「さくらと悲しい遊園地(中編)」



「じゃぁ、わたしお飲物をかってきますので、さくらちゃんと李君はベンチにでも座って、まっててくださいね。」

さくら、知世、李が遊園地の中に入ってもう一時間がたっていた。 遊園地の中をいろいろ歩き回っていたさくら達は、すこしのどがかわいきていた。すると
「なんか、のどがかわいちゃったね!」
と、さくらがタイミングよく二人に話した。
それを聞いた知世が飲物を買ってくると言い出していた。

知世はさくらと李にベンチでまってるように言うと、売店の方へに行こうとした。その瞬間、李の顔を見てなにか合図するように微笑んだ後、知世は売店の方に向かった。

(大道寺のやつ・・・・)

李は知世をみて、そう思っていた。
実は、知世が李の方を見て微笑んだのには少し理由があったのだった。 その理由とは、ほんの10分前の事・・・・

「ねぇ!次あれ乗ろうよ!小狼くん!」
と、さくらが李にジェットコースターに乗ろうと李の腕をつかみ、ゆらしながら李に話かけていた。
「俺は・・・・いい・・・・」
李は疲れたおももちでさくらに返答した。
李は今朝からの頭の痛みがまだつづいており、さらにこのジェットコースターの所に来るまでに、さくらに誘われるがまま、いろんなアトラクションの乗り物に乗っていたため、少し疲れてきてたのだった。
「俺はここで待ってるから、大道寺と一緒に乗ってきたらどうだ?」
 と、李はさくらに話すと、さくらは少し残念そうな顔をしたが、気を取り直して知世に話しかけた。
「じゃぁ、知世ちゃん一緒にのらない?」
と、知世を誘ったが、
「わたし、こういった乗り物にがてですので・・・、だから、わたしと李君はここでおまちになって、さくらちゃんがジェットコースターに乗ってるトコをビデオで撮影してますわ!」
と、知世はいつもの感じで、さくらに話した。
さくらは知世の返答を聞いて乗るのをやめようと思ったが、どうしても乗りたかったらしく、
「じゃぁ!私、一人で乗ってくるから、知世ちゃんと小狼君、ちょっとまっててね!」
と元気よく二人な話すと、いきよいよくジェットコースターの乗り場の方に向かって走っていった。
李がそんなさくらを見ていると、
「さくらちゃんてあいあわらず元気ですね!」
と、知世が李に話しかけてきた。
李もさくらを見ながらそう思っていた為か、
「あぁ、そうだな・・・・」
と、知世の問いかけに素直に答えた。
李がそう知世にこたえると、知世は李に聞こえるかわからないぐらいの小さな声で、
「李君が好きになるのもしかたありませんわね・・・・」と、李を驚かすようなつぶやいた。
だが李はさくらの方に気を取られていた為か、知世の言った言葉をちゃんと聞き取れていなかったらしく、
「大道寺、今、俺に何か話かけたか?」
と、知世に話しかけた。
その李の対応をみた知世は少しほっとしたような、そして少し悲しいような表情をしていた。
李はそんな知世が見せた、小さな表情の変化が少し気になって、知世に話かけようとしたが、
「李君、今日本当はさくらちゃんと二人で遊園地に来たかったんじゃありません?」
と、知世が先ほど見せた表情を押し隠すかのように、笑顔で李より先に話しかけてきた。
その突然の知世の質問に李は少しビックリした。なぜなら心のどこかで李はできることなら、さくらと二人っきりで遊園地に来たいと思っていたのであった。
その知世質問に李は、
「お!、俺は別に、そんなことなんか、思って・・・・」と、李はいつものごとく顔を真っ赤にさせながら知世の質問にこたえた。
その李のあわてた返答を聞いた知世は「クスッ」と少し微笑んだ後、李に一つの提案をもちかけた。
「わたしよろしければこの後、お飲物でも買いにいくと言って、さくらちゃんと李君を二人っきりにしてさしあげましょうか?」
と、この知世の提案にに李は、
「な!?、なんで俺が木之本と二人っきりならないといけないんだ・・・・!」
と、李は知世の提案に少しビックリしながら、知世にそうこたえた。 だが返答を聞いた知世はさらに、
「今日の李君、何かさくらちゃんに何か言いたそうにしてた感じがしたのですけど・・・・違います?」

「え!?、」

この知世のするどい質問に李は少しビックリしていた。
確かに今日の李は、さくらの兄、桃矢の事をさくらに話すかどうか迷っていたのであった。
「フフ、図星みたいですね!、じゃぁわたし、さくらちゃんが戻ってきたら、ジュースを買いに行くと言って席を外しますので!。」
と、知世は李の返答を聞かないまま、段取りを決めてしまっていた。
「お、おい!勝手に決め・・・・」
と李君が知世に少し怒りながら話かけてると、
「知世ちゃん!、小狼君!お待たせ!・・・・ん?どうしたの小狼君?知世ちゃんどうかしたの?」
と、ジェットコースターから戻ってきたさくらが、李が知世に少し迷惑そうな顔をして話してるのを見てそう李と知世に話かけてきた。
「あ、さくらちゃん!、別にたいした事ではありませんわ、さぁ!いきましょう。」

 「ほ、ほえ〜〜」

と、知世は李との話をごまかすかのように、さくらの手をひっぱりながら歩きだした・・・・・・・・。


その10分後、知世は提案通りにさくらと李を残してお飲物を買いに行ったのであった。

「じゃぁ、小狼くん!そこのベンチに座ってまってようか?」
と、さくらが李に知世が戻ってくるまで座って待ってようと、李に話しかけていた。
「ああ・・・・わかった。」
と李はすこし緊張した感じでさくらの話にこたえた。
李は、この知世のお節介ともいえる行為を少し迷惑と考えてもいたが、せっかく二人っきりで話すチャンスだとも思い、素直にさくらと一緒にベンチに座ったのだった。

さくらの横に座った李は少し緊張しながら、さくらの横顔を少しみていた。
するとさくらは李が見てるのに気づいたのか、李の方に振り向き「ニコッ!」微笑みながら、
「今日、きてよかったね!小狼くん!」
と、今日の遊園地の事について李に話しかけてきた。
李はその屈託のないさくらの笑顔についみとれてしまていたが、はずかしくなって顔を下にそむきながら、
「ああ、そうだな・・・・」
と、いつもの調子でさくらに話しかけた。
そして李は少し考えた後、さくらに質問をした。
「今日の遊園地、雪兎さんを誘わなかったのか?」
「え!?う、うん・・・・、」
李は桃矢の事を聞くつもりだったが、その前に、さくらが雪兎の事、雪兎が月(ユエ)とわかった今でも雪兎の事が好きなのか確認をしたかったのだった。
「実はね、おにいちゃんに今日の雪兎の予定をきいたんだけど、なにか今日、おにいちゃんと一緒にアルバイトがあるんだって・・・・」
雪兎の事を話すさくらは、何か李や知世と話してる時と、感じが違っていた。少なくとも李はそう感じとっていた。
そんな雪兎の事を話すさくらを見て李はつい、
「やっぱり俺なんかより、雪兎さんと来たかったんだな・・・・」
と、李はつい本音とも、やきもちともとれる様な事を、口走ってしまった。
さびしそうにそんな言葉を言った李を見てさくらは、
「え!?小狼、わたしそんなことないよ!・・・・たしかに雪兎さんとは来たかったけど・・・・、わたし今日は小狼君と遊園地に来たかったんだよ!本当だよ!」
と、さくらはまるで李を励ますかのように李の返答した。
そして続けてさくらが、
「だけど小狼君の方は、わたしと一緒に遊園地に来るより、ほんとは好きな人ときたかったんじゃないの?」
と、李に話しかけた。
このさくらの話しに李は少し気落ちしてしまっていた。
さくらにとって今の李は大事な友達という感じだからであった。
そんなさくらの話しをきいて李が少し落ち込んでいると、
「あ!、小狼君ごめんね!わたし勝手な事ばかり言って・・・・。」
と、さくらは李が困ってるように見えたのか、李に謝ってきた。
「別に謝らなくても、いいぞ・・・・」
と、李は一言さくらにいい話した。
すると李が怒ってないと思ったさくらは、李に質問をしてきた。
「だけど、小狼くんが好きになった人って、わたしの知ってる人?」
この質問は李にとっては酷な質問であった。
このさくらの質問に李はもう耐えられそうになくなっていた。 李はもうこのままさくらに告白しないと、どうにかなりそうな気分になってきていた。
そんな李を後目にさくらはさらに喋りつづけた。
「あ!わたしなんかが、こんな事聞いたらだめだよね!ゴメンね、小狼君・・・・・・・・だけど、小狼君が好きになるぐらいの人だから、きっと素敵な人なんだろうな・・・・きっと、その人も小狼君の事、大好だと思うよ!」
このさくら話しを聞いて李はもういてもたってもいられなくなってしまった 。

(俺・・・・もうだめだ・・・・)

李はもうこの気持ちをおさえる事ができなかった。
「俺・・・・」
「なに?小狼君?」
「俺・・・・お、お前の事が・・・・」
「・・・・?」
と、李が告白しようとした瞬間、
「おまたせしましたわ。」
と、知世がジュースを持って戻って来たのだった。

(な!?大道寺戻って来るのが早いよ・・・・)

李は心の中でそう思っていた。
「あ、知世ちゃん、ジュースありがと!」
「どういたしまして!はい、これが李君のジュースですわ!」
と、知世は李のジュースをわたした。
「ああ、ありがと・・・・」
李は知世の顔を少しうらめしそうに見ながら、それを受け取った。
そして、飲物をのんだ3人はまた別のアトラクションを見に行くことにした。
「じゃ、他の乗り物にいこ!小狼君 知世ちゃん!」
「ええ!」
「ああ・・・・」

それから一時間後・・・・


「と、知世ちゃん・・・・?」
道路の真ん中で、知世が頭から血を流して倒れている。
「大道寺!!ちくしょう・・・・俺のせいで・・・・」
「と、とにかく救急車をよばないと・・・・」

「と、知世ちゃーーーーーーん!!!!」



さくらの叫び声が道路にこだまする・・・・

どうして、こんなことになったのだろう・・・・
それはほんの少し前の出来事だった・・・・。

「さくらと悲しい遊園地 後編」につづく・・・・


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