歴史から学ぶ

「ウォール街のランダム・ウォーカー」を読む_2 12/04/03

 リスクの低減が新投資技術である 

マーコビッツが、「現代ポートフォリオ理論」の中で、リスクをコントロールする方法を示した。 リスク(変動性)のある株式を組み合わせれば、それを構成する個別の株式のどれよりも、リスクが低くなるようなポートフォリオを作ることができる。 リスクの共分散がマイナスまたはプラスでも低レベルであれば、リスクの低減効果があることを示した。

 ハイリスク=ハイリターンか? 

βの概念が導入された。
βとは、システマティック・リスク値と呼ばれ、個別銘柄やポートフォリオが市場全体の変動に対して反応する度合いと定義された。
具体的には、S&P500などの広範な市場指数のβを1とする。A銘柄のβが2の場合、A銘柄は、市場の価格変動の2倍動くことになる。 なお、分散投資でβを低減することはできない。また、ある銘柄のβは、その証券と市場指数の共分散と同じとのこと。

ハイリスク=ハイリターンを示す式は、資本資産評価モデル/CAPMと呼ばれ、次のとおり。

y=b+x(a-b)

y:期待リターン(リスク・プレミアム)
x:β値(システマティック・リスク値)
a:株式市場平均の期待リターン
b:無リスク金利(国債、銀行預金の金利)

この式を変形すると、

y-b=x(a-b)

この式の意味するところは、以下のとおり。
個々の株式やポートフォリオから得られるリスク・プレミアム(y)が、増大すれば、β値(x)も高くなる。


しかし、実績を検証した結果、上記の式は、有意と言えない結果がでた。
そのため、MPT(現代ポートフォリオ理論)は、emptyと揶揄された。

 株式投資の3方法(米国の場合) 

著者は、次の3方法を提案している。

1.思考停止型
2.手作り型
3.専門家任せ

 1.思考停止型 

代表的な株価指数に含まれる数百の銘柄を機械的に組み入れたインデックス・ファンドを買う。
インデックス・ファンドの利点は、次のとおり。
運用手数料が安く0.2%(著書の当時の数字、以下同様)。しかし、アクティブ・ファンドの手数料は、1.5%
売買コストが低い。アクティブ・ファンドは、高い(0.5〜1.0%)
アクティブ・ファンドが市場平均以上のリターンをとることは少ない。
インデックス・ファンドは、組み入れ銘柄の入れ替えは原則としてしない。
税法上有利。アクティブ・ファンドは、売却回数が多いので、その都度、課税される。
運用成績の評価が容易。アクティブ・ファンドの運用成績の予測は困難。
年金基金、大学基金、退職基金は、インデックス・ファンドで運用している。






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