「知世と再会の入学式」

「それでは行ってまいりますわ」
「知世、今日は車で行かないの?」
「はい、お母様。今日は入学式ですし、車で行くとみんなに迷惑もかかるとおもいますので、今日は歩いて行きますわ!」

大道寺家の朝、知世と母親の会話がきこえてくる。
そう、今日は少し特別な日、知世の中学校の入学式だった。
知世はそう母親に言うと、颯爽に学校へ向かって行った。

「この制服・・・なかなかいい感じですわね」
知世は今日から友枝中学校に通う事になっている。
友枝中学の制服はいわゆるセーラー服であった。この服は友枝少の制服を少し大人っぽくした感じの制服で、知世はこの制服を大変気にいっていた。
知世は家でた時間も早いこともあってか、のんびりと学校に向かうことにした。
「そうですわ!時間もまだある事ですし公園にでもよっていくことにしましょう、あそこは桜の花が綺麗ですから」
そう、この季節、公園には桜の花が満開に咲いていた。
知世はそれを見に行くことにした。

「すごく綺麗ですわ・・・・」
公園についた知世は、さっそく桜の花を見入っていた。
そして知世は桜を見ると、思い出す、あの1年前の事・・・・
「あれから1年ですね・・・・」


1年前、小狼が香港に帰る日、知世は小狼を見送ろうと空港にやってきていた。
「なんでわたしは・・・・空港にいるのかしら・・・・」
知世は空港に来ていたが、小狼の前に行くことができずにいた。 「わたしは、友達の李君を見送りに来ただけですわ!そう、だけなのに・・・・なんで、こんなに胸が苦しいの?」
知世はこのごろ小狼の事を考えると胸が苦しくなってしまう。そう、知世は自分の気持ちが解らないでいた。
「ここにいても仕方ないですわ・・・李君の所に行くこと・・・・」
知世はその気持ちが何なのか解らないまま、小狼の所に行こうとした。すると・・・・
「!?あれは・・・・さくらちゃん?」
そう、知世が小狼の前に行こうとした時だった。さくらが小狼と楽しそうに話しているのが、知世の目に写った。
「そうですわね、さくらちゃんが見送りに来るのは、当たり前ですわね・・・・さくらちゃんが1番好きな人ですもの・・・・」
「!?あれ、なんでさくらちゃんと李君の事を考えると、涙がでるのかしら・・・」
さくらと小狼が中よく話しているのを見て、知世の目からはなぜか涙が流れていた。
そして、この時の知世この涙が何なのか、この時は解っていなかったのだった。

「・・・・あの時の事を思い出してしまいましたわ」
知世は1年たった今でもあの時流した涙の意味を解っていなかった。
「あ、もうこんなに時間がたってますわね。そろそろ学校へ向かいましょう」
知世は学校へ向かうことにした。
学校へ向かう途中の知世のとあるマンションが目に入ってきた。
「あ、このマンションは李君が住んでた・・・・」
そう、そのマンションは昔小狼が住んでいたマンションだった。
「李君、今どうしてるのかしら・・・・さくらちゃんにも連絡ないようですし・・・・」
そう、小狼は1年前香港に帰ってから、知世もにも、さくらにも連絡を入れず、音信不通になっていたのだ。
「李君になにごともなければいいのですが・・・・」
知世はマンションを見ながら小狼の事を考えていた。
その時だった。
ヒュー
「きゃ!?」
突然突風が吹き、知世がかぶっていた帽子を空高く飛ばしてしまったのだ。
「大変ですわ」
知世は急いで飛ばされた帽子を追いかけた。
そして知世は帽子が少し先の桜の木の枝に、ひっかかっているのを発見した。
帽子は知世では手の届かない、少し高いところの枝に掛かっていた。
「まぁ、あんなところに・・・・」
「どうしましょうか・・・あんな所では手が届きませんわ。」
知世がそんな事を考え、枝の方を見ながら歩いていると・・・・
ドシッ!!
「きゃ!?」
知世は枝のある高い位置を見ていて、前方をよく見ていなかった為、前を歩いていた学生にぶつかってしまったのだった。
「あ、すいません。枝に掛かってしまった帽子の方を見て歩いてたので・・・・」
知世がすぐにそう説明をして、ぶつかった学生に謝ろうとした。
すると、その学生はすぐに知世に背を向けた。
「あ、あの?(この学生服・・・わたしと同じ学校の制服ですわ。それもまだ新しい・・・同じ、新入生かしら?)」
知世は背を向けたその学生を見ながら、そんな事を考えていた。
すると・・・・
「バッ!!」
その学生は颯爽にジャンプして、枝にかかってた知世の帽子をとった。
「(まぁ、わたしより背が高いとはいえ、あんな高い所の帽子をとるなんて、すごいですわ)」
「あ、ありがとうございますわ」
知世は帽子をとってくれた学生に、礼を言いながら歩みよっていった。
「・・・・ひさしぶりだな、大道寺」
「え!?」
背中越しに話しかけてきた学生の声に、その聞き覚えのある声に、知世は自分の耳を疑った。
「も、もしかして・・・・(ま、まさか)」
一言いうと学生が知世の方へと振り返った。
その学生を見て、知世は驚きを隠せなかった。
「り、李君!?」
そう、その学生は1年前から連絡がなかった、小狼だったのだ。 「・・・・帽子、大道寺のだろ?」
「あ・・・・」
知世は驚きの余り、帽子の事など忘れていた。
そう知世は、1年前とは違う、大人へ成長した小狼に見入っていた。
そして二人の間に少しの沈黙がながれた
。 そして小狼がその沈黙を破って知世に話かけてきた。

「・・・今日は風が少し強いからな、帽子気をつけないとな」
「・・・そうですわね、ほら桜の花びらも・・・」
風にふかれて、桜の花びらが空中を舞い降りている。
そう、まるで知世と小狼の再会を祝うように・・・・。

そして、今まで小狼がどうしてたなど、この時の知世はどうでもよくなっていた。
ただ今は小狼との再会を、素直に喜ぶことにしたのだった・・・・。

つづく。

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☆おまけ☆

えー、この話の中に制服についての説明を入れようかと思ってましたが、説明するのがむずかしくって、はぶかせてもらいました。ちなみに制服については副管理人から要望がありました(笑) ので、どんな要望かってのを、ここにのせておきます(笑)。