水草(特にアヌビアスの)

残留農薬に気をつけよう!


流木はエビの餌場や隠れ家として無くてはならないものです。

この流木に活着性のある水草を繁茂させると、なんともカッコイイ感じに仕上がります。

 活着する水草の代表選手と言えば、ウイローモス・ミクロソラム・アヌビアスが有名です。これらの水草は低光量やCO2を添加していない水槽でも、それなりに育ってくれます。でも、その生長速度の遅さ(と、藻類に覆われやすいことも?)からか、ショップで購入するといい値段がします。ところが最近、非常に安いアヌビアスナナがショップに出回り、ナナを入れた水槽でエビが急速に大量死する事件が頻発しています。そのメカニズムと対策を考察してみましょふ。


カメの毒汁か?

 一昨年の秋....関東地方の有名な大型熱帯魚点をブラブラしていたところ、アヌビアスナナがあまりに安いのに驚いてしまいました....普段通っているショップの約1/5の値段でアヌビアスナナが売られていたのです。僕はそのナナを即Getして、カメ水槽のレンガにテグスで縛り付け、むひひ...などとほくそ笑みつつ水景を眺めておりました。....30分後ほど経ったころ....近所の川でカメの餌用に採取してきたヌマエビとタモロコが何匹も★になっているではありませんか!!

 カメ水槽にはヌマエビが20匹ほど、タモロコが10匹ほど入っていました。タモロコは半数が浮き、残りは問題なし....気づいた時点でエビの半数が動かなくなり、残りのエビは脚を上にして激しく泳ぎ回り、突然動かなくなる.....という、異常な状態でした。(カメの様子には異常が無く、彼女は動かなくなったエビや魚をせっせと食べていました....(^^ゞ )エビが酸欠で★になるパターン(徐々に活動量が落ちてやがて昇天...)とは明らかに異なり、あきらかに毒による中毒死が原因のように見えました。その時は、カメの毒汁(フン由来の亜硝酸やアンモニウム)で死んだのではないかと思っていました....

 

水草か?

 その後....ネット上でエビが大量死した....なるカキコミを幾度も見るようになり、死亡時の様子(エビの異常遊泳と短時間での連続死)も僕のカメ汁事件と似たような状態でした。ただ、そんなカキコミの中に、亀や大型肉食獣(魚)を一緒に飼っていたというものは少なく、ほとんど水草を入れた直後に事件が起きていました。もちろん買ってきた水草を処理せずに導入していたわけでもなさそうです.... ほとんどのケースで共通するキーワードは「アヌビアスナナ」、「しかもメチャ安!」でした...

 

気中栽培と農薬

 水草の大部分は水上栽培で大量生産されています。これは、育生が早く、藻類にまみれる危険性も少なく、また手入れも楽なためです。このとき、アブラムシ対策で大量の農薬が使われるそうです。栽培農家(ファームか?)としては、なるべく人の手をかけずに農薬を使い、さっさと輸出してしまうほうが儲かるわけです.....輸入食品に対する基準ほど、水草に対する残留農薬の基準が厳しいとは思えません.....一応、魚がギリギリ死なない程度の残留農薬しか残っていない状態で出荷されているはずです.....

 この農薬は水溶性かあるいは水中に入れておくとバクテリアによって分解されるものであると思われます。だから、輸入されてから、ショップで水中にストックされてある程度の時間が経過していれば、大部分が洗い流されてしまうのでしょう。ところが、ショップによっては、そのような「メンテナンスを行わず、その分の値段を安くする」のをウリにしている店もあるようです。そういう店で購入した場合には、「しかるべきメンテナンス」を我々消費者が行うことになります。

 

エビと農薬

 「エビは薬に弱い」今や常識となった言葉です。様々な薬品ごとにエビの致死量はバラバラですが、ある有機リン系農薬では、同一体重あたりの魚の致死濃度に比べて、エビの致死濃度は数千分の一なのだそうです。だから、魚が死なない程度の残留農薬しか残っていない水草でも、エビにとっては十分危険なわけです。

 

起こってしまったらどうするか

 まずは毒の元になった水草を取り除きましょう。毒の入っていない水槽があるのなら、エビを慎重に水あわせして引っ越しさせてください。引っ越す咲き無いのなら、温度を合わせてカルキを抜いた水で半量換水をしましょう。もしも全滅しそうなイキオイであれば、イチカバチカで多めに換水するのもヤムナシです。また、アクアセイフ(保護コロイド)を添加すると毒を無力化できる(某ショップの店長談)との未確認情報もあります。活性炭にも毒を吸着除去する能力があるかもしれません....とにかくやれることを全てやったのなら、あとはかわいいエビを信じて回復するのをひたすら祈りましょう。

 

 症状

 最後にもう一度、どんな症状が見られたかまとめてみましょう。

・エビたちが腹面を上にして泳ぐなど、滅茶苦茶に泳ぎはじめる

・泳いでいたかと思ったら、突然スイッチが切れたかのように動かなくなり、逆さまに沈んでゐった

・水草を入れてから短時間(30分後〜その日のうち)でえびの連続死が始まった

・導入した水草にエビが張り付いた.....とおもったら、異常な行動を起こしてひっくり返った

 

あぶないアヌビアスの見分け方

 ナナはふつう、このようにポット入りで売られています。ほとんどの葉っぱが深緑色で、新葉だけがライトグリーンのもの(左)は、水中でじっくり育成されたものです。逆に安価で、全ての葉っぱが異常に薄っぺらくてライトグリーン(右:ゴールデンタイプは除く...)のものは、水上で急速に育てられた可能性が高い(=残留農薬が高濃度である可能性が高い)です。水中でストックされているわけでもなく、最初からパック入りで売られているものも危険度大です。ショップによっては、水草展示水槽に魚やエビが少数入っている場合もあります。そのような状態で売られている水草は、比較的安全だと思います。

 

アヌビアスナナ導入の仕方

 ポットからグラスウールごとナナを取り出します。グラスウールは、草体よりも高濃度に農薬が残留している可能性が高いので、根っこにこびりついたグラスウールも丁寧に全て取り除きます。面倒ですが、ピンセットなど駆使してキッチリとやりましょう!しかるのちに、水道水で丹念に洗い、グラスウールのカスをとり除き、草の表面に残った農薬も洗い流します。

 今までの常識では、この状態で水草から有害成分(農薬・スネールなど)を取り除く操作は完了で、あとは古い葉っぱを取り除いて植栽すれば良かったのですが....

 

さらに...

 農薬が残留している可能性がある水草を手に入れた場合、バケツに水を張り、数日浸けておきましょう。その後再び流水で洗えば、残留農薬は限りなくゼロに近くなります。それでも心配なら、エビの入っていない水槽で一ヶ月ほど様子を見て、新葉が展開してきた頃にエビ水槽に入れる.....っていうのはどうでしょうか?