
旅立つ君に冷めた背中見せるよ。
1000の言葉 3話 少女

イザ―クは、生まれて初めて屈辱的な行為をしてしまったと言って、
アンドリュー・バルトフェルドの屋敷内の一室で落ち込んでいた。
アイドルを見て、軍のエリートである自分が気絶したなど母にいったらどれだけ笑われるだろうか?
考えただけで寒気がしてくる。ベットに突っ伏してブツブツ先程から何か言っていた。
「おい、イザ―ク。そんな落ち込むなよ〜。俺達だって気絶しんだしさー。」
同じく部屋で本を読んでいたディアッカがイザ―クに声をかける。
部屋には、アスランと二コルもいた。2人共ディアッカと同じく本を読んでいた。
彼らのいる部屋は、とても大きくて暖炉・観葉植物・本棚・テーブルと椅子・ベット4つ・窓が2つがあった。
部屋の中を照らしているのは、とても大きなシャンデリアだった。
「うるさい!!これじゃ、あの歌姫に会わせる顔がない!護衛も笑われながらやるのがオチだぞ!!」
声を張り上げて言うイザークに、ディアッカは少々呆れていた。
やれやれと言って、ディアッカは本の続きを読み始める。
「でも、キラさんだったなんて驚きですよ〜。色紙をもってくればよかったですよ〜。」
読んでいた本を閉じて、二コルが言う。表情はどこかウットリしていて、にこやかだった。
「確かにな。でもバルトフェルド隊長は、結婚してないハズだぞ?」
「養子にしんじゃないか?性名もちがうだろ。」
アスランが、本を読んだまま言う。
確かに納得がいった。バルトフェルドとヤマト。明らかに性名が違うし、バルトフェルドは「愛人」ならいるが、
妻なんていなかった。ならやはり、養子にしたというのがあたっているだろう。
「それにしても、オ―ブまで護衛は、困難ですね。足つきがあそこらへんをうろうろしてますから。」
「なら、落とせばいいだろ。うまくいけば、勲章がもらえるぜ?」
「俺達の任務は、戦闘じゃなくて護衛だろう。」
「ああ・・・・・そうですね。」
でも足つきとなると、戦闘は避けられないとアスランは密かに思った。
しかし、護衛が最優先だ。海中を行くか、空を行くか、後で決めなければならない。
「バルトフェルド隊長は、明日に行く予定らしい。俺達も明日出発だな。」
時計を見ながら言う。時刻は、午後3時。にわかに空が赤みかかっていた。
外では相変わらず、戦闘訓練が行われていて雑音がうるさかった。
赤のダークレットの軍服も今はこの屋敷の侍女達に任せてある。
後で届くだろうと思うから、他の準備をしなくてはならなかった。
それに帰ってからの報告書も、誰が書かなくちゃ決めなくてはならない。
多分、自分になると思うのだが・・・・・。
「そういえば、機体を頼んで良かったですねー。」
「ああ。砂漠に合うように変えてもらったからな。」
「それやったの僕ですよ。」
「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」
長い沈黙
「「「「うわああああああああああ!!!!」」」」
イザ―クは、驚愕し
ディアッカは本を落とし
二コルは椅子から落ちてしまい
アスランは口をあけたままだった。
「あ、すいません。大丈夫ですか?」
キラがあたふたして、皆に問い掛ける。
皆、ブンブンと首を立てに振った。
「あ、お茶をお持ちしたのでどうぞお飲みください。」
そういっておかれたのはレモンティー。
そして、おいしそうなフルーツタルトやクリームタップリのスコーン、それにチョコクッキーだった。
キラは楽しそうに、テーブルに置いて丁寧にも、おしぼりもちゃんと人数ぶん置いた。
「あれ・・・・みなさんどうしたんですか?」
驚いたままの4人。そんな4人を見てキラはクスクス笑い出してしまう。
「クスクス。どうしたんですか〜、どうぞ。」
「あ・・・・・はい。」
イザ―クも渋々椅子に座る。
全員座ると、キラは恥ずかしそうに立ってお辞儀をした。
そんな姿を見て、皆赤面してしまう。アスランは思わず、目線をはずしてしまう。
「改めて、キラ・ヤマトです。オーブまでの護衛、よろしくお願いします。」
可愛らしい、水色のワンピースを着ているキラ。白いレースがより、彼女の魅力を引き立てている。
さすが歌姫と4人は改めて思うのだった。
いつもモニターで見ていて、可愛いと思っていたアスランだが生で見るキラは、
予想以上の美貌の持ち主だった。
「皆さんが、僕と同じぐらいの年齢なのでびっくりしましたよ。なんか安心しました。」
恥ずかしそうに、笑って言うキラ。完全に4人の心はキラに奪われていた。
そんな中、アスランが軍人としての意地を見せて、キラに挨拶をする。
「初めまして、キラ嬢。アスラン・ザラです。」
「二コル・アマルフィです。」
「ディアッカ・エルスマン。」
「イザ―ク・・・・ジュールだ。」
「我々の方も、ご迷惑をかけないよう努力しますので宜しくお願いします。」
アスランが、凛とした表情で軍人らしく言う。
赤い軍服を着ていないが、プライドなのだろうか先程まで赤面していた表情も今は、
とても凛々しかった。
「ふふ。僕の事はキラでいいよ。それに敬語は無し!タメ語でいいよ。」
「え、しかし・・・・。」
「本当にいいよ。僕、同じ年齢の人達とは友達のように接したいからさ・・・・。」
どこか、寂しそうな笑顔で笑ってからキラは言った。
この世の中、多分彼女の友達は軍に志願してしまったんだろうとアスラン達は悟った。
しかも歌姫という身。下の年齢からの人でも敬語で呼ばれていたのだろう。
「じゃあ・・・・・キラ、宜しく。」
「はい!よろしくね、アスラン・イザ―ク・ディアッカ・二コル!!」
キラは満面の笑みで、4人を見た。それから一人ずつ握手をして、お茶を飲むように、
諭した。
二コルはとてもうれしそうで笑ってばかりいたし、イザ―クも真っ赤になりながらキラと話していた。
アスランは、完全にキラに惚れていた。
「そうだ。友達をしょうかいしなくちゃ。」
「友だち?」
「うん。おいで!!トリィ!!」
キラがパンと、手をたたくと、開いたままの扉から「トリィ!!!」と元気のいい鳴き声と共に、
表れる鳥形ロボット。
ヒュ―と飛ぶと、ゆっくりとキラの肩にとまる。
キラは優しく笑ってトリィの頭を撫でた。
「お友達のトリィです。」
「可愛いロボットですね。」
「ありがとう。苦しい時も、悲しいときも一緒・・・・だったんだ・・・・。」
「だから、ここまで来れたんだな。」
「はい、その通りです。ふふ。いいこと言いますね。イザ―クって。」
「あ、いや!そのだな〜。」
「さっきまでのブツブツ言ってた時の態度はどこにいったんだ?」
アスランが茶化すように言う。
「うるさい!腰抜け!!」
「うるさいのはそっちだ!!」
「あー、2人共・・・・。」
「やめろよ姫さんの前だぜ。」
「クスクス。仲がいいんですね〜。」
キラが言うと、アスランもイザ―クも喧嘩をやめて顔を真っ赤にしてしまう。
「楽しなりそうで、楽しみだな〜。」
キラが、誰に言うワケでもなく、一人呟く。
その時、控えめに、「失礼します」とこえがかかった。
「お嬢様、旦那様がお食事は大部屋でやるとおっしゃっていました。」
「そうですか、じゃあ今日はパ―ティーなんですか?」
「ええ、最近落ち着いてきたからと言って、息抜きでやるみたいですよ。」
「本当!やった〜。」
「皆様も是非、どうぞ。」
そう言って侍女が去る。
「みんなも出席してね。パパはよくやるんだよ。」
「でも、いいのかキラ?俺達が出席して。」
「もちろんだよ。大事なお客様だし。それに・・・・・・・。」
「「「「それに?」」」」
「みんなと話したいしね。」
キラはクスクス笑って言うと、アスランと目があったことに気づいて赤面した。
キラ嬢、登場です。さあ、誰とくっつくのかな?友人は是非フレイ様といってました。
アスキラにするかもな〜。