歴史から学ぶ
デイトレードで、稼げるものだろうか? 特に、わずかな利鞘で、売買を繰り返すというスカルピングは、稼げるか? 私の試算した結果は、上手くいかないようだ。 試算の条件 次の条件で、事例を作り、損益を計算してみる。 (1)投資金額 1千万円 (2)1株 5000円 (3)売買単位 100株 (4)売買手数料 売買金額 100万円につき1000円 したがって、1000万円の買いから参入し、 同額を売りで利益確定すると、手仕舞うまで、20000円の手数料を支払う。 (5)信用取引の金利、逆日歩は無視する。 (6)1日12回、年100回、同条件で売買取引をすると仮定する。 年間100日の取引とは、週2日程度の取引である。 (7)1日12回の取引のうち、利益が出る場合と、損切りすることによる損失が出る場合を想定した。 株価変動幅は、利益確定、損切りとも、同じ幅とした。 すなわち、株価変動幅が20円の場合とは、20円で利益確定する、または、 20円で損切りすることを取引ルールとすることを意味する。 (8)1株あたりの売買差額は、10円〜15円まで1円刻み、20円〜50円まで10円刻み、100円の11事例を想定する。 すなわち、売買差額が10円の場合とは、買った時の株価より10円上昇したら利益確定、または、 買った時の株価より、10円下落したら損切りすることを意味する。 (9)税引き前収益で計算する。 結果 いろいろ試算したが、1日12回の取引のうち、9回が利益、3回が損切りで、年間100日取引をする場合、次の結果を得た。 (1)20円で利益確定または損切りをする場合、利益ゼロ。 (2)10円で利益確定または損切りをする場合、年間1200万円の損失。年利回り -120% (3)30円で利益確定または損切りをする場合、年間1200万円の利益。年利回り 120% (4)50円で利益確定または損切りをする場合、年間3600万円の利益。年利回り 360% この試算でわかったことは、次のとおり。 (1)売買手数料が大きすぎる。年間、2400万円。 (2)この条件の手数料では、スカルピングは、不可能だ。 (3)損切りが先行すれば、投資資金が底をつく。 (4)1日の取引の勝敗が、9勝3敗との条件は、楽観的な条件である。 (5)1日12回の取引とは、平均25分に1回の取引となり、体力的にかなり過酷。 (6)スカルピングに適した証券会社とは、手数料が別体系であることが必要だろう。 例えば、手数料に上限があるとか、取引金額に無関係に、1日、一律固定であるとか。 (7)スカルピングは、わずかな利鞘を狙う、多数回行う取引との定義だが、 上記の条件では、1円、2円では利益は無理で、20円以上でないと、利益が出ない。 すなわち、1株単価が少額な株でないと、利益が出ない。