「アジサイ科・ Hydrangeaceae の系統分類」

の概略図

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  アジサイ分類の新しい試みアジサイ科とアジサイ属日本産の主な野生種

●2001年論文の系統樹の概略

『 A Phylogenetic Analysis of Hydrangeaceae Based on Sequences of the Plastid Gene matK and Their Combination with rbcL and Morphological Data 』L. Hufford, M. L. Moody, D. E. Soltis , 2001. の要約より川島が作成したものです。参考程度に考えてください。

アジサイ科はジャメシア亜科とアジサイ亜科の2つに分かれます。さらに、アジサイ亜科はバイカウツギ族とアジサイ族の2つに分かれます。系統図(分岐図)はスペースの都合でアジサイ科全体とアジサイ族の部分に分けてあります。この図では分岐線の長さに意味はありません。

アジサイ科全体の関係はジャメシア亜科の部分を除いて、1995年論文と基本的に変わりません。

下の図がアジサイ科の中からアジサイ族の部分を取りだした系統樹です。やはり、この図では分岐線の長さに意味がありません。

1995年ソルテス等の結果との比較すると、アジサイ族の細部に多少の異同が認められますが大筋は変わっていません。そのアジサイ族の部分も細部は充分な信頼度に達していないと書かれています。

葉緑体遺伝子2つ、 matK , rbcL の塩基配列を中心とした分析の限界がそのあたりにあるようです。近縁の種同士の関係になると、データー量が不足し充分高い信頼度で関係を捉えることができなくなります。

系統樹は進化の道筋を示すために作られます。この図を見ているといろいろ想像したくなるのはそのためでしょう。

アジサイ科では幅広いclade に北米産の種が含まれています。アジサイ科の系統樹、アジサイ族の系統樹をもう一度見てください。最も早く枝分かれしたジャメシア亜科も北米大陸産の属からなります。最も後に現れたアジサイ属 Hydrangea の中にも、この図にはありませんがのカシワバアジサイ Hydrangea quercifolia やアメリカノリノキ H. arborescens ( 園芸品種アナベルなど )といった北米産の種があります。

北米大陸がアジサイ科の故郷である可能性が高いと思いませんか。アジサイの先祖は、北米大陸でさまざまな属の種を生み出し、その種の一部が中南米およびアジア大陸に進出したのではないでしょうか。

アジア大陸では、また多くの種が分化し第2の故郷となったように思います。皆さんはどう思いますか。この考え方で見ると、日本はそれらの種が行き着いた最後の地ということになります。

その日本にだけ、アジサイ科の中で最も美しい花を咲かせる H. macropphylla の種群であるガクアジサイ、エゾアジサイ、ヤマアジサイがあるのは象徴的と言えないでしょうか。これら美しい花を咲かせる種が、アジサイ科の進化の集大成と見るのはひいきの引き倒しでしょうか。

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