恋人を亡くした青年が彷徨しながら見る幻影は…。
時代を反映する70年代フォーク的青春哀歌。
記念すべき『かぶしきがいしゃ』第一作

青年は幻影を見る
幸せだったころ
このあと忌まわしい事故が起こった
遠くに見えるのが建設中の山大附属病院
最愛の恋人を、突然の交通事故で亡くした青年は、あれから空しい毎日をおくっていた。
雪どけのころ、青年は恋人の幻影をさかんに見るようになった。
そしてある日、青年は恋人の幻影を追いかけて、あやまって崖下に転落してしまう。
動かなくなった青年を、名残の雪が静かに包んでゆく……。

石の森章太郎氏の、『ファンタジーワールド・ジュン』や、永島慎二氏の一連の青春モノの影響を色濃く反映した作品。
サイレント作品なので、ストーリーを映像のみでわかってもらうようにと苦心しました。
映画撮影のノウハウや、カメラの操作もまったくわからないまま、いきなりクランクインしたものです。
ですから、たかはしよしひでの感性だけで作られた私的な作品と言えます。
フィルムを入れ忘れたとか、フィルムがすでに終わっていたなどの一通りのトラブルを経験しながら、撮影は進んでいきました。
回想シーンをモノクロで撮影したり、未熟なりにも工夫してある記念すべき第一作。
遠景に、建設中の山形大学附属病院が映っているのも、時代の流れを感じます。
20年目にして一般初公開されました。


主演は南雲正明と、鏡佳代子。
監督は、たかはしよしひで、若干22歳。あのとき君は若かった……。


(74年製作/1994年劇場公開作品
 /上映時間4分)

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