第3回 芋川ジロト沢  〜イモな小沢の源頭は、ぐるりスラブの大伽藍〜


六日町からバスに30分揺られると、終点の野中のバス停につく。
どこにでもあるような、田園風景の広がる小さな集落だ。

集落の東側には、三国川ダムのロックフィル式のアーチがみえる。
その左右につけられた車道を上がると、ダムの湖畔に出て、さらに湖岸沿いを行くと、中の岳・丹後山の登山口となる十字峡に着く。

ふうつの登山者は、このダムに目を取られ、集落の南側に延びる芋川の存在など、気にもとめないだろう。
地図をみたところで、源頭の大兜山は標高1341mしかなく、中の岳2085m・丹後山1809mに比べて明らかに見劣りする。
流域の面積も、源頭から野中まで、南北約5キロ、東西3キロに過ぎない。
だいたい名前からして、「イモ」川だもん、「登山口の集落に注ぐきれいな小川」と認識されれば上出来、見向きもしない方がふつうだ。

芋川は途中で、滝沢とジロト沢に二分する。
滝沢は、まあふつうの沢なので今回は割愛するとし、ジロト沢の方も途中までは平凡な小沢である。
水量もしだいに少なくなり、いよいよ源頭近しと思う頃、なぜだか前方が開けスラブが目に入ってくる。
「なんか変だぞ」と思って進むと、やがて正面に、右俣の布晒しの滝(下部100m、上部スラブ状200m)の姿が見え、驚きの声を上げずにはいられない。
そして布晒しの滝を中心に左からぐるり左俣、インゼルルンゼ、Cルンゼ、Bルンゼと両岸にスラブが広がる景色の中に入ってゆく。
それは、スラブの大伽藍とでもいうべき、まさに奇観である。

ただ、その大スラブ帯の下のジロトの流れは、もう完全に源流のちょろちょろ水という流れなので、大スラブ群の中にあっても威圧感がない。
それがまた、なんとも独特の雰囲気を醸し出し、この山域の怪しさをぐっと深めている。

こんな平凡な場所に、こんな奇天烈な景色があるんだから、山登りって奥が深いんだなあと、改めて感心。


以下、この山域を、
@ジロト沢左俣、Aジロト沢右俣、B左岸スラブ帯
の3つにわけて解説してゆきたい。

◎全体の概念をつかむ資料
 ゼフィルス山の会の小泉共司氏の独壇場といえる。
 下記の3つはすべて小泉氏の、同じ記録が元ネタだが、特に「渓谷」が詳しい。
 ・登山体系 第2巻南会津・越後の山 p207〜 小泉共司
 ・岳人425号、426号 小泉共司
 ・渓谷?号 p213〜


・アプローチ
野中バス停より。
車なら途中まで林道を入れるが、バス停から歩いても20分ほどでさして違いはない。

林道終点から奥に延びる踏跡を辿る。
野中不動の手前で、左岸へと渡るが、この先の滝沢とジロト沢の二俣では、ぼっとしてるとジロト沢の出合を見過ごして、滝沢側に入ってしまうので注意。
ジロト沢沿いの踏跡は、重松乗越(三ツ石尾根左稜975mP・941mPのコル)を経て下津川へと延びる。
これが沢から離れた先も、かすかな踏跡はあるが判然としないので、適当なところから入渓する。
源頭スラブ帯まで、林道終点から2時間余りである。

下降路は、重松乗越からの踏跡を使うか(975mPの気象観測計から踏跡あり)、滝沢左俣等の沢を下りることとなる。



以下、工事中!


@ジロト沢左俣

Aジロト沢右俣


B左岸スラブ帯