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第29話「ジャブローに散る!」
脚本・荒木芳久 絵コンテ・斧谷稔 演出・貞光紳也 作画監督・安彦良和

ナレーター「それは、素人ゆえの悲しい出来事であったかもしれない。しかし、戦火の中に散っていったその若い命のことは、決して小さなことではなかった。カイ・シデンの深い悲しみを慰めることなど誰にもできはしなかった」
 「ホワイトベースは南米大陸に入った。地球連邦軍本部、ジャブローへ向かう為に」

アイキャッチ「ジャブローに散る!」

ジオン兵A「間違いありません。木馬はジャブローに向かっています」
シャア「スパイの情報通りだな。逃がすなよ」
ジオン兵A「はっ」

子供達「わあーっ」
キッカ「…」
ハロ「チョウチョ、チョウチョ、チョウチョ、チョチョ、チョ、チョウチョ」
セイラ「綺麗なものね」
アムロ「すごいや」
 「いよいよ連邦軍のドック入りですね」
ブライト「嫌かね?」
アムロ「いえ」
ブライト「全員に告げる。ジャブローに入る、各員、対空監視を怠るなよ」
カツ「ジャブローたってなんにも見えないじゃん」
レツ「あ、あれ」
ミライ「…着陸完了」

ジオン兵A「おっ、木馬の反応が消えました」
シャア「フフフフ、ついにジャブローの最大の出入り口をつきとめたという訳さ。消えた地点を中心に徹底的に調査しろ。ジャブローの基地もろとも叩き潰してやる」

アントニオ「かなり傷んでますね。報告以上だ」
ウッディ「うん、ホワイトベースこそ実戦を繰り返してきた艦だからな」
 「よーし、点検かかれ」
アントニオ「点検作業かかれ」
連邦士官A「第一、第二部隊、点検作業かかれ」
ブライト「ウッディ大尉でいらっしゃいますか?ホワイトベースの責任者、ブライト・ノアであります」
ウッディ「ご苦労。あ、アムロ・レイという少年はいるか?」
ブライト「はい」
 「アムロ」
アムロ「はい」
ウッディ「彼がアムロ?」
ブライト「はい」
ウッディ「あんな少年とは」
アムロ「なんでしょう?」
ウッディ「君がガンダムのパイロットなのか?」
アムロ「はい」
ウッディ「マチルダから聞いてはいたが」
アムロ「マチルダさんから?」

シャア「なんだって?」
マリガン「ゾックって言ってました。モビルスーツのゾック」
シャア「使えるのか?」
マリガン「水陸両用、ジャンプ力もザクの数倍だと」
シャア「誰が言うのだ?」
マリガン「北米・キャリフォルニアの技師の話です」
シャア「ふーん、あれがか」
 「見掛け倒しでなけりゃいいがな」
 「北米・キャリフォルニアからの援軍が着き次第、我が隊からも第二次攻撃隊が出る。諸君らはその先発隊として任務を十分に果たしてもらいたい」

アムロ「ありがとうございました」
ハヤト「身体検査がこんなに手間のかかるものとはね」
カイ「まったくさ」
ハヤト「だけど、アムロのは特別長かったけど何かあったのかい?」
アムロ「いや、脳波やらレントゲンやら忙しかったけど、おんなじだろ?」
 「カイさん」
カイ「俺は身体強健、精神に異常なしだとよ」

セイラ「さすがにそろい過ぎるぐらいにそろっているわね、ここの施設」
子供達「どこも悪くないってば」
キッカ「やだよう」
セイラ「カツ、レツ、静かにして」
レツ「この体のどこが悪いっていうんだよ」
カツ「どこが悪いっていうんだよ」
キッカ「そうだそうだ」
医師A「どーれ、虫歯はないようね」
キッカ「…」

連邦兵A「では」
ウッディ「頼む」
アムロ「ウッディ大尉」
ウッディ「おお、アムロ君」
アムロ「お休みにならないんですか?」
ウッディ「監督は損な役でね」
アムロ「お手伝いできることがあればと思って」
ウッディ「ジャブローにいる時ぐらい我々に任せたまえ」
アムロ「す、すいません」
 「大尉はマチルダ中尉とは」
ウッディ「彼女とは、オデッサ作戦が終わったら結婚する予定だったんだ」
アムロ「ご結婚を?」
ウッディ「その時はホワイトベースの人もジャブローにいるだろうから、式には出てもらおう、とマチルダは言っていた」
アムロ「そ、そうだったんですか。そんなことがあったんですか」
 「す、すいませんでした、ウッディ大尉」
ウッディ「ん?」
アムロ「僕がもっと、もっとガンダムを上手に使えればマチルダさんは死なないですんだんですよね。すいませんでした」
ウッディ「うぬぼれるんじゃない、アムロ君」
アムロ「えっ?」
ウッディ「ガンダム一機の働きで、マチルダが助けられたり戦争が勝てるなどというほどあまいものではないんだぞ」
アムロ「で、でも」
ウッディ「パイロットはその時の戦いに全力を尽くして、後悔するような戦い方をしなければ、それでいい」
アムロ「はい」
ウッディ「私はマチルダが手をかけたこのホワイトベースを愛している。だからこの修理に全力をかけている」
アムロ「は、はい」
ウッディ「それが、お互いの任務さ」

ボラスキニフ「見つけたぞ、ジャブローの入り口だ。この金属反応がなけりゃ見過ごしていたところだ」
 「ということは攻撃はない。カムフラージュを見破られたくはないはずだからな」

ゴップ「結論を言うと、ホワイトベース隊は今まで通り任務についてもらう」
ブライト「はい」
ゴップ「なお、ティアンム艦隊に配属されるが、正式な通達は作戦前に行う」
ブライト「はい。それで、それまで我々は?」
ゴップ「あてがわれた宿舎で休め、処罰はしない」
 「ミライさん、それがあなたのお父上への恩返しと思ってもらいたい」
ミライ「父の?」
ゴップ「連邦もおしい政治家を亡くしたものだと今でも残念に思っています。お父上がご健在ならあなただってサイド7に移民など」
ミライ「やめてください、そのお話は」
連邦兵A「警報です。南ブロック第231ハッチ、第243ハッチに敵接近。第二戦闘配置」
ゴップ「またパトロールか」
 「よし、宿舎に帰っていい。一応警戒態勢は取ってくれ」
ブライト「はい」

シャア「フフフ、気にするな少佐」
ジオン士官A「だがしかし、第一波の攻撃としては少なすぎることをお詫び申し上げます」
シャア「なんの、少佐。どのぐらいでジャブローに着くのか?」
ジオン士官A「一時間弱です」
シャア「結構」

連邦兵A「攻撃しますか?」
連邦士官A「いや、こちらの場所をしらせるだけだ。やめろ」
連邦兵B「二機は水中戦用のゴッグです。一機はコンピューターに入っていません」
連邦士官A「新型モビルスーツか」
 「よーし、ジャブロー南ブロック全体、第二戦闘態勢に入らせろ」

セイラ「先に行くわね」
フラウ「はい」
セイラ「やってちょうだい」
アムロ「はい」
ミライ「どこへ行くの?」
カイ「ホワイトベースです。第二戦闘配置たって、俺達ホワイトベースに行くしかないでしょう?」
ハヤト「みんなも来ます」
ブライト「うん、そうだな」

連邦士官A「いくつ上がった?」
連邦兵A「よくわかりません。しかし、4つ以上であることは」
連邦士官A「どれかが本物でほかのはカムフラージュだ」
 「来るぞ。第一戦闘配置に切り替えろ」

ジオン士官A「発光信号確認。方位128。ミサイル発射」

アイキャッチ 

ブライト「大尉、第一戦闘配置の命令です。乗組員をホワイトベースに乗せます」
ウッディ「ああ、いいだろう。とりあえずモビルスーツは直しといたが、ホワイトベースは使えんぞ」

ブライト「フラウ・ボゥ、ミライ、参謀本部から情報を至急集めてくれ。我々には外の戦いがわからなければ手の打ちようがない」
フラウ「はい、こちらホワイトベースです」
ミライ「作戦本部、敵の動きを教えてください」
ブライト「出撃できるか?」
マーカー「はい。ジャブローの入り口の警備ということで、アムロとセイラはGブルで出します」
ブライト「了解。カイとハヤトはガンキャノン、ガンタンクを急げ」

カイ「こんな所まで追いかけてくるのかよ、ジオンめ」
 「ミハル、俺はもう悲しまないぜ。お前みたいな子を増やさせない為にジオンを叩く、徹底的にな」
ハヤト「ガンタンク、ハヤト出ます」
セイラ「アムロ、いいわね?」
アムロ「どうぞ」
セイラ「Gブル、アムロ、セイラ出ます」

アムロ「セイラさん、ジャブローの入り口の所で。敵は侵入してくると思いますから」
セイラ「了解。あっ、ガンダム?」
アムロ「いえ、あれはジムです。ガンダムの生産タイプです」

ジオン士官A「ザクとグフ、ドムの第一波、突入します。シャア大佐のズゴック隊は最後に突入してください」
シャア「了解した、少佐」
 「フフフフ。リー・ホァン、ジッタル、行くぞ。離れるなよ」
リー「は」
ジッタル「は」

シャア「リー・ホァンがやられたか。さすがにジャブローだ、何機のモビルスーツが降りられるんだ?」
 「ん?」
 「ジ、ジッタルもか。ええい、先発隊と接触するのが第一だな」

連邦兵A「28機のモビルスーツが降下したようです」
ゴップ「かなりの大部隊だな」
連邦将官A「とはいっても、ジャブロー全体を攻撃するのには少なすぎる」
ゴップ「狙いは宇宙船ドックのあるAブロックのみ」
連邦将官A「ホワイトベース、つけられましたな」
ゴップ「ああ。永遠に厄介者かな、ホワイトベースは」

マーカー「作戦本部からの情報がまるっきり入りません」
ブライト「すべてのテレビを船外監視用に切り替えろ、これでは戦いようがない。あとで作戦本部にどなりこんでやる」

アムロ「まいったな。迂闊に外に出てはジャブローの入り口を敵に教えることになるし、このままでは」
セイラ「敵の動きが一切わからないというのも戦いようがないわね」
カイ「こっちから出て行って、目の前に敵がいたんじゃあわねえしな」
 「ミハルの仇も討てねえのかよ、まったく」
 「来るな、ジオンめ」

シャア「ん?そこか」
 「ボラスキニフ、首尾はどうなのだ?」
ボラスキニフ「は、爆薬を仕掛けたところであります。突入しますか?」
シャア「いや、正面からか?」
ボラスキニフ「は」
シャア「ほかに入り口は?」
ボラスキニフ「500メートル上流にもう一つ小さいのがあります」
シャア「うん、両面でいこう。ここはゴッグ二機でやらせる。私とボラスキニフは上流から進入する。ついて来い」

カイ「来た」

連邦兵A「ああっ、く、来るぞ、ジオンだ」
ウッディ「ジオンの侵入を許したのか。なんていう事を」
 「作業員も防戦にあたらせろ」
アントニオ「は」
ウッディ「マチルダが命をかけて守り抜いたホワイトベースを、私の前で沈めさせることはできん」

ハヤト「ホワイトベースには近づけさせるものか」
カイ「なめるな」
セイラ「ああっ」
 「ゴッグ一機撃破。カイがやったわ」
アムロ「セイラさん、Gブルは下がります」
セイラ「え?」
アムロ「別の入り口を突破されたらしいんです。ここはカイさんとハヤトに任せましょう」
セイラ「了解」

セイラ「かなりの敵がいるらしいわよ、アムロ」
ウッディ「ジオンめ、それは俺達のホワイトベースだ」

ブライト「フラウ・ボゥ、Gブルをガンダムにチェンジさせろ。敵のモビルスーツの侵入は速いぞ」
フラウ「は、はい」
 「Gブル、Gブル、ガンダムに変わってください」
アムロ「了解。何が侵入したんだ?ザクか、グフか?」
フラウ「わからないわ」
 「Bデッキ、Gアーマー、Bパーツ発射してください」

アムロ「敵は?」
 「ホバークラフトは無理です、下がってください」
 「…あれはウッディ大尉」
 「大尉、無茶です。さ、下がってください。あっ」
 『赤い色のモビルスーツ?ザクじゃないけど。赤い色のモビルスーツ、シャアじゃないのか?』
 「あっ、ジ、ジムが。やめろ、迂闊に近付くんじゃない」
ウッディ「あっ、速い」
アムロ「ま、間違いない。奴だ、奴が来たんだ」
 『間違いない、あれはシャアだ』
 「あっ」
 「シ、シャアか?」
シャア「さらにできるようになったな、ガンダム」
 「フン」
 「やる。うおっ」
ウッディ「ジオンめ、ジャブローから出て行け」
アムロ「ウッディ大尉、無理です」
シャア「冗談ではない」
アムロ「大尉」
 「ウッディ大尉」
 「シャア、待て」
シャア「メインカメラをやられたか。ええい。ボラスキニフ、聞こえるか?援護を頼む」
アムロ「邪魔をするな、シャアを討たせろ」
 「そこっ」
ボラスキニフ「うおーっ」

アムロ「間違いない、あのモビルスーツ、間違いなくシャアだ。ジャブローにまで追いかけてくるのか、シャアは」
フラウ「アムロ、聞こえて?大丈夫?」
アムロ「大丈夫だ。モビルスーツ一機取り逃がしたけど」
フラウ「ご苦労さま。だいたい敵は殲滅したらしいわ、損害もすごいけど」
アムロ「そうだろうな」

ブライト「ウッディ大尉が死んだのか」
アムロ「はい。僕ら以上にホワイトベースに愛着があったようです。そんな気がします」
ミライ「わかるわ。男の人ってそんな感じ方するのよね」
セイラ「そうなの?」
ハヤト「さあ」
アムロ「あ、シャアが帰ってきました」
セイラ「…」
ブライト「シャアが?見たのか?」
アムロ「いえ、赤いモビルスーツしか見ていませんが、あれは赤い彗星のシャアです」

次回予告「カツ、レツ、キッカが邪魔者と誰が言うのか?敵の時限爆弾を探し出しジャブローを救うのは誰なのか?そして、シャアとセイラの第二の出会い。機動戦士ガンダム、次回、『小さな防衛線』。君は、生き延びることができるか?」
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