「さくらと知世と記憶喪失」



あらすじ・・・・ さくらをかばって、怪我をして病院にはこばれた知世。
さくらと李君が心配するなか、知世の手術がおわった・・・・
(ここから少し会話のみです)

「あ、知世ちゃん!知世ちゃんは大丈夫なんですか!?」
知世の母園美に泣きながら話しかけるさくら。
「さくらちゃん、泣かないで・・・知世の怪我はたしたことなかったから。」
「ほ、ほんと!?よかった・・・・」
「よかったな・・・・」
「う、うん!小狼君!ありがと心配してくれて・・・・」
ベ、別に・・・・礼なんていい・・・・」
「ふふつ・・・・!」
「だけど、さくらちゃん・・・・少し問題があるの・・・・」
「え!?知世ちゃん、大丈夫なんじゃ・・・・」
「ええ、身体の方は問題ないいんだけど・・・・とにかく 知世に、あってみて、さくらちゃん・・・・。」
「わ、わかりました、知世ちゃんにの所にいきます。」
・・・・
「知世ちゃん!!怪我大丈夫!?ごめんね・・・・わたしのせいで・・・ ・」
「・・・・」
「知世ちゃん?・・・・怒ってるの・・・・?」
「・・・・あの・・・・」
「なに、知世ちゃん?」
「・・・・あの、どちら様でしょうか?」
「え!?知世ちゃん、わたしだよ!さくらだよ!」
「・・・・ごめんなさい、わたしなにもわからないんです・・・・。」
「え!?」
「さくらちゃん・・・・知世は頭を打ったショックで記憶喪失になってるみたいなの・・・・」
「え!?そ、そんな・・・・」
「ごめんなさい・・・・さくらさん?わたしなにもおぼえてなくて・・・・」
「そんな・・・・」
「大道寺・・・・」
「あの?・・・・そちらの方は・・・・?」
「知世ちゃん・・・・小狼君だよ、李 小狼君。それも覚えてないの・・・・?」
「ごめんなさい・・・・、なにも覚えてないいんです・・・・あ!頭が・・・・」
「知世!・・・・さくらちゃんごめんなさい、まだ 知世は無理できないみたいだから・・・・今日は・・・・。」
「わかりました・・・・知世ちゃんまたくるから・・・・」
病室をあとにするさくらと李・・・・
「さくら・・・・」
「・・・・どうしよう・・・・わたしのせいで知世ちゃんが・・・・」
また泣き出すさくら・・・・
「・・・・」


二日後・・・・

「アイツの悲しむ顔はみたくないからな・・・・」
李は知世の病室の前にきていた。

さくらの悲しむ顔を見たくないと思った李は、自分の使える魔術で知世の記憶を戻せないかと思い、知世の所まで来ていた。
「コンコン・・・・」と病室のドアはノックする李。
「はい?どうぞ・・・・」
病室からはいつもの知世からは考えられない元気のない返事がした。
「あら?・・・・アナタはたしか・・・・李小狼くん・・・・でしたよね?」
「ああ・・・、それより何か思いだせたか・・・・?」
「・・・・」
李の問いかけに知世は黙ったまま首を横に振るだけだった。
「そうか・・・・」
「あの・・・・今日はどのようなご要件で・・・・?」
「ああ、じつは・・・・」
李は自分の魔術で記憶をもどせるかも・・・・と知世に説明をした。
「そんな事ができるんですか・・・・?」
「まだなんとも言えないが、オレにやらせてもらえないか・・・・」
李は知世の顔を「ジッ」と見つめながら知世に頼み込んだ。
それに対して知世は少し困惑したが、李の真剣な顔を見て「解りました、お願いしますね。」と李にまかすことにしたのだった。
(なんで、この人は私の為にこんな事してくれるのかしら・・・・)この時の知世はそう思っていた。

「では、いくぞ!」

李は早速、知世に対して記憶を戻す術をほどこした。
・・・・だか、李の術の甲斐なく知世の記憶は戻らなかった。
「くそ・・・・だめか・・・・。」
李は悔しそうに、そう呟いた。
「すいません・・・・」
「・・・・別に、お前が悪いワケじゃない、オレの術が未熟なだけだから・・・・謝らなくてもいい・・・・。」
「・・・・やさしいのですね。」
その思いがけない知世の言葉に李は少し顔を赤くした。
そして、李はその照れを隠すかのように足早に病室から帰ろうとした。
「じ、じゃぁ、俺はもう今日は帰らせてもらう。」
「もう、おかえりになりますの?」
「術が失敗したからな・・・・家に帰ってもう1度なにかいい術がないか調べておこうと思ってな。」
「そうですか・・・・」
「・・・・記憶が無くなって不安になるのも解るが、もう少し元気だした方がいいぞ・・・・(こんな姿みたらアイツだってかなしむからな・・・・)」
「はい・・・・」
「はい」と答えた知世の声にはやっぱり元気はなかった。
李はなにか元気づける言葉を探したが、結局なにもみつからなかった。李にはだっまってこの場をさるしかなかった・・・・。

次の日・・・・

。 李は次の日も知世の病室の前に来ていた。
「今日こそは大道寺の記憶を戻してみせる・・・・」
李は昨日、知世の病室をあとにしたあと、李家につたわる魔術の書を読み返し、記憶をもどすことができそうな術を覚えてきたのであった。
「ふ〜」李が知世の病室をノックしようとすると「ガチャ」と病室から誰から出てきた、さくらだった。
「あ、小狼君・・・・小狼君もきたんだ・・・・」
「ああ、それより・・・・大道寺の記憶は・・・・?」
その李の質問にさくらは顔をうつむいたまま首を横に振るだけだった。
「そうか・・・・」
「わたし・・・・あんな知世ちゃんみてられないよ・・・・ごめんね、わたし…今日はもういくね・・・・。」
そう言ったさくらの目には少し涙がにじんでいた。
そしてその涙を李には見えないように顔をうつむいたまま、その場を立ち去っていった。
「さくら・・・・今日こそはなんとかしないと・・・・」
そう李はつぶやくと知世の病室に入っていった。
「大道寺、入っていいか?」
「まぁ、今日も来てくださったんですね、・・・・小狼君。」
「あ、あぁ・・・・」李は知世が[小狼君]と呼んだので少しびっくりしていた。
(記憶をなくしてるからな・・・・しかたないか)
李はそう思い、そのことに対してあまり気にはとめなかった。
「今日はどのようなご要件で・・・・?」
「きのう、あれから他に記憶を思い出させる術がないかと・・・・」
と、李は知世に説明し、知世にまたその術をためさせてくれないかと頼んだのだった。
「だめか・・・・?」
「・・・・わかりました、お願いしますわ。」
李は知世の承諾をえて早速術にとりかかった。だが、今日も術は失敗に終わった。
「くそ!・・・・なんで記憶が戻らないんだ・・・・?」
「・・・・」
「あ・・・・すまん、また失敗に終わってしまって・・・・」李はすまなそうに知世にあやまった。
「そんなに謝らなくてもいいですわ、悪いのはわたしの方ですから・・・・」
と、知世もすまなそうに李にあやまった。
「でも・・・・小狼君はなぜ・・・・」
「ん・・・・俺がどうかしたか?」
「いえ・・・・なんでもありませんわ・・・・」
知世は李に何かを言いたそうだったが、途中で言うのをやめてしまった。
「そうか・・・・じゃ、俺は今日はここらで帰らせてもらから・・・」
そう言って李が病室から出て行こうとすると、知世が李に話しかけてきた。
「あの・・・・よかったら明日もきてもらえませんか?」
「え!?来てもいいが・・・・俺の俺術では・・・・」
「いえ、来てくれるだけでかまわないんです。こうして小狼君と話してると何か思い出すかもしれませんので・・・・」
「そうか・・・・そういうことだったら、明日も来させてもらうぞ」
「ホント!?じゃ、明日もこの時間にお待ちしてますわ!」
そう言いはなった知世の顔は少し笑顔になっていた。
それを見た李は「?」と思ったがあまり気にせずに病室を後にした。
李はこの笑顔の意味する事がなんなのか、今は気づいていなかった・・・・。
「小狼君・・・・。」
知世は李がいなくなった病室のベットの上でそう呟いていた・・・・。

こうして李が知世の病室に通うようになって1週間がたった・・・・。

「・・・・って山崎が言ってたんだ。」
「ほほほ、おもしろいですわね!」
知世の病室から知世の笑い声がきこえている・・・・。
あいもかわらず知世の記憶は戻ってはいなかったが、李が毎日知世に会いに来るようになってからは、知世には笑顔が戻っていた。
その笑顔は記憶が無くなる前とはなんら違ってはいない様に見えた。だが、その笑顔が特定の人物にしか向けられていない事は誰も気づいてはいなかった。
その笑顔が向けられている人物・・・・[李 小狼]も例外ではなかった。
「・・・・真面目な話、記憶も戻らないのに俺が毎日ここにきても大道寺は迷惑じゃないのか・・・・?」
李は真剣な眼差しで知世の方をみながらこう質問した。
それに対して知世は李の方は見て「ニコッ」と笑いながら「迷惑だなんて・・・・そんなことありませんわ!・・・・こうして小狼君が来てくれるだけで・・・・記憶は戻らないかもしれませんが、こうして笑顔にはなれますから・・・・。」
と、知世は返答した。
「そ、そうかそれならいいが・・・・」
「俺がこう毎日来ていると、アイツもここに来ずらいんじゃないかな・・・・」
そう言った李の目にはここにいる知世ではなく、さくらが映っている・・・・少なくともはそう知世は思った。
「アイツ・・・・、木之本さんのことですか?」
「あ、ああ、・・・・だけど、記憶を無くしているからしかたないと思うが、[さくらちゃん]っていわないんだな・・・・」
「え・・・・ええ、なんとなく・・・・」
そう、返答した知世の顔からはさっきまでの笑顔が消えていた。
「それに・・・・俺のことも李君じゃなくて小狼君って呼んでるしな・・・・ま、記憶がないわけだし、しかたないか。」
そう李が言うのを聞いた知世は、なにやら思い詰めた様な顔をして李に話かけてきた。
「あの・・・・小狼君、わたし・・・・」
と、知世が李になにか言おうとした時、「コンコン」とドアをノックする音が聞こえてきた。
「誰か来たみたいだぞ・・・・」
「え、ええ・・・・どうぞ。」
知世がドアの方に向かってそう声をかけると、誰かが病室に入ってきた。
「あ・・・・」
「あ、小狼君もきてたんだ・・・・」
病室に来たのは、さくらだった。
「知世ちゃん記憶まだもどらないの・・・・?」
と、さくらは少し悲しそうな顔をして知世に話かける。
そんなさくらを見てられない李は
「俺、なにか飲物買って来るから・・・・」
と、言って知世の病室を少し後にした。
「アイツ・・・・悲しそうな顔してたな・・・・それに・・・・」
李は二人で話た方がいいかと思い、病室の前で少し待つことにした。
「アイツと会話して、大道寺の記憶が戻ったらいいんだが・・・・」
李がそんな風に思いなが病室の前で待っていると、病室からさくらが出てきた。
「あ・・・どうだった大道寺は・・・・!?」
李はさくらを見てびっくりした。さくらは泣きながら病室から出てきたのであった。
「あ・・・・し、小狼君ごめんね・・・・わたしもう二人の邪魔しないから・・・・知世ちゃんを・・よろしくね・・・・」
泣きながらさくらは李にこう言うと、そのまま走りさってしまった。 「おい!さくら!!」
李の呼び声もさくらの耳には届かないのか、さくらはそのまま走り去ってしまった。
「いったいなにが・・・・」
なにがなんだか解らない李はひとまず知世に聞くことにした。
「大道寺・・・・いったいなにがあったんだ!アイツ泣いてたぞ!」
「・・・・あの・・・」

・・・・数分前・・・・

「俺、何か飲物買ってくるから・・・・」
そう言って李が病室を後にした。
(小狼君わたし達に気をつかってくれたのかな・・・)
病室を後にした李を見てさくらはそう思った。
「えっと・・・」
さくらは知世が記憶喪失になってからというもの、知世とはまともに会話をしたことが無かったのであった。さくらは会話をしたかったのだが、記憶をなくした知世がさくらとはあまり、会話をしたがらなかったのが原因であった。
「・・・・あ!わたしクッキー焼いて持ってきたんだ!知世ちゃん・・・・食べない?」
さくらは、おそるおそる知世に聞いてみた。
「あ、ありがとうございます・・・・いただきますわ。」
この時の知世の返事は、記憶喪失になる前の知世がいつもさくらに話してた感じの返事だった。そうさくらは思った。
「ありがとう!知世ちゃん!、あ!小狼君が戻ってきてから三人で食べようか!ね、知世ちゃん!」
と、さくらは知世とまともに会話できたのが嬉しかったらしく、笑顔で知世に話した。
だか笑顔のさくらとは裏腹に[小狼君]と聞いた知世は顔を下にうつむいたまま、少しだまりこんでしまった。
それに気づいたさくらは知世の方心配そうに見て話しかけてきた。
「知世・・・・ちゃん?」
すると知世はこうさくらに話しかけてきた。
「あの・・・・ひとつ言いたい事があるのですけど、いいですか・・?」
「うん、いいよ!なあに知世ちゃん?」
「なんで・・・・、あなたは・・・・わたしと小狼君が話してる邪魔をするんですか・・・・」
「え!?」
「今日もこの前も、わたしが小狼君と話してると病室にきて・・・・」
「え!?ちょ、ちょっと、知世ちゃん!?」
「あなたも・・・・小狼君の事が・・・・好きなんですか?」
その知世の質問にさくらは驚きを隠せなかった。
「え!?え!?しゃ小狼君は友達だよ・・・・あなたもってことは・・・・知世ちゃん、小狼君のこと・・・・」
「あなたには関係ない事ですわ!」
「あなたが・・・・あなたが来ると小狼君はわたしを見てくれない・・・・木之本さんしかみていない・・・・」
そう言った知世の顔は悲しみに満ちていた。
「え!?知世ちゃん、言ってる意味がわかんないよ!」
「・・・・お願いですから、わたしと小狼君の邪魔しないでください・・・・お願いですから、もう・・・・ここには来ないでください・・・・」
「え?!知世ちゃん・・・・なんでそんなこと言うの・・・・?私たち友達でしょ・・・・」
さくらは今にも泣き出しそうな顔で知世に話しかけた。
「友達と思うなら・・・・もうわたしと小狼君の邪魔はしないでください・・・・もう、こここにはこないで・・・・お願いします・・・・」
「知世ちゃん・・・・」
さくらが何を言ってももう知世の耳にはさくらの言葉など入っていなかった。
知世にはもう李しかいなかったのだった。
「知世ちゃん・・・・こんなの知世ちゃんじゃない!!」
そんな知世を見てられなくなったさくらは、泣きながら病室を後にしたのだった・・・・。
「・・・・」
そしてさくらとは入れ違いに李が入って来た・・・・。

・・・・
「大道寺・・・・いったいなにがあったんだ!アイツないてたぞ!」
「・・・・」
「だまってちゃ解らないぞ!」
李は知世の両肩に手をあて、知世の肩を揺らしながらそう 知世に聞いていた。
「小狼君・・・・いたいですわ・・・・」
「あ、すまない・・・・つ、つい気が動転して・・・・」
李は知世の肩から手を話すと、落ち着いてもう一度聞いてみた。
「もう一度聞くけど・・・・いったいなにがあったんだ?」
「・・・・言いたく・・・・ありません・・・・」
「・・・・そうか」
そう李は呟くと病室から出て行こうとした。
「あ・・・小狼君どこに・・・・」
「大道寺が言いたくないならしかたないからな・・・・それにあのままアイツを・・・・さぅらををほっとく訳にはいかないから・・・・俺探してくる」
そう知世に言うと李は病室をあとにしようとした。
すると知世がベットから李のところへかけより、李を背中から抱きしめてきた。
「な!・・・・大道寺、な、なにを・・・・」
「小狼君・・・・もう木之本さんのことなんて・・・・」
「な、なに言って・・・・」
「わたし・・・・あなたが・・・・小狼君の事が好きなんです・・・・」
「な!な、何言ってるんだ!?」
思いがけない知世の告白に李は戸惑いを隠せなかった。
「記憶を無くす前のわたしはあなたの事をどう思っていたかは解りません・・・・けど、今のわたしは・・・・あなたの事で頭がいっぱいなんです・・・・あなたしかいないんです・・・・あなたしか・・・・」
「だから・・・・わたしの前で木之本さんの事を気にするあなたをみていられないんです・・・・」
知世は李の背中に額を当てながら・・・・そして泣きながらに李に告白をした。
「大道寺・・・・」
李は驚きを隠せなかった。そして記憶を無くした知世がどんなに不安だったのか、そして、どんなに自分を心の支えにしてくれてたのか・・・・背中につたわる知世の泣き声からそれを感じとっていた・・・・。
そして李はさくらを追いかけるのを止めていた・・・・。
夕暮れの病室に二人はたたずんでいた・・・・。
そして、夕焼けのオレンジの色が病室の窓から消えるまで、二人はそのままでいいた・・・・。


つづく・・・・