さくらと悲しい遊園地



「今日もさくらちゃんをビデオに沢山とれて幸せですわ!」


知世がいつものように自分の部屋でさくらをとったビデオテープを確認していると知世の部屋に知世の母、園美が入ってきた。
「知世、まだ起きてるの?」
「ええ、お母様、今さくらちゃんのビデオを編集してた所ですわ!」と
知世は説明し、さくらが写っているビデオを園美にみせた。 「へー、よくとれるじゃない。」
と園美は関心し、そのビデオを少しの間、知世と一緒に見ることにした。しばらくみていると園美はさくらと一緒に男の子が一人、よく写ってるのにきがついた。
「この男の子・・・たしか一度家にきたことがある・・・・たしか名前は・・・李 小狼君だったかしら?」
と、園美は知世にたずねた。すると知世その質問に少しびっくりしたのか、少し声をつまらせて、
「え!、えぇ・・、そうですわ、クラスメイトの李君ですわ、お母様。」と、園美にこたえた。
「へー、この子、さくらちゃんとよく一緒にうつってるのね。」
「今度、またこの李君に家に遊びにきてもらったら?もちろん、さくらちゃんもね!」と、知世に話した。
「え、えぇ・・・・今度、さそってみますわ。」と知世は少しとまどいながら、園美の提案に賛成をした。

「あ、もうこんな時間、知世、もうほどほどにして寝なさいよ!それじゃ、おやすみ」と園美は知世に声をかけて、知世の部屋をあとにした。

「おやすみなさい、お母様。」

と、知世は部屋でていく園美に挨拶をして、園美が部屋をでていったのを確認をすると、今ながしてるビデオテープをデッキから取り出して、べつのテープをデッキに入れ、それをみだした。
そのテープにはさくら姿はいっさいうつっておらずそのかわりに、李の姿ばっかりうつっていた。

「李君・・・・・・」



「わたしは、さくらちゃんが好きなはずなのに・・・・」
そう小声でつぶやくと知世はテープを止め、床につくことにした、この李にたいする気持ちを押し隠すように・・・・・・・・。
「じゃぁ、知世ちゃん、クラブもう少しで終わるから教室で、待っててくれる?。」
「わかりましたわ、教室でまってますわ」
さくらと帰る約束をした知世は、さくらのクラブが終わるまで教室で待つことをさくらと約束し、教室に向かった。
知世が教室に着き、教室の中に入室しようとしたが、教室の中に誰かがいたため、ひとまず教室に入るのをやめて、中にだれがいるのか確認することにした。

「あれは・・・・李君!?」

教室の中にいたのは李 小狼 だった。
「李君・・・・、!?、わたし、なんでこんなに胸がドキドキしてるのかしら・・・・。」
李を見た知世は、胸の鼓動が早くなるのをおぼえていた。この時の知世は、この胸の鼓動の意味する所が何なのか自分ではわかっていなかった。この胸のドキドキがなんなのかが解るのは、まだ少し先の事だった。 知世は胸がまだドキドキしてたものの、ひとまず李に話しかける事にした。
「まぁ、李君、まだ教室に残ってらしたのですの?」

そう知世が李に話しかけると、李は知世に考え事をしていたとうちあけ、知世に質問をしてきた。知世はその質問に答えることにした・・・・ (小説第2話参照)
李と知世の会話が終わりに近づいた時、タイミングよく、クラブの終わったさくらが教室に入ってきた。
そしてさくらは遊園地の招待券が二枚あるから、李と知世に日曜日に一緒に遊園地に行かないかと、二人を誘った。二人はその誘いをOKし、日曜日に3人で遊園地に行くことが決定した。


日曜日・・・・、この日はさくら、李、知世、三人で遊園地に行く日だった・・・・。

とあるマンションの一室で、目覚ましのベルが鳴り響いている。ようやく一人の男の子が目覚ましの音にきずき、目覚ましを止めたが、またふたたび深い眠りについてしまった。そして、その男の子・・・李 小狼がベットから起き上がったのはそれから一時間ぐらいたってからであった。
「ん・・・・、!?もうこんな時間じゃないか!早くでかける用意をしないと、待ち合わせに遅刻してしまう・・・・」
李は待ち合わせに遅れないように、早めに目覚ましをセットしていたが、いつもの李では考えられない事に、自分で目覚ましを止めて、二度寝をしてしまったのだった。
それには少し理由があった。李はきのうの夜、なかなか寝つけず、ベランダに出て、少し夜風にあたりながら今日の遊園の事、特に遊園地のチケットをくれたさくらの事を考えていたのだった。
それから寝たのが午前3時を回ってからだったので、眠たくなるのも仕方のないことだった。
「よし!今から行けばなんとか約束の時間に間に合うぞ!」
そう、小声でつぶやいた後、李は急いで、駅にむかった。だが、急いでるはずの李であったが、いつもの元気が李にはなかった。
「寝不足がたたったかな・・・頭が痛いや・・・・」
李は頭に痛みを感じていたが、寝不足の為だと思い、余り気にせずにとにかく駅に向かった。
駅から電車に乗り、数十分後・・・・、ようやく電車が遊園地のある駅についた。約束の時間にはまだ五分ぐらいあったが、いつも約束の時間の二十分前には来ている李にとっては遅刻したも当然だった。
「木之本達、もうきてるかな・・・・」
そう考えながら約束の場所へ急ぐ李ではあったが、頭の痛みがまだつづいてたせいか、いつもの身体のキレが李には無く、約束の時間に少し遅れてから、待ち合わせの場所に到着した。
待ち合わせの場所には、さくらと知世が先に来ていた。
李が二人の姿を見つけて声をかけようとしたが、さくらと 知世の二人も李の姿を見つけたらしく、先に声をかけてきた。

「小狼くーーん!こっちだよーーー!」



と、大きな声でさくらが手招きをしながら李に呼びかけた。
「木之本のやつ、あんな大きな声でよばなくったて・・・・」
はずかしいと感じた李ではあったが、その反面、うれしくもあった。

(さくらが俺の名前を呼んでくれてる・・・・)

そう、さくらの事が好きな今の李にとってはそんな事だけでも、うれしくてしかたのない事だった。
そんな李は頬を少し赤くそめながら、二人のもとへかけよった。
「小狼君!遅いから少し心配したよ!」
「本当!事故にでもあってないかと、さくらちゃんと話してた所だったんですよ、李君。」
さくらと知世はかけよってきた李に、心配してたことを話した。
「ご、ごめん!ちょっと寝坊して・・・・」
李は遅刻した理由を二人に話した。
理由を聞いたさくらは一安心したあと、
「じゃぁ、わたし入場券を買ってくるから知世ちゃん、小狼君、ここでまっててね!」
と二人に話すと、すぐさまチケット売り場にはしって行った。
さくらが、チケット売り場に行くのをみとどけると、
「李君が約束の時間にこないので、何事かと思いましたけど・・・・フフ、寝坊だったんですね!」
と、知世は「ニコッ!」っと笑いながら李に話かけた。
その屈託のない知世の笑顔に李はつい、みとれてしまっていた。 そんな李をみて知世は笑顔のまま、李に話かけた。
「どうかしました李君?、わたしの顔に何かついてます?」
その知世の質問に李はあわてながら、
「い、いや・・・べ、べつに、な、なんでもない・・・」 と、顔を真っ赤にしながら李は知世にこたえた。
(大道寺って・・・・いい笑顔するんだな・・・・)
と、李がつい思ってしまうほど、知世の笑顔はかがやいていた。たとえるなら、女の子が好きな人を見ている時にでる笑顔・・・・そんな笑顔だった。
李と知世がそんなやりとりをしていると、タイミングよくさくらが戻ってきた。
「二人ともお待たせ!・・・・ん?どうしたの小狼君、顔が真っ赤だよ?」
「な、なんでもない・・・・」
さくらの問いかけに李は顔を真っ赤にさせたまま、一言、そうこたえた。
不思議そうに李をみながら首をひねるさくらであったが、あまり気にせずに、李と知世に入場券と乗り物一日フリーパスのチケットをわたした。
「これが知世ちゃん、これが小狼君の分ね!」
「ありがとうございます、さくらちゃん!」
「あ、ありがと・・・・」
と、李と知世はさくらからチケットをもらった。
「じゃ、知世ちゃん、小狼君、早くいこ!!」
と、さくらが、先頭をきって歩きはじめた。
李もその後ろをついて歩いて行くが、なにか身体が少しだるく感じてきていた。
そう思ったやさき、知世が話かけてきた。
「李君、どこかからだの具合でも悪いんですの?なにかいつもの李君とくらべて、動きがにぶいようにみえるんですけど・・・・」
と、知世が少し心配したような口調で、李に話しかけてきた。 「いや、べつにどこも悪くない、たぶんきのう寝るのがおそかったせいで・・・少し眠たいからだと思う」
と、淡々とした口調で知世に話した。そう話した李ではあったが、頭痛の方はまだつづいていた。
「それならいいんですけど・・・・」
と、知世はまだ少し心配しているような感じではあったが、一応なっとくしたようであった。
李と知世の会話が終わると、二人のだいぶ前を歩いていたさくらが二人の方に振り向き、

「知世ちゃーん、小狼くーん、なにしてるのーー?早くいこーよーー!!!」

と元気いっぱいに二人に呼びかけた。
「まぁ、さくらちゃんたら」
「あいかわらずだな、アイツ・・・・」
李と知世の二人はそんなさくらをみて、少し微笑みながら、さくらのもとへ駆け寄っていった。
「じゃ!今日はめいいっぱい楽しもうね!」
さくらがそ二人に声をかけあと、三人は遊園地の中に入っていった。
三人にとって今日は楽しい一日、楽しい遊園地になるはずであった・・・・。

「さくらと悲しい遊園地(後編)」につづく・・・・。

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