歴史から学ぶ

老後の資産運用_2 12/03/02

 株価の変動要因 

株価を変動させる要因として需給があげられる。需給は株価を変動させる直接的な原因であるが、需給に影響する要因として、次の事項が一般的に取り上げられている。

1.企業の業績
2.材料(新製品開発や合併など)
3.仕手筋の動き
4.外部環境(金利・為替の変動、国内・海外の政治要因、海外の株式・債券市場の動向)

さて、これらの需給変動要因は、はたして株価変動を説明するのに十分なのであろうか。
確かに、株式を購入する勢力が強ければ、株価は上昇する。反対に株式を売りたい勢力が強ければ、株価は下落する。次のような説明を新聞・雑誌でよくみかけることがある。

(1)企業の次期の売上げや利益が増大するとの予想が発表された結果、株価が上昇する。
(2)企業が新製品開発をしたとか、合併するというニュースが発表されると将来の企業業績の発展を期待させるので株価が上昇する。
(3)外部環境が株価を変動させる例として、次のような因果関係があると説明されることがある。
(a) 円高ドル安は、株価下落として働く。日本の輸出企業にとって円高は負の要因となる。輸出先で商品価格が高くなるからである。
(b) 金利上昇は株価の下落を招く。企業の借入金金利負担が増大したり、投資家の資金が株式市場から債券市場へ移動することになり売りの要因となるからである。

 しかし、これらの需給変動要因だけでは十分に説明できているとは言えない場合がある。
 トヨタの最近の業績をみると、売上げ、利益とも一貫して増加している。株価も2003年以降を見る限り、業績に比例して上昇傾向にある。しかし、2000年から2003年を見ると、株価は下落をたどり最高5,800円から最低2,455円まで半減している。株価はこの間、業績に逆比例して下落している。

また、為替相場を見ると、ドル円は、2000年初と2004年初が105円程度の円高の天井で、2002年初が135円程度の円安の底を描くカーブとなっている。この間、輸出企業の代表であるトヨタは外国為替と株価の相関関係の一般論と逆の動きをしている。円高で株価が上昇し、円安傾向とともに株価が下落している。

 また、株価は実際に株の売買をする投資家の行動があってはじめて変動する。需給を動かす変動要因にもとづき投資家が株価の変動を期待しても、実際に株を売買する投資家が現れ、株価を動かすほどの売買を行なわなければ、株価は大きく変わらない。たとえ株価上昇となる要因がそろったからと買いを入れたとしても、他の投資家が同様に買いを入れなければ株価上昇にはつながらないことは日常経験することである。逆に、取り立てて株価変動につながる要因が無くても、出来高が増え株価上昇につながることもある。

 私は、一般的に言われる需給に影響を与える株価変動要因に注目するだけでなく、投資家の行動が確実視されるかどうかということも考慮しなければならないと考える。

 ご注意 

株式投資は自己責任でおこなうものです。株式投資は元本保証ではありません。当サイトの内容によって生じたいかなる損害についても、私は一切責任を負うことができません。




「ウォール街のランダム・ウォーカー」を読む_3 12/04/03
「ウォール街のランダム・ウォーカー」を読む_2 12/04/03
「ウォール街のランダム・ウォーカー」を読む_1 12/04/03
「投資の科学」を読む 12/03/23
老後の資産運用_3 12/03/02
老後の資産運用_2 12/03/02
老後の資産運用_1 12/03/02
ウォーレン・バフェット 12/02/25
JR東海のChristmas Express 11/12/24
インドは中国を超えられるか? 11/12/11
Steve JobsのPC開発の考え方 11/11/28
Steve JobsはPCの世界を広げた 11/09/11
トルコの近代化に期待する 11/06/07
イスラム原理主義は復古主義 11/06/06
イスラム民主革命の行方 11/06/05
若いときに読むべきだった 11/01/03
ヨーロッパ大陸の農村は中世に形成された(再掲載) 10/10/10
竜馬の業績とは(再掲載) 10/09/11
「坂の上の雲」を読む(再掲載)10/08/11
近代はおもしろい(再掲載) 09/11/22
雨の日は歴史書を読もう(再掲載) 09/06/14