白馬金山・乗鞍編:第一部


第1話、秘境


『金山』っていったいどこ?って言うのが第一印象。
でも山や土地の名前って、なんか似た名前が多すぎて困る。
例えば白馬の『天狗原』に立山の『天狗平』、おまけに『天狗原山』なんてのもある。
話しは変わるが大阪の南港(海のすぐそば)に『天保山』って山?があるのだが、
そこは標高4メートルぐらいで真否のほどはよくわからないが、一応、山ってことに
なってるらしい。

さて今回は『金山』なのだが、白馬には『金山沢』って言う沢もある。
地図で調べるまでどっちがどっちだかさっぱりわからんかったのが正直なところ。

ところで、今回の『金山』は『妙高』と日本100名山の一つ『雨飾山』の間ぐらいに
位置する山で標高は2245メートルの秘境の山。
この時ごん太の頭の中には、秘境=あまり人に知られていない山=極楽パウダーなどと
卑しい考えが頭の中をぐるぐると巡って、是非とも行きたいと思っていた。

すぐに気ずけばよかったのだが、秘境=めちゃくちゃ山奥=あまり人が来ない=鬼ハイク
と言う図式には成り立たなかったのが、悔やまれるところだったのである。

それでは始まり〜〜〜〜〜


2000年8月8日


第2話、ボンゴ・フレンディー

いよいよ白馬に向けて出発するのだが、今回はなんと!ひげたけ氏と共に二人で白馬に
向かうことになった!
今までBC仲間に巡り会えず、
『リフトのないとこなんで行くの?』などと変態扱いされながらも一人でがんばって
車を走らせていたことを思うと感謝感激である・・・・

夜9時頃ひげたけ氏のマンションの駐車場で待ち合わせをして荷物をボンゴフレンディー
(ひげたけさんの車)に積み込む。
その際 すごい物を発見した。
なんとスプリットボードが車に積んであるではないか!
それも新品。(スプリットボードとは?立山編第9話スプリットボードを読んでね)
どうやら並行輸入で購入したてのほやほやで今回が初使用だった。
並行でも値段は、やはり10万以上したらしい・・・・
急いで準備を済ませて一路白馬に向けて出発した。

それにしてもボンゴフレンディーはなかなか快適快適。
ワンボックスタイプの車は重くてスピードが出ないと思っていたのだが
ところがどっこい!
ごん太の4駆より安定していてすばらしい乗り心地。
ほしくなったので値段を聞いてみると、このフレンディーはオートフリートップで
(屋根が開いて寝れる)おまけに4WDの最高級モデルだから値段は300万以上
したらしい・・・・

急いで 一路白馬に向けて出発した。


2000年8月15日


第3話、ルーズ

朝4時頃、ガイドさんのショップがある白馬に到着すると、早速仮眠を取ることに。
ひげたけさんにおねがいしてフレンディーのオートフリートップを開けてもらい
屋根で寝かせてもらうことになった。
屋根を開けると広大なスペースが広がりおまけにサンルーフまで付いていて、
夜空を眺めながら寝れると言うすばらしい環境が出来上がった。
しかし・・・ちと寒いッスね・・・・
そこはさすがひげたけさん、寝袋を用意していてくれてぬくぬくで眠れました。
感謝感激・・・・おやすみなさい・・・・・・

どれくらい寝ただろうか?
だれかが車を「ユッサユッサ」と揺らしてる・・・
『おえーー』とゲロ出そう。
まるで船の上で寝てる様に気持ち悪くなって目が覚めた。

『おはようございます』と車を出るともうすでに数人のツアー客が準備に取りかかっていた。
ごん太も簡単に朝食を済ませて準備に取りかかるのだが、どうしたことか?
今日はやたらガイドさんがキビキビと準備を済ませてるではないか?
前回の白馬編とはまるで違う。
どうしたんだろ?と思ってたら今回は朝6時に出発だったらしい・・・・・・知らんかった・・・

そりゃ〜〜急ぐはずで、すでに少し6時を回っていた。


2000年8月15日


第4話、5時間

いざ準備を済ませて車に乗り込んで出発!
いつものようにコンビニで買い物を済ませて30分ほど走ると、さびれた温泉街に着き
そこから金山に向けて歩き始める。

本当は、もう少し車で登ったとこから入山するのだが、今年は雪が多いので少し
歩かないといけないみたい。
しばらく歩いていると、さっきまで下にいた4輪駆動車が追い抜いて行くではないか!
『なんでじゃ!』と怒りがこみあげてきたけど「平常心平常心」先はまだまだ長いと
自分に言い聞かせながらしばらく歩いた。

するとホテルらしき建物が見えて玄関近くの道までくると、ここからスノーシュー履いて
ハイクの始まり』。
その時ガイドさんが、『今から登りは約5時間ってとこですかね?』とつぶやいた。

え!!!5時間!!!!またまた冗談きつい〜〜と心の中で思っていたが
『それは本当ですか?ガイドさん?』と聞く勇気もなかったのが本当のところ・・・
半信半疑のまま金山頂上に向けてハイクを始めた。


2000年8月16日


第5話、ニューブーツ

30分ほどハイクしただろうか?
ひげたけ氏のスプリットボードも順調に進んで1回目の休息を取った。
ごん太はなぜか初めからペースダウン。
目の前に見える雨飾山がすんごく綺麗。さすが日本百名山の一つ。
来シーズンは絶対にこの山に来てやろうと心に誓ったのだが、
なんか今日は体調が悪いのか・・・・足が重い。

気を取り直してまたまた出発。
しばらく歩くと大きな沢が見えてきた。
まだまだ雪がどっぷりと積っているので沢伝いに歩いて行くのだが、
すんごくペースダウン・・・・・足が・・・・痛い・・・・

どんどん先頭集団からおいてけぼりにされてしまい、その距離は500メートルほど。
これはたまらん・・・

実は今回ごん太はニューブーツでBCに挑んでいた。
奮発してバートンの一番高いブーツをチョイスしたのだが、
これが仇に出たのかめちゃくちゃ足が痛い。滑るには別にかまわないブーツなのだが
ハイクするにはいつもの履き慣れたくたくたバートンブーツにするべきだったと後悔していた。

唯一の救いは、ごん太よりかなり後ろに一人同じツアー客のスノーボーダーがまだいたことだった。


2000年8月17日


第6話、乱れ

どうにもこうにも足が痛い・・・身体もだるだる・・・・・
無情にも先頭集団はどんどんと金山山頂に向けて歩いている。
とうとう姿も見えなくなってしまった・・・・・

なんか砂漠の真ん中にポツンと取り残されたような心境で、最後尾のスノーボーダーの
姿もまだ見えない。
仕方ないので一人記念写真を撮りまくっていた。
やはり春先の雪道はあちこちで小さな雪崩跡があり、地肌が見え、雪に亀裂が入って
今にも崩れ落ちそうな場所もある。

いつまでもここに居るわけには行かないので、仕方なしに痛い足をひきずってとぼとぼと歩き出した。
前か後ろに人がいないとこれほどハイクのペースが乱れるとは思わなかった。
ペースが乱れると体力の消耗も激しく、ますます疲れてくる。

しばらく歩くと、前の道を塞ぐようにデブリ(雪崩で雪がたまってる場所)が 出現した。
『おおおおお!これはすごい!』全長は200メートルぐらいで幅は約30メートルほど。
これほど真近で見るのは初めて。

それにしても、今まで雪崩って言うとスノーボードビデオなどによく出てくる
バックカントリーのシーンでサラサラの雪がドバーっと流れて来て、その横を
プロのスノーボーダーがかっこよくライディングしてるようなイメージがあったのだが、
このデブリを見て180度考えが変わった。

実際にビデオに出てくるような雪崩もあるのだが、この雪崩は違う。
大小30センチぐらいから1メートルぐらいの雪の固まり。
ほとんど氷の固まりが何千何百と転がって来ている。
おまけに下の土も掘り起こしてほとんど土砂崩れ。
こんな雪崩に合ったら間違い無く即死・・・・・・・・こわ〜〜〜〜


2000年8月21日


第7話、雪の橋

生まれて初めて見る巨大なデブリを後にして、フラフラになりながら痛い足を引きずって
一人で歩き始めると、何やら「ゴウゴウ」と水が流れる音が聞こえる。

どこから流れているんだろ?とあたりを探すが流れは見つからず。
フッと気ずくとごん太の足元から音が聞こえていた。
『やばい!』
これは(注)スノーブリッジと言うやつではないですか!
フラフラ歩いているうちにみんなが通った場所より少しずれた場所を歩いていた。
慌てて元のハイク道に戻りほっと一安心。

またしばらく歩くとぽっかりと口を開けた巨大な穴が出現。
恐る恐る近ずくと中でまたまた「ゴウゴウ」と水の流れる音が聞こえてきた。
中は真っ暗で何も見えず、川の流れる音だけが聞こえてなんとも無気味。
間違ってもこんなとこ落ないように祈るしかないな。

(注)スノーブリッジ
   スノーブリッジとは雪の橋・・・・そのままです。
   川の上に雪がどんどんと積っていくと、川の水も隠れてしまいます。
   積った上からでは水は見えませんが中では水が「ゴウゴウ」と流れてる場合があります。
   いわば水のトンネルです。
   その上を歩くのはひじょーに危険とされてます。
   落ちたら救出不可能の凍死&溺死。春になって雪が溶けてくるまで出れない場合もあります。
   雪の下に何があるからわからないので、無雪期の下見は重要だなーとこの時ごん太も
   実感しました。

2000年8月25日


第8話、ポカリ


やっと休憩している先頭集団が見えてきた。
早くみんなの所まで行って休憩したいのだが、足が痛くて、身体もだるく
気持ちばかりあせってなかなか前に進まない。

やっとこさ到着すると崩れるように座り込んでポカリ(注)を咽に流し込む。
『うまい!』バックカントリーに行くとスポーツドリンクの有り難さを毎回痛感させられる。

一息ついてしばらくすると、最後尾のスノーボーダーがやってきた。
かなりお疲れの模様。すると5分もしない間にガイドさんから
「そろそろ行きますか!」
とのお声がかかった。最後に来たスノーボーダーには可哀想だが仕方あるまい。
先頭集団はすでに30分近く休んでいるんだから。

今度の登りはかなりの急斜面。
スプリットボードのひげたけさんは結構つらそう。
こんな急斜面はスノーシュ−の方がいいのかな?などと考えてる間にも
ひげたけさんに抜かれてしまった・・・・・今日は本当に体調最悪。

この斜面を登ったら頂上だ!!と、まだ半分ぐらいしか来てないのに
自分にウソをつきながらひたすら登る・・・・・

(注)ポカリ=言わずと知れたポカリスエット。
   BCやってる人の飲み物は千差万別。
   ごん太はいつもポカリを持参しているのだが、一度アクエリアスを持って
   行ったら、なんだか味が薄いと感じたので最近はポカリばっかし。(これは個人の好み)
   おまけにポカリの缶ジュースは今だに110円で売ってるので持参の水筒に
   3缶入れると30円のお得で経済的!!・・・・・・・・せこい?


2000年8月31日


第9話、レモン色


またまた一人ぼっち。
標高が高くなってきたのか回りの木がだんだんと少なくなってきている。
小便がしたくなってきた。
回りを見回してもだれもいない・・・・木陰に隠れて用をたす・・・・しまった!!
雪の上で小便するとやたらと黄色く目立ってしまうことに気が付いた!!
慌てて回りの雪を掻集めてカモフラージュをほどこした。
みんながこの上を滑らないように祈りながら何ごともなかったような顔でとぼとぼと歩き始めた。

前を見るとすばらしい1枚バーンが出現した。
おまけにノートラック!!!!
雪もいい状態!!
ここまでがんばって登ってよかった〜〜〜と感激!!!
途中でくじけそうになりながら何度もやめようかと思ったことか。
やっと滑りの予感でハイクの疲れも少し和らいだような感じになったのだが・・

感激もつかの間。
斜面横をアリのように小さく見える先頭集団を発見した。
あまりにも広い斜面で距離間隔がマヒしていた。
あそこまで登るのか・・・
『がんばれ ごん太!! がんばれ ごん太!!』
と自分に言聞かせながらひたすら登る。

                                       
2000年9月8日

第10話、ムラさん


ついに登りきった〜〜〜〜〜〜!!
疲労はピークに達していたが、登りきった達成感がそれを和らげてくれる。
は〜〜しんど、先頭グループもさすがに休憩を取っていたのでほっと一息ついた。

しかし、しばらく休憩をしてこれから滑りの準備に取りかかろうとするのかと思いきや
ガイドさんの一言でそれがすべて吹き飛んだ!
『さ〜〜〜もう一息がんばりますか!』
え!!!!まだ登る!!!!ガ−−−ーン!!・・・・・・ショックで疲れは倍増。
精根使い果たして登りきったのに・・・・
放心状態のごん太はまたまた登り始じめることになった。

またまた1人ぼっち・・・とぼとぼハイクしていると、なにやらこちらに巨大なガス(霧)の
固まりが向かって来るではないか。
ちょっとやばいんでないかい?みるみるうちにごん太の回りはまっ白け。
視界はほぼ5メートル先も見えない状態になってしまった。

これは非常にまずいことになった。
このままガスが晴れなかったらどうしよう?
『遭難』の二文字が頭をぐるぐる駆け巡る。
先頭集団の通った足跡だけをたよりにひたすら歩いていると前に人陰が・・・・・だれ?

どうやらスキーヤーのようだけどガスが濃くてよくわからない。
さらに近ずくと、それはサブガイドのムラさん(注)だった。


(注)ムラさん・・・謎が多い人物。
          年令はたぶん40代。職業不明。
          住所不明。スキー&スノーボードもやるひと。
          BCの達人?
 


2000年9月10日


第11話、山頂?


ムラさんと無事合流できたごん太はほっと一息。
さすがにこのガスの中を初心者ごん太1人で歩かせるのは危ないと思ったのだろうか?
とにかく心強い相手が待っていてくれて助かった。

かなり疲れた様子に見えたのか?ムラさんから
「ちょっと休憩しますか? 」
と、うれしい声がかかったので休憩。ふ〜〜〜疲れた。

ポカリ飲みながらムラさんと少し雑談。
本当はごん太は、かなりムラさんと言う謎めいた人物に興味があったのだが、
いきなり職業・年令・住所などを聞くのも失礼だと思ったので前から疑問に
思ってた質問をしてみた。
「これだけ沢が埋まってしまうぐらい雪がたくさんあるのに、なんで溶けて無くなって
しまうんでしょ?山の上なら夏でも気温は低いと思うんですが? 」
この質問にムラさんは一言
『雨でみんな溶けちゃう・・・・・』
そうッスか・・・・・・・もしかして僕はムラさんに嫌われてるのではないのか?
などと不安に思いながら、しばし無言の時間が過ぎた。

すると突然ムラさんの無線にガイドさんから
『ムラさんごん太さんをよろしくおねがいします』
との連絡が入った。
今、ごん太さんと休憩してる所なんでもうすぐ出発しますとの返事。
それを聞いたごん太は結局ムラさんと言う人物の謎を聞くことすらできずに
出発の準備に取りかかることになってしまった。

まだまだ視界はほとんどない状態で、ムラさんと歩き始めて5分もしないうちに
先頭集団が見えてきた。
あれ???なんで?もしかしてここが頂上!!!!!
やった〜〜〜〜〜〜!!!登りきったぞ〜〜〜〜〜〜〜!!!
でも回りはまっ白。なんも見えん。記念写真など撮ってもらってごん太さん大満足。
・・・・・・ん? なんかみんな いつもの嬉しそう顔してないぞ?なんで?

それもそのはず視界がほとんどきかないのでここで少し様子を見て下山するみたい。
うかれて写真など撮ってる場合ではなかったのか・・・・・すみません。
結局山頂には行かずにここから滑走を始めることに決定した。
ここまで来たのに残念だ・・・・でも下山と言うことはここから滑走開始?

ふふふふ やっと滑れる。


2000年9月18日


第12話、答え


ハイクしている時にいつも思うのだが、なんで僕はこんな所にまで来て
苦しい思いして歩いているんだろ?
お金と時間を使ってまでして何してる?
バックカントリーなんてもうやめだ!!と思う時がある。

未だに周りの人間は、リフトないとこなんで行く??
わざわざ苦しい思いして1日中歩いて1本か2本しか滑れないのに。
おまけに事故でも起こしたら生死にかかわる問題になってくるぞ。
挙げ句の果てには頭おかしいのか? なんてこともしばしば言われることもある(笑)

しかしそんな他人の言葉なんてどうだっていいや!と思う瞬間がある。
それは、いざ自力で山頂にたどり着き、今から滑り降りる瞬間。
(今回は山頂までは行けなかったが)
そう、今、ごん太はこれから滑り降りる瞬間に立っている。
不安と期待が入り交じった不思議な感覚・・・・・この時には今まで辛かった
ハイクなど完全に忘れている。

先頭はガイドさんだ。
次々とボーダー&スキーヤーが滑走を開始した。
ごん太も滑りはじめた。視界が数メ−トルしかないので、前の人にはぐれないよう
スピードをコントロールしながら滑らなければいけない。

おまけに雪のコンディションはアイスバーン、ザラメ、アイスバーン、ザラメの
繰返しでかなり難しい?面白い?コンディション。
視界が悪いのも重なってスリリングな展開になってきた。
気がつくと、ひげたけさんが僕の後ろを滑っていた。
あれ?いつもなら僕より前に滑ってるのになんで?と考えてみると
今日はスプリットボードでの初滑走だったことに気がついた。

途中、ルート確認のために止まっているひげたけさんに
「スプリットの調子はどうですか?」
と訪ねたら
『う〜〜んやっぱり重いね』
との返事。
おろしたての板にこのコンディションの雪はちょっと辛そう・・・・


2000年9月20日


第13話、反省


ハイクの疲れもなんのその。
順調に滑り降り滑って来た山頂付近を見上げると先ほどの濃いガスは、
すっかり消えかけていた。
ちくしょう・・・もうちょっと我慢して待っていたらよかった。

などと考えつつもやっぱり滑ってる時は一番楽しい、腐った雪でもカリカリの雪でも。
さらに滑り降りると登りに通った道に出て来きた。
かなりの緩斜面でアップダウンも激しくなってきたので、スピードを落とすとやっかいな
ことになりそうだ。

ボーダーなら一度は経験したことはあるかと思うが、スノーボードはじっと立っている
ことがかなり難しく、一度平坦な所に止まってしまうと前に進むのが大変。
ビンディングをはずしてハイクするか、そのままがんばって身体を
『うんしょうんしょ』と動かして前に進むかの2通り。
しかし、ごん太は前の2通りは是非とも避けたいと思っていたのでスピードを殺さずに
強引に滑って行った・・・・

すると目の前でスキーヤーとボーダーが二手に別れて滑り降りたのが見えたので
そのまま直進するコースを取った瞬間、雪が無くなった・・・・・
先を滑っていたテレマーカーの女性が『キャー!危ない!』と叫ぶ声が
聞こえたと思った瞬間『無重力状態』そのまま垂直に3メートルほど落ちてしまった。

落ちて2秒ほど、ごん太は自分に何がおこったのか理解できなかった。
上を見上げてはじめてここから落ちたことを悟り次第に恐怖心がでてきた。
幸いにもそのまま足から落ちたので怪我もなくて済んだものの、これが10mか20mの
崖だったら?滝だったら?脳裏に某スノーパークでのコース外滑落事件が浮び上がってきた。
コース外を滑っていて滝つぼに滑落、即死。

・・・・・・・かなりごん太はブルーが入ってしまい大いに反省した。
もしかしたらコース外入って崖なんかに落ちて亡くなった人は、先ほどのごん太のような
状態ではなかったのだろうか?
止まると大変『そのまま突き進んでしまえ!』の状態。
気をつけねば。


2000年10月2日


第14話、ストック


落ちたショックもさめないうちに、さらにショックな出来事が・・・・・
どう見てもこの先、スノーボードで滑って行けるような斜度のない道のり。
ここからまたハイクが始まるのかと思うとぞっとしてきた。

すると横からムラさんが一言
『ストック 持って滑ればいい』 
え!? ハイクする時のストックを使って手で漕ぎながら進むってことですね?
これはナイスアイデア!早速ストックを伸ばして進んでみると結構進む。

おおおお!これは面白い。
スノーボードを始めて3年、ストックを持って滑るのは初めての経験。
しばらく滑っていると、やっぱり腕が疲れてきたので後ろ足をビンディングからはずして
スケーティング状態で滑って行く技も覚えた。
これでかなり体力の消耗を防げた。
ありがとうムラさん、感謝です。

初めに休憩を取った場所にたどり着くと、ここから林道を滑り降りることになったのだが
登って来たコースを少しはずれてちょっと探検。
かなりのデコボココースに入って楽しかったのだがすんごいデコボココースになって
滑ると言うよりもほとんど板つけて階段降りるような状態。
案の定逆エッジを喰らってしまいゴロゴロと転倒して泥だらけ・・・・とほほ。

なんとか無事に車を停めた場所に到着。
は〜〜疲れた。


2000年10月3日



最終話、ジャイ子2



みんなが車を停めた場所に戻って来ると、ガイドさんのお店に戻り解散となった。
今日のごん太の宿泊場所は、前回の白馬ツアーでおせわになった通称『ジャイ子』
(白馬編第9話)に宿の予約をたのんでおいたのだが、数日前にジャイ子に電話すると
前に働いていた宿をやめて友だちと家を借りて住んでいるので、安くていい宿を探しと
いてあげる。と言う返事に安心しきっていた。

ところが・・・・携帯に何十回と電話したが出ない・・・・なんかやな予感。
ガイドさんのお店で時間を潰してもう一度電話してみるが、やっぱり出ない。
これはもしかして・・・ブッチされたのか?困った・・・・
今から宿を探すのも大変だし、どうするべきか悩んでいたので、ひげたけさんに
今日はどこで泊まるんですか?と、ちょっと聞いてみた。
すると「今日は車の中で泊まるよ」との返事。
車?もしよかったら僕も寝させてもらえません?と恐る恐る聞いてみると
「いいですよ〜〜どうぞどうぞ」
との御返事!!やった〜〜〜〜!!!感謝感激!!!ほんと助かります。

またしばらくガイドさんの店で話しをして温泉に行きガストで晩御飯を食べて
今日は早々と寝ることになった。
やっぱりボンゴフレンディーの寝心地はいいね〜〜寝袋もあったかくて最高!!
おやすみなさい・・・・・

後日ジャイ子に、なぜ宿を取ってくれてなかったのかと言うと
「本当に来るとは思わなかったから」
らしい・・・・・どうも怪しい・・・他に理由がありそうだ。

2000年10月12日






白馬金山・乗鞍編:第二部

第1話、黄砂



快適な目覚め。
ボンゴフレンディーで一夜安眠したごん太は昨日の温泉も効いたのか
疲れも癒えて体調は絶好調。

今朝は昨日と違って少しゆっくり出発するみたい。
実はこのボンゴフレンディーは、どこに停めているかと言うとガイドさんのお店の駐車場に
停めさせてもらっていた。
お店と自宅を兼ねてるガイドさんにはかなり迷惑なことだ。すみません。
そしてありがとうございます。

いつものように準備をすませて車に乗ってコンビニで買い出し&朝御飯を食べて
某ゲレンデの駐車場に到着した。
前回の白馬編でも来た場所でゴンドラとリフトを乗り継いでそこからまたハイクの始まり。

今日はかなり体調がいいのでペースが少し早く、みんなに遅れをとることはなく
かなりいい感じ。しばらく歩いていると前回来た時と今回の雪の色の違いに気がついた。
なぜか今回の雪はかなり黄ばんで汚く見える。
春の雪だからだと思うのだがどうやらこの黄ばみには理由があるらしい。

それは『黄砂』(こうさ)。
中国大陸の砂漠の砂がはるばる日本海を渡ってこの白馬までやって来て、雪の上に落ちた物が
黄ばみの原因になってるみたい。町中では全然気ずかないのだが、雪の上に落ちるとやはり
よく目立ってしまう。

それにしても自然の力はすごい。
はるばる中国大陸からこれほどの砂を運んで来るのだから。
日本に落ちた砂の量をトータルするとどれほどの量になるのかは想像できない。

一路、乗鞍頂上に向かう途中天狗原(みんなは てんぐっぱらって呼んでいた)に
到着すると目の前に巨大な雪山 乗鞍の全貌が見えた。

2000年10月18日



第2話、転がり



天狗原に到着して休憩してる時に思ったのだが、今日のここまでのハイクはなんて楽なんだ?
前回白馬に来た時は、ここより確か近い場所でかなり辛い思いをして登って来たような記憶が
あるのだが・・・・
それもそのはず。昨日の金山を経験したらここは非常に楽に登ってこれる。
おまけに障害物もない一枚バーンが広がり、これから登ろうとしている乗鞍頂上も見えてる。
最終地点が見えてるって気分的に非常に楽になるもんだ。

乗鞍の頂上を見上げるとやたら人が多い。
登山者も入り交じってかなりの人気スポットみたい。
今日のツアーにも50代前半らしきテレマークの夫婦も参加している。
僕も歳とったらこんな夫婦になりたいね〜〜などと思ってると出発の声がかかった。

これから頂上に向かうのだが結構な急斜面。
先に登っていた別のスノーボーダーが気持ちよさそうに滑り降りてくる。
しかしなぜかトラックの付いた場所ばかりみんな滑っている。なんでだろ?
サブガイドさんも不思議そうにしていた。でもこれから滑る人はラッキーだ。
ノートラックの斜面はいっぱいある。

半分ぐらい登った所でちょっと休憩。
するといきなり上の方からすごい勢いでザックがゴロゴロと転がって来た。
呆気にとられてると見る見るうちにころがり落ちて行く。
どうやら少し上で休憩していた同じツアーのスノーボーダーのザックが
転がり落ちてきたみたいだった。

すると突然サブガイドさんが猛スピードで斜面をかけ降り転がり落ちるザックを
みごとに受け止めた。ほっと一息。
サブガイドさんが受け止めてくれなかったらもしかして下まで落ちてたかも・・・
これから休憩する時はザックをしっかり固定させようと誓った。

2000年10月22日



第3話、走るおばさん



乗鞍山頂まであと少しの所で、だれだかわからないが、
ダダダダダダダダダ!!!と猛スピードで駆け降りてくる人が見えた。
なんじゃこりゃ!!と思ったらかんじき(注)履いたおばさん登山者が駆けおりて
来てごん太の横を通り過ぎた。

それにしても、すげーおばちゃん・・・・・
おばちゃんの後ろ姿を見てると、続いて数人の登山者が同じように駆け降りて行った。
ボードより早いのと違うのか? それにしても元気なおっちゃんおばちゃん・・・・
頂上近くまで登ってくると雪で作った階段ができていてちょっと楽。

山頂に到着すると360度のパノラマが広がっていた。ヤッホーー!
でも少しおかしいぞ?山頂には全然雪が付いとらんね?
ガイドさんにたずねると山頂の雪は全部風で吹き飛ばされて雪は付きにくいそうだ。
一つ勉強になった。

今日は少し時間があったので乗鞍山頂を散策することになった。
昨日登った金山に雨飾山、妙高山などなど好天に恵まれて全部見え、すばらしー景色。
おまけに富士山も見えてるらしいのだが、ごん太はどれが富士山だったのかさっぱりわからなかった。

もうしばらく休憩を取っていよいよ滑り。いつもドキドキする瞬間。

(注)かんじきとは和製スノーシュー。なぜか知らないがボーダーはスノーシューを
   履いているが登山者はかんじきが多い。やはり安い値段と軽さがいいのかな?
   
   スノーシューと言えば今、ごん太が使っているやつはアトラスサミット22だが
   これはパイプフレームで見た目にはすごくいいが、急斜面などを
   トラバースする時など横滑りする時があるので少し恐い。 
   これからBCやろうって思っている人はMSRってメーカーのスノーシューを
   おすすめします。ごん太は初めて見た時はなんてかっこ悪いスノーシューなんだ
   と思ったけどアトラスでは滑ってしまいそうな斜面でもガンガン登って行くのを
   横目でいいな〜〜〜と思ったからです。 

2000年10月29日



第4話、禊



いよいよ滑る瞬間。
ザックにスノーシューとポールをしっかり固定するのだが、これがなにか
滑る前の禊(みそぎ)か儀式のような感じ。

2時間も3時間もつらい思いして登って滑るのはせいぜい一本かニ本の世界なので
是非ともへたくそでも納得する滑りをしたい。
荷物をしっかりと固定してなくて滑りに影響が出るなんてもったいないじゃ〜ありませんか。

ザックを身体に固定していよいよ滑り出す。
今回は初めにサブガイドさんが滑って途中で止まってビデオ撮影をするのでそこまで滑り降りる。

よーーーーし!いったるで〜〜〜!
初めはスピードをつけるためにチョッカリ。 これが最高に気持ちいい!!!
雪はパウダーではないがノートラックで斜面には岩や木などさえぎる物はほとんどない!!
うひょ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!
涙が出そうなほどいい感じで滑って行ける!!

回りに障害物がないのでスピード感覚がまったくない。
自分の足元を見るとかなりスピードが出ていることに気ずき、慌ててターンをして
スピードコントロール。
調子に乗ってそのまま数回ターンしながら下に滑り降りて行くと、目の前に
一本のトラックがあったのでそれにたどってサブガイドさんやみんなが待っている所まで
滑り降りることにした。

わ〜〜〜〜〜〜い!!!気持ちよかった〜〜〜〜!!最高!!!
今日は立山より、昨日の金山より断然いい感じ。
フウ〜〜〜〜と一息。

少し落ち着いて我にかえると、いるはずのサブガイドさんもみんなもおらん・・・・
あれ?雪原にごん太1人がポツンと取り残された・・・・これはやばいかも。

2000年11月3日



第5話、カンムリョウ



こんな場所で1人ぼっち・・・・ちょっとやばいかも。
考えても仕方ないのでとにかくボードはずして、少し丘になった場所まで歩いて
周りを見てみることにした。

丘の中腹あたりまで登ると1人発見した。
どうやら先ほどの登りでザックを転がり落とした人だった。
みんなどこにいったんでしょうか?って聞く前に
「どこに行ったんでしょうね〜〜〜みなさん」
って声をかけられた・・・・同じ境遇の人がここにもいた・・・

二人で丘の上まで登ると、ちょうど反対側にみんなが集まっているのが見えた。
げっ!あんなに離れた場所まで滑って来たんやね。
これは完全にルートミスだわ。
う〜〜ん、それにしてもこんな広い斜面って滑ると方向感覚って無くなってしまう
ものなんだね〜〜これは一つ勉強になった。

後でサブガイドさんが撮っていたビデオを見せてもらったら、ごん太は右へ右へと滑り降り
カメラのフレームからみごとに消え去っていた。
この時気づいたのだが、どうもごん太はフロントサイドのターンは得意なので右へ右へと
進むクセがあるみたい。(ごん太はレギュラースタンスです)
注意せねば。

やっと全員いる場所までたどり着くとすぐに出発。疲れた・・・
みんながどんどん滑り降りて行くと、さっきごん太が間違って滑り降りた場所まで来ていた。
ここに来るんやったら初めからここで待っとけばよかった〜〜〜ちくしょう!
半泣きになりながら次の滑走斜面までたどり着くとこれがまた泣きそうなくらい
いい感じの斜面!!今日は絶対に当たり!!!
あとでみんなも言っていたが今日は今シーズンで最高のコンディション!!って言ってた。
ムフフフ・・・

興奮覚め止まぬうちに滑り始めるとやっぱり最高!!!
スピードつけて一気に滑り降りる!!
ひゃ〜〜〜〜〜〜〜気持ちいい〜〜〜〜〜
バックカントリー始めてほんとによかった〜〜〜とこの時ほど感じたことはなかった。


ん?毎回言ってる?(笑)

2000年11月6日



第6話、犬



ひゃ〜〜〜〜〜〜〜気持ちよかった〜〜〜〜。
滑り降りたみんなは満足いっぱいの顔。
これからまた滑りながら帰ることになったのだが、帰りはお約束のツリーラン。
デコボコ雪の中を滑り降りるのだが、サブガイドさんがいきなりジャンプした!!
おおおおお!すげーーー!!と思ったらごん太の横をゴロゴロと転がり落ちてゆく
おおおおお!すげーーー!!と別な意味あいで感心した。

林の中を抜け栂池高原に出るとそのままゲレンデ内を滑り降りるのだが
歩き疲れて足がすでにガクガク震えている。
小さなコブでもかなり辛い。

さらに林道を滑ってると、途中に奇妙な生き物を発見した。それは犬だ。
町中ではそこら中にいる犬も、スキー場にいるとかなり目立つ。
僕のとなりで一緒に滑っていたテレマーカーの人もびっくりしていた。

するとどうだ僕達二人の前を滑っていたボーダーがその犬の横を滑り抜けると
猛烈な勢いでそのボーダーを追い掛け始めた¥。何が気に入らなかったのか?
その犬がワンワン吠えながらボーダーを追い掛けまくっている。
慌てて滑り逃げるボーダー。

二人で大笑いしながらその様子を見ていると、さすがに犬もあきらめた様子で
走るのを止めてしまった。
その2秒後、大笑いしていたごん太とテレマーカーの笑いが一瞬止まった。
心は一つ。次は僕らがやばい!!!!!
ここは林道!!よける場所がない!!

まだ興奮覚め止まぬ犬が滑り降りるたびに近ずく。
二人とも固唾を飲んで息を殺すように犬の側をそろりそろりと滑り降りて行く・・
フウ〜〜〜〜〜とため息。
どうやら犬は2人をゆるしてくれたようだ、助かった。

犬の難所を抜けるともうすぐ駐車場。
その前に少し咽が乾いたのでゲレンデの売店でスポーツドリンクを買って駐車場まで歩くことにした。
駐車場に着くと驚き!!!!!
さっき上の林道で吠えまくっていた犬がいるではないか!
いつのまに下に降りてきたのだ?なんという 早さ!!
それも飼い主らしき人物にエサもらってモグモグと何か食ってる!!

恐るべし犬。  

2000年11月8日



第7話、あとがき



みんなが駐車場に集まると車でガイドさんのお店に向かう。
2時間ほどお店で雑談してから家路に向かうのだが、異常に顔が日焼けで痛い。
この2日間好天に恵まれて(金山では少しガスがあったが)ラッキーだったのだが
あいにく日焼け止めを持参するのを忘れた結果がこの始末。
今度からは必ず持参しようと誓った。

おまけにサングラス焼けで目の回りだけが真っ白。
バックカントリーは99%近く歩きなのでゴーグルよりもサングラスの方がいいみたい。
一度立山でゴーグルつけてハイクしたらいっぺんに曇ってしまった経験がある。

それにしても今回の金山&乗鞍のBCは波乱万丈な2日間で色々な経験ができた。
バックカントリーフィールドと言う異質な空間に入ると、普段の生活や遊び
スキー場で滑った時とはまた違った何かを得ることができるのかな〜〜〜〜
なんて考えてしまうのであった。

おしまい

2000年11月21日





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