
スパイシークラシック(1997,6)
☆勝ち進むユース代表
現在日本ユース代表は、マレーシアで世界大会を戦っている。予選リーグを2位で勝ち抜け、決勝トーナメント初戦ではアルゼンチンを凌いで予選リーグ1位だったオーストラリアを撃破、2大会続きのベスト8を決めた。他のスポーツと違って、サッカーは世界のほぼ全ての国が、しかもナショナルスポーツとして取り組んでいる。そんな中でのこの成績だから、本当に価値は高いと思う。
このチームを率いる山本昌邦の手腕は、以前から高く評価されている。年齢がまだ若いため、オリンピック代表のヘッドコーチなどで、”修行
”してきた。非常に研究熱心な理論家である。それにも増して素晴らしいのが、人を納得させる指導力、日本の他の指導者には感じられない独創性と、国際的かつ長期的な視野である。独自のトレーニングやコンディショニング技法を開発。協会では”コーチのコーチ”として他の指導者にも大きな影響を与え、市船の布氏なども、彼の指導法をほぼ全面的に取り入れている。
選手時代日本代表にも選ばれた山本は、182センチの長身で、西野氏ばりの好漢である。若いのに、親しみがもて、かつ風格がある。田中孝司や西野朗と並び、日本の新時代を築く指導者。というか彼が一番のホープである。残念なことに、彼はこの大会を終えるとこのチームから離れ、ジュビロに監督として帰ってしまうらしい。1年くらいで実績を上げて、また協会にとっとと戻ってきて欲しい。
☆今後の展開
このまま行くと、準々決勝で当たるのは、まず間違いなくガーナ。たぶんオーストラリアよりは落ちる。現状では、ベスト4が濃厚である。ベスト4で当たるのは、フランスかウルグアイ、強い。
みなさんは勘違いしているが、アフリカでホントに強い国は、ガーナとナイジェリアだけである。この2つ以外で、世界を制覇できる可能性のある国はない。同じアフリカ人の中でも、ギニア湾岸沿いの人たちは、飛び抜けて運動能力が高い。ナイジェリアには様々な部族と多くの人口があり、タレントが豊富。ガーナは、人口1億弱だが、社会システムがしっかりしている。アフリカ勢は、大会途中から急に波に乗ることもある、怖いと言えば怖い。
フランスも、サッカーでは多民族国家としての強みを十分に発揮している。ジダン等のアルジェリア系。カランブーはニューカレドニア生まれ。バはセネガル人。他各地の旧植民地から移民が集まっている。でもメンタリティーはやっぱりフランス人である。今回のチームには、モナコをフランスリーグ優勝に導いた天才ストライカーアンリがいる。確かヨーロッパユース選手権で優勝していたはず。
今回の大会の前、優勝候補は、南米を制したアルゼンチンだと思っていた。しかし大会が始まるとブラジルの強さは圧倒的で、フランスを3対0、韓国を10対3、ベルギーを10対0で下している。まあ決勝までは当たらないけど。
☆この年代について
良くてベスト4だと思うが、仮に決勝に出たらそれは大変なことである。ベスト4や8でも充分快挙だが。
この年代は、「失敗した年代」である。このチームの中心は、77年組、だがここは静岡の失敗作である。何しろこのチームには静岡出身が1人もいない。日本代表から、カズと西沢と、名波と平野に、相馬と川口が抜けると考えればいい。この年の静岡に何があったかは知らない、たぶんJリーグブームに浮かれていたのだろう。ある意味で、このチームは「雑草軍団」である。ずっと無名だった選手が多い。この年代の時には、まだ日本サッカーに充分な体制が出来ていなかったから、意識を自分で持てる奴しか生き残っていない。
このチームにも欠点がある。特にディフェンス、強さと高さが致命的に欠けている。古賀が不調、レッズの田畑の怪我で、このレベルで通用するストッパーがいなくなってしまった。そこを巧さと早さ、判断力で補うということである。
結果
6月18日 日本 1‐2 スペイン 得点:柳沢1
6月20日 日本 6‐2 コスタリカ
得点:大野2 福田1 城定1 中村1 永井1
6月23日 日本 3‐3 パラグアイ
得点:柳沢1 広山1 城定1
決勝トーナメント
6月26日 日本 1‐0 オーストラリア
得点:柳沢1
このまま行くと、日本サッカーは、あと10年くらい右肩上がりの状態が進むだろう。 その時期が一番面白いと思うのは私だけだろうか。楽しみだなぁ、2006年。