
| J.D.サリンジャー (1919〜 ) Jerome David Salinger
1919年ニューヨークに生まれる。第2次大戦に志願して従軍した 後、長編「ライ麦畑でつかまえて」(1951年)で潔癖で繊細である ために自分を取り巻く人間関係の中に入り込めずにいるティーン エイジャーの不安定な心情を描き若い世代の読者に熱狂的な支持 を受け、名声を得た。「ナインストリーズ」(1953年)に続いて、 グラース家年代記の連作に当たる「フラニーとゾーイ」(1961年)、 「大工よ、屋根の梁を高く掲げよ」(1963年)等を発表真の生き方 とは何かを追求している。1965年以降作品の発表は途絶えている。
代 表 作 「The Catcher in the Rye」(1951) 「 ライ麦畑でつかまえて」 白水社 他 「Nine Stories」(1953) 「ナイン・ストーリーズ」 新潮社 他 「Franny and Zooey」(1961) 「フラニーとゾーイー 」 新潮社 他 「Raise High the Roof-Beam, Carpenters and Seymour: An Introduction」(1963) 「大工よ、屋根の梁を高く上げよ シーモアー序章 」新潮社 他 「Hapworth 16, 1924」(1965) 「ハプワース16・1924」 荒地出版社
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The Catsher in the Rye (1951) あらすじ クリスマス休暇を前にしてホールデン・コールフィールドは高校 から放校処分を言い渡される。名目上は成績不良のためだが、本当 の原因は彼が周囲の人々とうまく付き合っていけないことにあっ た。 先生や友人達との交流を求める気持ちがある一方、実際に付 き合い始めるとすぐに彼らのずるさ、傲慢、無神経、世問ずれなど、 彼が「いんちき」と呼ぷものを敏感に感じ取って、自分の方から身 を退いてしまう。尊敬する作家の兄D.B.が、裕福な暮らしと引 き換えにハリウッドの映画産業に身を売ったことについても、ホー ルデンは何か裏切られたように感じている。彼が安心して心を開く ことができるのは、死んだ弟のアリーのように純粋なもの、そして その純粋さがいつまでも変わらないものに限られるのだが、現実の 世界にはそんなものがあるはずもない。彼は高校を後にしたもの の、ニューョークの両親の家にはそのまますぐに帰る気がせず、文 字どおり居場所を失って、ニューョークの繁華街を放浪する。だが、 そのニューヨークの街も今のホールデンには「いんちき」な世界で しかない。横柄なタクシー運転手、有名人を捜しまわる若い女達、 狡滑なポンびきなど、そこで彼が出会った人々とは、まともな会話 一つできない。昔D.B.に連れられて通ったクラプの黒人ビアノ 弾きや、ガールフレンドのサリー、前に英語を習っていたアントリ ー二先生など、彼が以前に好意を抱いていた人達も今は変わってし まっている。疲れはてたホールデンは、西部のどこかで聾唖者のふ りをしながら、世間とは没交渉の暮しをしようと決意する。ただそ の前に妹のフィービーだけにはさよならを言おうと思い、手紙で彼 女を呼ぴ出す。ところがフィーピーは彼と一緒に西部に行くと言い 出して彼を困らせてしまう。彼女を説得しながら、結局どこにも逃 げ場はないことを悟ったホールデンは、両親の家に帰ることを約束 する。帰る前に立ち寄ったセントラルパークで、フィービーが回転 木馬に乗って興じる姿を眺めているうち、ホールデンは、絶望のう ちに、なぜか急に幸福な気持ちに襲われ、降り出した雨に打たれな がらその場にたたずむ。
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