逆襲のねこさまねこのろけ・04 ■

【←Prev】---ねこのろけ・04---【Next→】

 04 ねこといぬ・その1

「ただいまー」と帰宅して靴を脱いでいる最中に、正体不明の生き物にキス(しかもディープ)をかまされたら、どうしますか。 とりあえず「うひょっ」と驚きますね。そして次に「何事?」と正体をじっくり見極めるでしょう。

見極めた場所には、色白で黒目がちの美少女……ピンクのリボンも愛らしい一匹のマルチーズが、ヘッヘッヘッと尻尾を振っているのでした。

「おかえり」と階下に来た母に「犬?」と言うと、「マールよ。可愛いでしょ。」と満面の笑み。 いや、可愛いけど。なんで?どうして?
「年末に、可愛いから衝動買いしたってさ。アホだよ。」と言ったのは妹。
たみ猫を家族に内緒で衝動貰いした過去を持つ私は、自分の血の源を知ったのでした。


たみ猫はキャリーケースの中に隔離されていました。
「出しても良い?」と問うと、母は「マールちゃん良い子だから平気よねぇ。おとなしいものねぇ。」 と、犬に話し掛けて一人で納得しています。う〜む。
ネズミでは腰を抜かしたけど犬は大丈夫かしら。 チラリとマールを見ると、目を輝かせて静かにヘッヘッヘッと座っています。 おとなしい犬だったら、平気かな? そしてケースの入り口を開いて、たみ猫がのそのそ這い出た瞬間。

マール、猛烈ダ〜ッシュ!匂いかぎ攻撃。たみ猫のお尻を執拗にくんくんくん
たみ猫、びびる。「いやーん」と鳴く。逃げる。振り切れない。くんくんくん
「マールちゃん駄目よ。嫌がってるでしょ。」母の制止聞かず。くんくんくん
「こら!」私、マールをつかむ。マール、唸る。噛む。たみ猫、逃げる。だだだだー。

私「噛んだ〜。駄目犬だ〜。ちゃんと厳しく躾してよね〜(ドキドキ)」
母「お母さんもお父さんも優しいからねぇ。子どもの躾もねぇ。はぁ(ため息)」
やぶへび。


たみ猫は駐車場でいじけていました。
私は、右手に『白シッポ(ねこじゃらし)』、左手に『かつおぶしパック』を持ち、猫なで声で呼びかけます。 「ちゅけちゃーん。おいしいですよ〜。ほら、あしょぼ〜。」
隣家のベランダに行ってしまった時など、いつもはこの方法で帰ってくるのです。 しかし、今回は車の下に隠れて出てきません。 白シッポを車の下に入れて、たみ猫に振ると、どうやら私に威嚇している様子です。 悲しい気持ちになった私は諦めました。お腹が空いたら出て来てくれるよね……。

たみ猫は次の日の朝まで、出てきませんでした。

マールをキャリーケースに入れて、たみ猫に餌を食べさせたのですが、マールは 「出して〜。猫の臭いかぐの〜。一緒に遊ぶの〜。」とケースを引っかいて大騒ぎ。 「わおぉーん」と、遠吠えまでしちゃってます。 その声に、餌をポロッと口から落としビクビクするたみ猫の姿は、本当に哀れでした。
「これから、どうしたら良いんだよぅ(T_T)」


マール画像

「けんかするほど仲が良い」とうそぶく母・うろたえる私・見守る妹・無言の父・いじける猫。 怒涛の時代を感じつつ…つづく。

▲TOP


ねこのろけ■ ■↑Home[h]