


「メジャーを救ったチーム」
左から、ジャック・ジョーンズ、トリイ・ハンター、
A.J.ピエルジンスキー、ダグ・ミンケイビッチ。
この地区の順位予想 ただいまの順位 (おらがチームは "Minnesota"
)
おらがチームのひとびと (登場人物紹介。工事中です) ARCHIVES (バックナンバー)
HOME
No.288 デビッド・オルティスを自由契約 (02/12/30)
日本人にはまず全くと言って知られていない選手と思われる。いや、アメリカ人でも彼の名前と顔が一致するのは、ミネソタのおらがチーム・ファンだけ、であろう。
指名打者で、今季の打撃成績は、打率.272、打点75、本塁打20本。パッとしない成績である。
しかし、おらがチーム・ファンには強烈な印象を残している打者だ。
去年のロイヤルズ戦では、本塁突入の際に右手首を骨折したのに、次の打席で、その骨折した右手首で本塁打をかっとばした。(さすがに、この試合後に故障者リスト入りしたが。)
左投手に弱いことから、相手の先発投手が左投手だと、トム・ケリー監督(当時)の方針で、ベンチを温めさせられることが多かった。
だが ―
相手の左腕先発がマウンドから降りて右腕投手に代わるのと同時に、ケリー監督はオルティスを代打に送り、オルティスが見事スタンドへかっとばす、というシーンを、何度も見せてくれた。
トム・ケリー氏のあまりにもわかりやす過ぎる采配にわたくしはアングリと口を開けることが多かったが、これがまたいつもドンピシャと当たりまくったので、またまた口をアングリと開けるしかなかった。特に、当時の天敵インディアンス戦で。(そのうちの1回は、おらが球場で観戦したときだった。)
今、この采配を振りかえってみると、チームメイトたちに絶大な人気のあるオルティスをくさらせないために、大事なところで彼のプライドをくすぐる必要を、トム・ケリー氏は感じていたのかもしれない。
なにせ、トム・ケリー氏の監督辞任理由が、
「ウチの若い連中たちとつきあってて、疲れちまったから」
であるから。
★ ★ ★
今季も、オルティスは故障したり、左腕相手にさっぱりだったりしたが、ガーデンハイヤー監督は辛抱して先発DHに起用しつづけた。
ガーディがDHに据えたかったのは、本当はオルティスでなくレクロイなのは公然の秘密だったのだが、
「『継続して先発させてください。そうすれば結果を出せます』って、あいつがしつこく言うんだよ」(ガーディ)
ということもあったうえに、オルティスが調子を上げて結果を出すと
「さすがガーディ!トム・ケリーと違って、忍耐強くオルティスを使ってくれたから、オルティスも結果が出せた!」
などと、おらがスターハンターやジョーンズたちが誉め殺しというかたちで騒ぎたてるので、ガーディもオルティスの使い方にますます神経をすり減らすことになっていったのは、このコーナーでも以前ご紹介した通りだ。
トム・ケリー氏が退任記者会見で
「ウチの若い連中たちとつきあってて、疲れちまったから」
と語ったのは、正直な本音だったのかもしれない。
★ ★ ★
おらがチームの去年の公式パンフレットを見ると、おらがチームの選手のほとんどが、チームメイトで最も大好きな選手に、このオルティスを挙げていた。
存在感があるうえに、いつもギャグを飛ばすのを忘れないから、という。


このことについて、今月初めに、オルティス本人に「どう思うか?」とすたあ・とりびゅうん紙記者が尋ねたところ、オルティスは次のように答えていたという。
「チームメイトといい人間関係を維持すること、それが俺にとって一番大事なことなんだ」
★ ★ ★
今回、おらがチームがなぜオルティスを放出する決断をしたのか、ライアンGMにご説明いただかなくとも、ファンには簡単に想像がつくのだが、それでもライアンGMは説明した。
「ウチの打線の課題を克服するためには、つらい決断ではありますが、こうせざるをえませんでした」
左腕アレルギーに罹っているおらがチーム打線の中で、オルティスも例外ではなく、対左投手になると、今季も打率.203とさえなかった。
それだけでなく、投手の右左に関係なく、オルティスの得点圏打率は.240と、指名打者に期待される数字を残せなかった。
そして、やはり故障して、ベンチを温めることもときどきあった。
この故障について、オルティスが言うには ―
「俺は、DHをやらされる前は、故障なんかしなかったんだ」
「DHをやらされてから、ちょくちょくケガしちまうようになったんだ」
「一塁の守備をやらせてもらえれば、ちゃんとプレーできるのに」
そうなのだろうか?
首脳陣からしてみたら、、一塁の守備がダメなのに打撃に光るものがあるのでマイナーに落さずDHの仕事を与えてやった、のではないだろうか?・・
以上のとおり、オルティスの言動には、首脳陣やフロントに
「あいつは使いにくい」 「ぐだぐだと文句や注文ばかりつけやがる」
と思わせるものが多い。この辺も、放出を決断させた理由として隠れているのかもしれない。
だが、オルティスに対する他の選手たちの人気は絶大だ。冷たい放出の仕方をしたら、他の選手たちから不満と怒りの炎が巻きあがるかもしれない。
★ ★ ★
その辺に配慮して、なのだろう、ライアンGMもガーディも、今回の決断が苦しい決断だった、ツライ、と、変に強調しているのだ (というと裏読みしすぎか)。
「決して簡単な決断ではありませんでした。個人的にもわたしはデビッドが大好きですし、彼が打席でなしとげたことの中には、わたしが忘れられないものがありますし、それに、誰もが彼のことが好きです」(ライアンGM)
「彼の潜在能力とパワーからすれば、必ず、彼を必要とする球団があるとわたしは信じてきました。ですから、複数の球団に、わたしはトレードの交渉を持ちかけました。でも、結局それは成立しませんでした。非常に残念です」(ライアンGM)
オルティスの移籍先が決まらないまま自由契約にした理由については、メジャー登録枠25人にどうしてもいれたい選手がレンジャーズの四軍(1A)にいたため、登録枠を空けるためにやむをえなかったから、という。
だが、「オルティスの移籍先を見つけようと、わたしも精一杯、努力だけはしたのだ。このことをどうか理解してほしい、ウチの選手たちよ」というのが、ライアンGMの強調したいポイントらしい。
ガーディは、というと ―
「あいつは、クラブハウスで一番人気のある奴だ。だから、こんなに辛い選択はない。だが、それでもウチは、とりくまなきゃいかん課題があるんだ」
ファンの眼からすると、オルティスの放出のことについて、GMと監督がそろって、「辛い決断だ」などと強調する必要は、全然なさそうに見える。
だから、ライアンGMもガーディも、ファンに向かって言っているのではなくて、おらがチームの選手たちに向けて言っているのだろう。
★ ★ ★
ライアンGMとガーディのふたりは、オルティスの自由契約の原因となった、レンジャーズ1Aからの選手獲得 (ルール5ドラフトとかいう方法による) について、
「すばらしい潜在能力と素質にあふれており、守備と足と打撃で魅せるすばらしいユーティリティー・プレーヤーになってくれるだろう」
と絶賛している。
だが、この四軍の選手の獲得のことを、こんなに気合を入れて正当化しようとしている二人の真の動機は、やはり、
オルティスを自由契約したことについて
怒っているに違いない
おらがチームの選手たちを
なだめる
ことにある
のだろう (というのは裏読みし過ぎだろうか) 。
No.287 ホワイトソックスの挑発放任宣言 (02/12/29)
「来年、ツインズがまた95勝もする、なんてことはありえない」
「だから、あいつらが地区優勝するのもムリだし、プレーオフ進出だってないね」
― 今オフ、アスレチックスからホワイトソックスに移籍したストッパー、ビリー・コッチのコメントから。
なお、このコッチ投手は、プレーオフ地区シリーズ最終戦で、最終回にピエルジンスキーのツーランなどで3失点した。
つまり、おらがチームのリーグ制覇への道を広げてくださった方でもある。
★ ★ ★
ウインター・ミーティングという、わたくしも未だ何をやる会議なのか正確に把握していない、大会議が開催された。
要するにいろんなことをやる会議だったらしいが、この大会議のひとつのイベントとして、「メジャー・リーグ監督とマスコミ関係者の食事会」という、わかりやすい行事が、今月16日に開催された。


26個もテーブルがあるのに、なぜか、ガーデンハイヤー監督とジェリー・マニュエル監督(ホワイトソックス)のテーブルが、よりによって隣あってしまった。
食事会の開催が宣言される前に、ガーディはマニュエル監督に話しかけた。
「ちょっと、いいですか、ジェリー?」
「何だ?」
まわりのマスコミ関係者は、コッチのあのセリフの件だろうと思って、ザワついた、という。
「コッチの奴のセリフを新聞で知ったとき、俺が何って言ったか、わかりますか?」
「 『クソッ、またかッ!』ですよ」
マスコミを使った挑発をやめるようにちゃんと選手を指導しろッ、と言いたかったのだろう。
ところが、なんと、マニュエル監督はクスクス笑ったという。
そして ―
「コッチは、『ツインズはすばらしいチームになった』 というセリフも言ってるんだ」
「だが、お前もよーく知ってるだろ、マスコミってのは、刺激的なところだけ取り出して伝えやがるもんだ、って」
ガーディはグッと押し黙った。
まわりに居たマスコミ関係者は、マニュエル監督のセリフにどう反応したのか、咳払いだったのか、それとも苦笑いだったのか、は、すたあ・とりびゅうん紙の記者は書いていない。
食事会が始まると、何事もなかったかのように、二人の監督は雑談で談笑していた、という。
ということは、要するに、
このまま選手たちが、
グランドの外でおらがチームを挑発し続けるのを、
マニュエル監督は ほったらかしにしておく
という結論らしい。
そういう理解でいいのか? ― と、すたあ・とりびゅん紙記者がホワイトソックスGMケニー・ウイリアムス氏に尋ねた。
ウイリアムスGMの答えは、非常に礼儀正しく丁寧だったものの、その本旨は「挑発してどこが悪い」という、とんでもないものだった。
「誰だって、選手の自信が好きです。選手の闘争心が好きです。わたしは、彼らの自信と闘争心を完全に支持します」
「しかし、かといって、ツインズの選手とそのなしとげたことについて、ある程度認めることは我々にも必要でしょう」
「ですから、わたしは、ツインズに対して、適度な尊敬を示すつもりです」
「ですが、わたしがこのように言うからといって、ウチがツインズを完膚なきまでにたたきのめすのをやめた、とはとらないでください」
「ウチはやり返さなければならないのです。2年連続してやられて黙っている訳にはいきません」
気持ちはわからないでもないが、ホワイトソックス・ファンならともかく、組織の重要なポストにいるGMがマスコミに向って広言すべきせりふではないだろう。
どうやら、このウイリアムスGMは、ヴァカGMに属する人らしいことが、わたくしにもわかりはじめた。
とにかく、いずれにしろ、ホワイトソックスは、監督もフロントも、このままひきつづき選手たちを放し飼いにすることが、はっきりした訳である。
「それでもいいさ、要は、グランドで決着つけりゃいい、ってことだから」
と、ガーディは語ったという。
(オマケ)
この食事会のあと、ジェリー・マニュエル監督は、おらがチーム打倒の戦略を報道陣に述べた。
「去年と今年のツインズは、試合終盤の試合運びがすばらしかった」
「しかも、試合が終わりに近づけば近づくほど、いやらしい攻撃をしかけてきた」
マニュエル監督がおらがチームのことを誉めるのは、きわめて珍しい。
「1点差ゲームになると、1勝5敗と、ウチは完敗だった。ウチは終盤の詰めが弱かった」
「抑えにコッチを獲得したことで、来年、ウチはツインズと互角に渡り合えると思う」
一方、ガーディも、ホワイトソックスを警戒すべき理由を、報道陣に述べた。
「実績を挙げてる奴が打線にずらり並んでるからなあ。調子に乗せたら手におえないだろう」
しかし、わたくしチートイツの印象では、ホワイトソックスには長期の戦力編成ビジョンが不在、という気がしてならない。
来季も、主力に故障者続出、意味不明のトレード実施、あまりできのよくない若手ばかりファームから昇格、前のシーズンに飛躍した選手が今年はダメ、頼りはマニュエル監督のやりくりだけ、というおなじみの現象を、繰り返しシカゴのファンに披露するだけ、のような気がする。
楽しみはせいぜい、ナイスガイの若きスラッガーポール・コナーコが、来年さらにどこまで飛躍するか、ぐらいしかないのではなかろうか(ちょっと言い過ぎか)。
わたくしが警戒すべきだと思うのは、ホワイトソックスではなく、むしろ
― 2004年まで優勝できません。
とファンに説明し、
― ライアンGMのトレード手法に学びました。
と告白するあの若いGMシャピロ氏が戦力編成をしている、インディアンスの方なのだが。
No.286 ガーデンハイヤー監督に届いた無気味な激励の手紙 (02/12/28)
― とは言っても、手紙をもらった当のガーディ本人は、天にも昇る気持ちで大喜びしている。
何しろ、その手紙をキチッと広げて額縁に入れて、部屋に飾っている、というのだから。
不気味な手紙だ、というのは、わたくしチートイツの感想である。
なんであの野郎が今ごろになってこんな手紙をガーディに送ったのか? ― と思うと、気味が悪くて悪くて、仕方がないのである。
★ ★ ★
エンゼルスの黒魔術的猛打の前にリーグ制覇を阻まれたおらがチーム。
ガックリして意気消沈していたガーディのもとに、ある日、手紙が届いた。
ガーディは、その手紙の文面の一部しか、すたあ・とりびゅうん紙に公開していないが、それによると
― すばらしいシーズンだったじゃないか。おめでとう!
― ツインズの今年の快進撃のことを 「突然変異 ("あべれいしょん") に過ぎない」 と言う奴がいるが、わたしは全く同意できんね。
という内容だったらしい。
「突然変異」云々というのは、シーズン中のセリグ・コミッショナーの台詞を意識してのものらしい。
「ツインズの今年の快進撃ですが、あれは突然変異 ("あべれいしょん") 、常軌を逸した超常現象にすぎません」(セリグ・コミッショナー)
セリグ氏本人は、
「あのダメ球団があんなに勝っているのはマグレだ」
といいたかったのではない。「超常現象にすぎない」と言ったあとで、なぜそう言うのか、ちゃんと、次のような 「補足説明」 をしている。
「あんなにすばらしい成績を挙げているツインズの選手たちが、今の年棒で我慢するはずがなく、したがって、来年以降は、彼らも次々にツインズから出て行くに違いありません」
これはこれで、「今更あんたなんかに言われなくたってコチトラわかってるんだ!」という気分にさせられる「補足説明」だが、この「補足説明」は、なぜかおらがチームの選手たちに伝わらず、「補足説明」 の抜け落ちた最初の台詞だけがひとり歩きして、
よりによってコミッショナーが
ツインズに向って
「お前らみたいなダメ選手たちで勝っているのはマグレだ」
と
はっきり
罵倒した
と解釈され、ハンターやジョーンズ (そして、おそらくその他選手全員とガーディら首脳陣全員) を激怒させた。
思うに、信頼されていない人間の 「補足説明」 などにじっくり耳を傾ける人はいないのが、この世の道理なのかもしれない。
ところで、「無気味な手紙」の話に戻ると、この手紙の送り主もどうやら、セリグ氏の 「補足説明」 を知らない人らしい。
なぜなら、手紙の文面からみて、この送り主も 「あんたたちのことをダメ球団だとセリグは言っている」 ととっているからだ。
大喜びのガーディは、この手紙を額縁に入れて部屋に飾った、という。
「俺もいっぱい手紙をもらうんだがな・・こんなに勇気づけられる手紙もらったのは生まれて初めてだよ」(ガーディ)
この喜びようからすると、手紙の中には、ガーディがマスコミに公開するのも照れくさい誉め言葉が、まだまだたくさん並べつらねてあったものと思われる。
しかし、そんなに素直に喜んでいいのだろうか?
全米のメジャーリーグ・ファンをびっくりさせ、そして感動の渦にまきこんだ、ミネソタ州地裁クランプ判事のあの大岡さばき(おらがチーム解散阻止判決)が出たとき、この手紙の送り主は、次のようにコメントした。
「田舎のあんな変てこな判決で、へこまされてたまるか」
「我々は不退転の決意をもってやっているんだ!」
「今年だめでも、来年つぶしてみせる」
つまり、どう考えても、この手紙の送り主は、おらがチームの敵、ミネソタの人々の敵なのである。
これを遺恨と言わずして、いったい何を遺恨と呼べばよいのだろうか。
おらがチームに遺恨だらけのこの輩は、なぜガーディに激励の手紙を送ったりしたのか?
「ポスト・トーリ」の有力候補として、今のうちからガーディのご機嫌をとって唾をつけておくつもりなのだろうか?
そう、― もうお察しのことと思うが、この手紙の差出人欄には、次のように書いてあった。
ニューヨーク・ヤンキース 球団事務所
ジョージ・スタインブレナー
No.285 自己評価 ― ジャック・ジョーンズの場合 (02/12/27)
「俺もハンターと同じ扱いを受けてしかるべきだ」
保養先のアトランタで、ジャック・ジョーンズが吼えた、と地元紙すたあ・とりびゅんが報じた。
「代理人からきいたんだけど、このオフの契約更改で、ウチのフロントが複数年契約を結ぶつもりになってるのは、トリイ(ハンター)だけっていうじゃないか」
「どうしてなんだよ。理解できない、まったく」
「誤解しないでもらいたい。トリイはすごいプレーヤーさ。だから、あいつが複数年契約を獲るのは当然なことだよ」
「だけど、俺の今季の成績も、トリイの成績とほとんど変わらなかったんだぜ」
今季のふたりの打撃成績を比較してみよう。
| おらがスター |
打率.289 |
本塁打29本 |
打点94点 |
得点89点 |
| ジャック・ジョーンズ |
打率.300 |
本塁打27本 |
打点85点 |
得点94点 |
そして、今季までの通算成績は ―
| おらがスター |
打率.271 |
本塁打70本 |
打点267点 |
| ジャック・ジョーンズ |
打率.288 |
本塁打69本 |
打点254点 |
そして、ふたりとも27歳だ。
「こんなに成績が似通ってるのに、こんなに扱いが違うってのは、冗談を通り越してるぜ、まったく」
「俺がうけてる扱いを見てると、まるで、ウチに俺は必要とされてないみたいだな」
しかし、すたあ・とりびゅうん紙は、ハンターとジョーンズの違いを列挙している。
● ハンターは2年連続ゴールド・グラブを受賞した。だが、ジョーンズはまだ受賞していない。スローイングに難があると見られているそうだ。
● ハンターは年棒調停の資格取得が2回目となるが、ジョーンズはまだ取得していない。当然ながら、年棒調停に持ち込める選手の年棒は高騰することになる。したがって、おらがチーム・フロントとしては、ハンターの年棒高騰を抑えるためにも、ハンターと複数年契約を結ぶことが必要になってくる。
「ジャックがそんなことを言ってるんですか?」
と驚いたのはライアンGMだ。
「我々フロントが、すべての選手に複数年契約を提示しなければならない、というのは、いったいぜんたい、どういう基準に基づいて言っているのか、わたくしにはわかりません」
「トリイ(ハンター)にもジャックにも、我々は十分報いるつもりでおります」
「複数年契約なのか単年契約なのか、という違いは、まったく問題ではないはすです」
ジョーンズは言う。
「いいさ、今年は単年度契約しかしてくれなくても」
「俺は来季1年、せいいっぱいがんばる」
「ミネソタには、友達がいっぱいいるし、ね」
ちなみに、ジョーンズはカリフォルニアのサン・ディエゴ出身だ。
「だけど、その後は、俺を必要としてくれるチームに行くよ」
★ ★ ★
一見すると、このニュース、ジャック・ジョーンズの自己評価が高いことを示すニュースのように見える。
だが ―
おらがスターハンターの年棒は2億6千万円、一方のジョーンズは3400万円。
ジョーンズは、ハンターとのこの年棒の差2億円については、全然不平不満を語っていないのだ。
ほとんど同じ成績なのに。
今年からリードオフマンにすわって、打線の口火をきるリードオフ本塁打を11本も放ったのに。
彼が要求しているのは、ハンターに肩を並べる市場価値評価ではなく、複数年契約だ。
つまり、ジョーンズが求めているのは、市場価値なみの評価ではなく、安定なのだ。
グオードッドといい、このジョーンズといい、自信がなさすぎる、自己評価が低過ぎる― と思うのはわたくしだけなのだろうか?・・・
(彼らの自己評価が低いおかげで、おらがチームの年棒高騰が抑えられている、わけでもあるが)
No.284 あれれエエッ (その2) (02/12/26)
おらがチームのチーム年棒は、このままだと、今季の44億円から56億円へと跳ね上がってしまうそうだ。
チーム年棒を現状維持に抑え込みたいなら、高額年棒の選手を放出しなければならない。
いちばん手っ取りばやい方法は、チームいちの高給とりでエースのラドキー、それに、優勝請負人(のはず)のリード、このふたりの放出だ ― という、非常に物騒な記事を、すたあ・とりびゅうん紙は載せたことがあった。
どこが物騒なのか、というと、この二人を放出することは、マイハニーから西口と石井を放出するというに等しく、つまり、先発ローテーションの軸二人を放り出してしまうという、かなり過激なリストラなのである。
(「石井がレオの軸 ― やて?」)
(「たとえがわかりにくいス。ブレーブスのマダックスとグラヴィンをたとえにした方がいいんじゃないスか?」)
「そんな過激なリストラ、ありえねえ」と、みなさんはおっしゃるかもしれない。しかし ―
そう、おらがチームのオーナー(正確には、自称「暫定オーナー」)は、リストラ総本山アメリカにおいて、そのアメリカ人すらも息を呑むぐらいすさまじいリストラを得意技にしておられるポーラド翁87歳である。
過去にも、チームの投打の柱の選手たちを、チーム年棒削減のために次々に放出し、ワールド・シリーズを2回制した強豪おらがチームを短期間であっという間に廃墟と瓦礫のチームにしてのけたおかた、だ。
もし今季ストライキが勃発した場合、激怒した翁は、過去の大ナタを上回る凄惨なリストラを、ストライキ開け後にご披露なさるだろう、と、すたあ・とりびゅうん紙は書いていた。
御存知の通り、ストライキはすんでのところで回避されたのだが、(いや、本当は労使トップの間で「今回はストライキは絶対にやらない」という密約ができていたのかもしれないが) それでも、シーズン中股関節故障に泣いたラドキーと、「ヤンキースとトーミイのカモ」という醜態をさらしたうえに一番真価発揮を期待されたプレーオフでパッとしなかった「優勝請負人」リードのふたりは、「年棒に見合った働きができていない」という評価をポーラド翁に下されて、放出されるのではないか ― という憶測がされていたのである。
そのポーラド翁が、今月初め、またまた来季の構想を語った。自称「暫定」オーナーなのに。
しかも、今回の翁のコメントは、ミネソタのおらがチーム・ファンのみなさんを 「エーッ、ほんとにコレ、あのジジイのコメントかよ!?」と驚かせた。
「(44億円から56億円への高騰は)あまり望ましいことじゃない」
「こんなにあがると、球団所有者(つまり、ポーラド翁ご自身)のフトコロから、どんどん、どんどん、カネが出て行くことになるのじゃから」
「新球場の建設がならなければ、このチームは赤字垂れ流しのお荷物球団じゃ」
― と、ここまでは、いかにもポーラド翁らしいお言葉である。
身売りや解散を正当化するときにも、まったく同じお言葉をおっしゃった。
だが、―
「デビット・オルティス (闘魂DH) が来季もウチに居るか、は、わしにもわからん」
「じゃが、その他のメンバーは、ぜひ残ってもらいたいのじゃ」
すたあ・とりびゅうん紙の記者が、念のため、おそるおそるたずねた。
「その残留してほしいとおっしゃる選手たちには、リック・リード(優勝請負人でヤンキースとトーミイのカモ)も入っているのですか?」
「そうじゃ。現在のすばらしいチーム編成は、そのまま、そっくり維持しなければならん」
オイオイ。
「ワールド・シリーズに出るために必要ならば、赤字垂れ流しもやむをえんのじゃ」
(オマケ)
記者が話題を変えて、この自称「暫定オーナー」に、
「ツインズの身売り先は見つかりましたか?」
と尋ねると、
「わしの知る限り誰も手を挙げておらん」
という、謎の答え・珍答が返ってきたという。
メジャー史上初の黒人オーナーになるのが確実、のアラバマの大富豪で敏腕弁護士ワトキンス氏の件は、いったい、どうなったのだろうか?・・
No.283 ハンターが松井稼頭央におらがチームを売り込み (02/12/24)
日米野球で3戦連続敗戦し、負け越しのがけっぷちにたった米国選抜であったが、ジャック・ジョーンズとおらがスターハンターのふたりは、他のことに頭を占領されていたため、「日本に負け越しても別にいいや」とリラックスしていた、という。
「バーニー(・ウイリアムズ)の知恵をいろいろ盗みたくて、試合中は、ずっとバーニーの傍にいたんだ。おかげで、バーニーとたくさん話をすることができたよ」(ジャック・ジョーンズ)
「ボンズが、今年のオールスターの、俺の”キャッチ”の話を何度も持ち出すもんだから、その相手させられて忙しかった」(ハンター)
「ボンズが言うには、
お前が俺のホームランを捕ってなかったら、俺がMVP獲ってたんだ。
俺がMVP獲ってたら、俺の親父(ボビー・ボンズ氏)、俺の名付け親(ウィリー・メイズ氏)に続いてMVP獲得ってことになってたんだ。
つまり、一族(ふぁみりい)一同がMVP獲得ってことになったのに。
それを、お前が邪魔しやがった。
っていうんだ」(ハンター)
「俺は言い返したよ。
俺だって、家族(ふぁみりい)を養うために、オールスターでがんばんなくっちゃいけなかったんスよ
って」(ハンター)
長い引用をさせていただいたが、あまり面白くないダジャレの応酬である。
★ ★ ★
おらがチームの4人は、今回の来日まで、日本の打者について固定観念を抱いていたそうだ。
「イチローみたいに、こつこつ当ててくる、足の速い打者、ばかりなんじゃないか」(一同)
ところが、この固定観念は、松井秀喜の打撃練習やホームラン競争を見て、打ち砕かれたという。
「日本の選手にもいるんだなあ、ああいうパワーもってる奴が」(一同)
しかし、4人が強烈な印象を抱いた打者が、もうひとりいた。
マイハニーの核弾頭松井稼頭央である。
その華麗な守備には、2年連続ゴールドグラビストのおらがスターも「すげえ」と驚いたという。
だが、4人が息を呑んだのは、松井が同じ試合で左右両打席ホームランを放ったことだ。
「あれ見て思いましたねえ。メジャーでも凄いプレーヤーになるんじゃないか、って」(ピエルジンスキー)
松井が来年FAを取得することを知ったハンターは、自分が着ていたおらがチームのジャージを松井に贈ったという。
「どうして贈ったのか、だって?決まってるじゃないか」
「あいつがFAを獲ったときに、ウチのことを必ず思い出してもらうためさ」
非常に複雑な心境のわたくしとしては、何とコメントしたらいいのか、全くわからないところである。
No.282 トウキョウ・ナイトの不思議 (02/12/22)
最初にお断りしておくが、このタイトルから貴方が想像なさるほど、過激な話ではない。
★ ★ ★
去る日米野球に、おらがチームから4人もの選手が派遣されていった。
アメリカに帰ってきた彼らが、日本の印象や想い出について、すたあ・とりびゅうん紙に語っている。
それによると、4人とも、日本文化について、眼をひんむいて驚くことばかりだったそうだ。
「そんなことに驚いてどうする?こっちは、米国文化についてもっと驚かされたよ」というのが、わたくしの本音だが、とりあえず、彼らが日本の何に眼をひんむいて驚いたのか、を列挙すると ―
「新幹線に乗ってその弾丸みたいな速さに驚いたし、ウナギを食べたのも強烈に印象に残った」(一同)
「電化製品に眼がくらみました。おかげで、土産代に50万円も使っちまいました」(ロメロ)
「電動マッサージ・チェアに驚いたよ。すぐに買って、自宅に発送したね」(おらがスターハンター)
「ホテルのトイレの便器にたまげた。便座があったかくって、しかも、ビデがついてたんだよ」(一同)
「エクスタイン(エンゼルスの遊撃手)なんか、ビデをうまく使えなくって、顔にぶっかけちまったんだぜ、ガハハ。そのようすを、俺はちゃんとビデオ・カメラで録画したぜ」(おらがスターハンター)
日本の某紙で「大阪城に感銘を受けた」と語った、と報じられたピエルジンスキー。
だが、すたあ・とりびゅうん紙に彼が語ったのは、別のことだった。
「ハンターと一緒に、夜の東京に繰り出したんです」
奥さんのリサ夫人をホテルに置いてけぼりにしての夜遊びとは、なんとも豪胆な ― というのは余談だ。
「驚いたことに、午後10時よりも、午前2時の方が、通りを歩く人たちの数が多くなってたんです」
「それだけじゃなくて、午前2時に通りにいる人たちが、みんなスーツ着てたんですよ」
HOME BACK ARCHIVES (バックナンバー)