「さくらと放課後の二人」



「俺・・・このごろ変だ・・・アイツのことばっかり考えてる、なんでだろう・・・」
満月が栄える夜、とあるマンションのベランダで一人の少年が物思いにふけるように夜空を見上げている。少年の名は 「李 小狼」。 李は一人の女の子のことを考えていた、いや、考えるというよりは自然と頭に浮かぶ感じだった。
「ふぅ、とにかくもう寝よう・・・明日はピクニックだから早く寝ないとな」
李は女の子の事をかんがえないように頭をピクニックのことに切り替えてもう寝ることにした、しかし寝床についても考えることはその女の子ことばかりだった。
「アイツ、ピクニックにちゃんと遅刻しないでくるかなぁ、学校はいつも遅刻ぎりぎりだからな・・・・」
そう、明日のピクニックにはその女の子も来ることになっている。
そして李はピクニックで起こった事件をきっかけに、その女の子にたいする気持ちが何なのかきずきはじめていった・・・・。


ピクニックの事件から2日後、友枝小学校の五年生の教室の朝・・・・、李はある女の子が登校してくるのをこころなしか待っていた、他のクラスメイトは次々と登校してくるが李が待っている女の子はまだ来るようすがない。
李があたりをみわたしていると、一人の女の子が李にあいさつをしてきた。
「李君、おはようございます。いつもお早いのですね。」
あいさつをしてきたのは李がまってる女の子の親友の[大道寺 知世]だった。
「・・・おはよ」
李はすこしはずかしそうにあいさつをした。
と、李と知世が挨拶をかわしていると、教室にいきよいよく、一人の女の子が入ってきた。
その女の子は李と知世を見つけると二人の所に駆けつけ元気よく挨拶をしてきた。
「おはよう!知世ちゃん、小狼君。」
この元気に挨拶してきた女の子が李の待っていた女の子の、[木之本 桜]であった。
「おはようございます、さくらちゃん。」
「・・・お、おはよ」
「さくらちゃん、身体のほうはもう大丈夫なんですの?」
挨拶につづけて知世がさくらに身体の具合をたずねた。
「うん!もう大丈夫だよ、心配かけてごめんね知世ちゃん、小狼君。」と、さくらはいかにも元気だといわんばかりの笑顔を二人にみせた。 そのさくらの笑顔に李はつい、みとれてしまっていた。
そのことにきずいた知世は
「さくらちゃんのことばかり見てらっしゃるのですね、李君 。」
と、微笑みながら李にこそっり話しかけた。
「ち、ちがう!お、俺は、ただ!・・・。」
知世に言われたことがいかにも、当たってたと言わんばかりに、顔を真っ赤にしながら慌てふためいた。
「どうしたの?小狼君、顔が真っ赤だよ?」
なんで李が顔を真っ赤にしているかなんて、気づきもしないまま不思議そうに李にたずねた。
そんなさくらの質問に李は「おまえを見ていたから・・・・」なんて言えるわけもなく、顔を真っ赤にさせながら
「な、なんでもない・・・」
とはずかしそうに言うと自分の席に顔をうつむけながらすわりこんだ。 そんな李の姿を見て、さくらはさらに不思議がっていたが、先生が教室にはいってきたため、自分も席につくことにした。
こうしてさくら達の一日がすぎていった・・・・。
そして、この何日か後、さくらは苦闘の上、クロウカードをすべて集めることができたのであった・・・・。


さくらがクロウカードをすべて集めてから数日たったある日の事、李は教室で一人悩んでいた。
「まさか、アイツの兄キが雪兎さんのこと好きだったなんて・・・。」
李は偶然にも、さくらの兄、桃矢がさくらの憧れの雪兎のことを好きだってことを知ってしまったのだ。
「アイツがこのことを知ったら・・・・悲しむだろうな・・・・」 と、李はこの事をさくらに言うべきかどうか迷っていたのだった。 数日前、李はさくらにたいする気持ちがなんなのか、ハッキリわかってしまったのだった。そう、さくらのことが好きという気持ちに・・・・。
この事をさくらが知れば、さくらは雪兎のをあきらめて李の事を好きになってくれるかもしれない。
しかし、さくらの事を大事に思う李にとってそれはできないことだった。 このことをさくらが知って、さくらが悲しむ姿を李はみたくなかったのだった。
こうして李が一人で教室で考えていると、教室に一人の女の子が入ってきた、知世だった。
「まぁ、李君、まだ教室に残ってらしたのですの?」
「え、あぁ、少し考え事があって・・・それより大道寺はこんな時間にこんな所で何してるんだ?」
李は知世の話に質問で答えかえした。
「わたしは、さくらちゃんのクラブが終わるの待ってたのですわ!けど、もう少し時間がかかるみたいだったので校舎の中ぶらついていたら、李君の姿がおみえになったので・・・・」
と、知世は李に説明した。その説明を聞いていた李は、またさくらの事を考えていた。
それを見て知世は、「李君、何か考え事でもあるのですの?もしかして、さくらちゃんの事を考えてらしたのでは?」
「お!、俺は・・・そ、そんな、き、木之本のことなんてか、考えてないぞ・・・・。」
と、顔を真っ赤にしながら、知世の質問に答えた。 顔を真っ赤にしてあわててる、そんな李を見て知世は少し笑いながら、
「もし悩み事があるなら、私でよければ、相談にのりますわよ、李君」
と、李に話しかけた。
その言葉を聞いて李は少し考えてから知世に質問をした。
「もし・・・、大道寺に姉がいるとして・・・・、大道寺の大好きな人を、もし、姉も好きだってわかったらどうする・・・・?」
この李の質問に知世は少し考えてから・・・・
「やっぱり、少しはとまどいますわ、姉妹で同じ人を好きになったら・・・・」
と、知世は返答をした。それを聞いて李は、「そうか・・・・」と、小さく呟き、知世にさらに質問した。
「大道寺は好きな人を、姉にゆずってあきらめたりするか?」
この質問に対して知世は・・・・
「もちろん、あきらめたくはないですわ・・・・でも、わたしは大好きな方が、わたしと両思いになるより姉といる方が幸せなら、ずっとそのままでいてほしいですわ・・・・」
その知世の返答を聞いて李は「それって、好きな人に好きになってもらえなくても、いいってことか?」
「もちろん、好きになっていただければ、うれしいですわ・・・・、でも、わたしは、大好きな人が幸せでいてくださることが、一番の幸せなんです」
と、堂々と李の質問に知世は返答した。
それを聞いた李は、しっかりと考えをもった知世にとても感心をし、つい知世に見入ってしまった。
それに気づいた知世は 「李君?どうかなさいました?」
と、李に顔を近付けて話しかけた。李はそれにおどろき顔を真っ赤にしながら「な、なんでもない」 とはなした後、さらに知世に話かけた。
「大道寺のおかげで、悩み事が少しらくになった、あ、ありがとう・・・・」
と、李は少し照れながら知世にお礼を言った。
「こんなことで、李君のお役ににたてたようなら、わたしもうれしいですわ」
と、知世は笑顔でそうこたえた。
李と知世の話が終かかったとき、教室に女の子が 「知世ちゃんまったー?ごめんね、遅くなってー。」
と、元気な声で入ってきた。さくらだった。
そんなさくらを見た李は、少し心臓がドキドキしていた。 教室に入ってきたさくらは、李の姿を見つけて、
「ほえ?小狼君、まだ教室にいたんだ・・・・、あ、ちょうどよかった!実はきのう遊園地の招待券をお父さんからもらったんだ、三枚あるから・・・・李君と知世ちゃん、今度の日曜日によかったら一緒に行かない?」
「わたしはもちろん、よろしいですわ!」
と、知世が返事をした。
「小狼君は?日曜日、何か予定ある?」
さくらがふたたび李にたずねると、李は少し照れながら、「べ、べつに予定はなにもないから・・・行ってもいいぞ。」と、少し顔を赤くそめながらさくらに話した。
「じゃぁ、日曜日の11時に遊園地の前で・・・・いいかな?」
「よろしいですわ!。」
「わかった。」

こうして、さくら、李、知世は日曜日に遊園地に行くことになった。 この時のさくら達はまだ、遊園地でなにが起こるかなんて知るよちもなかったのだった・・・・。

「さくらと悲しい遊園地」につづく・・・・。

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