「さくらと悲しい遊園地」
〜知世の想い〜




「大道寺しっかりしろよ・・・・」
「知世ちゃん!!」
どうして、こんな事になったのだろう・・・・救急車の中でさくらと小狼は知世の事を考えていた。

今から1時間前・・・・
「じゃわたし、お飲物をかってきますね。」
知世はさくらと小狼を二人っきりにする為、飲物を買いに 行った。
「これで李君、さくらちゃんに想いをつたえる事ができたらいいのですけど・・・・」
自動販売機の前で知世は、二人の事を考えていた。
そして二人の事…特に小狼の事を考えると胸が苦しくなるのだった。
この苦しみが何なのか、知世は解っていた、そう小狼の事が好きだって気持ちに・・・・解っていて、知世はさくらと小狼、二人の為にこの気持ちを圧し隠していたのだった。
「これで・・・・よかったんですよね
。」 知世は自分の気持ちをごまかすかの様に一言そう呟いた。

・・・・

飲物を買い終えた知世は二人のいるベンチの近くへ戻ってきた。
「李君、さくらちゃんに想いを伝えられたのかな・・・・」
知世がそんな事を思いながらベンチの方を見てみると、小狼がさくらと照れながら話している所が目に入ってきた。
「まだ・・・・の様ですね。」
小狼がまだ告白してない様子を見て、少し胸をなで下ろした。
「!?・・・・わたしは二人が幸せになってくれれば、それでいい、いいはずなのに・・・・」
さくらに告白をしてない小狼を見て安心をした自分に、知世は心の奥の、自分の気持ちを隠せない事に気づいたのだった。

「やっぱり・・・・この想いだけは・・・・」

そして、知世は小狼が告白する前に二人の前に出ていったのだった。
(ごめんなさい李君・・・・けど、わたし・・・・)

・・・・・・・・

それからの遊園地は知世にとっては・・・悲しい遊園地でしかなっかた。
さくらと小狼の事が好きな自分・・・・けど、届かぬ想い。
そして、大好きな二人が幸せになろうとしていたのに、それを邪魔した自分・・・・そんな自分が知世は許せなかったのだ。
そして二人が楽しく遊園地の中で遊んでるのを見るのも辛くなってきていたのであった。

そんな知世の気持ちを知らないさくらは
「次、知世ちゃん何にのる?」
と、無邪気に話かけてくる。
「ほら!小狼君も!!」
小狼にも同じように。
知世はそんな今の状況が耐えられなくなってしまった。
そして・・・・
「さくらちゃん・・・・」
「なあに?知世ちゃん」
「わたし・・・・今日はそろそろ失礼させて頂きますわ・・・・」
知世は二人にそう話すとその場を立ち去ろうとした。
「え!?と、知世ちゃん?」
「お、おい.大道寺どうしたんだ?」
さくらと小狼はいきなり帰ろうとした知世に少し驚いた。
「ま、まってよ知世ちゃん!!」
さくらはとにかく知世を呼び止めて、どうしたのか理由を聞くことにした。
「知世ちゃんどうしたの?なんで急に帰るなんて言うの?」
「・・・・ごめんなさい、さくらちゃん・・・・」
さくらの問いかけに知世はうつむいたままさくらに話すと、いきなり走り出して二人の前から逃げるように立ち去っていった。
「ま、まってよ知世ちゃん!!」
「おい、とにかく大道寺を追いかけるぞ!」
「う、うん」
さくらと小狼はとにかく知世の後を追うことにした。

追いかけること数分後・・・・

さくらは遊園地を出た横断歩道の所でようやく知世に追いついた。
「ハァ、ハァ・・・・知世ちゃ・・・・!?」
さくらが横断歩道の先にいる知世に、話しかけようと近づいて行こうとしたその瞬間だった。さくらのもとに一台の車が突っ込んできた。
そう、さくらは知世を追いかける事に夢中で、信号が赤になってる事に気づいてなかったのだ。
「あ・・・・」
「さくら!!!」
さくらの少し後からついてきていた小狼が、さくらを助けようとさくらのもとに駆け寄ろうとした。が、
「う!?身体が・・・・」
小狼は昨日の寝不足から体調を崩していた為か、いつもの軽快な動きができなくなっていた。
「さくらーーー!!!」

キ〜〜〜〜〜!!ドス!!!

車が人にぶつかった鈍い音がした。
だが、なぜかさくらは無事だった。
「ほえ?わたしなんで・・・・!?」
さくらは何故か車にはぶつかっていなかった。
「!?と、知世ちゃん!!!」
そう、さくらが車にぶつかる瞬間、知世がさくらをかばって代わりに車にぶつかったのだ。
「そ、そんな・・・・知世ちゃん!!!」
「大道寺!!!」
さくらと小狼は急いで知世の所に駆け寄り、知世に呼びかける。だが、知世から返事が返ってってこない。
「さくら!!ライフのカードは!?」
小狼は怪我を直せる「ライフ」のカードをさくらに要求した。だが、運のない事にさくらはさくらカードを今日は持ってきていなかったのだ。
「わたし、今日カードもってきてないの!ど、どうしよ・・・・」
「くそ!、と、とにかく救急車だ!」
「う、うん!」
さくらは急いで救急車を呼びに行った。
「大道寺しっかりしろよ・・・・」

・・・・

3人を乗せた救急車が病院に着いた。
そこには連絡を受けた知世の母、園美が先に到着していた。
「知世!!」
急いで知世にかけるよ園美、そして園美は知世に付き添って、手術室に入っていった。
「知世ちゃん・・・・」
「大道寺・・・・」

二人が待つこと数十分後・・・・

手術室のドアが開いた・・・・

「さくらと知世と記憶喪失」につづく。


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