大潮・小潮ってなあに


大潮だとか小潮とか、潮まわりがどうだこうだとかダイバーであるなら一度は聞いたことがあると思います。しかし、大潮とか小潮とかが『こういうものだ』と知っている方は多くても、そのメカニズムまで知っている方はそんなに多くないのではないでしょか。今回はそんなことにお答えしてみます。
まず大潮・小潮にいきなりふれるのではなく、まず潮汐について考えてみましょう。

みなさんが御存知の通り、海面の高さは一定ではなく高くなったり低くなったりしています。海面が一番高い状態を『満潮』、一番低い状態を『干潮』と呼びます。基本的に満潮と干潮は1日に2回ずつ入れ代わります。この海面の周期的な上下の変化を『潮汐』といいます。
なぜ潮汐が起きるのでしょうかともうしますと、それは月と太陽の引力により引き起こされると考えられています。しかし、基本的には月のが地球に及ぼしている潮汐力(月の引力が地球のそれぞれの部分に及ぼしている引力の差)の方が太陽による潮汐力の2.4倍ほどあるので、月の日周運動による潮汐が目立ちます。それではそのメカニズムについてみていきましょう。
御存知の方もいると思いますが、月と地球は共通の重心を軸として、約27日に1回の円運動を行なっています。そして月と地球はそれぞれ万有引力で引き合っていますが、月と地球との相互運動による遠心力が働いているため距離が一定に保たれているます。つまり、地球は自転をしながら月の周りを回っているので、月の引力に引っ張られている反対側では、それと同等の遠心力が働いていることになります。

その為、月に向いている側の海面が引力により引っ張られ海面が上昇して満潮となると、その裏側の海面も遠心力により引っ張られ、結局満潮になります。となれば当然中間の部分はといいますと、水を持っていかれるため干潮となるわけです。そして地球は1日に1回自転をしているので、満潮と干潮が2回ずつやってくるわけです。
このようにして潮汐により、海面は上下し高さを変化させます。このとき干潮と満潮の高低差が一番大きいときを『大潮』、また高低差が一番小さいときを『小潮』といいます。なぜ潮の高低差が変化するというと、先に述べたとおりに潮汐は月と太陽の引力の影響を受けています。したがって、この太陽と月と地球の位置関係により高低差を生じるのです。

右の図を見ていただければ理解できると思いますが、ひと月に一度、新月と満月の日には月と太陽と地球が一直線に並びます。並びが太陽・月・地球の(新月)ときは太陽と月の引力が重なり合うことにより海面が引っ張られ、また逆に太陽・地球・月の(満月)の日には太陽と月がもっとも引っ張り合うので海面の高低差が大きくなり大潮となります。
また地球を軸にして月と太陽が直角になる日(上弦、下弦の月)は、その位置関係から干潮の領域が太陽の引力によって引っ張られるため、海面の高低差が一番小さくなり小潮となります。そして月は約27日で地球を一周するため、大潮と小潮は1か月に2回づつあることになります。
また潮の区分けをすると次のようになります。
【大潮】:潮の潮汐差の大きい状態で、新月や満月の前後数日間のこと。
【中潮】:大潮と小潮の間の期間のこと。
【小潮】:潮の潮汐差の小さい状態で、月の形状が半月になる上弦や下弦の前後数日間のこと。
【長潮】:上弦、下弦を1〜2日過ぎた頃、潮汐差が一段と小くなり、満潮・干潮の変化がゆるやかでだらだらと長く続くように見える小潮末期期間のこと。
【若潮】:小潮末期の長潮を堺に大潮に向って、潮の潮汐差が次第に大きくなります。このように潮が再び大きくなる状態を"潮が若返る"と言い、長潮の翌日を若潮といいます。