逆襲のねこさまねこのろけ・01 ■

【←Prev】---ねこのろけ・01---【Next→】

 01 田舎のねずみと都会のねこ

たみ猫6歳の夏のこと。農業を営んでいる母方の田舎から、野菜をいただきました。
台所で野菜の入っている袋を開けていると、中からラットサイズの茶色のネズミが勢いよく飛び出してきました。

すぐに台所の戸を締め切って、父と私(ネズミに強いコンビ。母と妹はネズミが苦手)は手に箒やら台所用洗剤やらを持って迎撃態勢を整えます。 が、敵も強者。カーテンレールを走り、天井を伝い、冷蔵庫の裏に隠れ、食器棚の上でジャンプ。なかなか捕まりません。

「そうだ!こんな時のために猫がいるんじゃないか!」
という訳で、たみ猫出動のはこびとなりました。


たみ猫はその時、お布団の上で惰眠をむさぼっていました。 それがいきなり、血走った目の母にむんずと掴まれ、「寝呆けてる場合じゃ無いよッ!」と、ボカッと一発はたかれ……既に脅えた状態で戦場(台所)へ送られてきました。

戦場では父と私がビッタン・バッタンと武器を持って大暴れ。普段は冷静な妹も、 「そっちに逃げた!……やだ、出てきた!きゃー!」とハイテンション・ハイボイス。 その異様な雰囲気に、……なんかコワイよぉぉーと、ますます脅えるたみ猫。

その時。

彼女の前足先10センチの所を、ネズミがステテテテーと走り去って行きました。 そうして、彼女は完全に別世界へ旅立ってしまったのでした。


まず、置物と化しました。

「わー、今度はそっちだー」とドタバタしている人間たちの横で微動だにせず、 きっちり姿勢良く座るたみ猫。目は空の一点をみつめ、心なしかうつろです。 「たみ、ちょっとは働いてよ!」と揺すると、ドアの前にペタリとへたりこみ

「あお〜(出して〜)」
「うなお〜(怖い〜)」
「うああん(お部屋に帰るぅぅ)」

………退場。

それから約1時間後、ネズミは父が捕まえて始末しました。 たみ猫はというと、お布団の上で寝なおしていて、家族中のヒンシュクを買いました。

この一件以来、すっかり「やくたたず」で「よわむし」の烙印を押された、たみ猫。
別にいいんだもん。ちょっとぐらい、よわむちなほうが可愛いんだもーんだ。


たみ猫画像

腰がぬけた猫を、初めて見ました。
ネズミを捕るためには、本能+アルファが必要だったのです。

▲TOP


ねこのろけ■ ■↑Home[h]