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小林まことの『ホワッツ・マイケル』という猫漫画に
『猫を飼っている人なら誰でも知っている、恐怖のもみもみ攻撃』
というのが出てきます。
それを初めて読んだ時に飼っていたミコ猫は、全く揉まない猫でした。なので私は、 「ちぇっ、こんなの嘘。ミコは揉まないもん。」と、自分を納得させつつ、 (知らない人だって居るんだぞ〜)と、小林まことを恨んでおりました。 (私だって揉まれたいんだぞ〜)と、野望を抱いてもいました。
さて、それから数年たった現在、家には2代目猫としてたみ猫が居るわけですが このたみ猫が異常なほどの揉み猫でして、めでたく私の野望はかなったのでした。 (小林まこと先生ごめんなさいね♪)
呑気に寝ている所に忍び寄り、耳元で「可愛いよ。しゅき(好き)だよ。」と囁き、頭を撫でる。 半覚醒状態になり、「なぁに?」とマッタリしている所をさらに撫でる。 手がつつつと空中をさ迷い……かすかにグーパーグーパー。 あまり激しくない揉み型。
布団の中にひっぱりこみ、耳元でチッチッチと舌打ちしてあげながら、腕をやさしく撫でる。 ゴロゴロと喉元の猫エンジンが始動しはじめたらこっちのもの。 口が自分の腕元をさ迷い……毛皮をチュッチュと吸いつつグーパーグーパー。 やや勢いの良い揉み型。
柔らかい毛布の上やタオルの上や脱ぎ散らした服の上に、やさしくのせてあげる。 一瞬困ったような顔をしてこっちを向いたら、掛け声開始。 「ハイッ、いっちにー、いっちにー♪」……前足で足踏みグーパーグーパー。 とても力強い揉み型。
注:
たみ猫は、爪研ぎ時でも足踏み時でも、掛け声をかけるとそれにあわせようと頑張ります。
速く言うと焦って速くなるのが、可愛いんだよなぁ。
猫のお揉みは、仔猫が母猫の乳の出を促すためにする行動なのだそうです。 早くに母猫と別れた猫ほど、揉みがちだという話もあります。 ミコ猫がノラ生活を経験し、母猫の元で十分に生活したのに比べて たみ猫は、早い時機に貰われ、母猫と十分に交流できなかったのでしょう。
そう考えると、私はたみ猫が可哀想で、愛しくて、切なさで胸がいっぱいになります。
世界一幸せにしてあげたい……という強い衝動にかられます。
そして、衝動の赴くまま
「良い子だよ。だいちゅきだよ。かわいいよ。」
と頭やら喉やら撫でまくって、さらにたみ猫を揉ませてしまうのです。
「もう8歳なのに、お揉みしてたらおかしいよ〜」
わざと揉ませてこういう事を言うのが、通のやり口(笑)