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第6話「ガルマ出撃す」
脚本・山本優 絵コンテ・山崎和男 演出・小鹿英吉 作画監督・安彦良和

ナレーター「人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって、既に半世紀が経っていた。地球の周りの巨大な人工都市は人類の第二の故郷となり、人々はそこで子を産み、育て、そして死んでいった。宇宙世紀0079、宇宙都市サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に独立戦争を挑んできた。この戦いでジオン公国と連邦は総人口の半分を死に至らしめた。人々はそのみずからの行為に恐怖した」

アイキャッチ「ガルマ出撃す」

ブライト「地球にいるジオンの空軍か」
オスカ「ガウ攻撃空母の一個中隊が展開してます」
ブライト「かなりの数だな」

ジオン兵A「相対速度コンマ780。いいぞ、その調子だ」
ジオン兵B「ところがよくはないんだよ」
ジオン兵A「見えたぞ。進入角度浅すぎるぞ」
ジオン兵B「わかったよ、そのようだな。一回で着艦したい、いいな?」
ジオン兵A「了解した。レーザーロックスタンバイ、いつでもどうぞ」
ジオン兵B「レーザーセンサー開放。頼むぜ」
ジオン兵A「よーし、上等上等」
 「ガルマ大佐、ムサイのカプセル収容しました」

ガルマ「いよう、シャア。君らしくもないな、連邦軍の船一隻にてこずって」
シャア「言うなよガルマ。いや、地球方面軍司令官ガルマ・ザビ大佐とお呼びすべきかな?」
ガルマ「士官学校時代と同じガルマでいい」
シャア「あれが木馬だな?」
ガルマ「うん。赤い彗星と言われるほどの君が仕留められなかった船とはね」
シャア「わざわざ君が出てくることもなかったと言いたいのか?」
ガルマ「いや、友人として君を迎えに来ただけでもいい、シャア」
シャア「大気圏を突破してきた船であるということをお忘れなく」
ガルマ「ああ。その点から推測できる戦闘力を今、計算させている。君はゲリラ掃討作戦から引き続きだったんだろ?休みたまえ」
シャア「お言葉に甘えよう。しかし、ジオン十字勲章ものであることは保証するよ」
ガルマ「ありがとう、これで私を一人前にさせてくれて。姉に対しても私の男を上げさせようという心遣いだろ?」
シャア「フフッ、はははは、ははは」
ガルマ「笑うなよ、兵が見ている」

クルーA「20ブロックの修理部品が足りないぞ」
クルーB「電気系統だけは手を抜くなよ」
クルーC「関節の油圧は異常なし。バランサーの計測に入る」
リュウ「不発弾が一発でもあったらただじゃおかないぞ」
オムル「大丈夫ですよ」

カイ「おやおやハヤト君、ご精が出ますねぇ。しかしね、目の前に敵さんがいるのよ、間に合うの?」
ハヤト「茶化さないでください」
セイラ「カイ君、あなたはタンクの整備の担当でしょ?」
カイ「すんだよ」
セイラ「なら、第一戦闘配備のまま待機してください」
カイ「ほいじゃあんたは?」
セイラ「ブリッジのモニターであなたはチェックできませんでした。ブライトの命令で捜していたんです」
カイ「どうも」

リード「ガンダムを出動させれば事はすむんだよ。このジオン軍の壁を突破するにはそれしかない」
ブライト「アムロには休息が必要です」
リード「しかし、今までの敵と違って戦力をそろえてきているんだぞ」
ブライト「敵の出方を待つしかありません」
リード「私が指揮するんだ。コアファイターが一機、ガンダムが一機、これで中央突破する」
キッカ「…」
リード「ええい、やめないか、騒がしい」
キッカ「…」
リード「見ろ、ブライト。迎撃ミサイルを」
ブライト「各員、個々に迎撃しろ。ドップの編隊をホワイトベースに近づけるな」

ハンブル「この木馬野郎」

マーカー「ドップ、後方にまわりました。我々の逃げ道をふさぐつもりです」
リード「ブライト、君は命令違反を犯しているんだぞ」
ブライト「命令を実行する前にドップが襲い掛かったんです」
アムロ「ブライトさん、行きます」
ブライト「アムロ」
アムロ「事情はセイラさんから聞きました」
ミライ「大丈夫なの?」
フラウ「無理をすれば敵に隙を突かれるだけよ」
子供達「自信あんの?アムロ」
アムロ「自信の問題じゃない。やるしかないんでしょ?ブライトさん」
ブライト「ああ」
リード「ブライト、ガンダムを行かせろ」
ブライト「ガンダムは空中戦用の兵器ではないことをお忘れなく。ましてアムロです」
リード「…」
ハヤト「あの、接近戦にはならないはずです。ガンタンクで狙撃するっての、どうでしょう?アムロの負担も少なくなるし」
アムロ「ハヤト」
ブライト「了解だ。ガンダムからガンタンクへ換装を急げ。コアファイター二機は迎撃要員として残せ」
 「よろしいですね?」
リード「突破できるんだな?」
ブライト「わかるものか」

ガルマ「ハンブル、お前達はそのまま敵艦を追跡しろ」
ハンブル「了解、大佐」
ガルマ「ゲビル隊が前にまわったら攻撃を掛ける」
 「ゲビル、ゆけい」

ゲビル「ゲビル戦隊、行くぞ」

ブライト「ガンタンク、換装急げ」
ミライ「ブライト、敵が攻撃を控えているのはなぜかしら?」
ブライト「このホワイトベースを無傷で手に入れるつもりなのだろうな。高度を下げろ、ミライ」
ミライ「了解」
リード「ジオンにこの船は渡せん」

オムル「ガンタンクトップ、移動」
アムロ「タンクユナイト確認。ブライトさん、指示を待ちます」
 「ハヤト、いいな?わかるか?」
ハヤト「わかります。任せてよ」
セイラ「ガンタンク、発進位置へ前進。以後、待機のこと」
アムロ「微速前進」
フラウ「完全にオーバーワークだわ。けど」
ハヤト「アムロ、ホワイトベースから出たらなるべく離れてくれ。敵の隊列を混乱させよう」
アムロ「賛成できないな、そうだろう。敵の狙いはホワイトベースだ、離れたら援護ができなくなる」
ハヤト「違うんだアムロ。ガンタンクなら敵の注意を十分に引けるから、敵の戦力を分散させる為に」
アムロ「ハヤトは敵を一機でも多く撃ち落せばいいんだ」

ガルマ「山を盾にしようとてそうはさせぬ。地上部隊を前進させろ。敵艦を補足、占拠するぞ」

ミライ「大気高度105メートル、ホワイトベース固定します。ガンタンク、発進OKです」
セイラ「アムロ、発進OK。バランス確認の上、降下」

アムロ「了解、発進します」
 「ハヤト、いいな?」
 「行くぞ」

ハンブル「なんだあれは?戦車のようだが」
アムロ「ハヤト、どっちだ?」
ハヤト「右後方旋回」
ハンブル「な、なんという破壊力だ」
アムロ「…な、なんだ?」
 「ち、地上部隊だ」

リード「山岳部を盾にガンタンクで切り抜けよう。編隊機もそう自由に攻撃してくることもできまい」
 「…何事か?」
オスカ「敵の地上部隊です」
リード「なに?」
 「マ、マゼラアタックの部隊か」
 「退け、後退だ。いや、転進しろ」
 「馬鹿者、どこを狙って撃っておる」
ブライト「前部主砲、マゼラアタックを集中攻撃」
リード「き、貴様、後退せんのか」
ブライト「ホワイトベースに関しては、初めて扱われるあなたよりは私達の方が慣れています」
リード「き、貴様、ぐ、軍規違反で」
ブライト「敵の包囲網を突破してご覧に入れればよろしいのでしょう?」
リード「…よかろう」

セイラ「…代わります」
カイ「大丈夫かよ」
セイラ「これを引くのですね?」
クルーA「ああ、すまん」
 「すごい、や、やったか?」

ハヤト「アムロ、敵は僕達がホワイトベースの前にいる以上、規則的な攻撃を強めてくるばかりだ」
アムロ「ホワイトベースを離れる訳にはいかない、このまま突っ込んで脱出路を作るんだ。あ?」
ブライト「アムロ、ブライトだ、君に頼みたい。マゼラアタックに対してガンタンクは小回りが効かない。ガンダムで、ガンダムでやってくれるか?」
アムロ「ブライトさん」
ブライト「頼む。ガンタンクの方はリュウに操作させる」
アムロ「ブライトさん」
ハヤト「アムロ、ブライトさんの言う通りだ、マゼラアタックは」
アムロ『一人の方が戦いやすいか』
 「了解です。ガンタンクはカイかセイラさんに操縦させてください。セイラさんならできるはずです」

アムロ「このままじゃ袋叩きって訳か」

ハヤト「ホワイトベースから離れて戦力を分散させるんです」

アイキャッチ 

ジオン兵A「申し上げます。あの戦車は新型のモビルスーツの一機のようだとの報告が入っております」
ガルマ「モビルスーツ?あれがか?あれが連邦軍のモビルスーツだというのか?」
ジオン兵A「は、火力が並の戦車のようではないと」
ガルマ「モビルスーツにはモビルスーツで叩け。三機あるはずだな?」
ジオン兵A「は」
ガルマ「包囲部隊に告げたまえ、海に逃がしてしまっては連邦軍の制空圏内に飛び込まれるかもしれぬ、これ以上連中を前進させるな、とな。よいな?」
ジオン兵A「は、かしこまりました」

セイラ「コアファイターを換装している時間はないわ。アムロ、走って」
アムロ「了解」
 「…行ってくれるのか?」
カイ「しょうがねえだろ」
フラウ「飲んでって、栄養剤よ」
 「こんなことしかできないけど」
アムロ「ありがとう」
フラウ「頑張ってね」
クルーA「頼むぜ」
セイラ「リュウ、自信がなければいいのよ」
リュウ「やむを得んでしょう。発進します」
アムロ「僕だって、自信があってやる訳じゃないのに」
セイラ「アムロ、何か言って?」
アムロ「いや。アムロ、ガンダム発進します」
セイラ「急がないで。ガンタンク発進までスタンバイです」
アムロ「もう、これだ。すべてこれだ」

シャア「ガルマが苦戦して当然さ。我々が二度ならず機密取りに失敗した理由を彼が証明してくれている。しかも、我々以上の戦力でな」
ドレン「はあ?」
シャア「ドズル将軍も、決して私の力不足ではなかったことを認識することになる」
ドレン「なるほど」
シャア「ガルマはモビルスーツに乗ったか?」
ドレン「いいえ」
シャア『そうか、ガルマは乗らなかったか。彼がガンダムと戦って死ぬもよし、危うい所を私が出て救うもよしと思っていたが』

アムロ『ガンタンクが正面、僕がさらにその前に出るってことは、ハヤトの言う通りホワイトベースから離れるってことか』
セイラ「ガンダム、アムロ」
アムロ「はい、セイラさん」
セイラ「発進です。ザクが三機降りてきたわ、気をつけてね、アムロ」
アムロ「はい」
 「女に作戦を聞く訳にはいかない。ブライトは初めからはっきりしていりゃあ」
 「行きます」

アムロ「うっ、お、落ちる…」
 「…」
 「…リュウさん」
リュウ「ん?」
アムロ「なんだあれは?」
 「カイ、下がれ。あとはガンダムがやる」
カイ「頼むぜ。ハヤトが狙い撃ちされそうなんだ」
アムロ「こいつ」
 「…」
 「リュウさん、うしろ、うしろ」
 「…」
ジオン兵A「敵のモビルスーツのビームライフルだ。あ、あんなにすごいのか?」
アムロ「な、なんの真似だ?」
ハヤト「アムロ」
 「こいつ」
アムロ「クッ」
 「うわっ、うっ…」

フラウ「アムロ」

アムロ『やられるもんか、やられる』

ハヤト「敵に目標を分散させる、分散させる」

アムロ『よーし、やってみる』
 「あそこだ」
ジオン兵A「うわーっ」
アムロ「つかまえた」
ジオン兵A「うおーっ」
アムロ「うわーっ」
 「このーっ」
 「…」
ハヤト「アムロ、お前」
 「よーし」
アムロ「やあーっ」
 「…」

ガルマ「基地へ帰還する」
ジオン士官A「このまま帰還するんですか?大佐」
ガルマ「見ただろう、敵の威力を。私はあれを無傷で手に入れたい。あれは今度の大戦の戦略を大きく塗り替える戦力だ。が、奴らを大陸から一歩も出すな、私の監視の目の中に泳がせておけ。私は必ず仕留める」

ミライ「ブライト」
ブライト「うん、山沿いに大陸に入るしかないな」
ミライ「そうね。ガルマ・ザビに占領されたといっても、まだ大陸には連邦軍の地下組織が抵抗を続けているはずよ」
ブライト「どうやって接触するかだが」
ミライ「ブライト、今はみんながあなたをあてにしているのよ」
ブライト「わかっている、ミライ。さあ、ガンダムの戦士を迎えよう」

フラウ「アムロ、お疲れさま」
 「アムロ」
リュウ「アムロ、お疲れ」
カイ「おーいアムロ」
ハヤト「お疲れさま」
カイ「ちぇっ、気取りやがってよ。戦ったのはなにもガンダムばかりじゃねえんだよ」
ハヤト「よしなよ、そんな言い方」

キッカ「わーい…」
カツ「…」
レツ「…」
キッカ「アムロ、キッカ達お祝いのパイ大急ぎで作ったのよ」
レツ「シャンペンも持ってきたからさ、アムロ」
カツ「パイで乾杯しようよ」
ハロ「アムロ、カンペー、アムロ、カンペー」
アムロ「…一人にしてくれよ、な?」
キッカ「…なによアムロ、イーだ」

ガルマ「シャア」
シャア「ガルマか?」
ガルマ「なぜあの機密のすごさを教えてくれなかったのだ?」
シャア「言ったさ、ジオン十字勲章ものだとな。次のチャンスを狙っているんだろ?」
ガルマ「ああ、抜かりはない」
シャア「俺も協力する。君の手助けができるのはうれしいものだ」
ガルマ「助かる、君の力を得れば百人力だ。これでキシリア姉さんにも実力を示すことができる」
シャア「キシリア殿は君の直接の上司だったな?」
ガルマ「シャア」
シャア「なんだ?」
ガルマ「私はよい友を持った」
シャア「水臭いな、今更。はははは」

次回予告「連邦軍本部と連絡を取る為、アムロは敵陣を飛び越す作戦を実行した。しかし、シャアがその作戦の出鼻をくじく。コアファイターはガンダムに換装してシャアに立ち向かえるのか?機動戦士ガンダム、次回、『コアファイター脱出せよ』。君は、生き延びることができるか?」
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