武奈ヶ岳編


第1話、武奈ヶ岳



01シーズン初のバックカントリーは西日本でツリーラン!
と鼻息荒く意気込んで、01シーズンのBCに挑むことにしたごん太は
早速お友達のひげたけさんを誘ってみることにした。

返事は、仕事が忙しくて行けるか行けないかわからない状況らしい。
ぎりぎりまで待ってから返事を聞くことになったのだが、やはり無理だった・・・・・残念。
まだまだBCシーズンは長いので、またの機会に一緒に行けばいいか!
と気を取り直して一人で行くことに。(注:現地まで一人)

数日間の大雪で、西日本でもかなり大雪が降ったので期待に胸膨らませて滋賀県に向かった。

(注)武奈ヶ岳(1214.4m)関西百名山の1つと言われてる。100も西日本に山あるんかな?と思ったがそうらしい。近くに関西では有名な「びわこバレー」ってスキー場がある。



ごん太のBC道具一式です。
ビーコン、ショベル、ゾンデ、スノーシュー、ヘッドランプ、アイゼン、ピッケル、予備の手袋、予備の下着類、REDバッグの中には医薬品、予備の電池、ローソクなどが入ってます。
非常食のコンデンスミルク、写真には写ってないけど地図とコンパスです。
行く場所によって少し装備は変わりますが
すべて背負うとかなりの重さです。
簡易ツェルト&ロープはまだ持ってません。

第2話、ショートスキー


集合場所は、朝の6時半に滋賀県の某スキー場のリフトのりば。
予想以上に早く到着してしまったので車の中でちょい仮眠。
先シーズン買ったダウンの寝袋でぬくぬく状態・・・・

「ブルブルブル!!!!!」と、、目覚まし時計代わりの携帯の
バイブレーションで目が覚めた。携帯ってほんと便利だわ。
辺りを見まわすとまだ真っ暗だったので、自販機のコーヒーを買いに行き、
車に戻る途中「ども!おはようございます!」って声をかけられた。
おっ!と思ったらガイドさんだった。どうやらガイドさんも車の中で寝てたらしい。
7ヶ月ぶりの再会。

少し空が明るくなったので準備を整え、リフト乗り場までみんなで行くことになった。
BCボーダーではめずらしいアルペンボードのハラさんが来ており、今回は新兵器を持参していた。
スノーシューの代わりに、手作りのビンディングを装着したハイク用ショートスキーを持ってきていた。
これはすごい。登りはかなり楽になりそうだ。うらやましいね。
リフト券&ロープウェイの往復券を買い、いざ出発!

第3話、屋根付き豪華シングルリフト

リフト乗り場でガイドさんが僕に向かってニヤニヤしながら話かけてきた。
「今から屋根付き豪華シングルリフトに乗れますよ。」
豪華??2年ほど前にここのスキー場に一度滑りに来たことがあったのだが
はたしてそんな豪華なシングルリフトだっただろうか?
半信半疑で乗り場に行き、ごん太一人が大爆笑!
確かに屋根付き豪華シングルリフトだが、ハンドメイドで作ったような屋根が
ボロボロのシングルリフトに取り付けてあるではないか。 
一人笑いながらリフトに乗りこむごん太を見て、リフトの係りのおじさんにはかなり奇妙に
見えたことであろう。


屋根つき豪華シングルリフト。


第4話、アクセス


ゴージャスなシングルリフトを乗ること約10分。
ロープウェイ乗り場に着いた。
みんなが登って来るまで少しの時間、展望台のような通路で景色を眺めると 
琵琶湖が一望できて感動的な美しさ。
地図で見るような琵琶湖の形がはっきりと見えるぐらい標高があったんやねー。
と関心しながらシングルリフトに感謝した。

みんながリフトを降りると次はロープウェイ。
ロープウェイの中はまるでラッシュ時の電車の中みたい。
終点に到着して外に出ると辺りは一面雪景色。
それからまた10分ほど歩いてやっとゲレンデ近くの山荘に到着。

それにしてもなんてアクセスの悪いスキー場なんやろ?
リフト乗ってゴンドラ乗り継いでさらに10分ほど歩いても肝心のゲレンデが見えない・・・・・・
おまけにここに来るまでのリフト&ロープウェイの料金は往復で2千円!!!!!
高すぎる!! またスキー場で滑る人はリフト代がいるのである。 
なんとも物入りなスキー場だ・・・・・・・でも良く考えて見ると2年か3年前に一度 
ここに滑りに来たことがあったのだが、ここが一番空いてて雪がよかったような気がする。

第5話、渋々


山荘に到着すると少し休憩。山頂付近にガスがかかっているため待機状態。
ストーブのある待合室みたいな所でコーヒー飲んだりトイレ行ったりと
時間を潰してるうちに「ふっ」と気が付いたのだが、みんなが囲んでいる
ストーブには火が着いてない・・・・
なんかストーブがあるだけで暖かく感じる(笑)

しばらくすると山頂付近のガスも晴れてきたので出発することにした。
少し歩くとゲレンデが見えてきたのでそこで板を装着して滑り降りると
バラック建てのようなリフト券売り場前に到着した。
これからハイクの始まりかな?と思ったら、ここのリフトを利用して山に入ってもいいみたい
なので、早速リフトチケットの1回券を購入することにした。 
数百円で少しでも楽できてよかったーと喜んでリフトに乗り一気に標高を稼ぐ。

リフトから降り、辺りを見まわしてみると少し疑問が浮かんできた。
いったいどこから山へ入って行くのだ・・・・・周りは藪だらけやど・・・・・
ガイドさんもどこから入っていいのやら少しとまどっている様子。
なんか嫌な予感・・・・・。
予感は的中、やはり藪漕ぎラッセル強行軍か!!!!
うへーーーこりゃたまらん!!
ガイドさんはとんでもない所から藪の中に入っていく。
その後姿を見ているみんなは渋々ハイクの準備に取りかかるのであった・・・・・


とんでもないところから入って行くガイドさん。
前は林と藪の中・・・・・・

第6話、方法


案の定凄まじいルート。
林の中を膝ラッセルで強行突破。
背中に背負っているボードが枝に当たり前に進めなくなったり、
木から落ちた雪が首の中から入り、背中まで入り込んで冷たいなんの・・・・

枝を避けながらへばりつくようにハイクしながら一行は前に進む。
そして少し林の途切れた所で小休憩。
ふー疲れた疲れた。

いつものようにポカリとカロリーメイトを食べていると、ザックに装着していた
ヘルメットがなんだかやたら重い・・・・中を見てみるとぎっしりと雪が詰まっている。
やはり・・・・・メットは被らない時本当に邪魔になるねー。
なんかいい方法を考えなくては・・・・・

延々こんな林の中を歩いてます。

第7話、登山道


少しの休憩を取ってまたまた出発。
相変わらず藪の中をひたすら歩きまくると、どこからか人の声が?????
なんでや?こんな山奥に????

さらに歩き続けるとそこには登山者がゾロゾロ歩いてる・・・・
不思議そうに僕たち一行を眺める登山者。 
出てきた所はなんとりっぱな登山道だったではないかー!
今まで苦労して歩いて来たのはなんだったんだ?(笑)

これもまたBCの醍醐味と自分に言い聞かせて登山者にまじってまたまたひたすらハイク。
やはり登山道はなかなか楽チンだわ〜〜〜〜途中すれ違う登山者も高齢者の方もおる。
すると突然 藪がなくなっていよいよ山頂が見えてきた。

第8話、ワンカップ


いよいよ山頂が見えてきた。
山頂付近になると突然木が無くなってハイクがずいぶん楽になった。
すでに登山者が結構いて記念写真撮ったり中にはワンカップで一杯やってる人もいる(笑)
ごん太も山頂で記念撮影(ビデオを他の登山者に撮ってもらったのだが・・・・
家帰ってみたら全然撮れてなかった・・・(笑)
しばらくすると辺りのガスも晴れてくるとすばらしい景色が現れた。
これだからBCはやめられない。

武奈ヶ岳山頂

第9話、こけてー


山頂での休憩中、ガイドさんが何やらちょこちょこと歩き回っていたので後をついて行くと
地図持って辺りを見まわしていた。
これからのルート確認かな?なんて思っていたのだがよくよく考えて回りを見まわしてみると、
この山頂から滑り降りれそうな斜面ってないですぜ。

回りは藪だらけやど・・・・藪の中ハイクして来たんだから山を下るのも藪では・・・・・・・
ガイドさんに近寄ってここって滑り降りれるルートってないですね?
って聞いてみると「昔はもっとあったんですけどね」〜〜〜昔って?
どうやら学生時代の話しみたいだ・・・・・
この時ごん太は覚悟を決めた。
今日は滑りではなくて雪と戯れに来たのだと。

それでも一応みんな滑る準備をして、いざ滑り降り始めたのだが
なんと登山道になってる稜線を滑り降り始めた。
ほかの登山者からしたら迷惑このうえない集団だ。
登山者のみなさんすみませんでした。でもここしか滑り降りれる所はないので(笑)
少しだけ滑ったような滑ってないような。すぐに止まってガイドさんの滑り降りて行く
方向を見守っていたらとんでもないスーパー藪の中に消えて行くではないですか。
こんな所だれも滑ろうとは思いませんぜ普通・・・・それにしてもすごい人だ。

感心して?あきれて?(笑)ガイドさんを見守っていると側を通った登山者が声をかけてきた。
「ここを滑るんですか?」
「・・・・・・一応滑る予定なんですけど。」
「へーすごいですね、ここでスキーやってる人は見ましたけどスノーボードやってる人は初めて見ました。」
そりゃーそうだろ、こんな所だれも滑ろうとは思いませんよ!
って口に出そうだったがやっぱりやめにして
「そうなんです!がんばって滑ります!!!」
とかっこつけて滑り始めると先ほどの登山者一行が
「こけてーこけてー」
って大声で笑いながら後で叫んでやがる!!
とんでもない登山者だ。

第10話、天然パイプ?


登山者の暖かい声援をうけて滑り始めたのだが、とてもスノーボードできるような斜面ではない。
藪の中をボード履いて転がり落ちてるって言うのが正解かもしれん。

後から次々とボーダーがやって来るのだが、みんな「ギャー」とか「痛てててて」
とか悲鳴を上げてやってくる。少し下るとちょっとだけマシな斜面が出てきたけど
そこは沢だ・・・・・良く言えば天然パイプ、しかしボトムには倒れた木などが
ゴロゴロしていてまともにスピードが出ない。
沢筋伝いに降りて行くと予想通り雪が無くなって川が出現した。
あぶないあぶない。
コースを変更して林の中を滑り降りて行くと先発隊のスキーヤーがいた。
ここがちょうど谷になっていて終点のようだ。


ここがましな斜面です。(笑)
こんな所ば かり滑っています。

第11話、小枝


降りたら登りだ。
回りは山に囲まれてだれがなんと言おうとこれから登りだと言うことはわかる。
しかし中にはこれから登りですかー? 
なんて聞いてる輩もいるから困ったもんだ。他に道らしき物はないぞ。
急いで登りに備えて準備を整え歩きはじめた。

今度もやはり林の中・・・・・・・ところが先ほどの林より少し滑りやすそうだ。
今度こそ少しはまともに滑れることを期待して登って滑ったのだが・・・・
ここは見た目より全然良くない!!
木と木の間隔はなかなかいい感じだが
足元にまとわりつく小さな小枝がエッジにひっかかり前に進まない。
あれこれもがいていると下に降りてしまった・・・情けない。
また登りか・・・・・・

第12話、地獄


降りたらまたまた登り・・・・。
わかっているけど登り返しは辛い。
登りきると休む間もなく移動だ。スノーシューつけてまたまたハイクの始まり。
少し登っただけなのにもう滑る準備がきた。これはラッキー!と思いながら滑る準備をする。
お昼も過ぎてそろそろ下山の時刻なので滑りながら沢を降りてロープウェイ乗り場行予定。

下りは沢を下って行くのだが、これがごん太のBC人生始まって以来のとんでもない所。
ボコボコの林だらけで穴だらけの沢。
まだまだ付け加えることはあるがこのくらいにしておきます。

いざ気合入れて滑り始めても結果はボロボロ・・・・こけまくりの転がりまくり。雪と戯れました。
とどめは穴落ち。少し勢いつけて穴を避けて滑り降り木にしがみ付こうとしたのだが
穴に吸い取られるようにズルズルと落ちて行く・・・・・これはやばい!と思ったのが束の間
自分の背丈以上の穴にみごとに落ちた。
幸いにも穴の下の水の量は少なくて助かったのだが
大きな川だったらやばかった。

とにかくここから脱出しなければならないのだが、這い上がろうとすればするほど雪が崩れて
身動きが取れなくなる。回りのみんなはすでに下に降りて行ってごん太が一人。
この時ほど心細い状況はなかった。とにかく「冷静に冷静に」と自分に言い聞かせて行動を
とることにした。
まずBINをはずして板を手に持って目の前の雪の壁に突き刺し、少しずつ少しずつ
這い上がりなんとか脱出できた。回りを見まわして見ると人の姿があったので追っかけると
同じツアーのメンバーの人だった・・・・・よかった。無事合流できた。

第13話、最終


とんでもない沢もさらに下って行くとさらにとんでもない場所になってきたので
とうとう板をはずしてハイクすることになった。
(あまりにもとんでもない所だったので写真を撮る余裕もなかった)

何やら小屋らしき建物も見えてきてちょっと安心。さらに歩くと登山道に出て
標識を発見してさらに安心。しかし時間を見るとすでに夕方の4時を少し回ってる。
ガイドさんが
「みなさんちょっとここで待っててください。みんなが集まったら来て下さい」
と言われたので待機することにしたのだが、ここのロープウェイは5時が最終のはず・・・・・
どうやらガイドさんが先に行ってロープウェイの最終時間を少しのばしてもらう
ように交渉に出かけていたのだった(笑)

しばらく待ってみんなも集まり出発するとすぐにゲレンデに出た。
ガイドさんが帰ってきてみんなに説明しだしたのだが最終のロープウェイまで
あと20分・・・・・たどり着けるだろうか。

ロープウェイの時間延長の交渉に失敗したガイドさん。みんなに報告しているところです。

第14話、エイリアン2


あと20分!!急いで 急いで!!と心の中ではかなり急いでいるのだが
身体がなかなか言うことを聞いてくれないのが辛いところ。
いつも思うのだがBCでのハイクよりパイプやワンメイクのハイクの方が
なんか精神的に疲れるのはなぜだろ?今回もその状況に近い。
恐ろしいほど緩斜面なコースをハイクしているのだがこれがやたらめったら辛い。
時間はどんどん過ぎて行く。

やっとロープウェイ乗り場が見えて来た時
「あと3分で最終が発車しまーす」
って アナウンスが入った。これはやばすぎる!!!
エイリアン2の最後で基地が核爆発する数分前のリプリーの心境だ。
わかるかな?

おまけに後を見るとまだまだ間に合いそうにない人たちがおるやんかー
あきらめ半分歩いて下山を覚悟しつつ駅に到着。 
自分はなんとか間に合ったほっと一息。
しかししかし、みんなをほっといて下山するわけにもいかないのでロープウェイの
発車時間をぎりぎりまでのばして全員乗り込ませることに成功したのだった。 
はー疲れたよ。


最終話、夜景


ロープウェイに乗り込んでほっと一息。
辺りはすでに真っ暗。

今回の武奈ヶ岳は本当に大変やった。
穴に落ちたり、とんでもない沢を下ったり、
ロープウェイの最終には遅れそうになったり。
走馬灯のように今日一日の出来事がぐるりぐるりと頭の中を駆け巡ってきた。

なにげなく隣に立っていたガイドさんに、今日もしロープウェイに遅れて
歩いて下山したら何時間ぐらいかかったでしょう?って聞いてみた。
すると
「うーんそうですね〜5時間ぐらいかかったかな?」
5時間!!!!!!!!!!!しばらく声が出なかった。
もし本当に乗り遅れていたら恐らく下山時刻は夜の11時頃になっていたはず・・・・
自分は2時間ぐらいで下山できるだろうと勝手に考えとったが甘かった。
それにしてもマジでやばかったんだ。

ロープウエイを降り屋根付き豪華シングルリフトに乗り継ぐと琵琶湖の夜景が
一面に広がっている。今日一日いろいろあったけどこの夜景を見たらすべて
吹っ飛んだ感じ。きれいだねー。


おしまい。



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