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スイングと体幹の動き(2/5)
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実際のフォームの観察

  二人のスイングが異なる選手の「踏み切り」から「フォロースロー」までの実際の動きを比べて、体幹の動きについて考えてみました。

A選手(男子 サーキュラー・アームスイング)
B選手(女子 ストレート アームスイング)

  ともにVリーグで活躍しているアタッカーです。ほぼ同じタイミングで打っていますが、両者のフォームはかなり違って見えます。目につく大きな違いは「踏み切り」の時の体の向きです。A選手は踏み切り時に一旦、両胸と腰が左横を向いて、いざ打つときになり、こちらを向きますが、B選手は踏み切り時からずっとこちらを向いたままです。

A選手B選手

  横軸方向から見た画像です。この方向から見てもA選手は両胸がこちらを向いた後、打球方向に向く動きをしていますが、B選手の両胸は踏み切りから打球方向を向いたままです。A選手、B選手ともに「反り」と「反り戻し」の動きがありますが、B選手の「反り戻し」は上半身を覆いかぶさるように大きく、前後に体を振る振幅の大きさはA選手よりも大きいことがわかります。

「ストレート・アームスイング」と「サーキュラー・アームスイング」の体幹の使い方の違い

  二人の選手の体幹の動きの特徴をまとめてみましょう。

◎「ストレート・アームスイング」

反り反り戻し*

  踏み切り時から両胸と腰の部分は打球方向を向いています。これはフォロースローに至るまで変わりません。「ひねり」動作がほとんどないために体幹で「反り」と「反り戻し」を大きく使うことによって、ボールに勢いを与えることになります。ストレート・アームスイングは「反り中心」のスイングと言えます。

◎「サーキュラー・アームスイング」

ひねりひねり戻し*

  踏み切りの時は両胸と腰がともに左横を向いています。ジャンプ後、まず腰の部分だけが回旋して、正面を向き、遅れて両胸が正面を向いて来ます。腰と両胸の回旋に時間の差があることより「ひねり」の状態ができ、打つ時には「ひねり戻し」動作により、ボールを打っています。こう考えるとサーキュラー・アームスイングは「反り中心」のスイングのストレート・アームスイングに対して「ひねり中心」のスイングと言えそうですが、側面でのA選手の動きをよく見ると、「反り」と「反り戻し」の動きも含まれています。ストレート・アームスイングが、ほぼ「反り戻し」だけを使っていることに対して「サーキュラー・アームスイング」では

「反り戻し」+「ひねり戻し」

と二つの体幹の力が加算されていることになります。体幹の「ひねり」のパワーは「反り」のパワーの2倍であるという結果の調査もあります。(前述した「投げる科学」大修館書店 桜井伸二編著より)単純な足し算とはならないにしてもサーキュラー・アームスイングはパワーを発生する上で優れていると言えます。

「ボウ・アンド・アロウ・アームスイング」の体幹の使い方

  もう一つのスイング型であるボウ・アンド・アロウ・アームスイングはどうでしょうか?

◎「ボウ・アンド・アロウ・アームスイング」

ひねりひねり戻し*

  体幹の動かし方はストレート・アームスイングとサーキュラー・アームスイングとの中間にあると言えます。踏み切りの時はストレート・アームスイングと同様に両胸をネットに平行に向ける入り方でジャンプをしますが、踏み切り後、空中で両胸を後ろに回旋させます。腰の部分は回旋せずに前方を向いたままで残りますので体幹に「ひねり」状態が生じます。そしてサーキュラー・アームスイングと同様に「ひねり戻し」の力を使いボールを打っています。ボウ・アンド・アロウ・アームスイングは踏み切りこそストレート・アームスイングに近いのですが、「反り」の力だけでなく「ひねり」の力も使うフォーム(ストレート・アームスイングの発展形?)と言えそうです。

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