獄門ラブストーリー 〜第三話〜



第一話(でんでろ音波虫さん執筆) // 第二話(杜仲茶さん執筆)




「凪な、おまえの 話しかしないんだよ」



どうしてもその言葉が気になって、悪いとは思いながらもでんでろに促されるまま盗み聞きしてしまった。

しかし、ここからでは何を言ってるのかよく聞こえない。

所々聞こえてくる会話から解釈してみると、どうやら学校での出来事とかを話し込んでるみたいだ。

なんだ、上手くやってるじゃないか。

鳴海は邪魔しちゃ悪いと思い、まるでどこかの国のスパイじゃないかと思うほど

2人の会話に聞き入っているでんでろを説得する事にした。



「でんでろ、やっぱこんなことやっちゃだめだと思う。帰ろう…ってなんだそれ!?」



見るとでんでろはどこから取り出したのかサングラスにキャップ帽、

中央にちょっとだけ覗き穴があいている新聞紙、そしてちょっと長めのコートを着ていた。



「何だこれってバレないようにだろ!? ほら、お前の分」



といって、なぜかもう1セット持っているでんでろを不思議に思い、明らかに不審者だと思いながらもコートを着かけたそのとき、

思いがけないアサ凪の言葉が鳴海の耳に飛び込んできた。



「昨日ね、鳴海ったらわたしのカマかけにひっかかってるんだよ〜。おかしいよね〜」

「なんか美莉里って子が好きみたい。どんな子かなぁ?」

「でも、鳴海に彼女が出来ちゃうと寂しくなるなぁ…。」



寂しくなる。それがどんな意味なのかはその時良くわからなかった。

とりあえずもう少し盗み聞きしてみようと思い、身を乗り出したその時、

突然背後からどつかれた。



「なにやってるのよぉ、男二人でしかもそんな怪しい格好して」



絹馬超だ。彼女は一度帰宅したらしく、私服で来ていた。



「お前こそなんでこんな所にいるんだよ」

「だって今日の夜御飯作るのめんどくさいからマックにしようと思ってさ」

「マック?マックじゃなくてマクドだろ?」

「え〜〜!?マックでしょ。マクドって言いにくいじゃん」



と、こんな変な話をしていると、完全に蚊帳の外だったでんでろが口をはさんだ。



「ねえ、そのかわいい子誰?お前の彼女?」

「彼女ぉ〜!?そんなんじゃねえよ。今日転校してきた絹馬超だよ!!」

「なーによ、その言い方。あ、絹馬超です。かわいいだなんて照れちゃいますよぉ〜〜」



と絹は思いっきりでんでろを叩いた。

叩いた力がよほどのものだったのだろう。でんでろは思いっきり痛がっていた。

そんなこんなとやってるうちに、凪姉さんと赤城さんがいなくなってるのに気付いた。



「あれ?凪さんいないじゃん 。」



でんでろも気付いたらしく、先ほど叩かれた場所をさすりながらあたりを見回していた。



「誰よ〜凪さんって。あんたたち、張り込みなんかしてたの?趣味悪〜」



絹にそう言われ、改めて自分達のやってたことに恥かしさを覚えた。

結局あの「寂しい」の意味はわからないままになってしまったが、

すっかりあたりも暗くなってしまったので、でんでろに帰ろうと促す。すると絹が



「なーによ、こんな夜道を女の子一人で帰らせるつもり?送ってってよ」



と言ってきた。なんで俺が!?と思いながらも、確かに女の子を一人で帰らせるわけにはいかない。

しかたなく送っていくことにした。もちろんでんでろも一緒に。




帰り道、絹からいろんなことを聞いた。絹は意外と俺の家の近くに住んでいるらしい。

距離にして大体1キロくらいかな。

彼女の両親は仕事で忙しいらしく、家に帰ってくるのも週に1,2回くらい。

だから、ほとんど自分で自炊しているらしく、たまに今日みたいに気分転換で外食するという感じみたいだ。

この帰り道、絹とでんでろはすっかり意気投合したみたいで、本当に楽しそうに話をしていた。

マクドナルドを出てから500mくらい歩いただろうか。

急にでんでろが忘れ物をしたから先に帰っててくれといってあっという間にいなくなってしまった。



「忘れ物するなんて、でんでろもおっちょこちょいだね。」



絹がそう呟く。そうだね。と返答したあとしばらく沈黙が続いた。



「それで、さっき張り込みしてた人って誰?」



唐突に絹が聞いてきた。

ここは普通に姉さんだと答えるべきなんだろうか?

でも、自分の姉さんを張り込みってなんだか変じゃないか?

絶対変に思われる。いや、でも普通の人を張り込みってのも変か?

そうだ、ここはでんでろに責任を押し付けとくか?

いや、ちょっと待て。そもそもなんでこんなに考える必要があるんだ?

別に真実を言ってもいいじゃないか。でもなぁ・・・

どのくらい経っただろう。心の中でかなりの葛藤をしていると、

絹があせったように言ってきた。



「あ、話したくないならいいよ。別にそれが誰だろうと興味ないし。」



おそらく、絹もこの長い沈黙を嫌ったのだろう。

鳴海は、絹に悪いと思いながらも心の底ではありがたく思っていた。

しかし、その後の絹の言葉に耳を疑った。



「でも、わたし君の事は興味あるんだよね〜。」



小声で囁くように言ったから良くは聞こえなかったが、たしかに絹はこう言った。

興味がある。それはどういう意味なんだろうか?それを聞こうと絹に話しかけようとしたが、

なぜか聞けなかった。

そのあとはまた沈黙が続いた。時間はそう経ってないが、かなりの時間たったように思えた。

鳴海はこの気まずい雰囲気をなんとかしようと、絹に話しかけようとした。その時…、



「あれ?岡崎くん?」



唐突に背後から声をかけられた。

振り返ってみると、そこには美莉里とその友人、明日美が立っていた。

2人は同じクラスの同級生で、幼馴染の仲良しコンビらしい。

2人で並んで街を歩いていると、声をかけない男はそういないというほどの有名コンビらしい。(でんでろから聞いたのだが)

うわ〜、なんだこのシチュエーション…。鳴海は心の中でそう呟いた。

夜道に、しかも女の子と2人きりで…。絶対に怪しまれてる。

別にやましい事をしていたわけではないのだが、好きな人には見られたくない姿である。



「その人はだれなのかなぁ?」



明日美がちょっと皮肉っぽく聞いてきた。

明日美と鳴海も親同士が昔からの親友なため、ちょっとした付き合いがある。

そして鳴海は明日美に美莉里に気があることを告げたことがあるのだ。

だからそれを知ってる明日美が、皮肉っぽく言うのは当然の事だろう。

鳴海はチラッと美莉里を見た。美莉里は真剣な表情でこちらを見ていた。



「えっと、この人は今日うちのクラスに転校してきた絹馬超さん。さっき街で偶然会ってさ…」



別になにもやましい事なんてしてないんだ。堂々としてればいいんだ。そう思った鳴海は正直に話した。



「…ほんとに偶然会ったの?」



美莉里が聞いてくる。流石に美莉里に疑われると少なからずショックである。

すると、沈黙していた絹が鳴海に気を利かせるように口を開いた。



「うん、偶然だよ。わたしが鳴海を見つけて、からかってやろうと声をかけたの。

そしたら、夜道の一人歩きは危険だからって送ってくれたの。」

続けて絹が口を開く。



「あ、もう家すぐ近くだからさ。ここまでで大丈夫。送ってくれてアリガト」



絹はそういうと足早に去っていった。 明日美は、絹が去ったのを確認した後ササッと鳴海に近づいてきて小声で囁いた。



「あんた、美莉里が好きなんでしょ!?

もっと行動には気をつけないと。変なイメージ付けちゃったら終わりだよ」



そう言って、また美莉里のところに戻っていった。

美莉里はなんだかキョトンとした表情で明日美を見ていた。

明日美が美莉里に何事か話した後、美莉里が2,3回うなずく。そして2人は帰ると言ってきた。

去り際に、美莉里が鳴海に言ってきた。



「予備校休んじゃダメだよ〜。今日行ってないでしょ?今日わたし行かないって言ってたけどやっぱ行ったんだよ。

そしたら岡崎君いないし。だから今日配られた模試のお知らせ、岡崎君の分も貰ってきたんだ。

はい、これ。ちゃんと勉強しなきゃダメだよ。」



そう言って微笑んだ美莉里は、先に歩き出していた明日美を追いかけるように走り去っていった。




このとき鳴海は、改めて美莉里が好きなんだと心の中で確信していた。




   〜つづく




あとがき

この作品書いた後思った事。それは「ベタだなぁ」ってことでした。

全然オリジナリティがないし、ありきたりの内容になってしまいちょっと反省。

というか、前2話の作品に比べると明らかに登場人物の性格が変わってるしね(笑)

まあ、書いてしまったのは仕方ないという事でw

次の作者さんが盛り上げてくれるでしょ(爆)

ということで、頑張ってくださいね〜。


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