第7期ミニバスケットボール教室中央講習会報告

H14.3.9・10 千葉県幕張メッセ・プリンスホテル

報告者:玉名郡横島町立横島小学校 菊川博行


1 医科学講義(講師 辻秀一) 

コーチとは「勝つために指導する人」である。では、「勝つ」という定義をどのように理解するのかが大切である。 

「勝つ」とは自分らしく、自分の力を発揮し、自分にふさわしい結果を手に入れることである。 コーチは選手らしさ(選手の個性)を見抜き、本番で選手の力を発揮させることもコーチの仕事である。そのために必要なことは、環境作りと習慣作りである。コーチはよい環境よい習慣をつくり、悪い癖を直させねばならない。 

@コーチの条件

ア Comprehension(理解力) コーチの出発点は選手を理解する力である。選手の性格、家庭、能力、選手と自分の違い、練習に対する反応性の違い等理解する力が必要である。 

イ Outlook(見通す力) 選手にとってそのスポーツをすることが人生にどういう意味があるのか、将来どうつながるのかを見通し、選手に接する必要がある。

ウ Affection(愛情) 選手がうまくいくことがコーチの喜びとなり、それが選手の動機付けとなるようになりたいものである。

エ character(人間性) 選手はコーチの鏡、コーチの人間性が選手に反映される。もし、コーチの言動にギャップがあれば選手は必ず迷う。コーチたるもの人間性を常に磨く必要があり、非常に責任の重い仕事である。

オ humor(ユーモア) できないことをできるようにしていくことが指導であり、練習である。できないことができるようになる変化が喜びの源となるが、練習ではそれが表裏一体である。練習するとうまくなるから楽しい、けれどうまくいかなかったら怒られる、嫌だという情動を伴った記憶が選手に刻まれていく。コーチはいろんなことがうまくできるようにするために嫌だなという感情をなるべく生じさせないで練習させる必要がある。

そのために必要なことの一つがユーモアであり、楽しくやることである。高尚な勝つと言う目的の中で楽しくやることが手段でなければならない。

もう一つは変化を見る能力が必須で、何かができるようになったことを誉められる能力が必要である。誉めるというのは本来変化したことをしっかり指摘してあげることである。 

Aセルフイメージ

勝つためにやらなくてはならないことは、自分らしさを作り出すことであり、自分らしさの原点は良いところである。コーチは良いところを見るだけでなく、良いところを見る能力を選手に付けてあげなくてはならない。自分らしく力を発揮するには、自分らしさを選手自身が知る必要があるのだから。もちろんコーチが選手にその自分らしさを指摘してあげることは大切なことである。 コーチと接したらやる気がでて、コーチと接したら力が湧いてきて、何かができそうになる という環境づくりが大切である。日常の考え方が環境を作りセルフイメージを作り出す。 セルフイメージを大きくするためには、「するべきことをする」という心の習慣をつける必要がある。「するべきこととは」意味が2つある。 

1つは、チームや組織の役割の中でするべきことをする。ということを常に考えなくてはならない。

2つめは、いま、するべきことである。過去の後悔や未来の不安はセルフイメージを小さくしてしまう。そうなると実力を発揮できなくなる。

このように、するべきことに2つの意味合いを持たせ、心の習慣を徹底的につけていくことが大切である。結果は今の連続である。常に、今するべきことはなんなのかといことを考えてできる能力を養うそれこそがコーチである。 

Bコーチ

コーチとして情熱が大切なことは周知の通りであるが、情熱の源は、そのスポーツが好き だということ、そして何かが得られると思ってやっているところにある。猛烈と情熱を勘違いしてはいけない。スパルタは情熱ではなく猛烈である。情熱はコーチにふさわしい資格は何なのかを模索しながら、それを手に入れていこうとする人に存在しその原動力こそが情熱である。 

C共感性

人の立場に立ってものが考えられ、人の気持ちが分かり、世の中にでていろいろなことをうまくやっていける人は、共感性に優れている人である。チームにはいろいろな人間がいて様々な実力、性格があるのでそこで選手の、またチームの全体の共感性を重要視したコーチをすることが大切である。

さらに、情動のコントロールが大切である。情動をコントロールすることができる選手は、自分の実力を発揮できる。情動の代表的なマイナスは怒りである。コーチが情動をコントロールできないと選手もそれを学べない。情動は何事もうまくいっているときはコントロールされている。うまくいかないときに本領が発揮され、自分の共感性の能力が発揮される。 だから、共感性と情動のコントロールをコーチとして学び、選手にそれを教えていくことが自分のチームの選手を人間として成長させていく。そのためには自分の思考、活動、行動の確固たる優先順位を持ってなくてはならない。それを決定するのは指導者の理念、生き方の   哲学である。生きる上で大切にしていることが理念である。理念がないと困ったとき、情動のコントロールを失いそうなとき、自分の行動や言動の優先順位を決定することは不可能である。自分に物差しのないコーチに教わることは選手にとって非常に苦痛である。自分の指導理念、大切にしている生き方は何であるか考えてほしい。

Dコーチとしてのパーソナリティー

1 リーダーシップ

2 ユーモア

3 親しさ(なあなあではない。選手が共感性を持てる親しさ)

4 統率力

5 身だしなみ(身だしなみも人に伝わる手段の一つ)

6 正直さ(コーチが自分の間違いを認められるかどうか)

7 勤勉性(コーチは勉強しないと困る)

8 信頼性(コーチに共感性がないと選手に信頼してもらえない、しかし一番信頼を失うのは技術的なことを知らないこと)

9 情緒安定性

10 忠実さ(プレーヤーに対する忠実さ、自分の理念に対する忠実さ)

11 忍耐力(できない人をできるようにするには忍耐がいる。)

12 責任感(選手がうまくならないには選手のせいではなく、コーチのせいである。)

13 夢(夢は情熱の行き着く先)

14 創造性(練習には創意・工夫が必要)

15 楽観性(悲観的なコーチに教わるとセルフイメージが小さくなる)

16 計画性(現状を把握する力と目標を見据える目)

17 理解力

18 協調性(チーム全体の和)

19 教養

20 自己鍛錬

これらのことが大切だと思って、スポーツという1つの手段を借りて人間づくりをしている人こそコーチなのではないか。スポーツだから、勝ったり負けたりするが、勝つことは自分らしく自分の力を発揮し、自分にふさわしいような勝利を手に入れることと定義し、選手をサポートしていくことがコーチの役割だと考える。 

2 技術講義(講師 笠原成元)

 (これからの話は今、私が一番正しいと思っていることである。明日になればそれはちがうかもしれない。)という前置きがあった。

子ども達、特にミニの子ども達はゴールデンエイジであり、神経系の発達はすばらしい。その時期に、指導しなければならないのはスキルである。個人のスキルアップをめざせば自ずとチームは強くなる。易しいことは指導する必要はない。例えばシュートでは、ドリブルシュートを最初に指導するコーチが非常に多いが、だからジャンプシュートするとき、止まれないのである。もっと柔軟な発想で練習してほしい。一番難しい個人スキルを小さいときから指導してほしい。

@セットシュート(ミドルシュート・ジャンプシュート)をはじめに指導する。

Aセットシュートはワンハンドで打たせる。

Bフェイクを必ず入れる習慣を身につけさせる。パスフェイク・ピボットによるフェイク(特にバックフェイク)

Cシュートの際フォロースルーでなく手を引く。(マイナスを働かせる)

D視野・ビジョンを育てる。 まず2対1そして2対2へ進む。 2対2から2対1を作って攻める習慣をつけさせる。そのために必要なのはランプレー(カットイン)とスクリーンプレーである。また、パッシングダウンの練習も取り入れる必要がある。

Eパスはチェストパスではなく、ワンハンドバウンズパスを教える。キャッチは片手でずつでとる。(2つ音がでるようにとる)

Fスピードの伴ったデフェンス練習を


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