歴史から学ぶ

Steve Jobs のPC開発の考え方 11/11/28

 Steve Jobs を読んだ 

Jobsが逝った。 8月24日にCEOの座を降りたばかりなのに、わずか40日後の10月5日に逝ってしまった。 56歳だった。 Steve Jobs(Walter Isaacson著)を読んでみた。 私にとっては、いくつかの発見があった。 特に、PC開発に他と異なる明確な考え方があることに驚いた。 3点を列挙する。

1.製品開発において、市場調査に依拠しない。
2.ハードとソフトを統合して開発しなければならない。
3.オープンソースに反対である。

 製品開発において、市場調査に依拠しない 

市場調査を重視する人の根拠は次のとおり。
「顧客の欲しいものを提供すればよい。」これに対して、Jobsは、この考え方に反対である。 Jobsの製品開発の基本は、次のとおり。
「顧客が欲しくなると思われるものを、顧客に提示することである。」 顧客の意向を調査しても、今あるものに対する要求が答えとして返ってくるだけだと考えている。 その例として、Henry Ford の話を引用している。
「もし顧客に尋ねれば、もっと早い馬が欲しいと答えていただろう。」 自動車がまだ世に出ていないときに、車が欲しいという要求は、市場調査から決して出てこないと考えていた。 自動車を顧客に提示して、はじめて顧客はそれを欲しくなるものだと考えたのだ。

 ハードとソフトを統合して開発しなければならない 

iPodは、ハード・ソフトの統合により最小化、単純化できた。 1000曲をも記憶できるにもかかわらず、scroll wheelを開発したので、容易にplaylistから聞きたい曲を探し出せる。 もしclickでしか探せないとすれば、1000曲を記憶できても,それほど大きな意味はないだろう。 また、iPodには、on-off switchがない。 どれかのkeyを触ればon、使わない状態が続けばoffとなる。 playlistの作成など面倒な操作は、PC上のiTunesソフトにやらせる。

iPhone、iPadの画面に、multi-toutch機能を持たせ、keyboardをなくすことができた。しかし、いつでもsoftware keyboardを画面上に呼び出して使える。指で摘んだり、叩いたりすると、縮小・拡大、file openなどができる。 また、画面を縦にしているか、横にしているかをsensorが認識する。もし、機器を横にすると、画像は90度反転し、正しい位置に修正し表示される。 画面には、傷つきにくい硬いgorilla glassを使っているので、multi-toutch機能が使える。 tablet端末で先行していた、Microsoftは、入力ペンでの入力を前提にしていたため、敗北した。

 オープンソースには、反対である 

オープン派の主張は、次のとおり。
ユーザやPCメーカに、より多くの選択肢を提供し、より多くの技術革新への道を開放することができる。 Jobsなど、クローズド派(反オープン派)の主張は、次のとおり。
ハード、ソフト、コンテンツを統合することによって、はじめて、ユーザに容易な操作性を保証でき、納得のいくシステムを提供できる。くだけた言い方をすれば、オープン派は、他人に開発をまかせるのだから、統一性をもった、ユーザが納得するシステムなど、出来るはずがないと言っているようだ。iPhoneに対抗してGoogleが開発したAndroid(オープンソース)を搭載した機器について、Jobsは、画面の大きさやバージョンがバラバラではないかと批判している。






「ウォール街のランダム・ウォーカー」を読む_3 12/04/03
「ウォール街のランダム・ウォーカー」を読む_2 12/04/03
「ウォール街のランダム・ウォーカー」を読む_1 12/04/03
「投資の科学」を読む 12/03/23
老後の資産運用_3 12/03/02
老後の資産運用_2 12/03/02
老後の資産運用_1 12/03/02
ウォーレン・バフェット 12/02/25
JR東海のChristmas Express 11/12/24
インドは中国を超えられるか? 11/12/11
Steve JobsのPC開発の考え方 11/11/28
Steve JobsはPCの世界を広げた 11/09/11
トルコの近代化に期待する 11/06/07
イスラム原理主義は復古主義 11/06/06
イスラム民主革命の行方 11/06/05
若いときに読むべきだった 11/01/03
ヨーロッパ大陸の農村は中世に形成された(再掲載) 10/10/10
竜馬の業績とは(再掲載) 10/09/11
「坂の上の雲」を読む(再掲載)10/08/11
近代はおもしろい(再掲載) 09/11/22
雨の日は歴史書を読もう(再掲載) 09/06/14