犬はいろいろな物を口にくわえて、運んだり遊んだりします。
ストレス解消や退屈しのぎのために、いろいろなものを噛んで遊ぶこともよくあります。
また、生後4〜6ヶ月頃の乳歯が生え変わる時期になると、歯茎がむずがゆくなるので、何でもかじるようになります。
(歯ごたえのある物を噛むことで、乳歯をスムーズに抜けさせる効果もあります)
ですが、仔犬は経験不足のために、かんでよい物といけない物の区別や、噛む時の力の加減を知りません。
特に人の手や足に対するじゃれ噛みは、早いうちからやめさせないと、成犬になって噛む力が強くなった時に、いろいろな問題を生むことになってしまいます。
まずは噛んで遊ぶオモチャを与え、かんで良い物といけない物を完全に区別して教えるようにしましょう。
市販のデンタル・コットンやヘチマ素材のオモチャは、噛むことで歯についた汚れを落とし、歯石を防ぐ効果もあります。
また、一緒に遊んでいる時に、興奮して思わず噛んでしまうこともあります。
仔犬と遊ぶ時には人間が主導権を握り、あまり興奮させすぎないよう、気を付けましょう。
特にロープのオモチャなどを使った 「引っぱりっこ」
は犬を興奮させやすいので、気の強い仔犬やすぐにムキになるような仔犬相手には、控えた方が無難です。
特に 「人を噛んではいけない」 ということは、仔犬のうちからきちんと教えましょう。
仔犬が人の手や足にじゃれて甘噛みするのを
「かわいいから」 と許していると、成犬になった後まで噛み癖が残ってしまいます。
(仔犬に噛まれるのは我慢できても、成長した犬に噛まれると、危険ですよね?)
▽噛んだらやめさせる▽

仔犬が手を噛んだりしたら…
↓

すぐにやめさせましょう。
叱る時には、「いけない!」 「ダメ!」 などの決めた禁止の言葉を使います。
仔犬のマズルをつまむなどすると、効果的です。
または、仔犬の口の中に噛んだ指や手を押し込みます。
「オェッ」となる気持ち悪さに、手を噛まなくなっていきます。
噛まれた時の人間の反応も大切です。
仔犬を興奮させないよう、冷静に威厳のある態度で叱ってください。
小さなお子さんのいる家庭では、特に注意してください。
仔犬に噛まれたことで大声をあげて騒いだり、あわてて逃げだしたりすると、仔犬は
「遊んでもらっている」 と勘違いして、ますます興奮し、さらに噛むということを繰り返してしまいます。
人を噛んだ後、仔犬にとって楽しい 『追いかけっこ』
にならないように!
子供にも、正しい犬との接し方や叱り方を教えましょう。
物に対する噛み癖の対処法としては、噛んではいけない物に
「ビターアップル(リンゴ抽出液から作られた、苦い味のするスプレー)」
を吹きつけたり、カラシやワサビなどの刺激物をぬっておく方法があります。
噛もうとして何度かイヤな思いをすれば、仔犬はその物を噛まなくなります。
将来一番深刻な問題になる、人を噛む癖を直すには
「人を噛んで、嬉しいことは何もない」 ということを理解させる必要があります。
仔犬に噛まれたことでワァワァ騒いだり、追いかけ回したりすれば、仔犬は楽しくてウキウキしてしまいます。
噛まれた時こそ、冷静に対処しましょう。
▽遊びに夢中になって噛む▽
ボールが欲しくて飛びつき、ボールごと手も噛んでしまう、引っ張りっこをしていると興奮して噛んでしまう、というような場合、仔犬は遊びに熱中しています。
そんな状態の仔犬にとって一番つらいことは、叱られることではなく、楽しい遊びが終わってしまうことです。
仔犬が噛んだら 「いけない!」 と言って (低めのキツイ声で)
遊びタイムをすぐに終わらせましょう。
もちろん、オモチャはすぐに犬が届かない所へしまいます。
仔犬が抗議して吠えたりしても相手にせず、背を向けて無視してください。
(ワガママによる無駄吠え癖を防ぐ効果もあります)
仔犬の興奮が収まり、大人しくなったらそばに呼び、ほめてあげましょう。
▽オヤツをあげる時、手も噛んでしまう▽
オヤツのあげ方に問題がある場合が多いようです。
ジャーキーやドッグビスケットなどを指先につまんで、仔犬の頭上にかざすようなあげ方をしていませんか?(下図)
これでは、仔犬は手に飛びついてオヤツを取ることになります。
オヤツをくわえる時に、勢いがあまって手も噛んでしまうのは、当然と言えば当然です。
同時に、飛びつき癖をつけてしまう結果にもなります。
※この場合、落ち度があるのは人間の側です。
噛んだからといって、仔犬を叱ってはいけません。
また、噛むからといって、オヤツを放り投げるようにして与えるのもいけません。
落ちたオヤツを食べさせていると、拾い食いの癖がついてしまいます。
オヤツをあげる時には、仔犬が直接手から、落ち着いて食べられるようにあげましょう。
人の手から直接食べ物をもらうことで、信頼関係を築く効果もあります。
▽周囲の物を、手当たり次第に噛んでしまう▽
部屋の中には電気のコードなど、仔犬が噛むと重大な事故に結びつく危険な物もあります。
普段から仔犬がいる部屋の中は、整理整頓を心がけましょう。
また、家の中を自由に歩き回らせるのではなく、最初は仔犬が入ってよい部屋を決めて、仔犬の行動範囲を制限することも必要です。
特に仔犬を目の届かない所に置いておく時には、サークルやケージなどの中に入れておくようにすると、安心です。
部屋の中で自由に遊ばせる時は、必ず人間が付き添い、噛んで良いオモチャだけを噛ませるように仕向けましょう。
もしもオモチャ以外の物を噛んだら、すぐに
「いけない、出せ」 と声をかけ、仔犬の鼻先にオヤツを差し出します。
仔犬が噛んでいたものを離したら、すぐにオヤツをあげます。
(噛むのをやめたごほうびです。 同時に、「出せ」
という言葉で口の中のものを出す訓練にもなります)
そして、そのままオモチャに興味を持たせるようにしましょう。
音を鳴らしたり、目の前に転がすようにすると、効果があります。
