Vol.3 IT革命と登山と


「IT革命」という言葉が盛んに使われるようになって久しい。
ITとは「Information Technology:情報技術」の略で、とくに飛躍的に向上したインターネット関連の技術を指す。

例えば、たとえ良い製品を作っていても、販路を広げるほどの余裕がないため、結局は昔からの取引先に安値で売らざるをえなっかた中小企業。
それが自社のホームページを作ったり、電子購買サイト等を利用することで、その製品の価値が世界中に発信され、新たな取引機会が生まれる、という具合。

従来、会社内・対仕入先・対顧客など、各方面に多大な労力をかけ伝達していた情報が、
瞬時に、何人にでも、空間の制約を超え、さして費用をかけずに伝わるようになる、
「革命」と呼ぶのが、あながち大袈裟でもないわけだ。


なにも革命の恩恵に預かるのは、ビジネスの世界だけではなく、趣味の世界もまた同じ。
登山をとっても同じである。

登山は、ルートの技術的ポイント、ルートの最新情報、新ルートの開拓情報など、
情報を入手することが大きな意味を持つ。
従来、これらは「岳人」などの山岳雑誌か、所属の会などの身近な仲間の口コミで得るよりしかなかった。
しかし商業ベースの雑誌にのるような情報は、量も質も限られるし、降雪状況などリアルタイムに近い情報に決定的に弱い。
また口コミはどうしたって狭い範囲に限られるし、自分と異なるジャンル・レベルの情報は入りにくい。

それが、メーリングリストや、さまざまの会のホームページを利用すれば、
例えば「越後の草付の沢登り」のようなマニアのジャンルでも、「先週ここ行ってきました、今年は雪渓がたくさん残ってます」というような情報が得られるのだ。


もう一つ、登山におけるITの活用、それは、パートナー探し。
行きたいとこがあっても、都合があわなっかたり、志向が違ったり、なかなかパートナーを得るのは大変だ。
従来なら、山岳会の集会で声をかけるか、片っ端から電話するかしかあるまい。
しかし地理的・時間的な制約から集会に行くがむずかしい、さらには電話でさえなかなか都合がつかず、つながらないというケースは多いにあろう。
それが、メールで「今週、ここ行きませんか?」と送れば、
地理的・時間的な制約を越え、瞬時に複数の人に、パートナーのお誘いが可能となる。


上に挙げた2つの例、情報の蓄積、パートナー探しは、山岳会の存在意義の大きな部分を占めるであろうが、
ITはこれを個人レベルでも可能にした。
私のような、地理的制約(千葉県茂原市在住)で、山岳会に入りずらい者にとって、これは福音である。
同人などと、てきとーに名前をつけ、あれこれ人間関係を掘り起こしながら、自分の登山が可能になっているのは、ITの活用による部分が大きい。

むろん、事故対策などの面など、山岳会の意義がなくなったわけでは決してない。
この点では、山岳会に入らないという選択の限界を私自身強く感じている。


しかし、冒頭の、「中小企業が、硬直的な大企業を尻目に、身軽に世界に打って出る」ように、
IT時代の今、やりようによってはフリーの立場はおいしい。



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