歴史から学ぶ

老後の資産運用_3 12/03/02

 熟年世代の株式投資 

株取引で利益を得るには、株価が安いときに買って、高くなったら売ることが必要である。実際、長期投資を推奨するウォーレン・バフェットや澤上篤人は、企業業績が良い割りに株価が低い優良株の銘柄選択が株式投資で最も重要な要素と考えている。老後資金を活用して有効に資産運用をしたいと考えている熟年世代にとって、長期投資が最良な選択なのであろうか。

確かに企業業績や株価収益率(PER)は銘柄選択の大切な要素である。これは短期投資でも同様である。しかし、株価の推移を見ていると、景気が好転しているときは、多くの企業の業績は右肩上がりとなり、投資家の好感を得て買いを誘い株価が上がるのが一般的である。株価はPERを引き上げることになる。割高なPERの株が今後も持続して株価を上げることができるのか、投資家にとっては不安材料となってしまう。

反対に、景気が下降気味となると、企業業績も伸び悩み、株価も低迷するためPERは低くなる。長期投資家にとっては買い時といわれるが、景気が回復しないと、株価は予想に反して低迷し、塩漬け状態となる危険がある。若年世代には株価が回復するまで十分な時間があるだろうが、利益を生まない株をもっていたのでは、老後資金の運用としては、不適切となる。老後資金の運用として適しているのは、長期投資ではなく、短期投資である。

短期投資の利点と長期投資との相違点は次のとおりである。

1.景気・企業の業績・PERをあまり気にせず株価の動きで売買をいつでも行うことができる。
株価は上がるときもあれば、下がるときもある。そのどちらでも利益をとりに行くことができる。株価の上昇とみれば買いから入り、天井とみれば売却する。また、下降傾向なら売りから入り底と見れば買い戻す。ボックス圏であれば確実に利益を取りにいける。長期投資の場合、順張りで買い下落時は忍耐するしかなく、ただ株価上昇を待つしかない。

2.リスク回避ができる。
株価が見込みどおりに動かなかった場合、損切りが必要である。しかし株価が反転した確信がなければ、つなぎとして損失をカバーするために反対売買を入れることで様子をみることもできる。長期投資では将来株価が上昇することを前提としている。ただし、株価が回復するまでどのくらい時間がかかるのかわからない。

3.資金を有効に活用できる。
予想どおりに株価が動かなかったら、一旦手仕舞う。引き上げた資金をより明確な株価の動きをする銘柄の売買に当てることができる。長期投資では株価が低迷すれば塩漬けにして利益を生むことはできないが、短期投資では、資金に継続した仕事をしてもらうことができる。

4.株価を動かす外部要因の影響をみてから売買することができる。
2007年夏以降、米国発のサブプライム問題で金融収縮がおき、株価下落が続いている。連邦準備制度理事会の数次の金利引下げでも株価の低迷をおさえることが、まだできていない。しかし、国内の銘柄の株価は一様に影響を受けているわけではない。輸出関連産業は即反応して下落したが、小売業はむしろ原油高による影響が大きい。これらの外部要因と株価への影響を見究めてから売買をすればよい。

熟年世代の老後資金は限られた時間で有効に運用することが必須条件である。そのためには、株取引は短期投資で運用することを勧める。

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