その1:決意

雨降りが続くうっとうしい季節、6月。
日本ではスノーボードのシーズンも終了し、スノーボード雑誌には
いかにしてオフシーズンでも滑るかという記事であふれていた。
室内ゲレンデで滑るもよし、バックカントリーでハイクして滑るも
よし...などなど。

そんな雑誌の中に、すごく心引かれる写真が載っていた。
それはものすごい青空の中、パイプでぶっ飛んでいるスノーボー
ダーの写真だった。
記事を読んでみると、アメリカMt.Hoodでのサマーキャンプ
でのワンシーンのようだ。
突然、ここに行ってみたいって衝動にかられてしまった。

でも、行ってみたいっていう衝動だけで、実際に行動にうつすまで
にはかなりの決心がいった。
というのも、恥ずかしい話だけど、私は一人で行動するってことが
できない臆病なヤツなのだ。(例えるならば小学生の時、トイレに
行くにも友達と連れ立って行っていたタイプである)

だから一人でボードに行く、ましてや海外なんて...不安だ。
そのうえ海外キャンプに29歳にもなろう女が一人で参加...
他人から見るとかなり怪しいやつかもしれない。
(なんでこんなおばさんが一人で滑りに来てるんだって思われる
んじゃないかい?)
おまけに、はっきりいうと英語がまったく喋れない。
海外旅行の経験も一度しかない。
それも英語なんてほとんど必要のなかったグアムにしか行ったこと
がない。そんなので大丈夫なんだろうか?
やっぱりかなり不安だった。
悩んだが、とりあえず資料だけでも請求してみようと思い、
サマーキャンプと航空券の手配まで全部してくれるっていう旅行
会社に資料請求のメールを送ってみた。

すると、5日もしないうちに資料は届いた。
見てみると参加者のほとんどは一人で参加してるって書いてあった。
これはちょっと心強いゾ。
気になる参加者の年齢層は平均で25歳...
私が参加すればちょっと平均年令上げちゃうな〜って思ったが、
年はどうしようもないので、しょうがないやねぇ...
(実はもっと若い平均層かなって思っていたので、少し安心した。)
心強くなったついでに、思い切って旅行会社に電話してみることに
した。

サマーキャンプのセッションは9つあったが、予算や私の予定を考え
た上で、参加できるセッションは7月14日出発の第5セッション
だけだった。もう6月後半だし、もしかしたらいっぱいかもしれない。
もし空きがなかったらあきらめよう、と思いながら電話したのだが、
意外なことに
「第5セッションでしたら、あと一名様のみの空きがあります」
って返事が返ってきた。
たった一席だけ空いている。
英語が喋れないとか、一人で不安とか悩んでる間はなさそうだ。
予約してしまおうか...。

でもやっぱり不安も残っていたのでいろいろと話を聞いてみた。
すると、不安が一つ解消された。
というのも、このキャンプは成田空港か名古屋空港に集合してから
出発するというのだ。
大阪出発希望の私は、伊丹空港からいったん成田空港に行き、
そこで集合することになるらしい。
ということは、成田空港からは他のキャンパーの人と一緒に行ける。
おまけに女の子キャンパーも数人いるらしい。
これは、成田空港でお友達になってしまえば一人ではない!
もうこうなったら、行くしかないでしょう!
一気に決心が固まった私は「予約お願いします」と返事をしていた。

こうして、超臆病者まなみの一人海外スノーボードキャンプの旅は
始まるのであった。


つづく



教訓:歳には勝てないというけれど、気持ちには負ける気がする。




戻る




(C)西日本ヘルメッターの会