歴史から学ぶ

「ウォール街のランダム・ウォーカー」を読む_1 12/04/03

 ランダム・ウォークとは? 

「ウォール街のランダム・ウォーカー/A Random Walk Down Wall Street」(Burton G. Malkiel 著、井出 正介訳、日本経済新聞社)を読む。
ランダム・ウォークとは、「物事の過去の動きから、将来の動きや方向性を予測することは、不可能である。」ということである。この本から学ぶこと5点を以下にまとめてみた。

1.株式投資から利益をあげることは可能である。
2.株価を予測することはできない。
3.市場の狂気/バブルの発生と崩壊は、繰り返される。
4.リスクの低減が、新投資技術である。
5.株式投資の方法には、いろいろある。

 株式投資から利益をあげることは可能である 

インデックス・ファンドに投資することが、最も安定して利益をあげられることを示している。 インデックス・ファンドとは、代表的な株価指数に含まれる数百の銘柄を組み入れた投資信託などをさす。 著者は、米国の経済学博士。初版が30年前に出版されたときには、インデックス・ファンドは実際には販売されていなかったが、いずれ商品化されると予言した。その後、投資会社バンガード・グループが実際に販売した。 機関投資家のプロのファンド・マネジャーの平均よりも、長期的なパフォーマンスが優れている。

 株価を予測することはできない 

書店に行くと、株取引の解説書が数多く並んでいる。しかし、著者は、これらの株取引の解説書にある分析手法を鵜呑みにすると、大怪我をするかもしれないと過去の事例を引いて警告している。
過去の株価データから、株価の方向や株売買のタイミングを判断するテクニカル分析がある。 しかし、予測どおりに株価が動くこともあるかもしれないが、長期間、そのとおりになったためしがない。
ファンダメンタル分析は、銘柄選択の参考になるものだが、ファンダメンタル分析も同様に、株価収益率/PERが低くなり、買い時と判断して、その銘柄を買っても、必ずしも株価が上昇するとは言えない。 また、PERが高くなって、過熱状態だからといって、必ずしも売り時とも言えない。
どちらも、過去の株価の動きや企業業績から判断するものだが、そもそも株価変動も企業業績も予測困難という立場である。

 市場の狂気は繰り返される 

17世紀、オランダでチューリップの球根が、一時20倍で取引されたが、その後、ただ同然となった。
18世紀、イギリスで南海会社の株価が130ポンドから1000ポンドに高騰したが、その後、暴落した。
米国の大恐慌前後のバブルの発生と崩壊は、次のとおり。(出典:ウォール街のランダム・ウォーカー)

銘柄		1928/3/3始値		1929/9/3高値		1932安値
AT&T		179.1/2			304			70.1/4
GE		128.3/4			396.1/4			8.1/2
NCR		50.3/4			127.1/2			6.1/4





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