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第20話「死闘!ホワイト・ベース」
脚本・山本優 絵コンテ・斧谷稔 演出・藤原良二 作画監督・富沢和雄

アムロ「リュウさん、スタンバイOK」
リュウ「おう」
 「アムロ、ドッキングスタンバイ、いいか?」
アムロ「いきます、リュウさん。5、4、3、2、1」
リュウ「レーザーサーチャー同調。5、4、ガンダムBパーツ投下」
アムロ「コアチェンジ、ドッキングゴー」
ナレーター「少年達は一致団結して生き抜こうとしていたが、わがままと苛立ちがお互いの仲を気まずいものにしていた。しかし、敵の攻撃はそんな少年達とは関係なく迫りつつあった」

アイキャッチ「死闘!ホワイト・ベース」

ブライト「暗号解読は間違ってないんだろうな?」
セイラ「ええ。オデッサ・デイ発動まで動くな。何度も調べてみたわ」
ブライト「ランバ・ラルって言ってたな?」
セイラ「ええ」
ブライト「このままでは奴に捉まるぞ」
セイラ「そりゃそうだけど、マーカーとオスカを休ませなくっちゃ」
ブライト「うん。あの二人が一番働いているかもしれないな」
ミライ「お仲間に入れてくれて?」
セイラ「ちびちゃんの繕いものは?」
ミライ「終わったわ」
セイラ「あなたもマメね」

フラウ「食べていないんじゃないの?」
アムロ「ドアを閉めろよ、逃げ出すかもしれないぜ」
フラウ「そんなこと言わないでよ」
アムロ「あのランバ・ラルって人、必ず攻めてくるよ。ザクやグフがなければなおさらあの人は来るんだ。絶対に」
リュウ「来たら来たでいい。その時はガンダムに乗る。で、お前はどうする?」
アムロ「ホワイトベースを降りてもいいと思っています」
リュウ「…本気か?」
アムロ「ええ。いけませんか?どうせみんな気まずくなったんだし」
リュウ「ええい、貴様っ」
アムロ「あっ」
 「…本気で殴ったんだね、リュウさん」
リュウ「…い、いつか、マチルダさんがお前の事をエスパーかもしれないって言ったのが、俺はいかにもお前の事らしいと思ってたんだ。いいかげんいじけ虫は」
アムロ「フッ、マチルダさんか。自分の言葉でお説教したらどうなんです?」
リュウ「チッ」
 「フラウ・ボゥ、行こう」
フラウ「はい」
アムロ「一人でむきになったって人間が変わるもんか」

ハヤト「あ、よろしいですか?」
ブライト「うん、いいよ」
ハヤト「すいません、アムロの事なんですけど。ブライトさん、彼をはずすつもりないんでしょ?」
ブライト「なぜそう思う?」
ハヤト「独房に入れるって事はアムロの反省をうながしている訳で、つまりあてにしている」
セイラ「そうね」
ミライ「もともと、アムロをはずそうと言い出したのはブライトだけど、どうなの?」
ブライト「アムロはガンダムを持ってジオンに逃げたってよかったはずだ。それをしなかったのはなぜかと考えてみたのさ。そしたら」
カイ「望みが持てそうってのかい?」
ブライト「ああ」
カイ「アムロが帰ってきたのは一時的なホームシックみたいなもんさ」
ブライト「しかしな、あと一息だと思わんか」
 「なあ、リュウ」
リュウ「アムロの事か?うーん、大丈夫だろ」

クランプ「ラル大尉、ドズル閣下からの電文です。マ・クベ閣下から中継していただきました」
ラル「ハモン、いいニュースだ。陸上タイプのモビルスーツ・ドムを三機、まわしてくれるそうだ」
ハモン「ドム?あの重モビルスーツ?」
ラル「ハモン、移動するぞ。ドムを受け取ったら我々はただちに木馬に攻撃を掛ける」

ナレーター「キシリア旗下のマ・クベ大佐の部隊は、地球で最大の鉱物資源をおさえていた。ここは、そのマ・クベの本拠地である」
「ランバ・ラルはこの辺りの私の鉱山を知りすぎた。キシリア様がジオンを支配する時にこの鉱山は役立つ。実態はギレン様にも知らす訳にはいかんのだ」
ウラガン「は」
「次の手はわかってるな?」
ウラガン「しかし、あの方の依頼を握りつぶした事」
「心配ない。ランバ・ラルはそうは考えはせん」
ウラガン「はっ」

セイラ「リュウ、起きて、リュウ、リュウ、ハヤト達が出て行ったのよ」
リュウ「…えっ、なんです?セイラさん」

セイラ「ハヤト、カイ、ハワード、マクシミリアンが出て行ったの。追いかけてくれて?」
リュウ「と、とにかく追いかける」

リュウ「まったく、どいつもこいつも勝手な真似しくさって」
ブライト「リュウ、頼む」
リュウ「任せとけ。殴り倒してでも連れて来てやる」
ミライ「…リュウ、あたしも行くわ、連れてって」
リュウ「すぐ戻りますよ」
ブライト「ああ、ハヤトもあれではっきりした奴だしな」
ミライ「あたし達、アムロの事をそんなに身贔屓にしていたかしら?」
ブライト「みんながひとつ、考え落ちしているのさ」
ミライ「考え落ち?」
ブライト「アムロがいない間、指揮者としての僕はひどく不安だったって事さ」
ミライ「不安」
ブライト「君も星回りのいい女性だと思っている。しかし、アムロだ。あいつがいなくなった時感じた不安っていうのはこりゃ絶大だ。いったいなんなのだろうな?」

ラル「ポイントA13、間違いないのだな?」
クランプ「はあ」
ラル「30分は過ぎておる」
ハモン「あなた、光よ」
ラル「いや、あれはマ・クベの部隊の者だ」
 「…ド、ドムは届かぬと言うのか?」
ウラガン「は、まことに残念です。我がマ・クベ部隊の援護も間に合わず、中央アジアに入る直前で補給線は撃破されてドムは」
ラル「いや、このランバ・ラル、たとえ素手でも任務はやり遂げてみせるとマ・クベ殿にはお伝えください」
ウラガン「はっ」
ラル「ご苦労でした」
ウラガン「失礼いたします」
 『なるほど、いくさ馬鹿とはこういう男のことをいう』
 「ようし、帰るぞ」
ハモン「で、どうなさいます?」
ラル「お前の言う通りになったな。補給戦力をあてにせず、元々」
 「元々ゲリラ屋の私の戦法でいこう」
 「どうだ?クランプ」
クランプ「その方が兵どもも喜びます、隊長」

リュウ「連中め、やっと止まりやがって」
 「お前達までなんという事をしてくれるんだ」
ハヤト「戦うのはホワイトベースでなくたってできます。近くの連邦軍を探してそこに」
リュウ「ブライトを見捨てるつもりか?」
カイ「ブライトにはアムロがついてんでしょうが」
リュウ「いいかげんにせんか、カイ」
ハヤト「僕にはホワイトベースで戦う意味がなくなったんですよ。これは仕方のない事でしょ」
リュウ「ハ、ハヤト」

ラル「ギャロップは木馬の前面に出てギーンのザクと共におとりだ。そこをうしろからキュイで木馬に突っ込む。ハモンにギャロップの指揮を任せる。そして私とクランプで第一キュイ、第二キュイの隊長を務める。いいな?」
ハモン「はい」
クランプ「は」
ジオン兵A「はっ」
ラル「よし、ギャロップ発進。木馬をキャッチしたらザク、キュイはギャロップから離れて展開する」

ジオン兵A「木馬です。推定位置より10キロ移動しているだけです」
ハモン「良好です。ザク、キュイ、各隊30秒後にギャロップ発進」

ラル「よーしハモン、我々が木馬に取りついたら脱出していいぞ」

ハモン「あなたこそ、お気をつけて」

カイ「ああっ。殴らなくたっていいだろう、リュウ」
ハヤト「そうですよ、力ずくで人にいうことを聞かせようたって無理ですよ」
リュウ「…殴らなきゃわからんのだろう?お前達は」
カイ「ん?なんだ?あの音」
リュウ「ん?」
ハヤト「えっ?」
リュウ「…伏せろ。見つかっちゃまずい」
ハヤト「あの音、捕虜の言ってたギャロップだ。ホワイトベースに向かっている」
リュウ「ランバ・ラル隊か」
 「戻るか戻らないかはお前達の良心に聞くんだな」
ハヤト「リュウさん」
カイ「まったく」

ハモン「ザク、ギーン発進。続いてキュイ」

ラル「発進」

カイ「行くか?」
ハヤト「はい」
 「いいだろ?」
ハワード「はい」
マクシミリアン「はい」
カイ「いやに冷え込むじゃないか」
ハヤト「カイさん」
カイ「ん。しゃあねえな…」

ラル「フフ、この風、この肌触りこそ戦争よ」

アイキャッチ 

ハモン「あの少年、白いモビルスーツ・ガンダムのパイロットとか」
 「よい少年。さて、どう出てくるか」

ブライト「セイラ、どのくらい近づいている?」
セイラ「ここでは正確にわかりません。オスカとマーカーを呼び出しているんですけど」
ブライト「前部ミサイル用意」
 「ミライ、メインエンジンパワー臨界、急げ」
ミライ「はい。エンジンスタート終了、飛行再開まで1分20秒待ってください」
オスカ「すいません、寝坊しちゃって」
マーカー「すいません、寝坊しちゃって」
ブライト「左右のビーム砲を開かせろ、うしろのミサイルもだ。敵は一機じゃないらしい」
マーカー「…了解」
 「ビーム砲開け。敵の計測に入ります」
 「正面、ギャロップらしき物確認。山が邪魔でほかの物が見つかりません。ホワイトベースの高度を取ってくれませんか?」
ブライト「まだ無理だ。前方の監視カメラ開け」
マーカー「ギャロップです、射程距離に入ります」
ブライト「主砲、撃て」

アムロ「うっ、来たな。あっ」

ブライト「左の機銃なにやっている?ザクがいるんだぞ、撃て、撃て」
セイラ「ブライト、ガンダム発進します」
ブライト「す、すまんセイラ。左にザクがいる、発進の隙に狙い撃ちされんように高度を取れ。あてにしているぞ」

セイラ「はい、やってみます」
 「ガンダム、発進。うっ」

セイラ「あっ」

ブライト「フラウ・ボゥ、アムロを独房から出せ。ドアのキーはタイプ6Eで開く。わかってるな?」
フラウ「はい」
キッカ「ああっ、ホワイトベースのバギーがあんなとこ走ってる」
レツ「あんなとこじゃなんにもできないのに」
ブライト「なに?リュウ達が帰ってきたのか?」
キッカ「あそこよ。わかるでしょ、ブライトさん」
ブライト「ミライ、前の甲板と右の山の高さを同じにしろ」
ミライ「了解」

アムロ「フラウ・ボゥ」
フラウ「アムロ、出動よ」
アムロ「ガンダムは?」
フラウ「セイラさんが出動させたわ。アムロは左の機銃を担当してって」
アムロ「よし」
フラウ「頑張ってね」

カイ「あっ、なんだありゃあ?」
ハヤト「戦車?」
カイ「そうだ。ありゃあ白兵戦用の奴だ。奴ら、肉弾戦で来るつもりじゃないのか?」
リュウ「ホワイトベースに跳びこむぞ、そりゃーっ」

キッカ「お兄ちゃん達のバギーが着いたよ」
ブライト「よーし」
マーカー「うしろから二機の戦車が来ます」
ブライト「なんだと?」
マーカー「白兵戦用の戦車、キュイです」
ブライト「なに?白兵戦用の?」

アムロ「遅れてすいません。あっ」

セイラ「うっ…」

アムロ「セ、セイラさん、もっと下がって狙うんです、うしろにジャンプです」
 「よーし」

セイラ「来た」
 「やった?」

アムロ「やったあ、セイラさん」

ラル「木馬が逃げにかかるぞ。射撃開始」

マーカー「うしろから攻撃が始まりました」
ブライト「リュウ、カイ、ほかにも戦闘のできる者はうしろへまわれ。敵の侵入を阻止する」
ミライ「マーカー、オスカ、銃は持っているの?」
マーカー「は、はい」
ミライ「…ホワイトベースを乗っ取るつもりがなければ、ギャロップだってもっと当てているわ」
マーカー「ああ、そういえば」

アムロ「あの人が来るんだ」

ラル「掛かれ」
アムロ「あっ」
ラル「砲撃の少ない所へ突撃しろ」
クランプ「クランプ隊、行くぞ」
クルーA「うあっ」
ジオン兵A「ああーっ」
アムロ「入れるな、ホワイトベースに入れるな」

セイラ「だ、駄目だわ。ガンダムの武器では威力がありすぎて兵隊だけをやっつける訳には」

子供達「うわーっ」
キッカ「こいつめ、行っちゃえ、落ちちゃえ」

クランプ「なんでこんな子供がいるんだ?」
 「さがってろ、怪我するぞ」
 「さがれと言っている」

キッカ「わあーっ」
ミライ「オスカ、マーカーはブリッジの入り口を、ジョブ・ジョンは前を」
ジョブ「はっ」

ジオン兵A「うっ、ああーっ」
クランプ「よし、行けるぞ」
 「ああーっ」
クルーA「わあっ」
クルーB「うわあっ」
クルーC「78番ハッチが突破されたぞ」
アムロ「なに?うわっ…」
ラル「急げ、サブブリッジを占領するぞ、おおっ」
フラウ「あっ…」
ラル「銃を持っていれば殺す。どこかに隠れているんだ」
フラウ「あ、あなたは」
 「あの人、レストランに」
アムロ「あっ」
ジオン兵B「ええい」
アムロ「…」
ジオン兵B「おっ」
アムロ「…」

ラル「勝てたのはそのモビルスーツのおかげだ。自分の力で勝ったのではない」

アムロ「おおっ」
ジオン兵B「…ええいっ…」
アムロ「こ、こいつ…」
ブライト「ガンダムをセイラと代われ。第二ブリッジの敵をガンダムで撃退する」
アムロ「どうやって?」
ブライト「ホワイトベースを壊してもだ」
アムロ「は、はい」

アムロ「セイラさん」
セイラ「頼むわね、アムロ」
アムロ「はい」
セイラ「敵は?」
アムロ「第二ブリッジです」
セイラ「そう」

ジオン兵A「しかし、妙だとは思いませんか?少年兵ばかりというのは、どうも」
ラル「どこも人手不足だからな。開くぞ」
クルーA「敵だ、敵だ。うわっ」
ラル「まっすぐ行け」
リュウ「…やらせるか」
ラル「メインブリッジのコントロール回路を切るんだぞ」
クルーA「はっ」
セイラ「あっ…」
ラル「あっ、ひ、姫、ひ、姫様か?」
セイラ「…」
ラル「…間違いない、アルテイシア様に違いないな。私をお忘れか?あなたの父上ジオン・ダイクン様に御仕えしたジンバ・ラルの息子ランバ・ラルですぞ」
セイラ「アルテイシアと知ってなぜ銃を向けるか」
ラル「はっ、やはり。で、ではなぜ?」
リュウ「セイラ、退け。うおーっ」
ラル「おっ、不覚」
リュウ「おおっ」
セイラ「リュウ」
ラル「ううっ」
セイラ「ランバ・ラル、退きなさい」
ラル「ひ、姫様、おっ」
ブライト「アムロ、聞こえるか?第二ブリッジを占領された。撃破してくれ」

アムロ「了解」

ラル「…ハモンと連絡は?」
ジオン兵A「はっ、周波数は合わせました」
ラル「お前達は退け。作戦は失敗だ」
ハモン「あなた」
ラル「ハモン、すまぬ。木馬をギャロップで撃破してくれ。ランバ・ラル、戦いの中で戦いを忘れた…アルテイシア様が」
ハモン「どうなさったのです?」
ジオン兵A「わあっ」
ラル「うおっ」
 「…またモビルスーツのガンダムか。…わしの戦っていた相手が皆、年端のいかぬ少年達とは皮肉なもんだ…」
ブライト「おおっ」
ハヤト「あっ」
セイラ「あっ」
ラル「君達は立派に戦ってきた。だが、兵士の定命がどういうものかよく見ておくんだな」

ラル「うおーっ」
アムロ「あっ」

セイラ「ラ、ラル」

アムロ「うわあっ」
 「ハモンさん、ランバ・ラルが死んだんだぞ」
 「やめるんだーっ」

ハモン「ああっ、ブリッジ、射出を」

ハモン「隊長から連絡はありませんか?」
ジオン兵A「は、はい。あれが最後で」
ハモン「そう」
 「ランバ・ラル」

アムロ「ランバ・ラルにハモン」

ブライト「静かに、静かに運ぶんだ」

次回予告「戦死したランバ・ラルの意志をハモンが継いだ。数少ない武器を持って迫るハモンはついにガンダムを討ち取るのか?その危機に、リュウ・ホセイのコアファイターがハモンを襲う。機動戦士ガンダム、次回、『激闘は憎しみ深く』。君は、生き延びることができるか?」
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