イングランド、グループリーグ敗退。2002W杯に黄信号

 フランスの劇的なVゴールで幕を閉じたEURO2000。イングランドはグループリーグを1勝2敗の成績で敗退という残念な結果に終わった。
 Aグループ1戦目はポルトガル戦。まだお互い探りあいの状態である序盤にベッカム、スコールズのマンUホットラインで先制。その後、ルイコスタ、フィーゴを中心としたポルトガルの中盤にボールを支配されるが、18分ベッカムのクロスがファーサイドまで流れたところをフリーのマクマナマンが冷静に流し込み2ー0となった。しかし、22分にフィーゴにアダムスの股間をぬける豪快なミドルシュートを決められるとポルトガルの一方的な試合展開になる。サイドからフリーでいいようにクロスボールをあげられ、37分ジョアン・ピントに同点弾、後半14分ヌノ・ゴメスに決められついに逆転される。終了間際、得意のロングクロスから同点を狙うもかなわず、ショックの残る敗戦スタートとなった。
 2戦目の相手ドイツも、1戦目はあまり見せ場なくルーマニアと引き分けで、因縁の一戦は敗れたほうが早々とグループリーグ脱落という展開に。中盤の構成力で勝るドイツがゲームを有利にすすめるが、キャンベルがヤンカーを確実にブロックし、ケガで欠場のアダムスに変わったキーオンが奮闘し得点を与えない。そして後半18分、右サイドからのベッカムのFKがワンバウンドしてファーまで流れたところをシアラーが渾身のヘッドで先制。その後もセンターバック2人の活躍でドイツの反撃をかわし最終戦に望みをつないだ。
 引き分けでもグループリーグ通過が決まるルーマニア戦。先制されるものの、41分PK、前半ロスタイムにオーウェンがオフサイドギリギリを抜け出しゴール。逆転に成功し、グループリーグ突破は確実と思わせた。しかし、後半3分マーティンの弾いたボールをムンテアヌに叩きこまれると、終了間際にペナルティエリア内でP・ネビルがファウルを犯し、PKで逆転されグループリーグ突破は泡と消えた。

 挙げられる敗因として、まず第一に中盤の構成力が乏しかった。ベッカム、スコールズは時折効果的な動きを見せるものの、その他のインス、ワイズがディフェンス一辺倒で攻撃に移ってもミスパスが多かった。初戦でケガをしたマクマナマンの離脱は痛かったが、それを差し引いても中盤の人材不足は深刻だった。
 2トップのシアラー、オーウェンは得点こそ挙げたものの、それ以外の時間では消えている事が多く、オーウェンと交代で起用されたヘスキーも効果的な働きをすることができなかった。
 今大会で両サイドバックを勤めたネビル兄弟はともに評価を下げる結果となった。兄のガリーは今年1月行われた世界クラブ選手権を思い出させるような危険なバックパスを見せ、弟のフィリップは最終戦で致命的なファウルを犯した。両サイドとも効果的なオーバーラップは少なく、クロスの制度も低かった。マンUでもウィークポイントである彼らが代表のレギュラーポジションを勤めるていることが、選手層の薄さを証明している。
 2002年W杯予選でドイツと同組に入ったのは、ある意味ではラッキーなのかもしれない。しかし、イングランド代表も相当重症であり、予選が始まる10月までの間にどこまで立て直せるのか。日本でイングランド代表を見るためにはまだまだ乗り越えなければならない壁がいくつもある。

(00.07.19)



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