猫のごはん♪

 猫は単独で狩りをする動物なので、「群れの仲間に餌を取られる」という感覚は少ないようです。 自分の食べ物にはあまり執着しませんし、空腹の時に好きな物を少しづつ食べようとするので肥満する事は少ないのですが、避妊手術をしていると太りやすくなります。また、困ったことに栄養のバランスを保つ為に気まぐれに餌の好みが変わる本能も持っています。
 猫は水をよく飲む動物なので、新鮮な水がいつでも飲めるようにしてあげて下さいね。
 餌の種類を変更する時には前に食べさせていた物と新しい物を混ぜながら少しづつ切り替えて下さい。同じメーカーの商品でも種類が違うと下痢をしたり、食べなくなることがあります。

生肉、生魚について

 時々、テレビなどで生肉や生魚を食べさせている人がいますが、食中毒菌に弱い猫は多いので人間が生で食べられる物以外は与えないで下さいね。ただし、葱や玉ねぎと一緒にパック詰めしてあるものは悪い成分(硫化アリル)が染み込んでしまうので駄目ですよ。
 本来なら猫は筋肉(ステーキ肉等)では無く、内臓肉(レバー等)を好んで食べ不足しやすいビタミン等を補給していたんですよ^^

食べさせてはいけない物

 猫には野菜をすり潰す為の臼歯がありません。これは『野菜を食べられるような体では無い』ということなのです。
 猫は肉を切り取る為の歯しか持っていないので、食べ方も『噛んで食べる』のでは無く『切り取って飲み込む』ということになります。
 また、猫は完全な肉食獣なので、雑食性の人とは違い野菜の成分からは生きて行く為に必要な栄養を作り出せない体の構造になっています。

種類 与えてはいけない理由 注意点
塩分 塩(塩化マグネシウム)に含まれるマグネシウムを体外に出すことが苦手なので、尿道結石などの泌尿器系の病気の原因になります。 味噌や醤油にも塩分が含まれるので、人用の菓子や惣菜(カラアゲ等)も与えてはいけません
葱類・ニンニク・香辛料 独特の香りや甘味の成分(硫化アリル)は猫の血液を溶かしてしまい。溶血性貧血という深刻な病気を引き起こします。 硫化アリルは水に溶けるので、『すき焼きの中の肉』のように葱や玉葱と煮た肉も駄目です
牛乳・乳製品 猫は乳糖を分解吸収することが出来ませんから酷い下痢や慢性的な腸疾患の原因になります 仔猫に与えると致命的なことになる場合も多いです。
小麦製品・米などの穀類 小麦や米はほとんど消化吸収出来ませんし、腸内で発酵して鼓腸症の原因になります。 『猫まんま』で飼育していた時代は長生きしても8年前後だったということを思い出してくださいね^^
ベータカロチン等の栄養補助食品 猫はベータカロチン等からビタミンを合成する事が出来ませんので食べさせても無駄です 猫は一回の食事の量は少なく回数を多くする事で必要な栄養を取ります。無駄なおやつは栄養不足の原因になります
生卵・生魚の内臓 生卵の白身には「アビジン」、生魚の内臓には「チアミナーゼ」というビタミンの吸収を妨げたり、分解する成分が含まれています 生魚の内臓には寄生虫の危険もあります
竹輪や練り製品 練り製品には味付けと保存の為に塩や酸化防止剤(ビタミンC等)が使われています。猫は体内でビタミンCを合成できるので過剰摂取の必要はありません 人からみると少しの量でも、猫には多すぎる量だということを考えて下さいね。
加熱用の生肉・生魚 食中毒菌は猫にも食中毒を起こさせますし、新鮮な肉類で無ければ猫に必要な栄養素も残っていません 人が生で食べられる状態の『刺身』なら与えても大丈夫ですが、葱や玉葱とパック詰めしてある刺身は駄目です。
生のハーブ類 猫の体には植物繊維を分解したり消化する能力ほとんどありませんし、植物繊維は腸壁を傷つけ潰瘍や出血の原因にもなりかねません。 猫用に加工したハーブの成分なら与えても大丈夫ですが、人間用に加工してあるハーブ製品には注意してくださいね

 身近なペットの中でも猫は特に、人とは内臓の構造や必要な栄養素が異なる動物です。
 猫は人や犬とは違い、カロチンからビタミンAを合成したり、リノール酸を必須脂肪酸(アラキドン酸)に変えることが出来ません。何故なら捕まえた獲物の内臓肉から直接ビタミンや必須脂肪酸を補給するように進化した肉食獣だからです。
 「猫が欲しがるから」「好きな物を食べさせないとストレスになるから」という前に、最初に食べさせたのは飼い主自身だということを考えましょうね。
僕には『猫が欲しがるからあげる』というの言葉は『お酒を入院患者が欲しがるから飲ませる』と同じ意味に聞こえてしまうのです。

猫に特に必要な栄養素

種類 不足した場合の危険 含まれる食べ物
タウリン 眼病、拡張性心筋症、死産及び未熟児出産 ※注意1 魚や貝類と肉類
リノール酸・アラキドン酸 発育障害、皮膚障害 動物性の脂肪(特に鳥の脂肪に多い、牛の脂肪は片寄りが激しいので駄目) 植物油にはリノール酸だけしか含まれません
ビタミンA 成長障害、内臓の機能障害 レバーや魚の油、卵黄 ※注意2

※注意1 猫は体内で十分なタウリンを合成できないので、必ず食べ物から補給する必要があります。また、野菜や穀類にはタウリンが含まれていません。
※注意2 脂溶性ビタミンのAとDは尿として体外に出ないので過剰摂取すると体内に蓄積されて有害になります。

キャットフード

 猫缶は食品ではありません。(笑)缶詰なので勘違いしてしまう人も多いようですね。食品では無いので生産時の衛生基準や使ってはいけない原材料の規定も無いですし、輸入する時にも食品としての検査も無いのです。
 日本のメーカーの中には人が試食している所もありますし、海外のメーカーだとAAFCO(アメリカ飼料検査官協会)の厳しい給餌試験に合格したフードもあるので、信用できるメーカーさんを見つけましょうね。
 AAFCO(アメリカ飼料検査官協会)とは訴訟社会のアメリカにおいて、動物に必要な栄養素の質と含有量の厳しい基準を作っている権威ある機関です。AAFCOの行うテストはAAFCOの基準以上の栄養素が含まれている事を前提に、メーカーがフードに表示している栄養素が表示通りのパーセンテージで含まれ、なおかつ「毛並みの改善」等のメーカーがフードに表示している効果が有り、継続するのかを長期に渡って調べます。
 『AAFCOの給餌試験に合格しているフード』とは水以外の物を与える必要の無い完璧なフードだということの証明になります。
※注意 ここではAAFCOの給餌試験に合格したフードまたはそれに準じたフードをプレミアフードとしています。

 2000年中にあった事
 2000年中には三回ほど、メーカーによる自主回収がありました。

 1.国内メーカーが海外で作って輸入している有名なキャットドライフードで、猫がよく食べるように入れた匂い成分の添加物の量を通常の数十倍(数百倍かも?)も添加してしまい、あまりに臭くて部屋に置けないし、猫も逃げ出したとクレームが出た物です(笑)

 2.TVコマーシャルもしている商品で『添加物』を使っていないと袋には書いてあったのですが、実は添加物が使用されていたことが判明して回収されました。一部の店では安売りされていました。

 3.米国に古くからある、無添加・無着色で有名なプレミヤフードメーカーでフードの中に生きた蛾の幼虫が混入し、フードが変質していたり幼虫の出した糸で白く固まったりしていました。このメーカーの日本代理店に問屋からこの事についてクレームを出してもらったところ、「無添加だから、虫くらいつくこともあります」と返事が来たそうです。このメーカーは開封して変質している商品だけ返品交換するとのことだったので、店にある同じ消費期限の商品を開封してみたら、すべてに虫が入っていました。(怒)

理想的な栄養バランス(100g中)
 参考までに猫に必要とされる各栄養素を表にしてみました。(AAFCOの基準より少し甘いです)

種類 仔猫 成猫 老猫・肥満猫 種類 仔猫 成猫 老猫・肥満猫
粗蛋白質 32%以上 30%以上 25%以上 粗脂肪 20%以上 20%以上 10%以上
粗線維 3%以下 3%以下 3%以下 粗灰分 8%以下 8%以下 8%以下
マグネシウム 0.1%以下 0.1%以下 0.1%以下 タウリン 0.13%以上 0.10%以上 0.10%以上

猫缶の種類

 猫缶は好き嫌いが多い猫の習性を考えて各メーカーが色々な工夫をしています。猫の中には一度に全部食べずに数回に分けて食べる猫がいますが、猫缶はいたみやすいので気をつけて下さいね
※注意 市販の猫缶のほとんどは粗蛋白質が10〜20%しか含まれていないので主食にはなりません。必ず他のフードと組み合わせて与えて下さい。

種類 特徴 注意点
ウエットタイプ 水分が少なく匂いが強い物が多い。値段も一番安いようです。 匂いは人工的につけてありますから、猫が飽きることも多いようです。
スープタイプ 煮込んだスープごと缶詰にした物と別のスープを加えた物があります。 スープタイプを嫌う猫もいるので、最初は一缶だけで試してくださいね。
ゼリータイプ 動物性ゼラチンで固めた物、猫が一番好きなタイプです。 固める為に植物性のゼラチンや澱粉を使ってある場合もありますから、材料の表示をよく見てくださいね。
プレミアフード 粗蛋白質やタウリン等の栄養バランスがとれた缶詰、主に仔猫・老猫用が多いです。 消費期限が短かく表示も分かりにくいので、お店でよく聞いてください。
療法食 主に病院で売られている病猫食。色々な病気に対応した缶詰があります。 薬では無いので早く一般の店でも買えるようになると良いですね。

ドライフードの種類

 猫の主食になるように作られたフードですが、中には必要な栄養が十分に含まれていない物やマグネシウムの含有量を表示していない物もあるので気をつけましょうね。最近の新製品は色々と工夫してあるので詳しい効能等は店の人に聞くか、掲示板で質問して下さいね^^

種類 特徴 注意点
ドライタイプ 水分含有量が10%前後の物、安くて傷みにくいのでどこにでも売っています 栄養価の低い物が多いので、猫缶等で足りない分を補って下さいね
半生タイプ ドライタイプの粒の中に入れた物や全体が肉の食感に近い物等色々あり、猫が一番よく食べてくれます。歯の弱い老猫にもよいタイプです 柔らかいので歯磨きや歯石取りをしてくださいね。傷みやすいので保管にも注意が必要です
仔猫用(キトン)・離乳食 消化吸収が良く、栄養価が高い物。お湯でふやかす物やお湯で練る物などもあります 仔猫時代に食べた物が寿命や将来の健康に影響しますから、高くても良い物を与えて下さいね
老猫用(シニア) 6才以上の運動量の減った猫用に作られた粗脂肪が少なく、胃腸に負担が少ない物。 外国メーカーの場合は老猫用とダイエット用を兼用している場合がありますが、栄養バランスに問題はありません
ダイエット用(ライト) 肥満してしまった猫の体に負担をかけずに痩せさせる為に作られた物 混ぜ物を増やして必要な栄養素まで減らしてしまっている物もあるので注意してくださいね
プレミアフード 厳密な栄養学に基づいて作られた物。毛並みや目ヤニが改善し、量を増やす為の混ぜ物が入っていないのでウ○チの量も減ります 主に外国製品が多いのですが、最近の国産製品の中にも質が良い高級指向の物もあるようです

この他にも色々と特徴的なフードがあります
チキン&ライス 低アレルギー食として鳥肉とお米で作られたフード(お米も猫に吸収出来るように特殊加工してあります)
ラム&ライス 低アレルギー食として仔羊肉とお米で作られたフード(お米も猫に吸収出来るように特殊加工してあります)
フィッシュ&ライス 低アレルギー食として肉類が駄目な猫用に魚とお米で作られたフード(お米も猫に吸収出来るように特殊加工してあります)
毛玉対策用 お腹の中に毛玉が出来ないように工夫されたフード

 自分の猫に合った良いフードを早く見つけましょうね(^-^)