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第33話「コンスコン強襲」
脚本・山本優 絵コンテ・斧谷稔 演出・貞光紳也 作画監督・中村一夫

ナレーター「ホワイトベースを迎え撃つドレン大尉率いる三隻のムサイは、ガンダムの活躍によって突破された。そして、ホワイトベースはサイド6へ進路を取った。しかし」

アイキャッチ「コンスコン強襲」

ナレーター「かつて、サイド1のあった空域。現在ここにはドズル・ザビ中将の指揮する宇宙攻撃の本部ともいうべきソロモンがある。今ここからコンスコン機動部隊が発進する。ドズル中将は姉のキシリアがシャアを使っていることに反感を持っていた。できることならみずから木馬を討ち、シャアの無能さを証明してやりたかった。しかし、ルナ2に終結しつつあるティアンム艦隊の目的がわからぬ限り、これ以上の兵力を出す訳にはいかない」

アムロ「セイラさん、どうですか?異常はありませんね」
セイラ「そうね、大丈夫だと思うけど。この辺も岩が多いからなんとも」
 「カイ、聞こえて?どう?」
カイ「異常なし。こっちは足が短いんだ、引き上げるぜ」
アムロ「Gアーマーはもう少しパトロールを続けます。いいですか?」
セイラ「結構よ。私にとって航法の勉強になるし。ねえアムロ、あなたフラウ・ボゥのことどう思ってるの?」
アムロ「え?な、なぜですか?」
セイラ「なぜって、あなた最近フラウ・ボゥに冷たいでしょ」
アムロ「そんなことないですよ」
セイラ「そうかしら?こんな時だからこそ友情って大切よ」
アムロ「別に嫌いになってる訳じゃあ。左を」
セイラ「えっ?」
ジオン兵A「見つかったようです、砲撃を」
シムス「待て、もう少し」
ジオン兵A「よりによって故障した時に」
シムス「エンジンは動くな?」
ジオン兵A「一応は」
アムロ「い、いけない。セイラさん、離れてください」
セイラ「え?」
 「う、撃ってきた。ジオンのモビルアーマーだわ」
アムロ「い、いえ、モビルアーマーかどうか。き、来ますよ」
シムス「馬鹿めが、なぜ撃ったのか?」
ジオン兵A「こ、攻撃を仕掛けてきましたので」
シムス「相手にそのつもりはなかった。そそっかしい」
セイラ「ああっ」
アムロ「妙なモビルアーマーです。ボトルアウトします、岩のうしろへ」
セイラ「了解」
ジオン兵A「チィッ、一気にパワーを上げすぎました」
シムス「構わぬ、このブラウ・ブロを見られたからには敵を倒さねばならん」
セイラ「3、2、1」
シムス「ん?あそこか」
 「相手はたかが一機だ。仕留めるぞ」
アムロ「砲撃が妙な方向から来ますよ、気を付けてください」
セイラ「了解」
アムロ「うわっ。ど、どっから撃ってくるんだ?」
セイラ「この程度のスピードで」
アムロ「そこだ」
シムス「ええい、ようやく実用化のメドがついたものを」
セイラ「アムロ、手間取ったわ。サイド6の領空に入る前にホワイトベースへ戻りましょう」
アムロ「了解」

ナレーター「この灯台の内側はサイド6の領空である。ここでは、地球連邦軍であろうとジオン軍であろうと、一切の戦争行為が禁止されている」

ブライト「ご苦労さまです」
カムラン「サイド6の検察官カムラン・ブルームです」

カムラン「ホワイトベースのミサイル発射口、大砲、ビーム砲にこれを封印しました。これが一枚破られますと」
ブライト「わかっています。大変な罰金を払わなければならない」
カムラン「はい」
ブライト「私が聞きたいのは、船の修理が」
カムラン「それもサイド6の中ではできません。すべて戦争協力になりますので」
ブライト「ブリッジへご案内しましょう」

アムロ「ねえ、セイラさん、間違いなくモビルアーマーのいない所からビーム攻撃がありましたよね」
セイラ「見間違いじゃないわね」
ブライト「わからんのか?」
マーカー「はあ、どうも新型ですね、アムロ達の出会ったモビルアーマー」
ブライト「そうか」
 「ちょうどよかった。入港するところです」
カムラン「はあ」
ミライ「進入角良好、入港速度ゼロ、ファイブ」
マーカー「サイド6パルダ・ベイに入港。各員、係留作業用意」
ミライ「360度レーザーセンサー開放」
カムラン「…ミライ、ミライじゃないか」
ミライ「カ、カムラン、あなた」
カムラン「…ミライ、生きていてくれたのかい、ミ、ミライ」
ミライ「…あなたこそ元気で」
カツ「ああ?」
アムロ「誰なんだろう?」
マーカー「親戚じゃないの?」
ブライト「カムラン検察官、入港中です、遠慮していただきたい」
 「ミライ少尉も」
カムラン「あ、ああ、中尉、すまない」
 「ミライ」
ミライ「ええ」

カムラン「嬉しいだけだよ。もう二度と君には会えないと絶望していたんだ。そしたらこの戦争だろ、君の父上が亡くなられなければ戦争だって」
ミライ「そうね、私がサイド7へ移民することもなかったかもしれないわね」
カムラン「それなんだ、なぜそれを僕にしらせてくれなかったんだ?ミライ。君の消息を得る為に僕は必死だった」
ミライ「必死で?」
カムラン「ああ、必死で捜させた。いくら費用がかかったかしれないくらいだ」
ミライ「そう。なぜ、ご自分で捜してはくださらなかったの?」
カムラン「このサイド6に移住する間際だったから」
ミライ「結局、親同士の決めた結婚話だったのね」
カムラン「そ、そりゃ違う、ミライ。そりゃ君の誤解だ。これから僕のうちへ来ないか?父も喜んでくれるよ」
ミライ「え?だって」
カムラン「悪いようにはしない。ミライ、君の為の骨折りなら」
ミライ「ちょ、ちょっと待って」
スレッガー「失礼」
カムラン「ん?あっ」
スレッガー「…このやろ」
カムラン「ああっ」
ミライ「あ」
スレッガー「…下手なちょっかいを出してほしくないもんだな」
ミライ「スレッガー中尉、い、いいのよ」
スレッガー「本当ですか?」
ミライ「ええ」
スレッガー「ふーん」
 「だとさ、ヤサオトコさん。ほーら、眼鏡行ったぜ」
カムラン「…あっ」
ミライ「カムラン、大丈夫?」
カムラン「あ、ああ。ご婦人の口説きようがまずいという訳さ」
 「なあ中尉」
スレッガー「そういうことだ。なんせミライ少尉はホワイトベースのおふくろさんなんだからな」

コンスコン「ドズル中将のもとにいたと思えば今度はキシリア少将の配下に。自分をみっともないと思わんのか?」
 「木馬は何度取り逃がしたのだ?まったく。私の手際を見せてやる、よく見ておくのだな」
シャア「は」
コンスコン「誰が帰っていいと言ったか」
シャア「若者をいじめないでいただきたい。お手並みは拝見させていただく」
コンスコン「奴はなぜマスクをはずさんのだ?」
ジオン兵A「ひどい火傷とかで。美男子だとの噂もあります」
コンスコン「いつか奴の化けの皮を剥いで見せる。パルダ・ベイ周辺に潜入したリック・ドムは?」
ジオン兵A「は、今のところサイド6のパトロール艇にも発見されないようです」
コンスコン「良好だ」

シャア「マリガン、ザンジバルに着いたらキシリア少将に暗号電文を打て」
マリガン「は」
シャア「パラロムズシャア。いいな?」
マリガン「それだけで?」
シャア「それ以上は聞くな。極秘事項だ」

フラウ「タムラさん、お金は両替してもらったの?」
タムラ「ああ、大丈夫」
キッカ「動いた」

ナレーター「人工の宇宙都市の中心は重さを感じることのない無重力地帯である。エレベーターは3000メートルあまりを降りて、重さを感じることのできる人工の地上へ着く。そこには山や森や川が造られていて、あたかも地球上と同じ景色を作り出している。もちろん、都市も造られている」
キッカ「ははっ…」
タムラ「これで少しは変わったものを食べさせられら」
アムロ「あっ」
 「…と、父さん」

アイキャッチ 

フラウ「どうしたの?アムロ」
アムロ「さ、先に戻ってて。ちょっとむこうの本屋に寄ってくるから」

アムロ「父さん」
 「…」
 「父さん」
 「…」
 「父さん」
テム「おう、アムロか」
アムロ「…父さん」
テム「ガンダムの戦果はどうだ?順調なのかな?」
アムロ「…は、はい。父さん」
テム「うむ、来るがいい」
アムロ「はい」

テム「ほら、何をしている、入って入って」
アムロ「こ、ここは?」
テム「ジャンク屋という所は情報を集めるのに便利なのでな。ここに住み込みをさせてもらっている。こいつをガンダムの記録回路に取り付けろ。ジオンのモビルスーツの回路を参考に開発した」
アムロ『こ、こんな古い物を。父さん、酸素欠乏性にかかって』
テム「すごいぞ、ガンダムの戦闘力は数倍に跳ね上がる。持って行け、そしてすぐ取り付けて試すんだ」
アムロ「はい。でも父さんは?」
テム「研究中の物がいっぱいある。また連絡はとる。ささ、行くんだ」
アムロ「うん」
 「父さん、僕、くにで母さんに会ったよ」
 「父さん、母さんのこと気にならないの?」
テム「ん?んん。戦争はもうじき終わる。そしたら地球へ一度行こ」
アムロ「父さん…」
テム「急げ、お前だって軍人になったんだろうが」

アムロ「…あああーっ」
 「…」

ブライト「アムロ、個人的に街をぶらぶらする時間を与えたおぼえはないぞ。貴様のおかげで出港が遅れた」
アムロ「す、すいません。でも、急に出港だなんて」
ブライト「ガンダムでホワイトベースの護衛に出るんだ」
 「ペルガミノさん」
ペルガミノ「はい」
ブライト「本当にカムラン・ブルーム検察官の依頼だったのですか?」
ペルガミノ「あ、首相官邸からのテレビ電話です。間違いありませんです」
 「領空の外のドックならジオンの船だろうと連邦のだろうと直させてもらってますよ」
ブライト「我々は追われているんです、大丈夫ですか?」
ペルガミノ「なあに、私には両方の偉いさんにコネがあります」
 「お嬢さん、安心なさってください」
ミライ「ありがとう、ペルガミノさん」

スレッガー「ようアムロ、少しは元気になったか?」
アムロ「ずっと元気です」
スレッガー「そうかい、そんならいい。いい子だ」
アムロ「スレッガーさん」
スレッガー「なんだい?」
アムロ「そのいい子だっていうの、やめてくれませんか?」
スレッガー「…はははははっ。すまん、悪かったな」
カヤハワ「つ、捉まえた。おおっ、こ、こりゃ木馬じゃないか。のこのことよくも出て来てくれたもんだ」
アムロ「あれが浮きドック?」
 「ん?なんだ?」

コンスコン「カヤハワから信号弾だと?」
ジオン兵A「木馬がサイド6の領空を出た合図です」
コンスコン「位置を確認、エンジン全開」
 「なんでこんなに早く出てきたんだ?木馬め」
ジオン兵B「わかりました。ペルガミノの浮きドックがある所です」
コンスコン「ペルガミノ?あの戦争で大もうけをするという」
 「ちょうどいい、我が艦隊は敵と一直線に並ぶ訳だな。リック・ドム12機を発進させろ」

シャア「コンスコンが木馬をキャッチしたのか?」
ジオン兵A「は、そうらしいです」
 「リック・ドムを発進させました」

アムロ「大きいな」
 「なにっ?」

ブライト「し、しまった、罠か」
ペルガミノ「あああ、わ、私のドックが」
ミライ「ブライト、カムランはそんな人じゃないわ。面舵いっぱい」
ブライト「…よし、各機、展開を急がせろ」
ペルガミノ「…中尉、ド、ドックから離れてください。…そうすれば私のドックは助かります」
ブライト「やってるでしょ」

アムロ「スカート付きか」
 「チィッ」
 「一つ、次」
 「三つ」

ブライト「ううっ」
ミライ「うっ」
ブライト「目標、中央の船、撃て」

コンスコン「…クワメルがやられたのか?…ド、ドムは?リック・ドムの部隊はどうなっているか?攻撃の手は緩めるな」

カムラン「あれはペルガミノの浮きドック辺りだ」
サイド6士官「は、はい」
カムラン『なぜジオンにわかったのだ?』
 「戦いをやめさせねばならん。ビームがサイド6の領空に入ってきているのはまずい」

アムロ「五つ」
 「六つ」
スレッガー「このっ」
アムロ「八つ」
 「…九つ」

コンスコン「ぜ、全滅?12機のリック・ドムが全滅?3分もたたずにか?…」
ジオン兵A「は、はい」
コンスコン「き、傷ついた戦艦一隻にリック・ドムが12機も?ば、化け物か」
ジオン兵A「ザンジバルです」
コンスコン「…シャアめ、わ、笑いに来たのか」

マーカー「ザ、ザンジバルです」
ブライト「なに?」
ミライ「ブライト、サイド6に下がりましょう」
ブライト「よし、全機に伝えろ、サイド6に逃げ込め、と」
ペルガミノ「…しかし、わ、私のドックは?わ、わ、私の」

シャア「砲撃はするな、サイド6のパトロール艇だ。コンスコン隊にも砲撃をやめさせろ。パトロール機を傷付けたら国際問題になるぞ」

サイド6士官「…カムラン検察官、こんな危険を冒してまで戦いをやめさせるのはごめんですよ」
カムラン「…すまん。しかし、あの連邦軍の船には私の未来の妻が乗り組んでいるんだ」
サイド6士官「…」

カムラン「大丈夫、封印を破った件は父がもみ消してくれます」
ミライ「で?」
カムラン「だ、だから、父の力を借りれば、君がサイド6に住めるようにしてやれるから」
ミライ「…そうじゃないの、ホワイトベースを捨てる私にあなたは、あなたは何をしてくださるの?」
カムラン「…だから、父に頼んでやるってさっきから僕は」
ミライ「わかってくださらないのね。…それでは私はホワイトベースは捨てられないわ」
カムラン「ミライ、昔はそんなことを言う君ではなかった。いったい、僕に何をして欲しいんだ?」
ミライ「戦争がなければ。け、けどね、そうじゃないわ。カムラン、あなたは戦争から逃げすぎて変わらなすぎているのよ」
カムラン「君を愛している気持ちは変えようがないじゃないか」
ミライ「ありがとう、嬉しいわ」
カムラン「ミ、ミライ、ぼ、僕の何が気に入らないんだ?ミライ、教えてくれ。直してみせるよ、君の為ならば。ミライ」

次回予告「アムロとシャアの出会いを予告した少女、ララァ。戦場遠く、次の戦いの為の芽が吹き上がる。いくつかの運命を背負いながらも、ホワイトベースは敵の待つ宇宙へ出撃する。機動戦士ガンダム、次回、『宿命の出会い』。君は、生き延びることができるか?」
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