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逆襲のシャア
Char's CounterAttack

チェーン「原因はなんです?重量が3キロ減った原因は」
オクトバー「コックピット周辺のフレームの材質を変えたんです。強度は上がっていますから、絶対危険じゃありません」
チェーン「当たり前でしょ、弱くなったらたまらないわ。なんで事前に通知して」
オクトバー「納期を十日も繰り上げられれば」
チェーン「…っと。それはネオ・ジオンのシャアに言ってください。あの人がこんなに早く隕石落としをしなければ、こんな事にはならなかったわ」
 「これね?」
オクトバー「はい」
チェーン「ん」

クェス「…」
クリスチーネ「…」
青年A「おい」
クェス「あっ」
クリスチーネ「…」
 「あたし達が何したっていうの?」
警察官A「未成年者をかどわかして。…」
クリスチーネ「うっ」
警察官B「だいたい、地球で遊んでいられる身分かよ?」
警察官C「お前、クェス・パラヤだな?」
クェス「…」

クェス「…なによ。…」
キャサリン「乗るんです、急ぐのよ。ほら、クェス。あっ」
 「あなた、噛みました。クェスが噛んだんです」
アデナウアー「本当か?クェス」
キャサリン「見てくださいよ」
アデナウアー「お前も乗って」
キャサリン「…でも」
アデナウアー「さあさあ…」
警察署長「ご苦労様であります、アデナウアーさん」
警察官A「なんです、ありゃあ?」
警察署長「地球連邦政府高官ご一家ってやつだ。宇宙に連れて行けば不良が直るってんだろ」
警察官A「あれ、奥さんじゃないんでしょ?」

キャサリン「なんで軍用機を使わないんです?」
アデナウアー「軍が動いているんだ。香港からの民間シャトルの方が安全だ」
クェス「シャアが地球を寒冷化する作戦を、なんで抑えられなかったの?」
アデナウアー「連邦政府はジオンのシャアが生きているなんて、信じてなかったんだよ」
クェス「宇宙に百億の人が住んでいるのよ、お父さん達はそれを地球から見上げてわかってるつもりで。その方がおかしいのよ」
アデナウアー「しかし」

ジェガン隊A「どこだ?」
ジェガン隊B「北極星の方位」
ジェガン隊A「座標教えろ」
ジェガン隊B「無茶だ、離れろ」

オペレーターA「5、4、3、2、1、点火」
ジェガン隊A「アムロ大尉、フィフスが地球に向けて加速しました」
オペレーターB「フィフス、進入角度良好、速度良好」
ナナイ「シャア大佐はモビルスーツデッキだな?」
オペレーターB「は、サザビーです」
ナナイ「大佐、ギュネイ・ガスの空域が膠着状態です。援護の必要を認めますが?」
シャア「フィフス・ルナの投入は終わったのだ。総員引き上げのサインを出せ」
ナナイ「出しましたが、モビルスーツの後退の為に、ミノフスキー粒子を散布して電波攪乱をすることができません」

シャア「その分ギュネイが危険か。よし」
 「ギュネイのヤクト・ドーガを援護、回収する」
オペレーターA「サザビー出ます、サザビー発進」

アムロ「このフィフスを、地球に落ちるのを阻止できなかったとは」
 「ちいっ」
 「…?」
 「まだ援護がいた?シャアか」
ギュネイ「大佐」
 「ううっ…、機雷が仕掛けてあった?ミノフスキー粒子が薄くなっている」
アムロ「なんでこんな物を地球に落とす?これでは、地球が寒くなって人が住めなくなる。核の冬が来るぞ」
シャア「地球に住む者は自分達の事しか考えていない、だから抹殺すると宣言した」
アムロ「人が人に罰を与えるなどと」
シャア「私、シャア・アズナブルが粛清しようというのだ、アムロ」
アムロ「エゴだよ、それは」
シャア「地球が持たん時が来ているのだ」
 「そんな物では」
ギュネイ「大佐、なんでファンネルを使わないんです?」
 「大佐、自分に構わずに」
シャア「ギュネイ、帰艦するぞ」
ギュネイ「一人で行けますから」
シャア「無理だ、外から見るとわかる。よくフィフス・ルナの核ノズルを守ってくれた」

ミライ「だってこれ、正式の航空券ですよ?」
オフィサー「ですがね」
 「どうします?」
キャサリン「嫌ですよ。この子と行くぐらいなら地球で凍え死んだ方がましだわ」
クェス「そうしなよ」
キャサリン「…あっ」
 「…嫌よ、こんなの」
アデナウアー「キャシー」
クェス「行こ、宇宙に」
アデナウアー「ああ」
ミライ「これが、地球連邦政府の推薦状で」
アデナウアー「君、二枚でいい」
オフィサー「はい、二枚ですね」
アデナウアー「君」
オフィサー「はい」
 「あのお客様の推薦状ですか?」
アデナウアー「ああ」
オフィサー「連邦政府のジョン・バウアー様からです」
アデナウアー「んん、一人乗せてやれ」
オフィサー「あ、はい?」
アデナウアー「こちらが政治特権で割り込んだんだ。バウアーには借りもあったしな」
オフィサー「政治屋ってこれだ」
 「あ、奥さん、お一人乗れます。次の便でお二人ってどうです?」
ミライ「でも、次の便はわからないんでしょ?」
オフィサー「ええ、戦争になったってニュースですからね」
ミライ「この子が行きます」
オフィサー「ハサウェイ・ノア。寄留先はロンデニオンね」
ミライ「はい、父親がいるんです」
 「ハサウェイ」
オフィサー「はい。シャトルはすぐに出ますよ」
ハサウェイ「でも」
ミライ「あなたは男の子よ。宇宙を体験するのは遅いぐらい」
ハサウェイ「ママとチェーミンは?」
ミライ「大丈夫、今度の戦争は長くはないわ。すぐに追いかけられるってここの人も言っているでしょ」
ハサウェイ「本当だね?」
ミライ「ええ」

アンナ「リ・ガズィ、整備に降ろします」
アムロ「頼む、ハナン軍曹」
アンナ「はい」

アムロ「サイド2からの攻撃はまだなのか?」
ブライト「ああ、遅いな」
アムロ「サイド1は、俺達ロンド・ベルの要請は聞けないのか」
ブライト「コロニーの内乱を心配しているんだよ」
オペレーターA「来ました、熱源」
オペレーターB「サイド2からのレーザー攻撃だ」
ブライト「しかし、数が少ないな」
アムロ「あれじゃ破壊できない」
オペレーターA「依然、地球に降下中」
アムロ「艦長、フィフス・ルナの落下勧告は出ているのか?」
ブライト「チベットのラサにか?情報を知っている連中は真っ先に逃げ出しているよ」
アムロ「だからシャアにやられる訳だ。だいたい、あのフィフス・ルナの推力に使っている核だって、シャアはどっから手に入れたんだ?」
ブライト「連邦政府からだろ」
 「うっ、軌道上げて」
アムロ「レーザー攻撃が止むぞ」

砲撃手A「うわあっ」
ネオジオン兵A「天誅」
 「ネオ・ジオン万歳」

機長「発進許可は出ましたが、参謀次官、隕石と思われる物の近くを通過します」
アデナウアー「覚悟の上だ。時間通りにロンデニオンに到着すればいい」
機長「ノーマルスーツを着けよう」
副長「はい」

アデナウアー「ありがとう」
ハサウェイ「いえ」

クェス「…」
アデナウアー「どうした?」
クェス「駄目だ、火の玉が」
ハサウェイ「えっ?」
クェス「キャプテン、もっと右に寄って」

機長「来たぞ」
副長「意外と北に寄ってるな」

クェス「もっと右なのよ」
 「キャプテン、もっと右」
ハサウェイ「座って」
クェス「あっ、ああっ」
ハサウェイ「あっ…」
アデナウアー「か、神様」
クェス「…」

アムロ「情けない。シャアにやられるのを見ているだけだった」
 「月に行く」
ブライト「アムロ」

アムロ「アストナージ、ゲタの用意はどうか?」
アストナージ「外に用意してます」
アムロ「この二年間、全部のコロニーを調査したんだぞ。なのに、なぜシャアが軍の準備をしているのがわからなかったんだ」
ブライト「地球連邦政府は地球から宇宙を支配している。これを嫌っているスペースノイドは山ほどいる。ロンド・ベルが調査に行けば、一般人がガードしちまうのさ」
アムロ「第二波はないはずだ。行ってくる。うまくいけば、スウィートウォーターに入る前のシャアを叩ける」

チェーン「アナハイムはネオ・ジオンのモビルスーツも建造してるんですよ」
アムロ「本当か?」
オクトバー「勘弁してください。我々技術部門は違いますよ」
アムロ「それが企業ってもんだものな」
チェーン「オクトバーさん、私をラーカイラムのクルーって信用してくれなかったんですよ」
アムロ「チェーンがチャーミングすぎるからさ」
チェーン「まあ」
 「シートのうしろにサイコミュの受信パックがあります」
アムロ「この状態でモニターはつくか?」
チェーン「はい」
アムロ「うん、いいね。敵の脳波をサイコミュで強化して受信できれば、対応は速くなるからね」
オクトバー「その大尉のアイデアがヒントになって、うちの材質開発部がフレームの中に同じ性能を持つ物を内蔵したんです」
アムロ「フレームの中に内蔵?」
オクトバー「ええ」

オクトバー「このコンピュータ・チップが、言ってみれば金属粒子並みの大きさでフレームに封じ込めてあるんです」
アムロ「すごいアイデアじゃないか」
オクトバー「それで、このフレームにそれを使ってます」
アムロ「しかし、この技術、君も知らないと言ったな?」
オクトバー「材料開発部門から流れてきた情報です」
チェーン「だから、部隊に帰ってもフレームのテストはしたいんです」
オクトバー「わかってますよ」
アムロ「νガンダム、すぐにも持って帰るぞ」
オクトバー「実戦装備にあと三日は必要です」
アムロ「駄目だ」
チェーン「そうよ、駄目よ」

シャア「フィフス・ルナ落としの作戦は、ネオ・ジオン軍として初めての艦隊戦であった。この作戦で諸君らの働きを見せてもらい、感動している。本日はこれらの作戦の締めくくりとして、追撃するロンド・ベルの艦隊に陽動をかけてもらう。単純な作戦ではあるが、無事任務を果たしてスウィートウォーターに帰投してもらいたい。以上」
カイザス「結構です」
シャア「これでは道化だよ」
ホルスト「いや、ネオ・ジオンの総帥としてイメージ作戦をしませんとな」

ギュネイ「大佐、フィフス・ルナでは申し訳ありませんでした」
シャア「お前はニュータイプ研究所で強化して、金が掛かっている。死なす訳にはいかない」
ナナイ「気にしなくてよい。支度を急げ」
ギュネイ「はい、ニュータイプ研究所所長、いえ、作戦士官殿」

カイザス「ナナイ大尉、ギュネイは連れて行けるのか?」
ナナイ「神経過敏になっていますが、ガードマンとしては確実です。コロニーの風景が精神安定剤になりましょう」
カイザス「強化しすぎではないのか?」
シャア「若いのさ」
カイザス「大佐、よろしいですか、あなたはネオ・ジオンの総帥ですから」
シャア「だからこうやって、政治向きの仕事にも出向くのだろう」
 「陽動を頼む」
ナナイ「はい、大佐」

メラン「敵が動きだしました」
ブライト「どういうつもりだ?月とサイド1の中間で、シャアめ」
メラン「何考えてんでしょう?」
ブライト「アナハイムはこっちの動きをフォローしているはずだ。アムロを呼びだせ」
メラン「はっ」
ブライト「戦闘ブリッジ、早く開くの」

アムロ「なんだ?」
チェーン「ラー・カイラムから」
アムロ「ん?」
 「シャアの第二波が月の近くで?俺にはロンド・ベルに帰投しろ?」
 「サイコミュ受信の調整終了」
メカニックA「ええっ?」
チェーン「出るんですか?」
メカニックA「でも、まだ終わっちゃあ」
アムロ「ほら」
メカニックA「あっ」
チェーン「出るんですか?」
アムロ「火を入れる」
チェーン「無理ですよ」
アムロ「方法はあるはずだ」
チェーン「アムロ」
アムロ「命令だ」
チェーン「あ、はい」
 「あっ」
アムロ「チェーン、ブースターベッドと」
チェーン「マスドライバーのですね?」
アムロ「そうだ」

レズン「なんて作戦だよ。モビルスーツは白兵戦がメインだってのに」
誘導手A「発進だぞ、レズン。戦場に行けば好きやってるくせに」
レズン「わかったよ」

オクトバー「やめてください、間に合いはしません」
チェーン「行きます」
オクトバー「知りませんよ」

パイロットA「発進位置固定。以後SSE、指令待ち」
ホルスト「似合うじゃないか」
ギュネイ「任務ですから」
パイロットA「はい、こちらSSE」
ナナイ「まもなくモビルスーツが交戦に入ります。そうしたら発進です」

パイロットA「了解」
カイザス「そろそろだな」
ナナイ「はい」
 「メインブリッジ、タイミングよろしく」

オクトバー「カウントダウン、良好です」
チェーン「オクトバーさん、資料のサイコミュフレーム、ロンド・ベルに間違いなくね」
オクトバー「送りますよ。ゼロ」
チェーン「ううううっ」

ケーラ「リ・ガズィは使えないんだな?」
メカニックA「修理、間に合いません」
ケーラ「わかったよ」

アムロ「チェーン、チェーン」

ナナイ「御無事で」

ブライト「斉射、あと3秒。艦隊、退避運動に入る」

レズン「こういう時に数を減らす」
ケーラ「ちっ」
ジェガン隊A「ああっ」
レズン「みーつけた」

オペレーターA「モビルスーツ部隊を突破した者がいる」
ブライト「迎撃、弾幕」
オペレーターA「弾幕」
トゥース「おおっ」
ブライト「隔壁。消化剤防御」

アムロ「月に地球、カペラ、ベガ、太陽と。現在地はここか。艦隊は?」
チェーン「…」
アムロ「チェーン」
チェーン「あ」
アムロ「大丈夫?」
チェーン「あ、はい。あ、艦隊は?」
 「始まってる」
アムロ「ああ」
チェーン「うしろに下がります」
アムロ「頼む」

メカニックA「なんだよ?よ、あの光、あれあれ」
 「よけろよけろ、戦争やってんぞ」
機長「ありゃ。アポジモーターの修理ができなきゃ、このまま突っ込むぞ」
メカニックA「そんなぁー。神様ーっ」
 「うわあっ」

レズン「取りついた」

ブライト「何やってんの、ジェガン部隊は?」
メラン「弾幕、薄い。うわあっ」
オペレーターA「あっ?」
オペレーターB「あれはケーラ機だぞ」
トゥース「ケーラ、聞こえるか?味方の砲撃にやられる、離れろ」

ケーラ「大尉がいないんだから」
レズン「やるじゃないか、ちょこまかと」
ケーラ「ああっ」
レズン「ふん」
ケーラ「ああっ」
 「ああああっ」
レズン「何?」
 「援護の艦隊か?」
 「あれか?」
 「データにない機体だ」

アデナウアー「ネオ・ジオンだと?」
メカニックA「見ればわかるでしょう」
クェス「戦争?」
ハサウェイ「そうらしいけど」

レズン「後退信号だ」

ハサウェイ「ガンダム?」

アムロ「後退する?」
チェーン「え?」
アムロ「あの引き際、鮮やかだな。なんだ?」

男A「ああっ」
L・B士官A「ここから奥には入らないでください」
L・B兵A「士官食堂からは出ないで」
L・B兵B「靴は、足を床に押し付けるようにして、ほら。ん?」
ブライト「あっ」
クェス「ハサウェイ?」
ハサウェイ「…父さん、おっ、んっ…」
ブライト「お前」
 「シャトルに乗ってたのか。どうして?」
ハサウェイ「父さんがこの船の艦長だなんて」
ブライト「母さんとチェーミンは?」
ハサウェイ「えっ?ああ、僕だけうまく乗れたんだ」
アデナウアー「艦長。感激の対面中、申し訳ないが」
ハサウェイ「ああ、この人のおかげで僕、シャトルに乗れたんです」
ブライト「そうか」
 「参謀次官殿で?」
アデナウアー「そうだ。この船をロンデニオンに向けてくれ。特命を受けている」
ブライト「ハサウェイ、食堂に行っていなさい。事情は後で聞かせてもらう」
ハサウェイ「は、はい」

アムロ「ララァ・スン?」
 「シャアと僕を、一緒くたに自分のものにできると思うな」
ララァ「意識が永遠に生き続けたら拷問よ。私はあなた達を見たいだけ」
アムロ「そりゃあエゴだよ」
ララァ「私は永遠にあなた達の間にいたいの」
アムロ「シャアは否定しろ」
ララァ「彼は純粋よ」

アムロ「純粋だと?…くそ、また同じ夢を見るようになっちまった」
チェーン「大尉」
アムロ「なんだ?」
チェーン「よろしければ、モビルスーツデッキに上がってください」
アムロ「10分後に行く」
チェーン「はい」

チェーン「どうしたんだろう?恐い声」
アムロ「チェーン」
チェーン「あ、…」

クェス「…、やられた?」
アストナージ「そういうことだ、クェス・パラヤ」
クェス「…、これが大きくてあたしの手に合わないんだもの」
アストナージ「ノーマルスーツを着れば合うさ」
ハサウェイ「今度は僕にやらせて」
クェス「…すごいね。前の戦闘で撮影した映像からすぐにCGを作っちゃうなんて」
アデナウアー「軍事機密なんだから、ほかの人に喋っちゃあいかんぞ」
クェス「ふん」
アデナウアー「おい」
ブライト「いいセンスを持ってらっしゃいますよ」
アデナウアー「あの子がこんな物に興味があるとは知らなかった」
クェス「…やだ、人がいるとあれだ」
 「あっ」
アムロ「クェス・パラヤさん」
クェス「は、はい」
アムロ「この先は、民間人は入らない方がいい」
クェス「すみません」
アデナウアー「クェス、邪魔になるぞ、来なさい」
クェス「先に行っててよ。何もわかってないんだから」
チェーン「こっちです、アムロ」
クェス「…」
チェーン「はーい」
アムロ「ああ、問題はなんだ?」
クェス「そっか、あれがアムロ・レイか」
 「こっちです、だって」
ハサウェイ「クェス、俺、二機撃墜したぜ」
クェス「ああ、じゃ、あたしとおんなじだね」

ハサウェイ「感じなかったか?」
クェス「ほかの大人とおんなじみたい」
ハサウェイ「はい」
クェス「ありがとう」
ハサウェイ「でも、あの人初めてモビルスーツに乗った時にちゃんと操縦して、ジオン軍のザクってのを倒したんだぜ」
クェス「ほんとかな?」
ハサウェイ「コックピットに座っただけで、ガンダムの配線なんか全部わかったって」
クェス「え?あっはははは、ははははっ、はは」
ハサウェイ「なんだよ?」
クェス「ううん。それをニュータイプっていうんだ?」
ハサウェイ「そうさ」
クェス「インドのクリスチーナが言ってたのと違うな。ニュータイプは、物とか人の存在を正確に理解できる人のことだよ。それもさ、どんなに距離が離れていてもそういうのがわかるようになるの」
ハサウェイ「ああ。人間って、地球だけに住んでいた時は頭の細胞の半分しか使ってなかったんだろ?それが、宇宙に出て、残りの頭の部分を使うようになれば、テレパシーだって予知能力だって高くなるよな。じゃないと、地球とコロニーで暮らしてたら家族だなんて思えなくなっちゃうもん」
クェス「あんたんとこの家族はわかりあってんだ?」
ハサウェイ「親父、いつもうるさいけどな」
クェス「うちなんか、家族で地球にいたんだよ」

パイロットA「連邦政府の提供してくれたコードでバッチシです」
シャア「能天気な連中なのかな?」
ホルスト「大佐、そりゃ違います。我々の根回しの結果です」
シャア「わかっているよ」

クェス「…、あれか、新しいモビルスーツって」
チェーン「ん?」
クェス「あっ」
チェーン「民間人が入ってはいけないのよ」
クェス「前にもここには入ったわ、あなたこそなんでここにいるの?」
チェーン「えっ?なんでって、自分はこの船のメカニックマンよ」
クェス「大人の言いそうなことね。あたしが聞きたいのはそういうことじゃないわ、アムロ・レイとの関係よ」
チェーン「関係って、…私の尊敬する上官よ」
クェス「そうじゃないって。あたしはインドで修行したのよ、人類がみんな共感しあえるニュータイプになれるようにって。だからあたしは、ニュータイプだって言われているアムロに興味があったのに、なんであなたは邪魔するの?」
チェーン「邪魔?」
クェス「あんたあたしにとってそういう人よ。あんたこの船から降りなさいな」
チェーン「そんなこと、できるわけないでしょ」
クェス「でないと、あたし」
ハサウェイ「クェス、入っちゃあ」
クェス「うるさい、ああっ…」
ハサウェイ「つかまって」
クェス「いやーん…」

クェス「…」
ハサウェイ「あ」
 「クェス、コロニーだよ」
クェス「コロニー?」
ハサウェイ「サイド1のロンデニオンだ」
クェス「…」
 「シリンダーの中に街がある。湖も」
 「こんなのを見れば、人が革新できるって信じられる」
ハサウェイ「ザビ家が独立宣言した気分ってわかるよな」
クェス「でも、ザビ家のジオンは地球に負けたんだよね?」
ハサウェイ「そうだけど」
クェス「お父さんはこんなもの知らないで、地球から宇宙に住む人を支配しているのよね」
ハサウェイ「だからさ。シャアは一度は地球の味方をしたけど、今度の作戦で地球を潰してしまおうってんだからな」
クェス「その話わかるよ。地球の人って頑固で変わんないくせに、自分の奥さんや旦那さんだけは替えるでしょ。だからシャアはいろいろやって見せてさ、人の可能性見せようとしてんのよ」
ハサウェイ「でもさ」
クェス「え?」
ハサウェイ「そんなことで地球を寒冷化してもいいの?」
クェス「…うん、わかんない」

アムロ「ん?」
ブライト「シャアは本気で地球を冷却化するつもりなのかな?」
アムロ「第一回戦はやっちまったんだぜ」
ブライト「地球を完全に寒冷化するには、もうひとつぐらい隕石を落とさなければ無理だ。しかし、月の軌道内の石っころはすべて連邦軍が管理している。だからさ、スウィートウォーターをネオ・ジオンの領土に承認させて」
アムロ「その交渉にアデナウアー・パラヤが来たのか」
ブライト「ああ、そう思えるな」
アムロ「シャアは俺達と一緒に反連邦政府の連中と戦ったが、あれで地球に残っている連中の実態がわかって、本当に嫌気がさしたんだぜ」
ブライト「そりゃあわかってる」
アムロ「それで、すべての決着をつける気になったんだよ」
ブライト「すべての?」
アムロ「おい」

アデナウアー「よく時間内に入ってくれた。これで地球は救われる」
ブライト「交渉のご成功を」
アデナウアー「交渉?誰と?どこで?」
ブライト「ラサから宇宙軍を指揮するあなたが、散歩の為に宇宙にいらっしゃったとは思えません」
アデナウアー「私がここに来たのは、連邦政府から発表があるまでは内密だぞ」
ブライト「はっ」
クェス「じゃあね」
カムラン「ご苦労様です。会計監査局のカムラン・ブルームです」
アデナウアー「ご苦労」
カムラン「危ないですよ」
クェス「でーん、ははははっ、ははは」
アデナウアー「クェス」
ブライト「解散だ」
カムラン「ブライト・ノア艦長か。ミライさんとうまくやっているのかな」
ブライト「仕事は山ほどあるんだぞ」

チェーン「オクトバーさんの試料は下に着いてるそうです」
アムロ「そりゃあよかった」
ハサウェイ「こっちからコロニーの中、見えるんですか?」
アムロ「見えるよ」
チェーン「あの新しいフレームはいいアイデアですよ」
アムロ「アデナウアー・パラヤな。俺達ロンド・ベルにはジオンの残党狩りをさせておいて、裏ではシャアと話し合ってる」
チェーン「あれが政治家でしょ」
アムロ「納得できるかい?」
チェーン「そうね」
ハサウェイ「わあーっ、コロニーだ」
アムロ「そうだ。ここは五百万人ほどが住んでいる古い街さ」
チェーン「いつもはこうしてやさしいのに、時々恐い声出しますね」
アムロ「そうかな」
チェーン「そうですよ」

ホルスト「よくいらしてくださった」
アデナウアー「貴官こそ、我がロンデニオンにようこそ」
カムラン『ネオ・ジオンの連中じゃないか』

ハサウェイ「いいんですか?アムロさん取っちゃって」
チェーン「いいのよ、あなたがいない所で仲良くしてるから」
ハサウェイ「ひゃははは」
ブライト「ハサウェイ」
ハサウェイ「あ、父さん」
ブライト「デートの電話を父親に入れるなって言っておけ」
ハサウェイ「クェス?」

クェス「捜したよ。軍艦には直通電話できないしさ。艦長さんを呼び出したりしてごめん」

ハサウェイ「いいんだって」
トゥース「そうですか?」
ブライト「ああ」
アムロ「あいつのチャージできてる?」
係員A「あ、はい」
 「出してあげて」
係員B「はい、ハロですね?」
ハサウェイ「ドレーク・ホテル?」
 「アムロさん」

連邦高官A「総帥みずから」
連邦高官B「おおっ」
ホルスト「今日の交渉は、我々が地球連邦政府に礼を尽くす立場でありますから、当然でしょう」
アデナウアー「それで我々も、心底安心できるというものです、閣下」
シャア「それは結構」
ホルスト「で、調印書は本物でしょうな?」
アデナウアー「勿論です。地球連邦政府は、フィフス・ルナがラサに降下する前に移動いたしまして、公の効力を持つものを用意いたしました」
カムラン『なんの調印書だ?』
アデナウアー「当方の条件を承認していただければ、小惑星アクシズをネオ・ジオンに譲渡いたします」
カムラン『なんだって?』

ハサウェイ「ハーロ」
ハロ「ハロ」
ハサウェイ「ふへへへっ」
アムロ「ハサウェイ」
ハサウェイ「あ、はい」
 「…、ハロのことは母からよく聞いてました」
アムロ「三代目だけど大事にしてよ」
ハサウェイ「勿論」

ホルスト「このルナ2に我がネオ・ジオン艦隊が投降したあとでですか?」
ジオン高官A「このアクシズを我がスウィートウォーターに移動させるのは?」
アデナウアー「それらの条件を認めていただかなければ、和平話はなしですな」
カムラン『金塊』
 「なんだ?」
ジオン士官A「アクシズの代金のご確認を願います」
連邦高官A「会計局の者は彼です」
カムラン「あ、…」
ホルスト「これでアクシズは我々が買い取ったわけですが、アクシズをスウィートウォーターに運搬する仕事は、我が艦隊にやらせたいのですが」
アデナウアー「なぜです?」
ホルスト「艦隊の者が失業しても、我々は失業手当も出せない現状でして」
シャア「そうか、問題だな」
アデナウアー「了解です、連邦軍への再就職を考慮しましょう。それにあのアクシズの移動は、装備されている核エンジンがまだ使えますから、大丈夫です」
ホルスト「昔のエンジンがまだ使える、や、そりゃすごい」
シャア「では」

シャア「俗物どもが」
 「しかし、ここに我々がいるのをロンド・ベルの連中が知ったら、ただじゃすまないな」
ホルスト「左様ですな」
シャア『アムロ、私はあこぎな事をやっている、近くにいるのならこの私を感じてみろ』
 「街を行くのはやめるぞ」
ホルスト「はっ」
ジオン高官達「ジーク・ジオン」
シャア「ジーク・ジオン」

クェス「すごーい」
ハサウェイ「わあーっ」
クェス「あの白鳥を追いかけて、アムロ」
アムロ「ん?」
ララァ『ふふふふふ、ふふふふっ』
クェス「きゃあ、あはははっ、あはは」
ハサウェイ「…」
クェス「ああっ」
アムロ「…」
ハサウェイ「…」
アムロ「貴様」
側近A「どうなさいました?」
シャア「ギュネイを呼べ」
側近A「はっ」
アムロ「なんでここにいるんだ?」
シャア「私はお前と違って、パイロットだけをやっているわけにはいかん」
アムロ「なんだと」
クェス『あれが、シャア』
アムロ「俺達と一緒に戦った男が、なんで地球潰しを?」
シャア「地球に残っている連中は地球を汚染しているだけの、重力に魂を縛られている人々だ」
クェス『…、だから夫婦でもいがみあっていられるんだ。あっ』
アムロ「そうか」
 「シャア、…」
シャア「うっ」
クェス「…」
シャア「ええい」
アムロ「…なんで…」
シャア「おっ」
 「世界は、人間のエゴ全部は飲み込めやしない」
アムロ「人間の知恵はそんなもんだって乗り越えられる」
シャア「…ならば、今すぐ愚民どもすべてに英知を授けてみせろ」
クェス「そうだわ、それができないから」
シャア「…」
アムロ「…、貴様をやってからそうさせてもらう」
クェス「ええい」
アムロ「あっ」
クェス「アムロ、あんたちょっとせこいよ」
アムロ「クェス」
シャア「行くかい?」
クェス「えっ?」
アムロ「シャア」
ハサウェイ「クェス」
アムロ「…」
ギュネイ「大佐」
ハサウェイ「うわっ」
アムロ「うわっ」
ハサウェイ「クェス」
 「クェス」
クェス「ハサウェイ」
アムロ「おっ」
ハサウェイ「うわっ」
アムロ「シャア」

カムラン「お忙しいところを」
ブライト「やっぱりあなたですか、カムランさん」
カムラン「どうも」
ブライト「会計監査局のあなたが、なんでしょう?」
カムラン「ミライ、ああいえ、奥様はお元気でしょうか?」
ブライト「この半年ほど会っていません。彼女はずっと地球なのです」
カムラン「そうですか」
ブライト「何か?」
カムラン「どなたにお話をしたらよいか迷いましたが、シャアがこのコロニーにいるのです」
ブライト「…なんです?」
カムラン「シャア・アズナブルがこのコロニーで、連邦政府の高官と会ったのです」
ブライト「アデナウアー・パラヤにですか?」
カムラン「彼だけではありません、ほかにも数人。連中はシャアと和平が成立したと考えているのです」
ブライト「そりゃあ」

メカニックA「いい趣味してるじゃないか。いくらなら売る?」
ギュネイ「冗談言わないでくれよ、ちょっと売れないね」

パイロットA「いらっしゃいました」
ホルスト「間に合ったか」
シャア「我々は空に出るが、どうするね?クェス・エア」
 「軍の動きはどうか?」
パイロットA「まだありません」
クェス「ラー・カイラムには嫌な女がいるんです」
シャア「そうなのか。じゃ」

アデナウアー「なんだ?」
ブライト「あなたはシャアの本性がわかっていませんよ」
アデナウアー「隕石のアクシズを売った金で連邦政府の福祉政策が充実するんだぞ。でなければ、シャアはコロニー潰しをかけると言ったんだ」
ブライト「シャアはコロニー潰しはしません、地球に残ったあなた達を潰すだけです」
アデナウアー「私はルナ2に行って武装解除の受け入れ準備をさせる」
ブライト「艦隊の武装解除?なんで我々ロンド・ベルにやらせないんです?」
アデナウアー「ああああっ…」
L・B士官A「…」
 「お気をつけて」
アデナウアー「…、あ、電話、借りられんか?」
L・B士官A「はっ」
アデナウアー「コロニーの近くにシャアの艦隊は呼べんよ」
L・B士官A「参謀」
ブライト「ではロンド・ベルは、独自の行動を取らせていただきます」
アデナウアー「当たり前だ。貴官らが地球の危機と判断したら、いつでも動け」
 「クェスはなんでホテルにおらん?艦長、伝言を頼む、数日ホテルで待っているようにと」
ブライト「はい」

クェス「…」
ギュネイ「閉じるぞ」
クェス「…浮いている」
ギュネイ「これで」
クェス「知っている。なんかジェガンより古いけど、わかるわ」
ギュネイ「ほんとか?」
クェス「こうでしょ?」
 「わあー」
ギュネイ「ランチを正面に入れてみろ」
クェス「ん」
ギュネイ「ほんとに操縦初めてか?」
クェス「そーれ、トンボ返りー」

パイロットA「あ、あれ」
ホルスト「クェスですか?」
シャア「ああ、才能があるようだな」
パイロットB「出迎えのムサカです」

クェス「ぎゅーん」
ギュネイ「よ、よせ」
オペレーターA「なんだ?」
ギュネイ「許可があるまではもう近づくな」
クェス「いいの」
ギュネイ「勘弁してくれよ。そうでなくても俺は、ニュータイプ研究所出身だってやっかまれてるんだからさ」
クェス「…、あたしがいるじゃない、ふふっ」

シャア「地球を嫌うとは、よほど嫌な思い出があるんだな?クェス・エア」
 「なんで、私に興味を持ったのだ?」
クェス「あなた、人の魂は地球の重力に引かれるって言ったでしょ、あれ、あたしに実感なんだ。でもさ、それがわかる人って不幸な人じゃないかって、気になったの」
シャア「私は信じる道を進んでいるつもりだ」
クェス「あたし、白鳥が飛ぶのを見てアムロが叫んで、あたしも叫んだわ。そうしたら、あなたが現れた」
シャア「それでアムロ達を裏切ったのか?」
クェス「あはは、あの人達とは偶然知り合っただけ。まだ友達にもなっていなかったわ」

ジャンク屋「宇宙用の免許取るったって大変だぜ」
ハサウェイ「コロニー公社に勤めりゃ、コロニーの修理で食いっぱぐれないだろ。実技に強くないと。んん、…わっ、いてっ」
ジャンク屋「ローンは50ヵ月でいいんだな?」
ハサウェイ「ええ?ああああっ」
 「うわっ、いてえ」

シャア「四、五回であれだ。本物だな」
ナナイ「はい、クェスの脳波とサイコミュとの連動は完璧です」
 「クェス、ターゲットはわかりますね?」
クェス「はい」
ナナイ「あとはファンネルが自動的に進入します」
クェス「はい」
ナナイ「ファンネル放出」
クェス「はい」

クェス「あたしの脳波だけで、あれがコントロールできるの?」
ナナイ「ターゲットをイメージしろ」
クェス「イメージ?…行け、ファンネル達」

ナナイ「あとはファンネル達に攻撃命令」

クェス「ファンネル?」
 「あ、これ?」
 「ファンネル」
 「わあ」

シャア「あの子と同じだ」

老婆A「お願いします」
男A「総帥が乗っているって?」
男B「前の方さ」
男C「ほら」
男D「総帥にだよ」
男E「総帥に」
クェス「大佐に?」
男E「向こうから、総帥にと」
シャア「ありがとう」
老婆A「ジーク・ジオン」
乗客達「ジーク・ジオン、ジーク・ジオン、ジーク・ジオン」

乗客達「星の光に 思いをかけて 熱い銀河を 胸に抱けば 夢はいつしか この手に届く Char's believing ours pray pray Char's believing ours pray pray」

クェス「ふふっ、大佐は格好だけじゃないんですね」
シャア「おかしいか?」
クェス「いいえ。それで、地球を潰すんですか?」
シャア「潰しはしない。地球にはちょっと休んでもらうのさ」
クェス「ああ、そういうことですか」
シャア「訓練で頭痛は出なかったのか?」
クェス「ええ、勿論」

シャア「ギュネイ、明日からの作戦を頼むぞ」
ギュネイ「はっ」
シャア「大丈夫か?明日からの作戦は遊びじゃあない」
クェス「勿論、あっ」
 「大佐」
シャア「今夜はよく休め」
 「ゆけ」

ナナイ「アクシズを地球にぶつけるだけで、地球は核の冬と同じ規模の被害を受けます。それは、どんな独裁者でもやったことがない悪行ですよ」
 「それでいいのですか?シャア大佐」
シャア「いまさら説教はないぞ、ナナイ。私は、空に出た人類の革新を信じている。しかし、人類全体をニュータイプにする為には、誰かが人類の業を背負わなければならない」
ナナイ「それでいいのですか?」
 「大佐はあのアムロを見返したい為に、今度の作戦を思いついたのでしょ?」
シャア「私はそんなに小さい男か?」
ナナイ「アムロ・レイは、やさしさがニュータイプの武器だと勘違いしている男です。女性ならそんな男も許せますが、大佐はそんなアムロを許せない」

シャア『ジオン独立戦争の渦中、私が目をかけていたパイロット、ララァ・スンは、敵対するアムロの中に求めていたやさしさを見つけた。あれがニュータイプ同士の共感だろうとはわかる』
 「む?」
アムロ「ララァ」
ララァ「アムロ」
シャア「ララァ、敵とじゃれるな」
ララァ「大佐、いけません」
シャア「何?」
 『あの時、妹のアルティシアがいなければ』
ララァ「ああーっ」
アムロ「しまった」
シャア「ララァ」
 「ララァ」
 『ああ、私を導いて欲しかった。なまじ、人の意思が感知できたばかりに』

ナナイ「どうなさいました?」
シャア「似過ぎた者同士は憎みあうということさ」
ナナイ「恋しさあまって憎さ百倍ですか?」
シャア「ふん、まあな。明日の作戦は頼むぞ」
ナナイ「…」
シャア「私はアクシズに先行してお前を待つよ」
ナナイ「クェス、よろしいんですね?」
シャア「あれ以上の強化は、必要ないと思うが?」
ナナイ「はい。あの子はサイコフレームを使わなくとも、ファンネルをコントロールできるニュータイプです」
シャア「そうだろうな」
ナナイ「…、ジオン・ダイクンの名前を受け継ぐ覚悟が、大佐を変えたと思いたいが。くそっ」
 「あんな小娘に気を取られて」

ギュネイ「欲求不満のはけ口を、戦争に向けてるだけなんだ」
クェス「何それ?」
ギュネイ「大佐みたいなのが頭に来ると、コロニー潰しなんかやるんだよ。そんな時に、大佐を止める力がいるだろ?だから俺はニュータイプに強化してもらったんだ。両親はコロニー潰しでやられちまったからな」
 「スケベども」
クェス「ふーん、エスパーになりたいんだ」
ギュネイ「ああ。だけど、ニュータイプ研究所の強化じゃクェスみたいにはなれないってわかったよ。だから俺、クェスと付き合ってクェスを研究させてもらう」
クェス「付き合いたいって事?」
ギュネイ「年が気になる?」
クェス「ああ、あんた、あたしが大佐好きだからやきもち妬いてんだ」
ギュネイ「違うって、あっ、…クェス」

子供A「やっちゃえよ」
子供B「よせよ」
子供A「あはははっ」
子供B「こいつ」
子供A「ずるいぞ」
チェーミン「じゃあ、当分シャトルは出ないの?」
ミライ「シャトルの会社はホンコンを逃げ出すって」
チェーミン「和平するってニュース、嘘なの?」
ミライ「今度はホンコンが狙われているのよ」
チェーミン「隕石が落ちるの?」
ミライ「シャアならやるわ。母さんも昔、戦った事があるからわかるの。地球の人は荒れるだけでしょ、シャアは純粋すぎる人よ」

シャア「このコロニー、スウィートウォーターは、密閉型とオープン型を繋ぎ合わせて建造された、きわめて不安定な物である。それも、過去の宇宙戦争で生まれた難民の為に急遽、建造された物だからだ。しかも、地球連邦政府が難民に対して行った施策はここまでで、入れ物さえ作ればよしとして、彼らは地球に引きこもり、我々に地球を解放することはしなかったのである。私の父、ジオン・ダイクンが宇宙移民者、すなわちスペースノイドの自治権を地球に要求した時、父ジオンはザビ家に暗殺された。そしてそのザビ家一統はジオン公国を騙り、地球に独立戦争を仕掛けたのである。その結果は諸君らが知っている通り、ザビ家の敗北に終わった。それはいい。しかしその結果、地球連邦政府は増長し、連邦軍の内部は腐敗し、ティターンズのような反連邦政府運動を生み、ザビ家の残党を騙るハマーンの跳梁ともなった。これが、難民を生んだ歴史である。ここに至って私は、人類が今後、絶対に戦争を繰り返さないようにすべきだと確信したのである。それが、アクシズを地球に落とす作戦の真の目的である。これによって、地球圏の戦争の源である地球に居続ける人々を粛清する」
クェス「あたし、みんな知っていたな」
ジオン兵達「おおーっ」
ジオン兵A「大佐ーっ」
ジオン兵B「スウィートウォーターの救世主だ」
ジオン兵達「ジーク、ジーク、ジーク、ジーク」
クェス「ルナ2で武装解除するって話、嘘なのかな?」
シャア「諸君、みずからの道を拓く為、難民の為の政治を手に入れる為に、あと一息、諸君らの力を私に貸していただきたい。そして私は、父ジオンのもとに召されるであろう」
ジオン兵達「おおーっ」

ホルスト「レウルーラですな。しかし、こんなダミーで騙せますか?」
シャア「海軍の連中は、船の数が合っていれば安心するものさ」
ホルスト「ダミー混じりの艦隊でルナ2を叩き、その間に大佐御自身がアクシズに進攻なさる。うまくすれば、ルナ2の核兵器まで使えますな」
シャア「ああ、アクシズを加速するのにも、地球を汚染させるにもな」

アデナウアー「あのルナ2には、旧世紀からの核兵器はどのくらい貯蔵されているのか?」
クラップ艦長「は、ネオ・ジオンの艦艇を百回殲滅するだけの量はあります」
アデナウアー「シャアはそれを知っているんだ。彼は懸命だよ」
クラップ艦長「我々ロンド・ベルは戦争をしたがっているとおっしゃるんですか?」
アデナウアー「ああ。地球からはそう見えるな」
オペレーターA「参謀次官、スウィートウォーターの放送です」
クラップ艦長「上のモニターで」
アデナウアー「ん。電波状態は、良好だな」
クラップ艦長「旗艦のレウルーラが後方か」
オペレーターA「数はそろっています。あ、いや、情報より一隻多いや」
アデナウアー「シャアは正直なんだよ。これで地球の敵は、本物の宇宙人ぐらいになったな」
クラップ艦長「我々に新しい職業がありますかな?」
アデナウアー「地球には海岸掃除の仕事が山ほどあるよ」
クラップ艦長「くっ、くーっ」
アナウンサー「ボン・ボワージュ、我が栄光のネオ・ジオン艦隊。惜別の念は消える事がありませんが、しかし、もうこの艦隊の姿は我々の心の中に残すだけに」

ブライト「ルナ2以外に核弾頭が15基もあったとはね」
カムラン「しかし、会計監査局扱いの物ですから博物館行きの代物ですよ、気をつけてください」
ブライト「あなたは罪にならないんですか?」
カムラン「現行の連邦政府が生き続ければ終身刑ですね」
ブライト「いいのですか?」
カムラン「私はミライさんに生きていて欲しいから、こんな事をしているんですよ」
ブライト「昔のフィアンセにはそう言う資格があります」
カムラン「ありがとう」
 「ネオ・ジオンの全艦隊が武装解除の為に発進したって放送、嘘ですか?」
アムロ「でしょうね。見せかけですよ」

ギュネイ「クェスめ、まったく離れない」

ムサカ艦長「たいしたものだな」
オペレーターA「目標のルナ2との航行射軸、固定」
ムサカ艦長「ようし、射軸固定、各砲座、最大仰角」
ナナイ「ヤクト・ドーガ、収容」

レズン「ガキが実戦に入るのかよ?」
ギュネイ「いけないか?」
レズン「強化人間が何言うの」
ギュネイ「俺はニュータイプだ」
レズン「はははははっ」
クェス「ギュネイ、よしなよ。普通の人相手にするなんて」
レズン「…」
ギュネイ「レズン」
クェス「よしなよ」
レズン「ほんと、普通じゃないみたいだね」
クェス「そう思うよ」
レズン「かわいいよ」

シャア「α・アジール、牽引」
オペレーターA「牽引ワイヤー発射」

オペレーターA「ネオ・ジオン艦隊確認、スウィートウォーター発進時と数、同じ」
アデナウアー「艦長、我がクラップはなぜ前に出ないのか?シャアに失礼だろ」
クラップ艦長「私は貴官の安全を守らなければならんのです」
 「横に散開していますな」
アデナウアー「竿で侵入するはずだが」
クラップ艦長「偵察機、発進」

ムサカ艦長「砲撃開始だな」
オペレーターA「はっ」
ナナイ「モビルスーツ部隊、砲撃開始30秒後に発進」

オペレーターA「熱源、無数に発生」
アデナウアー「何?」
クラップ艦長「回避だ」
アデナウアー「馬鹿な、条約違反だ」

ギュネイ「クェス、実戦の空気を感じるだけでいいんだ、ついて来い」
クェス「了解」
 「すごい」

レズン「来やがった」
 「うっ」
 「あたしだけで掃除してやるよ」

ギュネイ「来た」
クェス「ギュネイ」
ギュネイ「くそっ」
クェス「ああっ…、戦争か。ギュネイ。うっ」
 「来るなーっ」
ギュネイ「ルナ2の制圧が目的なんだから。クェス」
クェス「あんな所にも隠れているのがいる」

アデナウアー「なんで逃げん?」
クラップ艦長「味方がやられているでしょう」
オペレーターA「来ました」
アデナウアー「何?敵」

クェス「みんな、落ちちゃえーっ」

クラップ艦長「うわあっ」
アデナウアー「うわあっ」

クェス「やった、やったろ?」
 「ああーっ」
ギュネイ「危険だ、クェス」
 「その損傷なら爆発しない、大丈夫だ。…あっ」
 「ちっ」
 「このっ」
 「…、連邦軍など、俺一機で」
 「クェス、大丈夫か?」
クェス「うううう、うっううう…なんで、こんなに気持ちが悪いの?」

ムサカ艦長「戦闘ブリッジに入らずに完勝だな」
ナナイ「これでルナ2の核を大佐に届けられますね」
ムサカ艦長「ああ、忙しいぞ」
ナナイ「大佐、あなたの作戦は完璧です」

ブライト「泣くのはよせ」
 「あ、カムラン。この子を頼みます」
カムラン「ミライさん譲りなんですね。ナイーブなんですよ」
ブライト「では」
カムラン「ルナ2が全滅していないことを祈って」
ブライト「無理ですね」

ハサウェイ「泣いてみせないと、このタイミング取れなかったもんな」
オペレーターA「宇宙用装甲チェック」
ハサウェイ「図面はしっかり見せてもらったもんね」

オペレーターA「48番ハッチに故障発生」
トゥース「なんだと?」
オペレーターA「あれ?異常解消」
トゥース「装甲維持班、48番ハッチをチェック」
ブライト「何やってんの」
オペレーターA「知りませんよ」

メカニックA「テストするぞ。うわっ」
アムロ「遊んでんじゃない。エアロックに移動させとけ」
メカニックA「了解」
アムロ「艦長」
ブライト「なんだい?」
アムロ「…妙だと思わないか?」
ブライト「何が?」
アムロ「ルナ2とロンデニオンから同時に艦隊が出れば、アクシズにたどり着くのは俺達の方が早いんだぜ。シャアがそんな馬鹿なことをするのか?」
チェーン「でも、ネオ・ジオンの艦隊は一隻多かったんですよ」
アムロ「それだよ」

ケーラ「なんだよ?」
チェーン「スウィートウォーターの放送は嘘だって」
アストナージ「ええっ」
アムロ「これだ。カメラはロングサイズでしか撮影してないし、砲身もないように見える。ダミーだな」
チェーン「ということは」
ブライト「シャアはアクシズに着いている」

シャア「ようし、モビルスーツ部隊、アクシズを偵察」
 「ライル、私も出るぞ」
ライル「はっ」

ムサカ艦長「ルナ2の核爆弾をアクシズと一緒に叩き込めば、地球のエリートどもは、ふふふふっ」
ナナイ「ロンド・ベルの艦隊がアクシズに着く方が、早いかもしれませんよ」
ムサカ艦長「そりゃそうだがさ」
クェス「あれー?」
ナナイ「戦闘配備中になんて格好」
オペレーターA「出てってくれ」
クェス「散歩したっていいじゃない」
ムサカ艦長「…戦闘配備でみんながピリピリしているんだぞ」
ナナイ「了解」
 「遊び場じゃないぞ」
クェス「失礼ね」
ナナイ「クェス」
クェス「…」
ナナイ「パイロットスーツに着替えて、所定の場所で待機」
 「…」

チェーミン「ハサウェイ、連絡ないね」
ミライ「マイクロウェーブだって非常時体制でしょ」

ハサウェイ「…宇宙に慣れるのが遅すぎるってママは言ってたもんなぁ。もう少し我慢しないと、どこかのコロニーに降ろされちゃうからな」

アストナージ「オーライ、オーライ」
ケーラ「よーし、これで自分ひとりでシャアを叩き潰せる」
アストナージ「そういうのやめてください。中尉に怪我をされるのが心配で」
ケーラ「アストナージ、言ってくれちゃって」
オペレーターA「艦隊確認、連邦軍の船だ」

ケーラ「だまし討ちにあったのか?」

ジェガン隊A「アデナウアー・パラヤ閣下以下、メインブリッジの方は全滅で」
ブライト「シャアの艦隊は?」
ジェガン隊A「ルナ2の核貯蔵庫に潜入したようですが、…」
ブライト「各コロニーにいる艦隊も、コロニーの暴動を恐れて出てこないし」
メラン「これじゃあコロニーも地球も、シャアに味方をしているみたいなもんじゃないですか」
アムロ「アクシズにネオ・ジオンの全艦隊が集結したわけじゃない」

クェス「行くのよ」
ギュネイ「クェス」
 「どうするの?」
クェス「あんな女、嫌いだ」
ギュネイ「大佐に取り入ってニュータイプ研の所長と、戦術士官の地位を手に入れた女なんだから」
クェス「それを大佐に確かめる」
ギュネイ「ああっ」
 「大佐には近づくなって」
クェス「あんたのやきもちなんか聞けないよ」
ギュネイ「違うって」
クェス「ハッチ開けろ」

ムサカ艦長「ナナイ」
ナナイ「任せます」
ムサカ艦長「被弾したヤクト・ドーガなど放出しろ」

ブライト「ダミーミサイル、発射用意」
オペレーターA「ミサイル発射用意」
オペレーターB「以後の管制は、戦闘ブリッジに移行」
オペレーターC「ミノフスキー粒子、戦闘濃度散布」

オペレーターA「総員、有視界戦闘用意、監視機器開け」

ブライト「第一波ミサイル、発射」

オペレーターA「各員、発進用意。各員、発進用意」
ケーラ「各部隊、員数いいな?」
ハサウェイ「あてっ」
ケーラ「ん?」
ジェガン隊A「なんだ?」
アムロ「ケーラのリ・ガズィに続け」
 「ハロ」
ケーラ「ノーマルスーツも着ないで、窒息死したいのか?」
 「アムロ」
アムロ「ハサウェイ」
ハサウェイ「ア、アムロ」
アムロ「これは僕の方で処理する。ケーラは第一波の先鋒だ、行ってくれ」
ケーラ「はい」
トゥース「ハッチ解放5分前、ノーマルスーツ、確認」

ブライト「第二波、行け」
オペレーターA「第二波、発射」
オペレーターB「よし」

オペレーターA「移動熱源接近」
ライル「迎撃戦用意。戦闘ブリッジ開け。アクシズの大佐に連絡」

シャア「そうか、来たか」
 「核パルスの調整が済んだら点火しろ」
技師A「あと10分だけもたしてください」
シャア「了解だ」

シャア「意外に遅かったな」
 「モビルスーツ部隊はアクシズの北舷より攻撃。味方にやられるな」
 「あれか?」
 「…」
 「ええい」
 「当たれっ」
 「ミサイルの中に核があった?やるな、ロンド・ベル」
 「…第二波、すぐに来る」

ブライト「…」
ハサウェイ「…」
ブライト「お前まで戦場に出てきたら、母さんとチェーミンはどうなるんだ」
アムロ「男の子はこのくらいの方がいい」
ブライト「ちゃかすな」
アムロ「クェスに会いたいのか?ハサウェイ」
ハサウェイ「クェスを取り戻すんです」
ブライト「…」
アムロ「ハサウェイ」
ブライト「すぐに出るぞ」
アムロ「ああ」
 「クェスの感じすぎる才能がシャアに利用されているんだ。無理だよ」
ハサウェイ「利用だなんて、そんな」
アムロ「あの子の才能は強化されて、今はシャアの道具に成り下がっている」
ハサウェイ「そんな」
アムロ「人の死に乗った世直ししかできないのがシャアだ。そんな男に利用されるクェスも、死んだ者の力に引かれて悲惨な結末に」
ハサウェイ「クェスは死にません、その前に取り戻します。その為にモビルスーツの操縦だって習ったんです」
アムロ「そんなことじゃあ、ハサウェイだって死人に引っ張られるぞ」

トゥース「ミサイル第四波に続いて、モビルスーツ部隊第一波発進」
アストナージ「ケーラ、とっておきのサラダ、作っとくからな」
ケーラ「愛しているよ」
 「リ・ガズィ、行きます」
アストナージ「なんて言った?」

シャア「第二波が来た。モビルスーツ部隊は機雷源の上に」
 「ふん…」
 「アクシズ、行け。忌まわしい記憶とともに」
 「まだ来る」
 「やった」

メラン「ああっ」
オペレーターA「ああっ」
オペレーターB「アクシズに火がつきました。地球に降下開始です」
ブライト「第五波ミサイル、発射」
オペレーターA「てえぃ」
オペレーターB「総員、第一戦闘配置」
オペレーターA「ダミー放出」
ブライト「同時に回避運動用意」

チェーン「何かあった時はインターカムで連絡する」
ハサウェイ「はい」
 「それ、なんですか?」
チェーン「サイコフレーム。まだ、性能的に調べたい事があってね」
ハサウェイ「へぇ」
L・B兵A「ほれ」
ハサウェイ「あ」

シャア「これにも核ミサイルが一発だけ。やるな、ブライト」
 「ナナイ、早く来てくれよ」

ナナイ「クェスを殺したくなければ、大佐と合流するまで離れるんじゃない」
ギュネイ「はっ」
ナナイ「艦長」
ムサカ艦長「出させろ、アクシズの戦闘空域に入る」
ナナイ「はっ」

ギュネイ「言われなくったって、クェスは大佐には渡すもんか」

オペレーターA「この熱源がアクシズ、左は核反応です。敵艦隊はダミーを放出していて、数はわかりません」
ムサカ艦長「ダミーを焼き払えばいい」

クェス「あ…」
 「あそこがアクシズ?大佐がいる」
 「大佐」

メラン「右に熱源、敵です」
ブライト「ルナ2からの増援か?」
 「第二波、出てくれ。艦隊は直援部隊でもたせる」
アムロ「頼む」

アムロ「ガンダム、行きます」

ナナイ「さらに30秒間、援護射撃をする」
レズン「まめなこった」

ナナイ「各員の健闘を祈る」
レズン「あいよ」

ケーラ「核ノズルを破壊する前に、艦隊が出てくるか」
 「なんとしてもアクシズの足を止める」

クェス「あ、光?あの光の中にいるの?」

ギュネイ「クェスは?あっちか」
 「迂闊だぞ、クェス」
クェス「ギュネイ」

オペレーターA「モビルスーツはアクシズの北上で交戦中」
ブライト「ようし。第六波、本命を叩き込め」

レズン「ふっ、ロンド・ベルなら鈴を鳴らしてりゃいいんだよ」
 「生意気やっちゃって」

クェス「あそこだ。大佐、あんな所に隠れて」
ギュネイ「クェス」
 「ロンド・ベルのモビルスーツ?」
 「ミサイルか」
 「こいつら、核ミサイルじゃないか」
 「ええい、ファンネル達、一番熱量の高いミサイルだ。当たれーっ」
 「…やった」

クェス「…すごい。大佐」
シャア「ギュネイが敵の核ミサイル群を阻止してくれた。あれが強化人間の仕事だ」
クェス「大佐、ナナイがあたしをぶったのよ」
シャア「暴力はいけないな。ナナイには言っておく」
 「クェス」
クェス「…」
シャア「クェス、パイロットスーツもなしで」
クェス「ほんとだね?ナナイを折檻してやって」
シャア「ああ、本当だ」
クェス「なら、少し働いてくる」
シャア「調子に乗るな」
クェス「でも」
シャア「実戦の恐さは体験しなかったようだな」
クェス「恐さ?」
シャア「ああ」
クェス「気持ち悪かったわ、それだけよ。なのに、ナナイはやさしくなくって」
シャア「それで、私の所に来たのか」
クェス「大佐」
シャア「その感じ方、本物のニュータイプかもしれん。いい子だ」

ケーラ「つかまえた」
 「飾りをやられただけなんだから」

ギュネイ「この左上のプレッシャーはなんだ?」
 「ガンダムか」
アムロ「ダミーか」
 「そこだっ」
ギラドーガ隊A「本物の岩か」
 「うわっ」
ギュネイ「岩を利用して左右から追いこめ」
 「間違いない、あれはガンダムだ。あれをやりゃあ、大佐だろうが総帥だろうが」
 「そこっ」

チェーン「リモコンできなければ直接射撃すればいいでしょ」
L・B兵A「や、しかし」
チェーン「私が、やるわよ」
ハサウェイ「チェーンさん、頑張ってんだ。あ、ああっ」

L・B兵A「おおっ」

チェーン「どうしたの?」
射撃手A「コントロールセンターからリモコンできんのです」
チェーン「来た…」

レズン「ニュータイプだ強化人間だって、艦隊の足を止められなけりゃあさ」
 「よく見つけてくれた」

チェーン「ダミー」
射撃手A「はっ」
チェーン「うーっ…あっ」
 「こっち」

レズン「なんなんだこの力は?…あたしが直撃を受けている?」

射撃手A「やったあ」
チェーン「え?」
 「まだ」

クェス「…なんか、あたしの中に人がいっぱい入ってくる。恐い、気持ちが悪い、ううううっ」

ハサウェイ「…ク、クェス」

ケーラ「突っ込みが足らない。ん?」
ギュネイ「あの飛行機、一機で艦隊を潰す魂胆か?」
ケーラ「こいつ」
アムロ「何?ケーラ?」
ギュネイ「行かせるか」
ケーラ「うあっ…、まだもう一撃できる、アクシズを」
ギュネイ「逃がすか」
ケーラ「ああっ」
ギュネイ「ガンダムもどきが」
ケーラ「アクシズを、しまった」
ギュネイ「ははっ、丸腰になった」
 「ガンダムもどきを捕獲する。また?」
ケーラ「うあっ」
ギュネイ「こいつは利用できるんだ」
ケーラ「…なんなの?遊んでるんじゃないの?」
ギュネイ「来たな、プレッシャー」
 「ガンダム同士、呼びあっているのか?」
ケーラ「…脱出コックピット、始動しない?あっ」
ギュネイ「それ以上動くな。抵抗すれば、このモビルスーツのパイロットを殺すぞ」
ケーラ「アムロ、敵の動きは止まっています、狙撃してください」
アムロ「ケーラ」
ケーラ「ああっ、あっ…」
ギュネイ「アムロってんだろ?ガンダムのパイロット」
アムロ「光音声?」
ギュネイ「ガンダムを放置すればこのパイロットを返してやる」
 『どうした?早くしろ。νガンダムを手に入れたら、それこそ俺はいつだってシャアを倒して、クェスを手に入れられる男になれる』
 「やれよ」
アムロ「…曳航しようっていうのか?」
ギュネイ「投降サインを出してライフルを捨てろ」
ケーラ「私に構わずに」
アムロ「やめろ、ファンネルをはずす」
ギュネイ「ふざけるな、放熱板がなんだってんだ」
 「アムロは殺せ」
アムロ「がっ」

シャア「ん?」
クェス「また」

チェーン「アムロ」

ハサウェイ「クェス」

ケーラ「あっ」
ギュネイ「抵抗したな、アムロ」
ケーラ「ああっ…あああ」
アムロ「…」
ギュネイ「このギュネイ・ガスの警告を無視したから」
 「ファンネルだと?」
アムロ「…ケーラ」
 「…おおっ」

クェス「あたし…」
シャア「第一波は引き上げたようだ」
クェス「…あたし、パンクしちゃう」
シャア「この子は、戦場のすべての動きを感知している」
クェス「あたし、敵をみんな殺さなけりゃ…」

ブライト「アンチミサイル粒子弾、大事に使えよ」
オペレーターA「観測班、敵は?」
オペレーターB「敵モビルスーツ、後退中」

アストナージ「無理に着艦するな、ワイヤーで固定しろ」
アンナ「アストナージ」
アストナージ「なんだ?」
 「えっ、ケーラが?」
アンナ「行ってやってください」
アストナージ「ああ、ああ」
アンナ「次、収容しろ」

アストナージ「ああっ」
アムロ「アストナージ、こないでくれ」
アストナージ「アムロ、ケーラが」
アムロ「見ちゃ駄目だ」
アストナージ「ケーラ」
アムロ「ファンネルが敏感すぎた。ストレートに防御に働いて」
アストナージ「サラダを一緒に食べるんじゃなかったのか?」
メカニックA「アストナージ」
 「運べってんだよ」
メカニックB「はい」
アムロ「僕のファンネルのコントロールも悪いが、シャアがいるからだ。奴を仕留めなければ死にきれるもんじゃない」
チェーン「そんな不吉なこと言わないで」
アムロ「覚悟を言ったまでだよ」
チェーン「シャアの存在」

シャア「α・アジールのテストが間に合わないのか?」
ナナイ「実戦テストをクェスにやらせばよいでしょう」
シャア「意地悪い言いように聞こえるな」
ナナイ「クェスが何か言いましたか?」
シャア「そりゃあ、真面目すぎるナナイは嫌いだぐらいは言うさ」
 「どうだ?」
 「核を持った四番艦は、あと30分で接触する」
ナナイ「ギュネイは、クェスを大佐に取られると過剰に反応しています。クェスと一緒にして前に出した方が、彼の能力を発揮します」
シャア「αに乗せた。そうもいかんだろ」
ナナイ「私は大佐に従うだけです」
シャア「いいのか?」
ナナイ「愛してくださっているのなら」
シャア「いてくれなければ困る、ナナイ」
ナナイ「シャア・アズナブル、いえ、キャスバル・ダイクンでいらっしゃりたいから疲れるのですか?」
シャア「父の名前を継ぐのはつらいな。君のような支えがいる」

ギュネイ「あれか」
 「αは完成してるじゃないか」
クェス「大佐はあたしにやらせてくれるって」
メカニックA「冗談じゃないよ」
クェス「…みんなであたしをいじめんだ」
メカニックA「違いますよ」
クェス「何すんのよ」

ギュネイ「大佐と一緒じゃなかったのか?」
クェス「ナナイとミーティング」
ギュネイ「大人同士何やってんだ」
クェス「大佐は何もしないよ、あたしをだっこしてくれたんだから」
ギュネイ「冷静になれって言ったろ」
クェス「どうしてさ」

ギュネイ「俺な、敵の核ミサイルを一気に狙撃したんだぞ。俺は大佐以上に働けるんだ、あんな男は気にするなって」
クェス「何言ってんの?今は戦争だよ」
ギュネイ「クェス、大佐がナナイと仲良くしてる訳を知らないのか?」
クェス「仕事以外もう付き合わないって。ああっ」
 「…やーよ」
ギュネイ「大佐は、ジオンの一年戦争の時に使ったパイロットの、ララァに憑り付かれているんだぜ」
クェス「はぁ?」
ギュネイ「けど大佐は、総帥らしく見せる為にナナイなんかとも付き合ってさ。ロリコンじゃないかって、ニュータイプ研究所の連中はみんな知ってんだぜ」
クェス「だからって何よ、昔のことでしょう」
ギュネイ「大佐のララァ・スンって寝言を聞いた女は、かなりいるんだ」
クェス「…」
ギュネイ「クェス」
クェス「あたしがナナイとララァを追い出すんだから」
ギュネイ「ララァをアムロに取られたから、大佐はこの戦争を始めたんだぞ」
クェス「そんな事を言うから若い男は嫌いなんだ」

トゥース「我が艦隊はこのポイントで第二次攻撃をかけるが、アクシズはルナ2から運んできた核爆弾を地表近くで爆発させて、地球を核の冬にすることもできる」
アムロ「だから今度の攻撃で、アクシズのノズルを破壊し、アクシズそのものも破壊する」
ブライト「ということは艦隊攻撃しかないという事だ。我が方には核ミサイルは四発しか残っていない」
アムロ「だから、その攻撃が失敗した場合は、アクシズに乗り込んでこの部分を内部から爆破する。ここは坑道が網の目のようにあるので、アクシズの分断は可能です」
トゥース「そうすれば、アクシズの破片は地球圏外に飛び出していきます」
ブライト「よし、三段構えだ。ルナ2から敵の援軍が来る前にけりをつけるぞ」
 「すまんが、みんなの命をくれ」

チェーン「あのサイコフレームは、わが社の材料開発部のアイデアではなかったのです。開発部も断定はしていないのですが」
オクトバー『開発部も断定はしていないのですが、あの技術はネオ・ジオンからの提供だということで』
チェーン「こんな馬鹿なことないわ。サイコフレームは作動した。完全な物が敵から提供されるわけがない。オクトバーさん、なんで試料と一緒にこんな手紙を送ってきたのかしら?」
アムロ「チェーン」
チェーン「あ、はい」
アムロ「どうしたんだ?」
チェーン「ケーラやアストナージのこと、それにアムロの不吉な言葉、気になるわ」
アムロ「…すまなかった。ファンネル、いいな?」
チェーン「勿論です。これと大尉のサイコフレームが共鳴して、未知数の機能が引き出されるかもしれないって話、信じます?」
アムロ「オクトバーの話か?それはないよ」
チェーン「でも」
アムロ「フィン・ファンネルで勝てるさ」
 「νガンダムは僕が基礎設計をして、君が整備をしているんだから」
チェーン「そりゃあそうですね」

ミライ「待っていなさい、様子を見てくるわ」
チェーミン「はい」
ミライ「…」
男A「こんな所じゃ、隕石がホンコンに落ちたらやられちまうぞ」
女A「また隕石が落ちるって本当なの?」
男B「核の冬なんて来ないよ」
ミライ「迂回しましょう」
チェーミン「え?」
ミライ「戻ることになるけど」
チェーミン「太陽」
 「ああっ」
ミライ「…」
チェーミン「ママ、何?」
ミライ「あれ、シャアの隕石?」

オペレーターA「敵艦艇らしい移動物体キャッチ。総員、第一戦闘配置」
ライル「間違いないのか?」
オペレーターB「四番艦ははっきりしています。しかし、ミノフスキー粒子散布前の写真ですが、この光の数」
ライル「連邦の艦隊だというのか?」
オペレーターB「サイド2、サイド5、ルナ2を脱出したものもあります」
ライル「モビルスーツ部隊を前に出す。大佐に」

チェーン「お早いお帰りを」

メラン「艦長の許可が出たんだ。戦闘ブリッジには入れられんがここに座っていられる自信があるなら、観戦していい」
ハサウェイ「は、はい」
メラン「これに遺言状を書いてな。カプセルで放出するから」
ハサウェイ「はい」
メラン「髪の毛もはさんでおけよ」
ハサウェイ「はい」
ブライト「連邦軍が動いている?」
オペレーターA「間違いありません」
アムロ「νガンダム、行きます」
オペレーターB「ラー・カイム、ラー・ケイム、発進続く」
オペレーターA「サイド2と5からも出ていますが、援護してくれますかね?」
ブライト「こっちの位置表示は定期的に出しておけ」

オペレーターA「モビルスーツ部隊は艦隊の前に展開。102、どうぞ」
クェス「大佐」
シャア「どこに行っていた?」
クェス「あたし、ララァの身代わりなんですか?」
シャア「クェス」
 「誰に聞いた?いや、なんでそんな事が気になる?」
クェス「あたしは大佐を愛してるんですよ」
シャア「困ったな」
クェス「なぜ?あたしは大佐の為なら死ぬことだってできるわ」
シャア「わかった。私はララァとナナイを忘れる」
クェス「…なら、あたしはαで大佐を守ってあげるわ、シャア」

メラン「おお、お父さんの分まで書いてあるな。結構」
ブライト「ハサウェイ、恐くなったら、奥に下りたらいい」
ハサウェイ「はい、父さん」

シャア「どうした?」
ギュネイ「作戦士官と打ち合わせでありました」
シャア「私がクェスに手を出すとどうして考えるのだ?」
ギュネイ「自分が、でありますか?」
シャア「クェスは、ナナイの命令でαに乗った。慣れるまで守ってやれ」
ギュネイ「は、はい」
シャア「私はネオ・ジオンの再建と打倒アムロ以外興味はない。ナナイは私にやさしいしな」
ギュネイ「は、はっ」
メカニックA「ギュネイ」
ギュネイ「おお」
メカニックA「ほら」
ギュネイ「嘘かまことかすぐにわかるさ」

ライル「戦闘ブリッジに管制切り替える」
シャア「ご苦労」
ナナイ「大佐を出さないで済ませます」
シャア「そう願いたいな」
ナナイ「クェスとαの相性は良いようです」
シャア「そうか」
オペレーターA「α・アジール発進用意。各員、第一戦闘配置へ」

ギュネイ「α・アジール?」
クェス「ふふっ、来る来る」
ギュネイ「調子に乗るな、クェス」
クェス「やることがいっぱいあるでしょ」
 「…」
アムロ「敵意が無邪気すぎる。シャアじゃない、あの男でもない」
クェス「何?壁になる奴がいる」
ギュネイ「クェス、そいつはνガンダムだ、手ごわいぞ」
クェス「なにが」
アムロ「…」
 「…子供に付き合っていられるか」
クェス「なんでさ?」
 「ううっ、邪魔すんじゃない」
 「なんなの?」
 「おっちろ、おっちろ、おっちろ」
ギュネイ「クェス、ガンダムはこっちだ」
 「ううっ」
 「そこまでだ、ガンダム」
 「行けーっ」
アムロ「…」
ギュネイ「いつまで雑魚を相手にしているんだ」
クェス「雑魚?」
アムロ「ちぃっ」
ギラドーガ隊A「うわあっ」
ギュネイ「よけられるか」
アムロ「…」
クェス「大佐の所には行かせないよ」
アムロ「邪気が来たか」
 「やられる?」
 「…三つの敵か」
クェス「ううっ、うっ」
アムロ「クェスならやめろ」
クェス「ううっ、ギュネイ」
ギュネイ「わかっている。ファンネルがなんであんなにもつんだ?」
クェス「そんなんで大佐を困らせないでよ」

オペレーターA「νガンダムだけ前に出すぎです」
ブライト「援護モビルスーツはどうなってるの?」
オペレーターB「頑張っていますが」
ハサウェイ「罵り合っているだけじゃいけないよ、クェス。それじゃ駄目だよ」

アストナージ「チェーン、どうすんの?」
チェーン「モビルスーツが足りないって」
アストナージ「そりゃ駄目だ」
 「やめないか、チェーン」
チェーン「メインエンジンのひとつは直しました」
アストナージ「そういうことじゃ、うっ」
 「しっかりしろ、チェーン」
チェーン「サイコフレームが多い方がアムロに有利なんです」
アストナージ「チェーン、やめろーっ」
ハサウェイ「…」

ナナイ「四番艦、アクシズに入りました」
シャア「よし、核爆弾は地球に激突する直前に爆発するようにセット、クルーは収容しろ」
ナナイ「大佐、もうお止めしませんが、アムロを倒したら?」
シャア「ああ、あとはナナイの言う通りにする。戦闘ブリッジに入ってくれ」
ナナイ「はい」
シャア「いい子だ」

ハサウェイ「ああっ」
 「あっ」
 「…、あの光の中にクェスがいる。あ、これ動くじゃないか」
 「ううっ」
 「…」

ギュネイ「ファンネルがもたないから」
 「クェス、無茶だ」
クェス「あっ」
ギュネイ「何?あっ?」
クェス「ギュネイをやったの?」

メラン「そろそろアクシズが最終加速をかけます」
ブライト「核ミサイル」
オペレーターA「来ました」
ブライト「退避」
メラン「ラー・チャターが盾になってくれています」
ブライト「ターゲット、核ノズル」
オペレーターB「ちょ、ちょっと待ってください」

オペレーターA「四番艦のランチ収容」
ムサカ艦長「核爆弾の自爆装置は?」
オペレーターA「セットしたそうです」
ムサカ艦長「ムサカ前に。ロンド・ベルの艦隊を撃滅する」

オペレーターA「アクシズ、加速かけました」
ブライト「その根元にぶち込めばいい。ううっ、ターゲット、修正急げ」
オペレーターA「予測進路、来ました」
ブライト「ようし、てぇっ」

シャア「どれが核だ?」
 「ファンネル」
 「そんなに数はないはずだ。そこかっ」

チェーン「核ミサイルが狙撃された?」
 「ハサウェイ?アムロ」

シャア「まだ来る」
 「ブライト、やるな」
 「何?」
 「ええい…」

オペレーターA「ラー・チャターが」
オペレーターB「ミサイルが阻止されました」
オペレーターA「盾になって」
ブライト「ラー・カイラムをアクシズに衝ける。総員、陸戦用意」
オペレーターB「総員、陸戦用意」
オペレーターA「総員、陸戦用意」
ブライト「ハサウェイ」

チェーン「こっちは?いた、ハサウェイ」
ハサウェイ「なんだ、これ?クェスじゃ」
クェス「ふふふふっ、サイコミュが引っ張ってくれるから逃がしゃしないよ」
 「何?」
ハサウェイ「クェスだろ?これに乗っているの」
クェス「なれなれしくないか?こいつ」
チェーン「駄目、死んじゃう」
クェス「…あいつは」
 「なんだ?」
チェーン「ハサウェイ、どきなさい」
クェス「あれは」
ハサウェイ「駄目だよクェス、そんなんだから敵だけを作るんだ」
クェス「あんたもそんなことを言う。だからあんたみたいのを生んだ地球を壊さなくっちゃ、救われないんだよ」
 「何?」
ハサウェイ「クェス、そこにいるんだろ?わかっているよ、ハッチを開いて。顔を見れば、そんなイライラすぐに忘れるよ」
クェス「子供は嫌いだ、ずうずうしいからっ」
ハサウェイ「あっ」
チェーン「ハサウェイ、どきなさい、その子は危険よ」
クェス「嫌な女。お前がいなければアムロの所にいられたのに」
チェーン「アムロの所って、あの子が?」
ハサウェイ「クェス、降りて」
チェーン「ハサウェイ」
クェス「直撃!?どきなさい、ハサウェイ」
ハサウェイ「えっ?」
 「あっ、クェス」
 「クェース…」
チェーン「ハサウェイ、大丈夫?」
ハサウェイ「チェーン。チェーンか、やったのは?」
チェーン「やめなさい、あなたのやっている事は」
ハサウェイ「やっちゃいけなかったんだよ。そんなこともわからないから、大人って、地球だって平気で消せるんだ」
チェーン「ハサウェイ」
ハサウェイ「…」

サラミス艦長A「おい、ロンド・ベルは援護がいるんじゃないのか?」
オペレーターA「戦闘は始まってんでしょ」
オペレーターB「ゲタで発進。戻りは気にするな、安心してロンド・ベルを援護しろ」
サラミス艦長B「我に従ってアクシズに向かわれたし」

サラミス艦長A「アクシズに直進すりゃあいいんだよ。間に合わせろ」

ジェガン隊A「本当に拾ってくれるのかよ?」
ジェガン隊B「行けってよ」

チェーミン「飛べれば、宇宙に行けれるのにね」
ミライ「そうしましょうか」
チェーミン「あっ」

男A「太陽だ」

青年A「おい、久しぶりに太陽が見えるぞ」
 「クリスチーナ」

子供A「おい、なんか聞こえなかったか?」
子供B「いいや」

ナナイ「…艦長、ロンド・ベルが来る。前に」
ライル「下にまわりこんで前に出る」
オペレーターA「モビルスーツ、来た。うわっ」
ライル「うおっ」

ムサカ艦長「ほかの船は?敵艦隊の動きを気付かないか?」
オペレーターA「有線通信が切断されています。うっ」
ムサカ艦長「うわあっ」
 「ギラ・ドーガ部隊、戻れ」

シャア「来たか」
アムロ「よけた?シャア」
シャア「アクシズのノズルには接近させん」
 「はっ」
アムロ「よけた」
シャア「それでこそ私のライバルだ」
アムロ「船がある」
 「なんだこれは?そうか、シャアめ」
シャア「アムロ、まだ早い」
 「ファンネル」
アムロ「シャア」
シャア「ここで爆発したら、地球は汚染させられん」
シャア「アムロ、地球上に残った人類などは、地上の蚤だという事がなぜわからんのだ?」

ライル「…やられた」
ナナイ「四番艦の核兵器の爆発」

陸戦隊A「うわあっ」
ブライト「なんの力だ?ラー・カイラム、状況知らせ」

メラン「前方に巨大な閃光があります。原因はわかりません。ちっ、ワイヤーが切れちまった」

ブライト「爆破作業、急いで」

シャア「ガンダムはどこだ?ラー・カイラムに上陸された?」
 「ノズルを止めた?アムロ、これ以上はやらせん」

メラン「正面上、迎撃」

アムロ「何、チェーンか?来るのか?」
シャア「アムロ」
 「ララァが死んだ時のあの苦しみ、存分に思い出せ」
アムロ「情けない奴」
シャア「何が」
 「貴様こそ、その力を無駄に消耗していると、なんで気がつかん?」
アムロ「貴様こそ」
シャア「パワーダウンだと?」

ブライト「時間がかかりすぎるぞ」
陸戦隊A「もうちょいです」
 「これでアクシズはばらばらになります」

アムロ「てえぃっ」
シャア「ラー・カイラムが。なんだ?」
 「何?」
 「ガンダムを捨ててでもアクシズを内部から爆破しようっていうのか。させるか」

シャア「…」
アムロ「ブライト達、まだ上がっていないか?」
 「ん?」
 「…」
 「てぃっ」
 「逃げられた?」
 「世直しのこと、知らないんだな。革命はいつもインテリが始めるが、夢みたいな目標を持ってやるからいつも過激な事しかやらない」
シャア「四方から電波が来る」
アムロ「しかし革命のあとでは、気高い革命の心だって官僚主義と大衆に飲み込まれていくから、インテリはそれを嫌って世間からも政治からも身を退いて世捨て人になる。だったら」
シャア「私は世直しなど考えていない」
アムロ「…」
シャア「愚民どもにその才能を利用されている者が言う事か」
アムロ「そうかい」
 「うっ」
シャア「逃げた?ブライト達は?」

アムロ「…」
 「…」
 「このくらい」
シャア「サーベルのパワーが負けている?ええーい」
 「なんと」
アムロ「シャア」
シャア「貴様がいなければ」
 「ア、アムロ」
アムロ「うおーっ」
シャア「モニターが、死ぬ?何っ?」

ブライト「レウルーラを撃沈しろ」
メラン「こっちもばらばらなんです」
 「後退遅いぞ、アクシズと一緒に沈みたいのか」
ブライト「時間だ」
メラン「ええっ?」

シャア「やられた?」
 「何、戻れというのか?ナナイ、男同士の間に入るな、うわっ」

ナナイ「大佐、私達を見捨てるつもりなんですか?」

オペレーターA「アクシズが割れます」
オペレーターB「対空監視、気をつけろ」

アムロ「逃がすかよ」
シャア「捕まった?しかし、もう遅い」

オペレーターA「レウルーラを追えばいい」
オペレーターB「アクシズの破片が飛んでくる」
オペレーターC「モビルスーツ部隊」
ブライト「本当か?メラン」
メラン「はい。前の方は地球から離脱しますが、うしろの部分が爆発でブレーキをかけられましたから」
ブライト「軽くなって落ちないはずだ」
メラン「アクシズを分断させる爆発が強すぎたのです」
ブライト「シャアの手伝いをしたのか」

ハサウェイ「父さん、父さーん」

シャア「ふふふふ、ははははっ」
アムロ「何を笑ってるんだ?」
シャア「私の勝ちだな。今計算してみたが、アクシズの後部は地球の引力に引かれて落ちる。貴様らの頑張りすぎだ」
アムロ「ふざけるな。たかが石っころひとつ、ガンダムで押し出してやる」
シャア「馬鹿な事はやめろ」
アムロ「やってみなければわからん」
シャア「正気か?」
アムロ「貴様ほど急ぎすぎもしなければ、人類に絶望もしちゃいない」
シャア「うわああっ…アクシズの落下は始まっているんだぞ」
アムロ「νガンダムは伊達じゃない」

ブライト「ラー・カイラムでアクシズを押すんだよ」
メラン「無茶言わないで」
ブライト「地球が汚染されるのを黙って見ているのか?」
メラン「レウルーラの撃沈を確認していません」

ナナイ「大佐、あなたは」

オペレーターA「アクシズのうしろが加速してます」
ブライト「モビルスーツの動き、チェック」
オペレーターA「はい」
ブライト「アムロ、お前はまだアクシズにいるのか?」

シャア「命が惜しかったら、貴様にサイコフレームの情報など与えるものか」
アムロ「なんだと?」
シャア「情けないモビルスーツと戦って勝つ意味があるのか?しかし、これはナンセンスだ」
アムロ「馬鹿にして。そうやって貴様は、永遠に他人を見下すことしかしないんだ」

ブライト「な、なんだ?」
オペレーターA「熱源、アクシズの温度が上がっているだけです」

ナナイ「…た、大佐」
ライル「ナナイ、どうした?」
ナナイ「大佐の命が、吸われていきます、…」
オペレーターA「敵の援軍を確認。連邦軍のモビルスーツが地球の向こうからも」
ライル「コンピュータグラフィックスのモデルじゃないのか?」
オペレーターA「リアル画像です」
ライル「数を確認しろ」
 「地球の向こうのもか」
オペレーターB「味方じゃありません」

オペレーターA「左舷からも来ます」
ブライト「地球連邦軍なんだな?」
オペレーターB「間違いありません」
オペレーターC「八八艦隊からです」
ブライト「なぜだ?しかもみんな、アクシズに向かっている」
オペレーターA「ラー・カイラムは損傷機の回収にあたられたし、です」
ブライト「しかし、今頃になってどういう事なんだ?こいつら。ひょっとしたらあの光、チェーンの言っていたサイコフレームの光か?」
 「何をやろうってんだ?」

アムロ「なんだ?どういうんだ?」
 「やめてくれ、こんな事に付き合う必要はない。さがれ、来るんじゃない」
シャア「なんだ?何が起こっているんだ?ええい、完全な作戦にはならんとは」
ジム径A「ロンド・ベルだけにいい思いはさせませんよ」
アムロ「しかし、その機体じゃあ」
 「ギラ・ドーガまで。無理だよ、みんな下がれ」
ギラドーガ隊A「地球が駄目になるかならないかなんだ。やってみる価値ありますぜ」
アムロ「しかし、爆装している機体だってある」
 「駄目だ、摩擦熱とオーバーロードで自爆するだけだぞ」
 「もういいんだ。みんなやめろ」
シャア「結局、遅かれ早かれこんな悲しみだけが広がって地球を押しつぶすのだ。ならば人類は、自分の手で自分を裁いて自然に対し、地球に対して贖罪しなければならん。アムロ、なんでこれがわからん」
アムロ「離れろ、…ガンダムの力は」
シャア「こ、これは、サイコフレームの共振。人の意思が集中しすぎてオーバーロードしているのか?なのに、恐怖は感じない。むしろあたたかくて、安心を感じるとは」
アムロ「何もできないで、おあっ」

オペレーターA「光の幕のむこう、モビルスーツが跳ね飛ばされています」
ブライト「もっとよく観測しろ」
 「何が起こっているんだ?」

シャア「そうか、しかしこのあたたかさを持った人間が地球さえ破壊するんだ。それをわかるんだよ、アムロ」
アムロ「わかってるよ。だから、世界に人の心の光を見せなけりゃならないんだろ」
シャア「ふん、そういう男にしてはクェスに冷たかったな、え?」
アムロ「俺はマシーンじゃない。クェスの父親代わりなどできない」
 「だからか。貴様はクェスをマシーンとして扱って」
シャア「そうか、クェスは父親を求めていたのか。それで、それを私は迷惑に感じて、クェスをマシーンにしたんだな」
アムロ「貴様ほどの男が、なんて器量の小さい」
シャア「ララァ・スンは私の母になってくれるかもしれなかった女性だ。そのララァを殺したお前に言えたことか」
アムロ「お母さん?ララァが?うわっ」

ナナイ「…大佐が」
ライル「おい、ナナイ、どうしたんだ?」
オペレーターA「アクシズが地球から離れていきます」
ライル「そんな馬鹿な」

オペレーターA「アクシズ、進路変更確実、地球から離れます」
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