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844(2008/04/24) 聖ジョージ・クロス

イタリアの海の紋章の右上の白地の赤十字は、ジェノヴァの紋章であるが、これはジェノヴァの守護聖人・聖ジョルジョ(英名聖ジョージ)の象徴とされ、イングランドの国旗にも採用され聖ジョージ・クロスとして知られている。

聖ジョージ・クロスとは、聖ゲオルギウス(英:聖ジョージ、伊:聖ジョルジョ)の象徴とされる白地に赤のギリシア十字の旗で、イングランドとロンドンの旗として有名だが、もとはジェノヴァ共和国の旗だった。十字軍のとき、聖ゲオルギウス伝説とともにイングランドにもたらされた。

ジェノヴァ共和国の国旗
イングランドの国旗
ロンドン市の旗
ロンドンの守護聖人も聖ジョージ

聖ゲオルギウスはジェノヴァの守護聖人のひとりではあるが、聖ゲオルギウスと白地に赤十字の旗との関係は実ははっきりしない。ジェノヴァ共和国が白地に赤十字を旗章としたのは、むしろピサ共和国との関係で見た方がいいかもしれない。

ピサ共和国 ジェノヴァ共和国

ピサ共和国の旗は、赤地に白(オクシタニア)十字。これに対し、ジェノヴァ共和国の旗は、白地に赤(ギリシア)十字。十字の意匠はともかく、色は赤と白が反転した関係にある。ジェノヴァにとってピサは先輩格にあたる。

これと同じ関係にあるのが、聖ヨハネ騎士団とテンプル騎士団。聖ヨハネ騎士団は、1130年教皇インノケンティウス2世によって赤地に白十字が騎士団の「しるし」として公認された。一方、テンプル騎士団は1147年、教皇エンゲニウス3世によって騎士団の「しるし」として白地に赤十字が認められている。両騎士団が、教皇によって認められた「しるし」は、赤と白が反転したものであり、しかも、先輩格の聖ヨハネ騎士団が赤地に白、対して後発のテンプル騎士団が白地に赤。ピサとジェノヴァと同じ関係のように思える。

聖ヨハネ騎士団 テンプル騎士団

ジェノヴァ共和国の白地に赤十字に対し、隣国サヴォイア公国の旗は、反転した赤地に白十字
ミラノ公国もジェノヴァと同じ白地に赤十字なので、サヴォア公国とは反転の関係にある。

サヴォイア公国の国旗 ミラノ市の旗(現在)