歴史から学ぶ

21世紀の資本 ピケティの反論 16/02/23

参考書籍:Le capital au XXIe siècle/Thomas Piketty 著/Éditions du Seuil 出版/2013年9月発行

ピケティは、次のようなことを語る.

1.すべての市民は、お金とお金を取り巻く事実と変化に興味を持つべきだ.

2.お金をたくさん持っている人は、彼らの利益を守ることを決して忘れることはない.

3.見ることを拒否する人は、最も貧しい人たちのことを問題にすることは滅多にない.

ノーベル経済学賞の2人の経済学者に対して次の反論をした.

(1)クズネッツのベル型曲線
富の不平等は減少する
米経済学者、1971年受賞

(2)モジリアニの三角形
人は退職を目指して資産を蓄積する
退職後、資産は減少し続け、死亡時ほとんどゼロになる
したがって、遺産の力は減少し、富の不平等の減少に寄与する
イタリア経済学者、1985年受賞

1.クズネッツのベル型曲線

ベル型曲線とは、逆U字型曲線(帽子型) 富の不平等は拡大してきたが、第1次大戦直前を頂点として、その後減少する 所得格差は減少し、富の不平等は是正される ピケティの反論 (1)クズネッツは短期で結論を出している 第1次大戦から、しばらく富の不平等が減少したのは事実 しかし、長期で見ると事実は正反対であると反論 (2)実際に、長期で見ると、2つの大戦を底とするU字型曲線 (ベル型をひっくり返した形)である (3)歴史の中では、2つの大戦期は全く特異な時期 戦後、富の不平等は、19世紀、1914年以前と同様な水準に向かって回帰し、さらに21世紀は、 19世紀の水準に向かっている

2.モジリアニの三角形

(1)人は退職を予定して、資産を蓄積する 退職まで資産は拡大する 退職時が資産の頂点 (2)退職後、人は老齢化社会において、昔に保有したものを、死亡時までにほとんど消費する もし、残してもわずかなものだけ 退職後、資産が減少する 死亡時、資産はほとんど残らない (3)平均寿命が延びると、死亡時に残る資産は、より無くなるだろう これは、富の不平等の減少につながるといわれた ピケティの反論 (1)事実は、違う. 死亡時の資産はゼロにならない 高齢化社会になっても同じ (2)理由は次のとおり 1)大きな資産を持った人は、資産を売ることなく、生活水準を維持しながら. さらに、高水準の資産を維持することができる 2)19世紀の頃の資産蓄積に回帰している その場合、資産上位1/10のシェアは、50%-60%対総資産となる 不等式r>gから、低成長と成長率を常に上回る資本収益率によって資産集中が 進行することになる r:資本収益率 g:成長率 3)高齢化社会になっても、総資産の大半を占める資産上位の人々の資産蓄積の傾向は 何ら変わることはないから
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