどの優れた検査、BNP測定があります。今までの心臓病の診断とは違い、血液中のBNP濃度を測るので採血だけであまり人体に負担かけません。
 
 
BNPとは
 
心臓に負担がかかると心臓(主に心室)から血液に分泌されるホルモンで、このBNPの数値が高いほど心臓に負担がかかっているといえます。臨床的には、心筋梗塞、心不全の診断・予後判定に有用であり、血液検査で心疾患を測定できる唯一の検査といえます。
1994年度より検査試薬が発売され、今、急速に採用されつつある検査方法です。
お近くの病院でも外注で採用されているかも知れません、気になる方は問い合わせてみてください。
 
心不全重症度は下の図のNYHAT度U度V度W度と分かれており、心電図ではT度の発見は難しいとされていますが、BNPでは、判定が可能となります。心機能分類のT度(無症状)U度(軽症)は、ほとんど自覚症状の無いまま進行することが多い。しかし、分類にしたがってBNP濃度を測定するとT度U度でも上昇が確認できる。
 

 

症状

治療方針

T度
 

日常生活における活動では症状は起こらない

A
C
E










 


 

U度

 

安静時には無症状であるが日常生活で疲れ、動悸、呼吸困難、狭心症状が起こる
 







利尿


 



 

V度

 

軽い日常生活でも疲れ、動悸、呼吸困難、狭心症状が起こる
 

血管拡張剤

 



 

W度

 

安静時でも心不全症状や狭心症状が起こる。
 

心移植/補助循環
 
 

心不全の病態把握の目安
 
 BNPは心臓から分泌されるホルモンです。その血中濃度は心エコー検査の収縮能、拡張能などと相関し、心不全患者さんの経過観察において心臓の精密検査や治療開始の為の情報を提供します。下の図はBNP検査を用いた心不全の病態把握の目安を示したものです。
 
単位はpg/ml
 

18.4以下

基準範囲

BNPでは基準範囲内です

18.5〜39

要経過観察

軽度の心疾患の疑い

40〜99
 

要精密検査
 

心疾患の疑い(場合によっては治療の必要性)
疾患の把握の為精密検査が必要です

100以上

 

要精密検査

 

心不全の疑い(治療を要する)
疾患の把握の為精密治療が必要です