歴史から学ぶ

オバマの広島演説 16/05/27


2016年5月27日午後、オバマ米国大統領が広島に来て、演説をした。
NHKの同時通訳は、オバマが何か重要なことを言っていることを伝えていた。
しかし、私は、内容をほとんど理解できなかった。
今朝、朝日新聞を見て、初めて内容を知ることができた。

次のように整理してみた。
1.広島や長崎に落とされた原爆は、人類を滅亡させることもできる兵器ができたことを示した。
2.科学技術の進歩は人類を破滅させる可能性がある。もし、人間社会に同等の進歩が伴わないと。
3.戦争に関する従来の考え方を次のように変える。
 (1)外交により紛争を防止する。すでに起きた紛争を終わらせる努力をする。
 (2)相互依存を高めることを平和的協力の要因とする。暴力的な競争の要因としない。
 (3)国家をその破壊能力で定義するのではなく、何を建設できるかで定義する。
4.我々が選ぶ未来は、未来の人たちが、次のように広島と長崎を振り返るような未来だ。
広島と長崎が、新しいモラルの覚醒の始まりとして知られるような未来。
広島と長崎が、「核戦争の夜明け」として知られるのではなく。

感想を3点にまとめた。
1.オバマの理想は高いが、矛盾に満ちている。
2.日常的に核戦争の危機の下にある。
3.被爆者森氏がハグされた理由がわかった。

オバマの理想は高いが、矛盾に満ちている。

オバマは大統領就任後、2009年にプラハ演説で、核兵器のない世界を目指すと述べた。 その後、彼は、ノーベル平和賞を授与されている。 それにもかかわらず、求めた理想とは遠い現実がある。 1.米国大統領は核ミサイル発射権限を持つ。 米国が核攻撃されたら、躊躇なく報復することになるからだ。 核攻撃を命令する立場にある。 当然、広島で71年前の核使用を謝罪するなど、ありえないことである。 もし謝罪したら、米国民はオバマの米国大統領としての資質を疑うことになる。 2.オバマ自らが、生きている間に核兵器廃絶の目標が実現できるとは予想していない。 核兵器の必要性、抑止力がむしろ高くなっていると言える。 (1)クリミヤでのロシア・ウクライナ紛争で、プーチンは核使用も選択肢にしていた。 (2)北朝鮮は、外部から攻撃され金政権が崩壊の危機にさらされれば核使用もありうると思わせている。 (3)想像したくないが、米軍の核使用を完全否定はできない。 現在、米軍はどこでも優位に軍事行動を展開している。 しかし、どこかで反対に追い込まれる事態になったら、常に理性が勝つとは限らない。 1950年の朝鮮戦争も、2014年のクリミヤ危機も、米軍も、露軍も核使用の寸前まで行っている。

日常的に核戦争の危機の下にある。

核兵器の数がそれを示している。 米、ロシア:約7000発 英、仏、中、印、パキスタン、イスラエル、北朝鮮:80ー300発 これらの核兵器は、抑止力として安全管理されねばならないのは当然だ。 しかし、本当に権力者によって使用されることはないのだろうか。 テロリストに渡らないという保証はない。 これらの核兵器が中東、アフリカの軍事政権や独裁政権に渡らないと言い切れるだろうか。 問題は、対立する紛争相手国から追い詰められた時である。 中東紛争で、毒ガス兵器が使用された事実がある。 オバマは演説で次のように言っている。 すべての宗教は、殺戮許可を信仰と主張する信者を抱えていると。 しかし、ムスリムの場合、限られた少数の狂信者が聖戦を唱えているわけではない。 本来、聖戦は信者の儀礼的行為として定められている。 豊富なオイルマネーを背景に、ムスリムの軍事国家が核兵器を持つことや使用することを 正当化することがないと言い切れるのだろうか。

被爆者森氏がハグされた理由がわかった。

森氏は、被爆死した広島の米軍捕虜12人の存在を調べた人だ。 被爆した日本人が敵国だった米国人被爆者を独力で調べたことにドラマがある。 朝日新聞によると、森氏は、渡米し調査したり、慰霊碑の死没者名簿に被爆者米兵を載せたり、 米兵を慰霊する銘板を自費設置したとのこと。 オバマは、演説の中でこのことに触れている。 「ここで殺された米国人たちの家族を捜し出した男性がいました。 なぜなら、彼は彼らの喪失は自分たちの喪失と等しいと信じていたからです。」
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